2020年03月31日

不思議の国のアリス ルイス・キャロル

不思議の国のアリス ルイス・キャロル 佐野真奈美 訳 ポプラポケット文庫

 有名なお話ですがしっかり読んだことがありません。
 1865年、日本は江戸時代末期の作品ですから、原語訳をそのまま読んでも現代人にはわかりにくいような気がします。

 アリスは、白いうさぎを追いかけて、生垣の下にある大きな巣穴に入っていきました。アリスは、地球の中心方向へ向かって穴の中を落ちていきます。穴の底についたアリスはなにかを飲んで身長が30センチぐらいに縮みました。次にケーキを食べて、身長が3メートルぐらいになりました。そのあとせんすであおぐとまた小さく縮みます。
 『ぜんぜんびっくり』という言葉があります。書中では間違った言葉遣いとして記事がありますが、現在では間違いではなくなりました。昔は否定するときに使う『ぜんぜん』でした。どうもこの物語では、そういった言葉ネタがあるようで、日本人には理解しにくい面があるような気がします。

 エイダ:髪が長くてカールしている。
 メイベル:物知りではない。
 ダイナ:アリスの家の飼いネコ。おとなしくてかわいい。ねずみや鳥をつかまえることが上手
 メアリー・アン:女中
 侯爵夫人
 女王さま
 パッド:ウサギのしもべ
 ビル:トカゲ。ウサギのしもべ
  
 ネズミとの出会いがあります。議員総会としてほかにも、アリスを囲む動物たちとして、インコ、ドードー鳥、白ウサギ(落とし物として、せんすと白い皮の手ぶくろ)、トカゲ(名前はビル)、カモ、ワシの子、モルモット、子犬、アオムシ、ハト、人間の赤ちゃん(ブタになったらしい)、チェーシャーネコ

 アリス本人は、自分の体が伸び縮みしたり、自分の首がろくろっくびみたいにのびる状態を、自分が、おとぎ話の世界に入り込んでしまっていると考えます。

 演劇の台本を読んでいるみたいです。

 ウサギって、けっこう怖い感じがして意外でした。

 調べたこととして、クロッケー:ゲートボールみたいな競技

 気に入ったセリフとして、チェーシャーネコの「ぼうし屋も三月ウサギもどっちもいかれてる」

 だじゃれとか言葉遊びがあるようです。日本語だとわかりません。

 お茶会が始まります。三月ウサギとぼうし屋(男性の人間の姿)と動物のヤマネがいます。
 記憶に残った表現の言葉として、ぼうし屋の言葉として、「こやつは時間をぺしゃんこのつぶしている(ヤマネがそうしている)。それ以来、時間は願いを聞いてくれなくなった。いまではずっと6時のままだ」、「先生は年をとった海ガメ」

 女王さまがいるところのお庭にはトランプカードがいます。
 ハリネズミも出てきました。
 いろんな動物が登場します。にせ海ガメ、陸ガメ、フラミンゴ、グリフォン(ワシの頭と翼、ライオンの体をした架空の動物)、イカ、ロブスター、アザラシ、サケ、タラ、イルカ、フクロウ、パンサー(ヒョウ、ピューマ)

 調べた言葉として、「カモミール:キク科のお花、いい香りがする」、「からし:本の中では、鉱物でしたよねと話が出ます。その後、野菜とアリスが言います。香辛料になる植物です」、「シロップ:濃厚な糖液」

 トランプの王さまが裁判官、女王さまがいて、陪審員がいます。法廷風景があります。タルト(洋菓子、焼き菓子)を盗んだものがいるらしい。
 やりとりの内容は読んでいてもよくわかりません。150年ぐらい前の作品ですからその当時の感覚ではおもしろい言い回しだったのでしょう。
 
 そうか。お昼寝だったのか。アリスはお姉さんに起こされました。なんだか、安心しました。

 巻末にあった文庫創設の言葉に印象深い文節がありました。2005年10月の記事です。「若者が本を読まない国に未来はないと言います」日本はだいじょうぶだろうか。  

Posted by 熊太郎 at 06:52Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2020年03月30日

ドラゴンボール DRAGON BALL 鳥山明

ドラゴンボール DRAGON BALL 鳥山明 集英社

 人気マンガです。初版が1985年で、そのころわたしはすでにおとなだったので、このマンガを読んだことがありません。今回、まず第一巻を読んでみました。中学生を中心とした少年向けのマンガだと感じました。ちょっとすけべなところが特徴で、ギャグっぽいところもおもしろい。予測ができないキャラクターの反応が楽しめます。奇想天外な冒険活劇です。明るくエロい。ファンが多い理由がわかります。
 (二巻まで読んで理解したこと:七つのドラゴンボールを集めると神龍が出てきて夢をひとつかなえてくれる。夢がかなったあと、七つのドラゴンボールは各地へ飛び散る。その後は、1年経過すると再び同様のパターンで夢がかなう)

「巻一 孫悟空と仲間たち」
 中国の物語「西遊記」がベースになっていて、そこに、アラジン、そして、ウルトラマンとかウルトラセブン、ドラえもんなどのパターンが重なります。
 七つのドラゴンボールを集めて呪文を唱えると龍が現れて願い事をひとつかなえてくれる。ドラゴンボールは、ドラゴンレーダーで探す。
 主人公が、「孫悟空:しっぽがある妖怪でしょう。14才。亡くなった育ての親が『孫悟飯』、武術の師匠が『亀仙人』」、孫悟空の仲間が、「ブルマ:16才女子。学校が夏休み中の30日間のうちに七つのドラゴンボールを集めるつもり」、もうひとりの仲間が、「ウーロン:ぶたさん。孫悟空のはっかいのポジション」、この巻で対立相手の立場にあるのが、ヤムチャ(青年)とプーアール(猫みたいな妖怪)、牛魔王。
 孫悟空の父母の姿は見えません。

「巻二 ドラゴンボール危機一髪」
 フライパン山の大火事を消しに行くお話です。
 武天老師(亀仙人)といっしょになってドラゴンボールを探しに行く旅でもあります。武天老師の一番弟子が孫悟空の祖父孫悟飯で、二番弟子が牛魔王だそうです。牛魔王の娘さんがチチで小学校低学年ぐらいの感じの女の子です。
 孫悟空のもっている如意棒の強さに魅力があります。
 交渉:なになにしてくれたら、なになにするのパターンです。
 武天老師(亀仙人)がパワフルに変化する姿は感動が湧きます。いままで、死んだふりをしていたのではないか。いろいろとおもしろい。奇想天外です。
 エッチな表現がありますが、1986年当時は普通のことと受け止められていたことも2020年の今ではセクハラ表現にあたります。時代は変化しました。それと、当時の女性像は秘密に包まれていましたがいまはあからさまです。男にとって女子が未知だったころのお話でもあります。
 ウサギ団という悪党が出てきました。昔の時代劇で観たことがあるようなシーンです。ウサギ団のボスに触るとニンジンにされてしまいます。
 孫悟空が突然切れて活躍するところに爽快感が生まれます。
 背景は、中国からアラブの国に変わったようです。
 ドラゴンボールはあと1個、一星球のみになりました。
 新しいキャラクターとして、ピラフ一味で、中華料理店の店主みたいな人でピラフ大王、     彼の部下で女性がひとり、それから、オオカミ忍者の姿のソバさんが出てきました。七つのドラゴンボールを横取りして神龍にこの世の支配者になるよう願い出るそうです。
 ドラゴンボールというのはこんなすけべな漫画だったのか。平和です。
 神龍がかなえた夢がおもしろい。
 満月の変化。狼男とかでは、ハリーポッターアズカバンの囚人のシーンを思い出しました。孫悟空は狼ではなく違う巨大動物に変化します。
 孫悟空は、弱点のしっぽが切られたあと、以降は、なにが弱点になるのだろう。

「巻 三 天下一武道会はじまる!!」
 ランチという二重人格のような女子が登場します。ふだんはおとなしいのに、くしゃみをすると凶暴な女子に変化します。くしゃみで、ハクション大魔王を思い出しました。あとは、クリリンという13才のぼうずあたまの男の子が出てきます。彼も孫悟空と一緒に亀仙人のもとで亀仙流武術の修業に励みます。
 自由な発想のギャグ(笑いづくりのための短い言葉や動作)がおもしろい。エッチ、すけべ、ナンセンス(ばかばかしい)、ほら話など。孫悟空自身は純真で、悪いことを知りません。男女の性別はわからないし、セクハラもわかっていません。人をだますことを知りません。それから、ビールも知りません。そういう性格設定、人格設定です。
 対立しているように見えますが、出てくるみんなは楽しい仲間です。
 読みながら、何のために修行をするのだろうとか、どうやって食べていっている(生活費を得ているのか)のだろうかという疑問が湧きました。(その後、8か月後に開催される天下一武道会で優勝することをめざしていることがわかりました。また、牛乳配達をするシーンが出てきました。やはり、新聞配達と牛乳配達はアルバイトの基本です。それができればたいていのアルバイトはできます。毎日休まず、なるべく一年中、短時間労働であっても継続して働くのです)
 落語を聴いているようで、おもしろいオチです。
 亀仙人が背負っている亀の甲羅(こうら)は20キロもあって、筋力をつけるための重しであることには気づけませんでした。
 大男と戦う孫悟空の動きは大相撲の小柄な力士である炎鵬(えんほう)のようです。クリリンは、むかし自分をいじめていた相手を倒します。
 良かった言葉などとして、「オラたちじいちゃんの修行でいつのまにかものすごくきたえられていたんだ」、勝利した理由として、そうか、クリリンには鼻がないんだ。
 絵が可愛らしくてきれいでした。
  

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2020年03月27日

ライオンのおやつ 小川糸

ライオンのおやつ 小川糸 ポプラ社

 人が死ぬ話はもういいかと思いながら敬遠していましたが評判がいいので読んでみることにしました。36ページあたりまで読んだところです。おそらく癌で、ステージ4の宣告を受けた30代始めの女性海野雫(うみのしずく)さんが、最期を瀬戸内海に浮かぶ島にあるホスピスで迎えるという舞台設定で始まりました。迎えてくれるのは、マドンナという通称名の初老らしき白髪の多いお下げ髪の女性でした。
 海野雫さんは、身寄りがないようですが、両親と暮らしたことはないけれど、父親代わりの男性とふたり暮らしだった。本人は、結婚はしていないし、子どももいないという情報提供があります。おそらく叔父さんぐらいの関係の人に育てられたのでしょう。友人関係にも別れを告げて、ひとりで、この瀬戸内の島にあるホスピスで寿命を終えるところです。
 以前瀬戸内海を船で移動する旅をしたことがあるので、物語のなかにある風景を容易に想像することができてよかった。読みながら、角田光代さんの「八日目の蝉(せみ)」も思い出しました。

 ホスピスでは、「おやつの時間」というのがあるそうです。患者さんたちからリクエストをもらって、そのうちのひとつだけのおやつをつくって、日曜日のお昼三時にみなで集まってお茶会をするそうです。

 なぜ、ライオン?

 レモンが登場するのは、瀬戸内海の名物だからかも。

 登場人物たちとして、かの姉妹(姉がシマさんおだんごあたま、妹が舞さんわかめちゃんカット)六花(ロッカ。ワンちゃん。亡くなった人のペットだった。セラピー犬の立場)、

 読んでいると切なくなってきました。

 小豆粥(あずきがゆ)→コーヒー→豆花(トウファ。台湾の豆乳を使ったデザート)→カヌレ(フランス菓子。卵黄でつくる。溝のついた円柱形のケーキみたいなもの。外側はカリッとしていて中身は柔らかい)→モルヒネワイン→炒り玄米茶→アップルパイ→チョココロネ(円錐形で中にチョコが入ったパン)→バナナ(バナナがしゃべる)→牡丹餅(ぼたもち)→イイダコのおでん→アイスクリーム→ミルクレープ(ケーキ。クレープでクリームや果実を挟んで何枚も重ねる)→鶏鍋→雑炊
 知らないおやつが多いので、読んでいて身近に感じられませんでした。

 近いうちに「死」を迎えることが決定している人の日常生活のサイクルはどんなだろう。寝る→食べる→寝るが基本サイクルとあります。

 おやつタイムのメンバーとして、医師、ケアマネジャー、ヘルパー、薬剤師

 ロッカ(わんちゃん、女子、小さな体格の犬)の役割が大きい。

 本当にこれから死ぬのだろうかという感想をもちながら69ページ付近を読んでいます。

 恋が生まれます。

 次々と人が亡くなっていきます。

 主人公は嘆きます。抗がん剤の痛みに耐えて治療に取り組んだのに、抗がん剤の効果はなかった抗がん剤治療に、一縷(いちる。一本の糸。少しの)の望みをかけたけれど報われなかった。彼女は残された道「まもなく死ぬ」を選択するしかない。

 セラピー犬、音楽療法士、モルヒネ、睡眠薬、蘇(そ。牛の乳。ヨーグルト→生クリーム→バター→醍醐)
 
 「スジャータ」が人の名前だとは知りませんでした。

 体を壊して、読書の最後にたどり着くのは、「絵本」を読むこと。

 記述にあった別れた奥さんは会いには来ないと思う。

 完治する新薬ができた夢をみる。

 死が近いこどもさんのお話には胸が詰まりました。こどもさんが書いた習字の文字として「生きる」

 読んでいて思ったこととして、自分のことを人に話せていないことがたくさんある人はメンタルの病気にかかりやすいのではなかろうか。

 主人公はついに自力歩行ができない車いす生活になりました。

 ラストに向かっての記述内容はわたしには合わないものでした。美しすぎます。命が巡ります。夢が続きます。おやつのリクエストに応えるということはリクエストした人が亡くなったということを意味します。
 主人公に関して思ったのは、三十三才とは思えない「死」でした。母親も短命。娘も短命。長く生き続けることがむずかしい人たちがいます。
 どんな人生を歩んだとしても死んだら終わりです。思い出話をいくらしても過去は返ってきません。

 偶然ですが、以前読んだ「線は、僕を描く」砥上裕將作品と設定が重なります。若い人の両親が事故死して若い人がひとりになります。
 事件や事故、自然災害で突然近しい人を亡くすと遺された者の気持ちは沈みます。

 自分は孤独だと思う人は孤独だし、孤独だと思わない人は孤独ではない気がします。

 人は死んで花になる。

 意味深い言葉がたくさんでてきて、味わいのある文章です。趣旨などとして、「視界のどこかに必ず海が見える」、「繭の中(まゆ)」、「生まれることと亡くなることは背中合わせ」、「みんなが平等なんてしょせんありえない」、「私には私しかいない」、「癌になる根本的な原因はストレス」、「眠ることは重要です」、「男性から可愛いと思われたい」、「死んだ後のお楽しみ」、「あって当たり前だと思っていたものがとても貴重なものだった」、「私はまだ死んではいない」、「ライオンにはなりたくない」、「(お金だけの人間だから)あなたが死んでも悲しむ人はいない。あなたがもっていたのはお金だけ」、「チェロの音色が感情をなだめてくれる」、「血管の中を無数の針が流れている(若い頃病気をして入院した時に似た体験をしたことがあります。血管の内側を無数の針でつつかれるような痛みでした)」、「まだ、死にたくない」、「人間は笑うことも大事だけど泣くことも大事」、「自分で自分を好きになる」、「わたしの人生には、『今』しか存在しなくなる」、「生きてて、よかった」、「もう元気なころの体には戻れない」、「人は死んだら光になる」、「お父さんはわたしのなにを知っているの?」、「おやつは心の栄養、人生へのご褒美」、「(人生という)ろうそくは自分で火をつけることはできないし火を消すこともできない」、「おいしいワインになろうね」

 調べたこととして、「ラプンツェルの童話:グリム童話。ラプンツェルという女性が出てくる」、「カーゴバイク:物語では乗客や荷物をのせるための三輪自転車と思われます」、「ホスピス:終末医療、緩和ケアを受ける場所。物語の中では教会のようです」、「ソ:乳加工食品」、「粥有十利しゅうゆうじり:おかゆは心身の健康に良い」、「ジノリ:イタリアの陶磁器メーカー」、「ロゼワイン:ピンク色のワイン」、「夜間セデーション:夜間、睡眠薬で深く眠る」、「エンドルフィン:脳内にある神経伝達物質。喜び、幸せを感じたときに出る」、「QOL:クオリティオブライフ。幸福を感じる生活の質」、「QOD:クオリティオブデス。良い死」、「トルコブルー:トルコ石の色。緑がかった青」
  

Posted by 熊太郎 at 07:04Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2020年03月26日

誰にも相談できません みんなのなやみぼくのこたえ 高橋源一郎

誰にも相談できません みんなのなやみぼくのこたえ 高橋源一郎 毎日新聞出版

 人生相談本です。ラジオパーソナリティとしての声を聞くことがある小説家の筆者です。
 ざっと勘定してみて、相談事が100本ぐらいあります。読みながら感想を継ぎ足していきます。

 離婚歴の数が多い筆者のためか、恋愛話の相談が多い。不倫、浮気、LGBTなど。同性愛の人って案外多い。案外少数派ではないのではないか。答えは、哲学的です。他人の恋話が他人ごとに聞こえるのはわたしだけでしょうか。恋は本来『秘密』です。
 相談に対して、わたしならどうするかというスタンスで回答するそうです。
 まだ、少し読んだだけですが、答が秀逸です。今年読んで良かった1冊になりそうです。

 作品「不思議の国のアリス」の作者ルイス・キャロルが男性とは知りませんでした。女性だと思っていました。65歳没ですが、この本の相談事の記事では一生童貞だったという話があるそうです。だから、輝く作品が書けたとあります。

 相談事を読んでいて、いろんな人がいるという感想をもちました。

 「自由」と「自己責任」は、背中あわせです。

 男性からバカにされていることに気づけていない女性がいます。だまされています。

 ときに抽象的で、答えの趣旨がわからないときがあります。

 質問も回答も要約された内容です。簡潔でわかりやすい。

 やはり、今年読んで良かった1冊です。良書です。ぜひ買って読んでください。

 他者からみたときに、人はだれしも、どこかしら「ビョーキ」といえるほどの変な行動スタイルをもっている。

 回答はかなり厳しい時もあります。

 暴力をふるう父親がたびたび登場しますが、作者の言うとおり、いざ、殴り合いのけんかをしたら父親のほうが体力的にも精神的にも簡単に負けてしまうものです。父親は、相当へこむでしょう。

 夫婦仲が悪い、親子関係が悪い。読んでいると暗い内容ばかりです。家族内の暴力、兄弟姉妹間の比較、憎しみと甘えがあります。

 タイトルどおり、「誰にも相談できません」の内容の相談が続きます。

 老いた母親の「どこかへ行きたい」というひとりごとの意味は、昔あったあの時代のあの場所へ行きたいということで、今は亡き人たちがいた場所であり、今、この世のどこにも存在しない場所だと思います。

 良かったアドバイスの趣旨などとして、「人間としてやらなければならない経験はない。人間はそれぞれ『わたし』を経験する」、「自分の頭で考えたことがない人たちがいる(なになにすべきという固定観念に縛られている)」、「年齢を重ねるにつれて失っていくものがある」、「パートナーをだまして利用することだけしか考えていない。パートナーの心が傷ついてもなんとも思わない人がいる。そういう人間はたくさんいる。あなたを、特別で、大切な存在だと思ってくれる人とパートナーになりましょう」、「女性に中絶させる男性はだめな人間です。信用してはいけません。あなたは、利用されているだけです」、「(夫のすべてに悪寒が走るという女性の相談者に対して)夫もあなたに対してそう思っている。夫婦で正しさを競いあうものではない」、「(答えのひとつのパターンとして)①拒否する。夫婦なら離婚する。拒否するための準備期間をもつ②現状をがまんする。③ふたつの顔をもってこれからも暮らしていく」、「夫婦生活とは乗り切るもの」、「何もしない夫は、本人がやろうと思えば、たいていのことはできる夫になれる」、「家庭に向いていない男性もいるし、女性もいる」、「夫婦は、相手のことをわかってあげることから始まる」、「あなたは、わたしを成長させてくれない」、「子育てとは惜しみなく与えるもの。みかえりは期待しない」、「家庭とはいつかは出て行く場所で、一時的滞在地」、「家を出るだけでは自立は完成しない」、「人生はその人がつくりあげる作品」、「不幸や不運はだれにでもやってくる。闘うのです。そうしないと不幸の餌食になってしまう」、「他人を思いやることができない性格」、「知性がある人間」、「自分で考え自分で決める。親は子の意思決定に反対しない」、「子どもが来るのを待つのではなく、勝手に会いに行く」、「(こういう悪いことがあったから)それがあったから(平和な)今がある(だから、過去のだめなものはだめとは言いきれない)」、「悪いのは自分じゃない。相手のほうだと考えるのはダメ。あなたのほうが無神経」、「しゅうとめって、いるだけでイヤな存在」、「見守ることしかできない」、「夫の責任」、「マイナスではなく、プラスのことを考える」、「占いはいっさい信じない」、「ともだちがいない人のほうが多い」、「みんなと同じである必要はない」、「親には、親の方針を子どもに押し付ける権利はない」、「愛情の押し売り作戦」、「あなたの理想的な一日は?」、「作家だけれど経済的に恵まれていない人はたくさんいる」 

 調べた言葉として、「逡巡:しゅんじゅん。ぐずぐず迷う」、「不条理:ふじょうり。筋道がとおらない」

 含蓄が含まれている言葉がたくさん出てきます。含蓄:がんちく。深い意味や内容が含まれている。
  

Posted by 熊太郎 at 07:20Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2020年03月23日

高齢者に「キレない」技術 川上淳子

高齢者に「キレない」技術 川上淳子 小学館

 いわゆる「老害」への対応のしかたの本だろうかと読みましたが、そのことに対するずばりのものではなく、どちらかといえば、相手よりも自分を変えるという内容の本でした。

 第1章から第4章まであります。
 第1章が、怒りのしくみ
 第2章が、「家庭でのこと」
 第3章が、「看護・介護の場面で」
 第4章が、実践的な技術について
 わかりやすく、読みやすいレイアウトと文章表現です。

 超高齢者になると、なにをやっても許される年齢という感じになります。責めを負ってもらおうとしても、高齢であるがゆえに、どうしようもないということもあります。無理をすれば、こちらのほうが、いろいろと負担をしなければならず、困り果てる現状があります。されどだれもが加齢を避けることはできません。今は介護する立場の者でもいずれは介護される立場の側になるのです。

 世話をする方が、自分の心をコントロールする。
 相手を知るのではなく、まずは、自分の怒りのパターンを知る。
 自分のアンガー(怒り)を自分でコントロールしていく。
 相手の心持ちをコントロールすることはなかなかできないから。
 
 人生100年時代です。

 『なになにすべき』が、平和な関係をつくるうえで障害になるそうです。
 納得しました。

 怒りを抑えるために心の動きを休めることもひとつの方法であると悟りました。

 読んでいて、これは、高齢者だけの対応に限るのではなくて、一般的に攻撃的な人に対する対応にも共通すると気づきました。
 家庭内暴力、虐待、親族間の殺傷、職場のパワハラなどにも通じます。
 今年読んでよかった1冊です。加害者の側に立つ人も読んだ方がいい。NGワードは、テレビでコメントをする国会議員がよく使う言葉です。「ちゃんと、しっかり、きっちり」
 そして、つい言ってしまいがちな言葉が、「どうして」です。
 複数回読みなおしたほうがいい本です。

 高齢者の話の特徴として、同じ自慢話を同じ人に何度も繰り返すとあります。付け加えて、
 損得勘定に厳しい。
 特別扱いしてほしい。
 なにがなんでもやってもらいたい。
 プライドが高い。
 本人がきちんとやっているように見えるけれど、実は、やれていないということもあります。
 がんこなどもあります。

 『過去のことを持ち出して相手を叱らない』には、共感します。過去の出来事をいまさら変えることはできません。不十分なことがあったとしても、その時のことを思い出すと、いつだって一生懸命だったということはあります。親を責めてもしかたがありません。

 運転免許についていえば、返納しなくても、運転しなければいいだけのことだと思うのです。

 書中にあるように、人を変えることはできそうでできません。人を変えることをあきらめて、こちらがやり方を変えたほうが、こちらのストレスが小さく済むのでしょう。

 『協調』が主体の内容を読みながら、映画「男はつらいよ」では、フーテンの寅さんを中心におきながら、親族一同で、言いたいことを言い合って、衝突したのちに仲良くなるのですが、もうそういう時代は終わっているのだろうという感想をもちました。

 『強制』は、×です。

 事例を提示しながら、How To(どのようにやるのか)が紹介されています。

 ほめる技術が必要です。相手をきげんよくします。
 
 看護や介護のシーンで、ついカッときて事件が起こっています。看護者、介護者のストレスは大きい。
 相手をどうするかではなく(どうしようもないから)、自分はどうしたらいいのかを考えるというコツです。
 6秒間がまんする。
 なぜ怒れたかの記録をとって、自分はどうしたらよかったのかと自分を説得して慰めるとあります。

 高齢者は、思いどおりにならないと、大声を出してあばれる。脳の働きが低下して、幼児にかえるのだなと神妙な気持ちになりました。自分が大事にされないと怒る。本人のあきらめも必要ではないか。少子高齢化のいま、お世話をする人の人数のほうが少ない。高齢者も自分のことはできるだけ自分でするという自立意識が必要だと読んでいて感じました。

 読みながらいろいろ考えるのですが、サービスもゆきすぎると、世話をする人の側がメンタル病にならないかと心配になります。

 高齢者が何度も同じ自慢話を繰り返すのは、もう終わった過去の栄光しかない。未来への夢がないということがあります。

 文句ばっかりを言う人は結局幸せにはなれません。

 高齢者なのだから仕方がないとあきらめる。
 相手と真正面から向かい合っても解決できないこともある。
 女性の体にさわりたがる高齢者男性の頭の中は、おっぱいでいっぱいなのでしょう。あかちゃん返りのようです。なにか、満たされないものがあるみたいです。
 
 仕事をしていてイヤなことがあると、たいていは、『お金のため』で割り切ります。なにかしら見返りがあれば怒りを押さえて、人の世話をすることに耐えられます。

 書中にあるように、加齢で体力がなくなってきていて、しゃべるのがめんどうになる(正確には脳で考えることがしんどくなる)ことはあります。疲れやすくなります。おいしいものを食べて、ぐっすり眠ってもらうのがいいような気がします。  

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2020年03月22日

ハリーポッターと秘密の部屋 洋画DVD 

ハリーポッターと秘密の部屋 洋画DVD 2002年公開

 161分と長いので、こどもさんが最後まで観るのには長すぎるのでは。
 理屈がすんなり飲み込めない部分があるのですが、この映画では、映像と音楽を楽しむのでしょう冒険活劇を楽しむ映画です。
 主人公の男子が、前回の賢者の石よりだいぶ大きくなっています。
 空飛ぶ車は素敵です。楽しい。
 「ぬれぎぬ」がキーワードとなる物語の展開でした。
 クモとの戦い、ヘビとの戦い、ベースとなるのは、たとえてみると、ヤマトタケルが退治したヤマタノオロチ、ジュラシックパーク、ドラゴンボール、アンパンマン、桃太郎など。少年少女向け物語のコツを押さえてあります。
  

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