パンダともだちたいそう いりやまさとし 講談社

3冊のシリーズものです。最初「だるまさんが…」シリーズのパンダ版かと思って手に取りましたが、違っていました。

「パンダともだちたいそう」
 おにぎり。そういうことか。
 パンダが1頭ずつ増加しながら、形態模写です。ただ、ちょっと無理あり。
 だるまには見えない。
 よく考えてあります。
 こどもにうけるかどうか、お正月にためしてみます。

「パンダなりきりたいそう」
 まず「なりきり」の意味をこどもに説明が必要になりそうです。
 さきほどの「ともだちたいそう」よりもこちらのほうが楽しい。
 ロケットの部分が好きです。
 最後も良かった。
 愛情があります。
 パンダがあるなら、コアラもあるといいのに。
 3冊のうちで、これが一番いい。

「パンダおやこたいそう」
 2歳の子に、「たけのこ」ってわかるかなー
 さくらんぼと花火は、発想が豊かです。  

Posted by 熊太郎 at 06:09Comments(0)TrackBack(0)読書感想文
ぺんぎんたいそう 齋藤槙(さいとう・まき 女性) 福音館書店

 読み始めて、楽しい。ぺんぎんが ラジオ体操をしているような雰囲気です。
 2歳児ぐらいが喜びそう。
 背景が黄色で、ぺんぎんが一頭だけで、シンプルで見やすい。
 ぺんぎんが、幼児に見えます。
  

Posted by 熊太郎 at 05:53Comments(0)TrackBack(0)読書感想文
あしにょきにょき 深見春夫 岩崎書店

「あしにょきにょき」
 1980年発行で、37刷を数える絵本のロングセラーです。
 主役は、ポコおじさんの左足で、訪問販売で買った大きなそらまめを食べたら、左足だけが、びゅーんと伸びていくのです。ジャックと豆の木の逆パターンです。
 絵は明るくてきれい。読み聞かせは、「にょきにょき」「びよーん」
 足伸びをとめてくれたのが、小さな女の子
 今度はどんどん左足が短くなっていきます。

「あしにょきにょきにょき」
 にょきが1個増えて、2015年発行です。
 個人的には、表紙カバーにおすもうさんがいることが好みです。
 今度は、そらまめが空から落下してきます。
 豪快、かつ、スピーディに左足が伸びていきます。
 なんと、反対方向からも別の右足が伸びてきました。(ここで、右足もポコおじさんの足じゃないかとふとおもう)
 そして、足のうらと足のうらの戦いになりました。
 奇想天外です。  

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変わったタイプ トム・ハンクス 小川高義訳 新潮クレストブックス

 名作映画に何本も出演した方がどんな小説を書くのか楽しみになって読み始めました。
 17本の短編集です。
 小さな日常を小さくも深く記述する方式のようです。

「へとへとの三週間」
 女性の名前はアンナ。男性は「僕」。ふたりは恋人ではないけれどボーイフレンド、ガールフレンド。
 読み始めてしばらく、映画の世界にひたる感じがします。
 女性の指導のもと、「僕」は、ジョギングすること、エクササイズすること、女性となにすることを連日続けていきます。男性は女性の装飾品みたいです。
 女性は仲間みんなで、南極へ行くと言い出します。
 「僕」の一人称で深刻そうな記述が続きます。
 「僕」はアンナの言いなりになっていた。
 恋愛していない。
 女は男の調教師だった。
 読み終えて、地球が小さく感じる文章でした。

「クリスマス・イヴ、 1953年」
 平凡な家庭のあったかい雰囲気のクリスマス・イヴを表しているのかと思いながら読んでいると、第二次成果対戦ノルマンディー上陸作戦の厳しい戦闘風景に一変します。心にしみる作品でした。
 映像を観ているような記述で脚本に近い。
 調べた言葉として、「プラテン:タイプライターの紙をかけるローラー」、「轟然:ごうぜん。大きな音がとどろく」、「アントワープ:ベルギーにある都市」、「喚く:わめく」
 ファミリーのイブ風景を読んでいて、自分が、車のトランクにプレゼントを隠していて、イブの前に子どもに見つかってしまったことを思い出しました。

「光の街のジャンケット」
 光の街は観覧車からながめる夜のパリの街並みで、ジャンケットは映画の宣伝旅行です。有名俳優の過密スケジュールはすごい。気が変になりそうです。
 話題の大作映画に出た男。自分を模しているのでしょう。ただし、売れない男優という設定です。チームで、ヨーロッパ、USAを宣伝で回ります。
 調べた言葉として、「グルーミング:髪、ひげ、体をきれいにすること。猫の毛づくろい」
 ちょっとしたトラブルがあってひとりの自由な時間ができます。幻想的で、映画のようです。

「ハンク・フィセイの「わが町トゥデイ」-印刷室の言えない噂」
 新聞記事形式の作品です。紙による新聞紙と電子による新聞の比較があり、作者は紙にこだわりがあります。わざと電子のほうは誤変換、誤植にしてあります。作者はこの本全体にタイプライラ―への愛着を記しています。
 調べた言葉として、「AP通信:アメリカ合衆国の大手通信社」、「コンチネンタル製のタイプライター:ドイツの会社のタイプライター」

「ようこそ、マーズへ」
 マーズというのは場所のことで、サーフィンをする海岸です。
 5人家族ですが、いさかいがあったらしく、今は、オヤジと19歳の息子のふたり暮らしらしい。母と娘ふたりの女3人は家を出たようです。
 オヤジと息子は、マーズへサーフィンをしに行きます。今度はそのふたりに別離の気配があります。味わいがありました。

「グリーン通りの1カ月」
 外国作品なので、一度読んだだけではピンとこないところもあります。とくに人の名前。一度全体を読んでから、最初に戻って、メモをしながら再読をしています。
 夫が浮気して、離婚して、3人のちびっ子をかかえて生活するママです。市井(しせい。庶民)の暮らしを描写します。
 子どもたちはたくましい。父親はいらない。家族について考えます。とくに、血縁関係のない夫と妻。そして、相方との継続性。
 部分月食、天体望遠鏡、夜空の話し。天体をとおして「時間」という空間を感じられる作品です。
 小道具をいっぱい羅列する記述方式です。iPad、ソーラーパネル、ハンモック。
 調べた単語として、「ナノ秒:10億分の1秒」、「閃いて:ひらめいて」、「アプリコットの木:杏あんず」

「アラン・ビーン、ほか四名」
 空想宇宙旅行、月旅行のお話しです。アポロ13に出演したから書いたのだと思います。
 ふと思う、人類は本当に月面上にいたのだろうかと。
 調べた言葉として、「ルビコン川を渡る:もう後戻りはできないという覚悟で行動を起こす」
 この作品はあまりおもしろくありませんでした。

「ハンク・フィセイのわが町トゥデイ」
 新聞記事形式の短文です。ニューヨークの風景が生き生きと文章で表現されています。雰囲気がよく伝わってきます。才能を感じます。

「配役はだれだ」
 映画人だから書ける内容です。アリゾナの田舎から出てきて、ルームシェアをしながら、女優を目指している女性は、ニューヨークに来て失望しています。オーディションを何度受けても落選です。資金も尽きてきました。
 不潔で、雑然としていて、変人がいるニューヨークです。ひとごみがあります。
 恩人と出会い、履歴書づくりです。
 気に入った表現として、「舞台に立てればそれでよい」、「ニューヨークを描いた映画は嘘だらけ」、「ニューヨークに出たんだからもう立派な親不孝」
 ここにも、タイプライターへのこだわりがあります。
 調べた言葉として、「踵をかえす:きびすをかえす。引き返す。踵はかかと」、「アリゾナ:人口630万ぐらいで国の左のほう。グランドキャニオンあり」、「タイプライターのマージンとタブ:マージンは左右の余白、タブは、文字をあらかじめ設定した任意のところに位置させるキー」、「オレオを食べる:サンドイッチ状のクッキー」

「特別な週末」
 離婚した両親をもつ10歳の男の子の日常にワンスポットの照明を当てたお話です。男の子は実父に引き取られて、実父再婚後の義母と義母の連れ子と生活しています。そして、面会の機会があるのか、今日は、実母と実母の彼氏と過ごす時間があるのです。
 時は、1970年で、日本では、昭和45年です。どうもこれはトムハンクス自身の生い立ちの話です。事実そのものではなく変化はさせてあると思います。
 共働きの実母である母親のつらさが伝わってきました。
 ベトナム戦争の影もあります。
 10歳の子どもが夢をみた内容のような作品です。別れた実母との面会は、その時は楽しいが、時間が過ぎて、さよならすると淋しくなる。
 調べたことなどとして、「サクラメント:人口50万人、太平洋側カルフォルニア州」、「ディスペンサー:飲み物を定量で出す装置」

「心の中で思うこと」
 中古のタイプライターを5ドルで買った女性がいます。でも、そのタイプライターの調子が悪い。修理してもらおうとタイプライター屋に行ったら、それは、タイプライターではなく、タイプライターのおもちゃであることがわかります。女性は代わりに本物の中古のタイプライターを購入します。店主の「物は使うものだ」という趣旨の言葉がいい。読みながら、もう40年ぐらい前に、自分自身仕事で和文タイプライターを毎日打っていたことを思い出しました。
 調べた事柄として、「ポッドキャスト:インターネット上の動画・音声」、「ヘルメス2000:タイプライターの機種」、「筺体:きょうたい。機器類を入れる箱」

「ハンク・フィセイの「わが町トゥデイ」」
 記者の妻の実家への里帰りから始まり、タイプライターをタイムマシンとしながら、過去から現在までを表現してあります。前作と雰囲気が似ています。

「過去は大事なもの」
 現代に存在する男性がタイムマシンで過去への旅を繰り返すうち、過去に存在する26歳の女性に恋をする物語です。
 ただ、わたしには合わない物語でした。
 映像を観るようでした。
 調べた言葉として、「ライラック:紫、白色の花をつける落葉樹」、「アルゴリズム:計算手順、処理手順」、「ヘーゼル色:瞳の色。淡い褐色」、「

「どうぞお泊りを」
 映画の脚本形式の作品です。
 時代旅行的なもので、あまりピンとこないまま読んでいきましたが、最後は感動的でした。非日常的です。
 調べた言葉として、「ピラティス:胸式呼吸のストレッチ運動」、「グリドルケーキ:ホットケーキ」、「ハンク・スノウの「どこへでも行ってやろう」:アメリカ合衆国カントリーソング」

「コスタスに会え」
 アメリカ合衆国に船で不法入国するブルガリア人移民について書いてあります。今のアメリカ合衆国政権とは考えが違います。アメリカ合衆国国民は、多民族であることを肯定する内容です。
 ブルガリアは貧しい国という意外な発見をしました。
 ここにもタイプライターが出てきます。
 難民なのか、避難経路での出来事や密航は過酷で悲惨です。自分が難民なら他国に助けてほしいし、受け入れ側の国民なら受け入れたくないというのが人間の正直なところでしょう。
 複雑な人間心理があります。ここが、アメリカ合衆国、これがアメリカ合衆国、しかし今、政権はテロ対策を理由に難民を排除しようとしています。
 調べた言葉として、「ジブラルタル海峡:ヨーロッパとアフリカの間にある海峡」、「ドラクマ紙幣:ギリシャ紙幣」

「ハンク・フィセイの「わが町トゥデイ」」
 コーヒーのお話です。作者はアナログが好きです。タイプライターが好きなのは、過去の温かい雰囲気が好きだからと考えます。不便でもぬくもりがあればいい。
 調べた言葉として、「バリスタ:コーヒーをいれる職業」、「フレーバー:香料」

「スティーブ・ウォンはパーフェクト」
 ボーリングの連続パーフェクトゲームを成し遂げるのがスティーブ・ウォンという若者です。読んでいると、洋画「フォレスト・ガンプ」を思い出します。
 この本でよく使われる言葉として「ナノ秒:10億分の1秒」
 他の話も含めて、中間部分ではほわーっとしていて、なんだかわからないのですが、最後の締めはきちっと締めてあります。この話の最後も予想できませんでした。

 秋の夜長を読書で楽しめた1冊でした。  

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2018年11月27日

遮光 中村文則

遮光 中村文則 新潮文庫

 「遮光:しゃこう。光をさえぎること」
 37ページまで読んだところで感想を書き始めます。
 登場人物主人公は「私」でまだ、氏名はわかりません。もしかしたら最後までわからないのかもしれません。そのほかの登場人物も苗字はわかりません。「郁美」「美紀」「健治」「恵美」「シンジ」「サキ」、苗字がないと実態把握がゆるくなります。
 手のひらサイズの「瓶」にこだわりがあります。「瓶」に直射日光を当ててはいけないようです。だから、「遮光」です。薬瓶を想像します。
 近距離タクシーの利用言い訳「出産」は嘘です。
 冒頭から才能を感じさせる文脈が続きます。
 汚れてただれた世界が近い。
 死の臭いがします。
 不穏な空気、そして、状況がわかりません。
 ポールマッカートニーが歌うレット・イット・ビー(ちょうどここを読んでいる今、来日公演しています)
 話は、風俗の方向へ舵を切りました。
 「私」には、多重人格の気配があります。
 やはり、ひとりは、死んでいます。

(つづく)

 暴力が登場します。
 誠実さがない。もう読むのをやめようか。
 瓶の中身が判明しました。
 
 記述中の言葉に共感します。「そんなことをしてなんになるのか」

 一個の人間の実体を理解することはむずかしい。むしろ、理解することは不可能です。

 73ページ付近は、スリリング(はらはら、どきどき)です。

 人間の真実をとらえています。本人ですら、自分のヘン(変)なところに気づいていない。自覚がありません。

 主人公「私」の性格は、書中の言葉を借りると「気持ち悪い」、「ぐちゃぐちゃ」

 平成16年単行本の刊行、平成23年文庫の発行で、平成30年12刷。この物語を必要としている人がいます。

(つづく)

 読み終えました。事実ではない「妄想」の世界と思いたい。
 たとえば、無差別大量殺人事件の加害者犯人の動機、思考を表すような内容でした。
 
 密かに持ち歩く瓶の中身が、「イモ虫」に見えるということは意外な展開でした。

 幼児期に両親と死に別れる。複数の代理両親のもとで育つ。そのせいか心理がゆがむ。

 捨てたいけれど捨てられない。向田邦子作思い出トランプのなかの短編のひとつにそういうものがありました。捨てられないものは、たしか、オウムの死骸だったかです。

 恋人の死を肯定したくない。死を受け入れたくない。

 印象に残った表現の趣旨などとして、「朝陽の光が苦手(ドラキュラか)」「私は最初から存在したくなかった」

 調べた言葉として、「微かな:かすかな」、多用される言葉として「酷く:ひどく」  

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2018年11月23日

宰相A 田中慎弥

宰相A 田中慎弥 新潮文庫

 「宰相:さいしょう。総理大臣。首相」
 小説家がネタ切れで、ネタを求めて、亡き母親の墓参りに行くと、時空間が変化して、見知らぬ世界に入り込んでしまうという導入部です。
 小説家の仕事は小説を書くこと。
 自分と顔がそっくりな元首相がいた。
 自分は旧日本人で、この世界に居るのは新日本人。
 旧ソ連の体制を思い浮かべました。芸術家を同じ団地に囲う。
 職業ごとの居住区がある。

 半分ぐらい、100ページあたりまで読みました。
 よくわからないことが多い。巻末の解説を読みました。よくわかりました。
 笑いとか、ユーモアはない小説です。

 この国の人はナショナル・パスを持っている。未来予想小説の面もありますし、過去を現在に置き換える要素もありますし、不思議な立ち位置の国です。
 日本人は、「制服」と「給料」で心理が落ち着き、多数の中のひとりでいることで安心する。日本人気質です。また、母に帰属する意識がある。制服代は、税金とか保険料とも読み取れます。

 Tは作者の投影だし、TはAでもJでもない。でも、TとJは類似している。このあたり巻末の解説を読んで理解しました。
 聖書とかキリスト教的でもあります。
 Aの局部がでかいのはどういう意味だろう。
 三島由紀夫氏のことがときおり顔を出します。

(つづく)

 読み終えました。
 洋画ゴッドファーザーの話がときおり出てきます。

 狭く、圧迫感のある世界から脱出するために『小説を書こう』という強い意志を感じましたが、真偽のほどは把握できまません。
 私にはむずかしい物語でした。

 印象に残った部分などとして、「私が母になる」、「私はただ母の墓参りをして小説を書きたいだけ」

 調べた言葉などとして、「陋習:ろうしゅう。いやしい習慣」、「目を瞑る:目をつむる。読めませんでした」、「カフカの城:測量士がいつまでたっても城に入れない」、「倣う:ならう。同じ動作をする」、「教父:きょうふ。教会の父。古代の著作家」  

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