2020年08月07日
アバウト・タイム イギリス映画DVD
アバウト・タイム 愛おしい(いとおしい)時間について イギリス映画DVD 2013年公開
直訳は、『時間について』でいいのかどうかはわかりません。
SF恋愛映画ということで、出だし付近は、バックトゥザフューチャーを思い出します。青年が過去へ戻ります。
時間移動を何度も繰り返して、うまくいかなかった事象をうまくいったように修正していってということが、おもに恋愛体験を中心にして繰り返されます。うまくいきすぎるので、観ていてだんだんおもしろみがなくなってきました。このパターンがなんども繰り返されるのは退屈です。
はじめのほうのシーンを観ながら思ったことは、いつかは、主人公のティムはおじいさんになるし、ティムの初恋の相手シャーロットもいつかは、おばあさんになるということでした。
恋愛映画というよりも、男性の育児参加を奨励する子育てファミリー映画でした。父親と息子のストーリーです。
恋愛映画を観ていていつも疑問に思うのは、男女のお互いがどこに惹かれて(ひかれて)愛情をもつようになったのかが明瞭でないことが多いのです。見た目だけが、LOVEの理由であることが多い。
青年ティムのシャーロットに対する初恋はかなわず、ティムは、メアリーと結婚します。これから先、ずっと、この人といっしょにいられそうかどうかが、結婚するかしないかを決める判断基準です。
ティムの父親の兄であるデズモンドおじさんのセリフがおもしろい。ティムが親族にメアリーと結婚すると紹介した時に、「(メアリーがいるのにティムに向かって)だれと結婚するんだ?」メアリーがすでに妊娠していると紹介した時に、「(メアリーのおなかにいるこどもは)だれのこどもなんだ?」
レズとかゲイの話が出ましたが、意味がよくわかりませんでした。イギリス国内の英語の使い方でそういう表現になるようなことを言っていました。
もうひとつ、三人目のこどもが生まれると、過去への時間移動ができなくなる理屈もわかりませんでした。
良かったセリフなどとして、
「(ティムの母親のセリフとして)美人すぎる女はよくない」
「(結婚式が終わって妻が)もう結婚したんだね。これから、いろんな日があると思う」
「(あかちゃんが誕生して、夫のティムが)こどもをもつ喜びは想像を超えている。愛情と責任の重さを感じる」
「(主人公の妹キットカット(本名はキャサリン)の言葉として)わたしはおちこぼれ。どんな家族にもひとりはいるおちこぼれがわたし。(わたしは)ジョーと別れるべきだね。永遠に。お酒もやめる」
「優しい人イコール退屈な人とは限らない」
「理想の母ではないが、悪くはない」
ふたりの結婚式の当日の天気が暴風雨に近い状態で、なんでこんなに天気が悪いのと、すごく笑えました。なんだこりゃです。
予期せぬことが起きるのが人生のトラブルということで、交通事故が起こります。事件、事故、自然災害や病気などにぶつかるのが人生です。
劇中の登場人物では、アルコール依存症になったうえでの交通事故、喫煙によるがん発病があります。健康に留意して自己管理に努めましょう。
時間をさかのぼって過去へいける主人公のティムは、トラブルが起こるたんびに過去へ戻って修復作業にあたりますが、やりなおすことができないこともあります。
現実には、過去をやり直すことはできません。だけど、気持ちのもちかたしだいで、未来を変えることはできます。
その後、亡くなったティムのお父さんからのアドバイスです。
それは、幸せになるための秘訣です。
1 ふつうの生活をすること。
2 毎日を同じようにもう1回くりかえすこと。
父親と息子が卓球の試合をするシーンで、父親と息子の心の交流、愛情を表現しています。
ふだんのスローな日常が、幸せなこととして表現されています。詰めは甘いような気がするのですが、ほんわかしたいい映画でした。
締めの言葉は、「今日が最後の日だと思って生きている。今日という一日を楽しんでいる」
直訳は、『時間について』でいいのかどうかはわかりません。
SF恋愛映画ということで、出だし付近は、バックトゥザフューチャーを思い出します。青年が過去へ戻ります。
時間移動を何度も繰り返して、うまくいかなかった事象をうまくいったように修正していってということが、おもに恋愛体験を中心にして繰り返されます。うまくいきすぎるので、観ていてだんだんおもしろみがなくなってきました。このパターンがなんども繰り返されるのは退屈です。
はじめのほうのシーンを観ながら思ったことは、いつかは、主人公のティムはおじいさんになるし、ティムの初恋の相手シャーロットもいつかは、おばあさんになるということでした。
恋愛映画というよりも、男性の育児参加を奨励する子育てファミリー映画でした。父親と息子のストーリーです。
恋愛映画を観ていていつも疑問に思うのは、男女のお互いがどこに惹かれて(ひかれて)愛情をもつようになったのかが明瞭でないことが多いのです。見た目だけが、LOVEの理由であることが多い。
青年ティムのシャーロットに対する初恋はかなわず、ティムは、メアリーと結婚します。これから先、ずっと、この人といっしょにいられそうかどうかが、結婚するかしないかを決める判断基準です。
ティムの父親の兄であるデズモンドおじさんのセリフがおもしろい。ティムが親族にメアリーと結婚すると紹介した時に、「(メアリーがいるのにティムに向かって)だれと結婚するんだ?」メアリーがすでに妊娠していると紹介した時に、「(メアリーのおなかにいるこどもは)だれのこどもなんだ?」
レズとかゲイの話が出ましたが、意味がよくわかりませんでした。イギリス国内の英語の使い方でそういう表現になるようなことを言っていました。
もうひとつ、三人目のこどもが生まれると、過去への時間移動ができなくなる理屈もわかりませんでした。
良かったセリフなどとして、
「(ティムの母親のセリフとして)美人すぎる女はよくない」
「(結婚式が終わって妻が)もう結婚したんだね。これから、いろんな日があると思う」
「(あかちゃんが誕生して、夫のティムが)こどもをもつ喜びは想像を超えている。愛情と責任の重さを感じる」
「(主人公の妹キットカット(本名はキャサリン)の言葉として)わたしはおちこぼれ。どんな家族にもひとりはいるおちこぼれがわたし。(わたしは)ジョーと別れるべきだね。永遠に。お酒もやめる」
「優しい人イコール退屈な人とは限らない」
「理想の母ではないが、悪くはない」
ふたりの結婚式の当日の天気が暴風雨に近い状態で、なんでこんなに天気が悪いのと、すごく笑えました。なんだこりゃです。
予期せぬことが起きるのが人生のトラブルということで、交通事故が起こります。事件、事故、自然災害や病気などにぶつかるのが人生です。
劇中の登場人物では、アルコール依存症になったうえでの交通事故、喫煙によるがん発病があります。健康に留意して自己管理に努めましょう。
時間をさかのぼって過去へいける主人公のティムは、トラブルが起こるたんびに過去へ戻って修復作業にあたりますが、やりなおすことができないこともあります。
現実には、過去をやり直すことはできません。だけど、気持ちのもちかたしだいで、未来を変えることはできます。
その後、亡くなったティムのお父さんからのアドバイスです。
それは、幸せになるための秘訣です。
1 ふつうの生活をすること。
2 毎日を同じようにもう1回くりかえすこと。
父親と息子が卓球の試合をするシーンで、父親と息子の心の交流、愛情を表現しています。
ふだんのスローな日常が、幸せなこととして表現されています。詰めは甘いような気がするのですが、ほんわかしたいい映画でした。
締めの言葉は、「今日が最後の日だと思って生きている。今日という一日を楽しんでいる」
2020年08月06日
おおきくなるっていうことは 中川ひろたか
おおきくなるっていうことは 中川ひろたか・文 村上康成・絵 童心社
いいなあ。絵本のでだしです。『おおきくなるっていうことは ようふくが ちいさくなるってこと』
『成長』に関して、いろいろ書いてあります。
いままで、できなかったことが、できるようになるのです。
親の喜びと、こどもの嬉しさがあります。
やってもらっていたことを、じぶんでやれるようになるということ。
『にゅうえんおめでとう』の文字がおどっています。この絵本は、入園とか入学時にプレゼントできる絵本です。
おおきくなるっていうことは、じぶんの後輩ができるということ。
じぶんより、ちいさなひとに、やさしくするようにというアドバイスがあります。
やってみて、一回や二回、失敗したことがあっても、また挑戦することができるということ。
1999年第一刷の絵本ですから、この絵本を読んでもらった世代はもう成人して、もしかしたら、もうお子さんがいて、パパやママになっていて、やっぱりこの絵本をこどもさんに読み聞かせしている人もいるかもしれません。絵本は『時間(とき)』を超えて、世代間をつないでいく本です。
人間は人生の前半で、急速に変化していきます。
おとなになってからは、体の大きさ自体はそれほど変化しません。
そして、だんだん歳をとっていきます。
ちびっこだった体は、やがて、おじいさん、おばあさんになっていきます。
若いころはできていたことが、だんだんできなくなってきます。だれでもそうです。
だんだん、としをとって、また、ちびっこのからだのようにもどっていきます。
絵本の表紙に、『DAY BAY DAY』と英語で書いてあります。『人間は、一日、一日 おおきくなって、さいごはちいさくなって、もといた国へ戻っていくのです』
いいなあ。絵本のでだしです。『おおきくなるっていうことは ようふくが ちいさくなるってこと』
『成長』に関して、いろいろ書いてあります。
いままで、できなかったことが、できるようになるのです。
親の喜びと、こどもの嬉しさがあります。
やってもらっていたことを、じぶんでやれるようになるということ。
『にゅうえんおめでとう』の文字がおどっています。この絵本は、入園とか入学時にプレゼントできる絵本です。
おおきくなるっていうことは、じぶんの後輩ができるということ。
じぶんより、ちいさなひとに、やさしくするようにというアドバイスがあります。
やってみて、一回や二回、失敗したことがあっても、また挑戦することができるということ。
1999年第一刷の絵本ですから、この絵本を読んでもらった世代はもう成人して、もしかしたら、もうお子さんがいて、パパやママになっていて、やっぱりこの絵本をこどもさんに読み聞かせしている人もいるかもしれません。絵本は『時間(とき)』を超えて、世代間をつないでいく本です。
人間は人生の前半で、急速に変化していきます。
おとなになってからは、体の大きさ自体はそれほど変化しません。
そして、だんだん歳をとっていきます。
ちびっこだった体は、やがて、おじいさん、おばあさんになっていきます。
若いころはできていたことが、だんだんできなくなってきます。だれでもそうです。
だんだん、としをとって、また、ちびっこのからだのようにもどっていきます。
絵本の表紙に、『DAY BAY DAY』と英語で書いてあります。『人間は、一日、一日 おおきくなって、さいごはちいさくなって、もといた国へ戻っていくのです』
2020年08月05日
だるまちゃんとかみなりちゃん 加古里子
だるまちゃんとかみなりちゃん 加古里子(かこ・さとし)さく/え 福音館
こどもさん向けの絵本です。
あたまに小さなツノが出ている雲の上にいるというかみなりさんのこどもと赤いだるまさんという不思議な組み合わせのペアです。
1968年(昭和43年)初版です。手元の本には、2020年1月で第120刷とあります。
作者の加古里子さんは、2018年に92歳で亡くなっています。わたしが以前読んだのは、「からすのパン屋さん」でした。
(1回目の本読み)
おもに、文字を優先しながら読んでみます。
「だるまちゃん」は地上に住む人、「かみなりちゃん」は雲の上に住む人です。
空から浮き輪が落ちてきました。つづけて、かみなりちゃんも落ちてきました。どしん、がらがら、ぴかぴか、ごろごろです。
浮き輪が気の枝にひっかかっています。
だるまちゃんが、まるじ、じいじ(まごからみたおじいちゃん)のように、がんばって、ジャンプして、木にひっかかったかみなりちゃんの浮き輪をとろうとしますが、なかなかとれません。ふたちのようすは、おじいさんと孫のようです。
じいじのだるまちゃんは、傘をとばして、浮き輪にぶつけて浮き輪を落とそうとチャレンジしました。
ざんねーん。こんどは、かさもひっかかってしまいました。
かみなり雲ののったかみなりちゃんのおとーさん登場です。
まるで、浦島太郎のように、だるまちゃんは、かみなりさまの住む国へご招待されます。おもしろい。
楽しいものがたりでした。
(2回目の本読み)
こんどは、絵を中心にみながらページをめくってみます。
だるまちゃんが、せなかにかみなりちゃんをのせて、ぎっこんばったんをしています。ちいさいころ、そうやってきょうだいたちと遊んだっことを思い出しました。だるまちゃんとかみなりちゃんは、なかよしです。
こぢんまりとした絵なのですが、まずもっては、筆致(ひっち)と色合い、表情が優しい。そして、点としてはこぢんまりとしているのですが、無限の広がりがあります。
浮き輪は、まんまるではなく、ツノの部分があります。ツノがあるかみなりさまのこどものもつ浮き輪だからだとわかります。
11ページの絵がきれいです。ふたりの表情がしっかりしています。レインボー(虹)もきれい。
15ページの浮き輪がとれずにうまくいかなかったシーンへの展開がおもしろい。
18ページから19ページに広がる絵では、ひとつひとつの絵は小さいのですが、ここにも無限の広がりがあります。
20ページと21ページの絵は、『未来都市』です。続く22ページをめくって、和洋折衷(わようせっちゅう。日本風と西洋風の様式を両方取り入れる)昭和35年ぐらいから昭和45年ぐらいの夢があった時代が思い出されます。
こどもさん向けの絵本です。
あたまに小さなツノが出ている雲の上にいるというかみなりさんのこどもと赤いだるまさんという不思議な組み合わせのペアです。
1968年(昭和43年)初版です。手元の本には、2020年1月で第120刷とあります。
作者の加古里子さんは、2018年に92歳で亡くなっています。わたしが以前読んだのは、「からすのパン屋さん」でした。
(1回目の本読み)
おもに、文字を優先しながら読んでみます。
「だるまちゃん」は地上に住む人、「かみなりちゃん」は雲の上に住む人です。
空から浮き輪が落ちてきました。つづけて、かみなりちゃんも落ちてきました。どしん、がらがら、ぴかぴか、ごろごろです。
浮き輪が気の枝にひっかかっています。
だるまちゃんが、まるじ、じいじ(まごからみたおじいちゃん)のように、がんばって、ジャンプして、木にひっかかったかみなりちゃんの浮き輪をとろうとしますが、なかなかとれません。ふたちのようすは、おじいさんと孫のようです。
じいじのだるまちゃんは、傘をとばして、浮き輪にぶつけて浮き輪を落とそうとチャレンジしました。
ざんねーん。こんどは、かさもひっかかってしまいました。
かみなり雲ののったかみなりちゃんのおとーさん登場です。
まるで、浦島太郎のように、だるまちゃんは、かみなりさまの住む国へご招待されます。おもしろい。
楽しいものがたりでした。
(2回目の本読み)
こんどは、絵を中心にみながらページをめくってみます。
だるまちゃんが、せなかにかみなりちゃんをのせて、ぎっこんばったんをしています。ちいさいころ、そうやってきょうだいたちと遊んだっことを思い出しました。だるまちゃんとかみなりちゃんは、なかよしです。
こぢんまりとした絵なのですが、まずもっては、筆致(ひっち)と色合い、表情が優しい。そして、点としてはこぢんまりとしているのですが、無限の広がりがあります。
浮き輪は、まんまるではなく、ツノの部分があります。ツノがあるかみなりさまのこどものもつ浮き輪だからだとわかります。
11ページの絵がきれいです。ふたりの表情がしっかりしています。レインボー(虹)もきれい。
15ページの浮き輪がとれずにうまくいかなかったシーンへの展開がおもしろい。
18ページから19ページに広がる絵では、ひとつひとつの絵は小さいのですが、ここにも無限の広がりがあります。
20ページと21ページの絵は、『未来都市』です。続く22ページをめくって、和洋折衷(わようせっちゅう。日本風と西洋風の様式を両方取り入れる)昭和35年ぐらいから昭和45年ぐらいの夢があった時代が思い出されます。
2020年08月04日
ユダヤ人を救った動物園 英米合作映画DVD
ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命 英米合作映画DVD 2017年公開
1939年夏です。場所は、ポーランドにあるワルシャワ動物園です。1939年9月ドイツ軍ポーランド侵攻です。1945年5月、ドイツの無条件降伏まで戦争が続きます。
外国の動物園に行って見学をしているようないい気分で映像が始まりました。
上野動物園みたい。
次に、ギスギスした雰囲気のパーティ風景のシーンに移りました。なにかしらおかしい。この映画には、ついていけないかも。気取った感じがしました。また、つくりもののハプニングが起こるような予感がしました。
ゾウの出産シーン、ドイツ軍が来るというシーンに続いていきます。
1939年9月1日。空襲が始まりました。戦時下だと、人間の安全のために、動物園の動物は銃殺されるようです。その前に、価値のある希少動物は、ドイツ軍に奪われるように移送されます。
動物園は武器庫になる予定でしたが、園長夫婦の機転で、ドイツ軍に肉を供給するための養豚場に転換されます。されど、ドイツ軍にばれないように、ひそかに、ドイツ軍に迫害されるユダヤ人を逃がすための一時的滞在地として使用されます。
内容において、園長の奥さんアントニーナ・ジャビンスカと、ドイツ軍の動物学者ルーツ・ヘックとのあれこれが余計でした。
ユダヤ人の人権保障問題からはずれたようなお話です。
個人対個人のバトルになっていました。奥さんがあそこまでルーツ・ヘックにこびるシーンはいらなかった。いきすぎです。映画の尺(しゃく)をとる(時間で埋める)ためのつくり話ではないだろうか。
それから、ドイツ軍兵士によるレイプとかルーツ・ヘックによる奥さんに対するエロ行為とかが描かれていたのですが、観たくもないシーンでした。こちらも、つくりばなしっぽい。
はじめのうちは、ヒューマン(人間味のある)な真面目(まじめ)な映画だったのに残念です。せっかくロケ地の舞台や動物をそろえて、いい環境づくりができていたのに、がっかりしました。
映画では、ヒトラーの配下にある動物学者の彼ルーツ・ヘックの存在をはずして、ナチスドイツという組織と闘ったポーランド人組織という構図のほうが、イメージがよかった。そして、人間からは、『自由』を奪い取ることはできないことを強調してほしかった。
うさぎとこぶたちゃんが可愛かった。
よかったセリフとして、
「大切な親友だからユダヤ人をかくまう」という奥さんの発言に、だんなさんが、「見つかれば殺される。(だから)覚悟を決めて、周到な準備をする」
命のビザを発行した日本人外交官の杉浦千畝(すぎうら・ちうね)さんを思い出しました。
「(ユダヤ人強制収容区域のゲットーで)ここに安全はない。明日はどうなるかはわからない」「(ゲットーから動物園に脱出してきて)ここは、動物園なの。ここにいれば安全(地下室に隠れます)」「これから、夜行性の人間になる」
以前、「マルカの長い旅」という本を読んだことがあります。ゲットーで、ひとりぼっちで逃げ回って暮らした7歳のユダヤ人少女マルカの話で、実話であり、悲惨でした。
隠れ家として活用された動物園のおかげで、300人近いユダヤ人の命が助かったそうです。まずは、『生きていること』が大事です。
1939年夏です。場所は、ポーランドにあるワルシャワ動物園です。1939年9月ドイツ軍ポーランド侵攻です。1945年5月、ドイツの無条件降伏まで戦争が続きます。
外国の動物園に行って見学をしているようないい気分で映像が始まりました。
上野動物園みたい。
次に、ギスギスした雰囲気のパーティ風景のシーンに移りました。なにかしらおかしい。この映画には、ついていけないかも。気取った感じがしました。また、つくりもののハプニングが起こるような予感がしました。
ゾウの出産シーン、ドイツ軍が来るというシーンに続いていきます。
1939年9月1日。空襲が始まりました。戦時下だと、人間の安全のために、動物園の動物は銃殺されるようです。その前に、価値のある希少動物は、ドイツ軍に奪われるように移送されます。
動物園は武器庫になる予定でしたが、園長夫婦の機転で、ドイツ軍に肉を供給するための養豚場に転換されます。されど、ドイツ軍にばれないように、ひそかに、ドイツ軍に迫害されるユダヤ人を逃がすための一時的滞在地として使用されます。
内容において、園長の奥さんアントニーナ・ジャビンスカと、ドイツ軍の動物学者ルーツ・ヘックとのあれこれが余計でした。
ユダヤ人の人権保障問題からはずれたようなお話です。
個人対個人のバトルになっていました。奥さんがあそこまでルーツ・ヘックにこびるシーンはいらなかった。いきすぎです。映画の尺(しゃく)をとる(時間で埋める)ためのつくり話ではないだろうか。
それから、ドイツ軍兵士によるレイプとかルーツ・ヘックによる奥さんに対するエロ行為とかが描かれていたのですが、観たくもないシーンでした。こちらも、つくりばなしっぽい。
はじめのうちは、ヒューマン(人間味のある)な真面目(まじめ)な映画だったのに残念です。せっかくロケ地の舞台や動物をそろえて、いい環境づくりができていたのに、がっかりしました。
映画では、ヒトラーの配下にある動物学者の彼ルーツ・ヘックの存在をはずして、ナチスドイツという組織と闘ったポーランド人組織という構図のほうが、イメージがよかった。そして、人間からは、『自由』を奪い取ることはできないことを強調してほしかった。
うさぎとこぶたちゃんが可愛かった。
よかったセリフとして、
「大切な親友だからユダヤ人をかくまう」という奥さんの発言に、だんなさんが、「見つかれば殺される。(だから)覚悟を決めて、周到な準備をする」
命のビザを発行した日本人外交官の杉浦千畝(すぎうら・ちうね)さんを思い出しました。
「(ユダヤ人強制収容区域のゲットーで)ここに安全はない。明日はどうなるかはわからない」「(ゲットーから動物園に脱出してきて)ここは、動物園なの。ここにいれば安全(地下室に隠れます)」「これから、夜行性の人間になる」
以前、「マルカの長い旅」という本を読んだことがあります。ゲットーで、ひとりぼっちで逃げ回って暮らした7歳のユダヤ人少女マルカの話で、実話であり、悲惨でした。
隠れ家として活用された動物園のおかげで、300人近いユダヤ人の命が助かったそうです。まずは、『生きていること』が大事です。
2020年08月03日
コンティジョン 洋画DVD
コンティジョン 洋画DVD 2011年公開
新型ウィルス感染拡大の映画です。まるで、2020年の世界的流行を予言しているかのような内容で驚きました。
リアルに、現在の情勢と重なります。
タイトル「コンティジョン」の意味は、「接触感染、伝染病、病原体」です。
病原体の発生地は中国です。香港の空港から世界中に病原菌が広がって多数の死者が発生します。東京も死者が出ます。
当初、当局の「隠蔽(いんぺい)」があります。組織が自分の組織を守るために、都合の悪いことを隠します。感染は世界中に広がっていきます。
患者も医師も亡くなっていきます。
発病者と感染したかもしれない人を隔離することが叫ばれます。
緊迫感があります。
人間は、一日に2000~3000回、自分の顔をさわると説明があります。
アメリカ合衆国では、国から州知事への通報が提案されます。
学校は閉鎖されました。一人の人間から何人の人間に感染するかの計算が始まります。
まだ、病気の原因がわかりませんが、未知のウィルスが存在するということだけがおぼろげにわかります。
中国のコウモリとブタがからんでいることがわかります。
ウィルスは細胞の鍵穴に鍵のようにして結合する。感染後の死亡率は、20%と説明があります。
治療法もワクチンもまだみつかりません。ワクチン:感染病予防薬。ウィルスに対する抗体をつくる。
新型ウィルスは、軍事目的のバイオ兵器ではないだろうかという説が流れます。
新型ウィルスが「MEV-1 エムイーブイワン」と命名されました。WHOが、世界で、800万人以上が感染すると発表します。ちなみに、新型コロナウィルスは、2020年7月31日10:00現在、世界で、16,812,755人が感染しています。
物の買い占めが始まり、やがて、略奪、暴動へとひどくなっていきます。毛布もない。遺体袋もない。食糧不足におちいります。
ウィルスの変異の説明がありました。
アメリカ合衆国では、州境の封鎖が始まりました。
お金がらみの話もいろいろ出てきます。
解決の決め手は、やはりワクチン(予防薬)の開発です。
たいしたものです。2011年公開の映画が2020年の世界を予想していました。その正確さに驚かされました。
新型ウィルス感染拡大の映画です。まるで、2020年の世界的流行を予言しているかのような内容で驚きました。
リアルに、現在の情勢と重なります。
タイトル「コンティジョン」の意味は、「接触感染、伝染病、病原体」です。
病原体の発生地は中国です。香港の空港から世界中に病原菌が広がって多数の死者が発生します。東京も死者が出ます。
当初、当局の「隠蔽(いんぺい)」があります。組織が自分の組織を守るために、都合の悪いことを隠します。感染は世界中に広がっていきます。
患者も医師も亡くなっていきます。
発病者と感染したかもしれない人を隔離することが叫ばれます。
緊迫感があります。
人間は、一日に2000~3000回、自分の顔をさわると説明があります。
アメリカ合衆国では、国から州知事への通報が提案されます。
学校は閉鎖されました。一人の人間から何人の人間に感染するかの計算が始まります。
まだ、病気の原因がわかりませんが、未知のウィルスが存在するということだけがおぼろげにわかります。
中国のコウモリとブタがからんでいることがわかります。
ウィルスは細胞の鍵穴に鍵のようにして結合する。感染後の死亡率は、20%と説明があります。
治療法もワクチンもまだみつかりません。ワクチン:感染病予防薬。ウィルスに対する抗体をつくる。
新型ウィルスは、軍事目的のバイオ兵器ではないだろうかという説が流れます。
新型ウィルスが「MEV-1 エムイーブイワン」と命名されました。WHOが、世界で、800万人以上が感染すると発表します。ちなみに、新型コロナウィルスは、2020年7月31日10:00現在、世界で、16,812,755人が感染しています。
物の買い占めが始まり、やがて、略奪、暴動へとひどくなっていきます。毛布もない。遺体袋もない。食糧不足におちいります。
ウィルスの変異の説明がありました。
アメリカ合衆国では、州境の封鎖が始まりました。
お金がらみの話もいろいろ出てきます。
解決の決め手は、やはりワクチン(予防薬)の開発です。
たいしたものです。2011年公開の映画が2020年の世界を予想していました。その正確さに驚かされました。
2020年08月02日
おこだでませんように くすのきしげのり・作 石井聖岳・絵
おこだでませんように くすのきしげのり・作 石井聖岳(いしいきよたか)・絵 小学館
タイトルは、「おこられませんように」という意味で、登場人物となる小学一年生のやんちゃ坊主くんが、たなばたのたんざくに書いた願いごとです。
「おこだでませんように」の音の響きがユーモラスで、読み手の興味をひきつけます。
思い出してみると、昭和40年代ぐらいまでのこどもというのは、怒られるどころか、たたかれていました。家では、親にたたかれ、そして、きょうだいにたたかれ、学校では先生にたたかれ、さらに、けんかをするとクラスメートにもたたかれていました。そして、たたかれたらたたきかえすこともありました。体罰が容認されていた時代でした。けして、それが良かったとは思いません。まあ、親や祖父母の世代も子だくさんの社会のなかで、そのように鍛えられたのでしょう。いまは、こどもの数がへりました。まけてたまるかという人間力も弱くなっているかもしれません。
本の表紙で、主人公の「ぼく」の顔がこわい。目が大きくて、まゆ毛がつりあがって、どうみても怒っています。口は真一文字です。相手にけんかを売っています。
読んでいると、おこられるのは、なぜなのかがわかります。
「ぼく」は、イライラしています。なぜかというと、おかあさんをはじめとした、まわりの人たちからの愛情に飢えているからです。人は、人からやさしくされないと、人にやさしい人間になるのはむずかしい。
小学生低学年にみえる「ぼく」は、まだ幼稚園生ぐらいに見えるいもうとにあたりちらします。
いもうともかわいそうですが、じつは、「ぼく」もかわいそうなのです。
これは、こどもが読む絵本ではなく、親が読む絵本です。
相手がいやがることをするから、おとなから怒られます。
いわゆる迷惑行為があります。
らんぼうでもあります。
かまってほしいから、あいてがいやがることをするということはあります。
「ぼく」へのアドバイスです。
ほめる。おだてる。ごまをする。じぶんがいい思いをするために種をまきましょう。
なのに、おかあさんには、「きれいだね」といえばいいのに、「おこると、しわが、ふえるで」と言ってしまいます。
だから、「ぼく」は、おこられて、孤独になっていきます。
たなばたのたんざくにかいたおねがいごとのひらがなもじは、いちぶが、かがみ文字になっています。机の上に置いてあるけしごむも、ちぎれたような、けしごむです。ものは、ていねいにあつかいましょう。
それから、言いたいことがあったら、ちゃんと声に出して、相手に言いましょう。言わないと伝わりません。
さいごは、心があったかくなるいいお話でした。
思い出してみると、こどものころ、親にほめられたことがありません。
あのころの日本には、こどもは、ほめるものではないというような下向きの風潮がありました。
タイトルは、「おこられませんように」という意味で、登場人物となる小学一年生のやんちゃ坊主くんが、たなばたのたんざくに書いた願いごとです。
「おこだでませんように」の音の響きがユーモラスで、読み手の興味をひきつけます。
思い出してみると、昭和40年代ぐらいまでのこどもというのは、怒られるどころか、たたかれていました。家では、親にたたかれ、そして、きょうだいにたたかれ、学校では先生にたたかれ、さらに、けんかをするとクラスメートにもたたかれていました。そして、たたかれたらたたきかえすこともありました。体罰が容認されていた時代でした。けして、それが良かったとは思いません。まあ、親や祖父母の世代も子だくさんの社会のなかで、そのように鍛えられたのでしょう。いまは、こどもの数がへりました。まけてたまるかという人間力も弱くなっているかもしれません。
本の表紙で、主人公の「ぼく」の顔がこわい。目が大きくて、まゆ毛がつりあがって、どうみても怒っています。口は真一文字です。相手にけんかを売っています。
読んでいると、おこられるのは、なぜなのかがわかります。
「ぼく」は、イライラしています。なぜかというと、おかあさんをはじめとした、まわりの人たちからの愛情に飢えているからです。人は、人からやさしくされないと、人にやさしい人間になるのはむずかしい。
小学生低学年にみえる「ぼく」は、まだ幼稚園生ぐらいに見えるいもうとにあたりちらします。
いもうともかわいそうですが、じつは、「ぼく」もかわいそうなのです。
これは、こどもが読む絵本ではなく、親が読む絵本です。
相手がいやがることをするから、おとなから怒られます。
いわゆる迷惑行為があります。
らんぼうでもあります。
かまってほしいから、あいてがいやがることをするということはあります。
「ぼく」へのアドバイスです。
ほめる。おだてる。ごまをする。じぶんがいい思いをするために種をまきましょう。
なのに、おかあさんには、「きれいだね」といえばいいのに、「おこると、しわが、ふえるで」と言ってしまいます。
だから、「ぼく」は、おこられて、孤独になっていきます。
たなばたのたんざくにかいたおねがいごとのひらがなもじは、いちぶが、かがみ文字になっています。机の上に置いてあるけしごむも、ちぎれたような、けしごむです。ものは、ていねいにあつかいましょう。
それから、言いたいことがあったら、ちゃんと声に出して、相手に言いましょう。言わないと伝わりません。
さいごは、心があったかくなるいいお話でした。
思い出してみると、こどものころ、親にほめられたことがありません。
あのころの日本には、こどもは、ほめるものではないというような下向きの風潮がありました。