2019年03月18日

パンのずかん 大森裕子

パンのずかん 大森裕子 白泉社

 子どもさん向けの絵本です。
 以前、書店で見て、これいいなと思いつつ、今度買おうと。
 次にその書店に行ったらすでに売り切れていました。
 それから、数か月がたち、別の書店に行ったら、絵本関係のコンテストで7位になったとして置いてあったので、さっさと手にして買いました。
 パンが好きな親とか子どもさんにはとてもいいと思うのです。
 リアルな絵で、おいしそう。
 くまさんが案内してくれます。
 形から入ります。まずは、丸いパンから。あんぱんからスタートです。
 しかくい食パンです。これもまたおいしそう。
 次はねじのような、巻き巻きパンです。
 サクサクパン。クロワッサンは「みかづき」の意味とあります。知らなかった。
 揚げパン、蒸しパン。あんまん、にくまん、カレーパン、みんなが好きなパンです。
 ピザやナンもおいしい。コロッケパンにサンドイッチ、調理パンと呼ばれています。
 菓子パン。パンダやチンパンジーの形をしたパン。
 最後はパンのつくりかた。どうぶつたちみんなでつくります。
 ああ、おなかいっぱい。  

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2019年03月16日

ジャパン・ディグニティ 髙森美由紀

ジャパン・ディグニティ 髙森美由紀 産業編集センター

 タイトルの意味は、「漆・威厳」ととるようです。本の最初に「津軽漆」製品の写真があります。漆塗りのかんざしや下駄などがきれいです。
 60ページぐらいまで読んだところで感想を書き始めます。
主人公女性ミヤコ22歳がいて、スーパーのレジ打ちをしていましたが、不正をする客たちとのトラブルが多いようで、退職してしまいました。
 彼女には両親もいますが、お金のことでけんかして、母親は家を出て行ってしまいました。ただ、母親は、近所にはいるようです。離婚届の用紙は話のなかでみかけましたが、出したかどうかは今はわかりません。(あとで出したことがわかりました)
 主人公の妹は、戸籍上は男で、男だけど女として生き始めた高卒後、今は20歳です。名前は、ユウです。
 この家族はこれからどうやって、食べていくのだろう。
 父親は漆職人(津軽塗職人。塗師ぬし)ですが、それだけでは、食べていけません。なのに、お酒飲みです。

(つづく)

 津軽弁はところどころ意味をとれません。

 心に響いた部分として、「わたしはがんばることから降りた」、「承諾を得るのではなく報告」

 家族関係の設定は奇異ですが、内容はまじめです。粘り強く淡々と地味に生きる。
 書中にありますが、「機械で大量生産する均一で使いやすい商品が流通する」。本物を求める人の数は減ったのか。伝統を守る。継続する。そういうメッセージが強く伝わってくる作品です。
 文字数が少ないので、情景がくっきり浮かんでこない難点があります。
 漆塗り作品・製品の製作期間が3か月~半年を要するのは、小説の創作期間にも似ている。
 途中読んでいるとなんだかさびしくなってきました。家族がバラバラです。後半に向かうのに従って家族関係の修復が試みられますが、完全に元には戻れません。お父さんのせいなのか。

 調べた単語などととして、「初っ端:しょぱな」、「くろめ作業:漆に熱を加えて水分をとばす」、「一斗樽:18.039リットル」、「Netherlands:オランダ王国」、「Secretariat:事務局」  

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2019年03月15日

ヨーロッパ文化と日本文化 ルイス・フロイス

ヨーロッパ文化と日本文化 ルイス・フロイス 岩波文庫

 ポルトガル人宣教師ルイス・フロイス(1532年-1597年。35年間日本で暮らして65歳で長崎にて没)は、織田信長(1582年47歳没。フロイスとは、1569年、1581年に面会)や豊臣秀吉(1598年61歳没。フロイスとは1586年に面会)と会ったことがある人で、そのときのことを記録して残した人です。
 この本の内容は、所属するキリスト教会あてに1585年6月14日に今の長崎県においてまとめられたものであり、ヨーロッパ人と日本人の暮らしぶりを比較してあります。そして、それは、外国と日本のありようは正反対であるというような記述になっています。自分は、たとえ正反対であったとしても人間は生きていける。人間の生き方はいかようにでもなると受けとります。
 児童虐待の部分に興味が湧いて読みました。事柄は単純な箇条書きにしてあります。当時の日本人はこどもに暴力をふるうことはなかったと書いてあります。むしろ、大切に育てた。言うことをきかないときは、言い聞かせた。めったに手は出さなかったとあります。幼な子が短命であったこの時代ではこどもは貴重で大事な存在だったこともあるのでしょう。しつけと称して徹底的に弱い立場のこどもにしつこく暴力を振るったり育児放棄をしたりするニュースを見る昨今が嘆かわしい。
 
 驚かされることばかりです。現在の日本人のありようは、明治以降に、西洋化された気配があります。気に留めた記事の趣旨として、「ヨーロッパ人は瞳が大きい人を好む。日本人は細い目を美しいとする」、「ヨーロッパ人は、散歩を好む。日本人は全然散歩をしない。散歩をする外国人を不思議がる」、「ヨーロッパ人は家で入浴する。日本人は公衆浴場で入浴する」、「ヨーロッパでは女性の貞操が尊ばれる。(キリスト教の影響)日本人女性は純潔を重んじない。重んじなくても名誉は失わないし結婚もできる」、「ヨーロッパでは夫が前、妻が後ろを歩く。日本はその逆」、「日本の娘たちは両親にことわりもしないで一日でも幾日でもひとりで好きなところへ出かける」、「ヨーロッパでは女性が食事をつくる。日本では男性がつくる」、「ヨーロッパでは男性が裁縫をする。日本では女性がする」、「日本では女性が酒を飲み祭りの時には酔っぱらうまで飲む」、「日本ではすべての子どもが寺院で勉強する」、「デウス:ラテン語で神(ラテン語:インド・ヨーロッパ語のひとつ)」、「日本人は神に幸福、健康、長寿、富、勝利を祈り、仏に罪の許しと来世の救いを祈る」、「ヨーロッパでは、17世紀に入ってからフォークを使用するようになった。それまでは、手づかみで食べていた。日本人は16世紀にすでに箸を使用していた」、ことに日本人の料理や食事作法に関して言えば、400年前も今もあまり変わりがありません。「ヨーロッパでは、食事の後片付けは使用人がするが、日本では、貴人でも自分が食べたものは、自分で片付ける」、「ヨーロッパでは、部屋の掃除は雇われ人がやるが、日本では、貴人でも自分で掃除をする」

 調べた単語などとして、「佩びる剣:おびるけん。剣を腰に付けること」、「炉火:ろか。暗闇を照らす灯り」、「臀をまくる:しりをまくる」、「当時の日本の時計は水時計:水がしたたり落ちる時間の経過で時刻とする。砂時計の砂を水にしたようなもの」、「跪く:ひざまずく」、「噯:おくび。げっぷ」、「日葡事辞書:日本語をポルトガル語で解説した辞書。にっぽじしょ」

 キリスト教の宣教師ですから、仏教の坊主を攻撃する内容がみられます。されど、当時の坊主は利権を好み、性欲に乱れ、酒に溺れている。いくさのときの戦士というような記事になっています。織田信長が仏教を嫌った理由がここでわかります。

 病気・医者・薬の部分を読んでいるのですが、病気になると「死」が近い。あきらめてしまうしかないようです。  

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2019年03月13日

(再読)忘れられた日本人 宮本常一 岩波文庫

(再読)忘れられた日本人 宮本常一 岩波文庫

 必要があって再読です。
 日本人の昔の生活ぶりを記した民俗学の本です。
 宮本常一:1981年昭和56年73歳没。民俗学者
 昔の日本は、多数決を最終決定手段とする民主主義ではなく、全員一致を目標とする話し合い方式であったという部分が目を引きます。「村でとりきめをおこなう場合は、みんなの納得のいくまで何日でも話し合う」とあります。全員一致しなければ、変化はしないということです。
 取材場所は主に島を中心としながら各地を巡ります。長崎県対馬、愛知県佐久島、長野県諏訪地方、瀬戸内海の島々、愛知県の山奥、鹿児島県沖永良部島、四国の山奥、大阪府河内長野市、ことに島では、文化や生活の多様化が本土より遅れる傾向があったと察します。

 当時の農村、漁村で暮らす人間の生活が生き生きと記録されています。貧しい暮らし、食生活、小学校にも通えない、結婚したら60年間黙々と添い遂げる。そんな明治時代があります。そして、おおらかな性風俗があります。昔の人たちは人として生きていた。
 
 印象深い言葉などとして、「他人の非をあばくことは容易だが、あばいたあとのことを考えなければならないという主旨の言葉」、「人間三代の間にはかならず悪いことをしている」、「エロ話がいけないのではなく、エロ話をゆがめている何ものかがいけないのだ」、「おもしろいこともかなしいこともえっとありました」、「日本の村々をあるいてみると、若い頃に意外なほど奔放な旅を経験したことがある人が多い」、「無名に等しい人たちの紙碑(しひ。世に生まれた人たちの業績を描いた文章)」、「人類の進歩とはなんであろうか。退歩しつつあるものを進歩と誤解し、生きとし生けるものを絶滅に向かわしめつつあるものもあるのではないか」

 長老たちの話の内容は、きれいごとばかりではありませんが、読んでいると、人間はそんなものだと、気持ちが落ち着いてきます。どんな生活をしていても、人間は最後には死んでしまう。そんな、庶民の暮らしぶりです。山口県周防大島の小さな農村でのことが書いてあります。小学1年生のこどもが帰宅しないのです。テレビを買ってくれないからと親とけんかになったからです。村の人は山寺でこどもを見つけるのです。昨年スーパーボランティアのおじいさんが2歳児を発見したところであり場所の共通点に驚くのです。
 年寄りの言葉は文字のない文化で聞き語りなので、脚色や創作も入り混じるのでしょうが、おもしろい。

 著者は、子どもの頃の祖父との交流が、その後の人格形成に良い効果をあげています。

 調べた単語として、「楮:こうぞ。和紙の原料」、「救荒植物:きゅうこうしょくぶつ。飢饉のときに食料になる食べ物。彼岸花、煮て、毒を抜いて、餅にする」

 生き生きと書いてある歴史上の出来事として、「西南戦争(1877年明治10年)」、「シーメンス事件(1914年大正3年ドイツ人から日本人へのわいろ。戦争用商品)、「日露戦争1904年-1905年明治37年-38年(この10年前に日清戦争)」、「鳥羽・伏見の戦い(1868年慶応4年)」、「中馬(ちゅうま。馬で目的地まで通しで送る。伝馬が、荷物を積みかえる)

2012年8月1日の読書感想
忘れられた日本人 宮本常一 岩波文庫
 淡々と読み続けて、さきほどガソリンスタンドで読み終えました。(2019年の今はセルフのスタンドばかりになりました)
 民俗学者で、小学校の先生だったそうです。昭和56年に亡くなっていますが、本のほうは48刷まで発行され続けています。もう60年ぐらい前の日本各地の生活について、古老から聞いた話が綴られています。
 地域の決め事は全員が賛成するまで延々と何日もかけて話し合われるとか、こどもをもらったりもらわれたりとか、おおらかな男女の関係とか。興味深いものです。現代人が知らない日本人のかつての姿があります。
 進歩の影で、退化していくものがある。退化によって、人間という生物は滅んでいく。現代人に対する警告でしょう。  

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2019年03月09日

萩原朔太郎詩集

萩原朔太郎詩集 新潮文庫

 詩人。1886年-1942年(明治19年-昭和17年)55歳没
 本人のコメントを解釈すると、「詩とは、積極的に感情を表に出すこと」「主観の訴え」「成長はないけれど、変化はある。進歩はない」

「月に吠える」
 表現するのは「孤独」です。人はひとりでは、いつも永久に恐ろしい孤独であるとあります。人は単位で生まれて、単位で死んでいくともあります。自分自身の影を地上に釘づけにしたいとあり、そのような表現はなかなかできません。
 初版が大正6年ですから、1917年ですからもう102年も前です。調べた言葉として、「エポック:新時代」、「重さ五匁:もんめ。3.75g×5=19g」、「桃李:とうり。ももとすもも。優れた門下生」
 詩「竹」はすがすがしい。まっすぐのびているのが、竹です。さびしい地面の底から竹がのびているのです。
 5月の朝の新緑と薫風が生活を貴族にするとあります。暖かい日にする布団干しの幸福感を思い出します。
 読んでいると気持ちが落ち着きます。

「青猫」
 「月の吠える」ほどは好みではありません。心に響いてきません。
 理屈っぽくて堅苦しいのは、広がりがなくなります。
 軍隊、戦争の影があります。

「純情小曲集」
 フランスに行きたいけれどもフランスは遠いからいけないというような記述で、読んでいて心が落ち着く言葉表現です。
 「帰郷」は、昭和4年という記事があり、時代を感じさせます。

「散文詩」
 田舎暮らしの分析は当時のこととして的確です。未来の今読むと変化しています。世の習いの通りには人は生活しなくなりました。婚姻、出産、葬式の形態は変わりましたし、昔の慣例どおりにしない人も増えました。
 
 全体をとおしてですが、詩には緊張感があります。自分を追い込むような雰囲気もあります。
 「解説」を読むと、本人の境遇は、詩の内容とは違って、生家が裕福で、気持ちのおもむくままに遊惰放逸(ゆうだほういつ。仕事をしないでぶらぶら、勝手気ままに遊びほうけていた)とあります。それでも思春期の頃の本人は孤独な思いにどっぷりつかっていたのでしょう。
 「月に吠える」は大正6年の作品です。明治に育ち、大正で独創性を確立し、昭和で大成した人とあります。その解説が書かれたのも昭和25年のことであり、もう70年ぐらい前のことです。人生は長くて遠い。  

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2019年03月07日

つくえはつくえ 五味太郎

つくえはつくえ 五味太郎 偕成社

 このつくえの本はおもしろい。
 ひとめで気に入りました。
 つくえがせまいので、ひろくておおきなつくえをつくります。
 でも、ひろすぎます。おおきすぎます。
 だけど、つくえはやがて、せまくなります。
 とっても、せまくなります。
 迫力満点でした。  

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