2024年11月18日

なんでもない 鈴木のりたけ

なんでもない 鈴木のりたけ アリス館

 こどもさん向けの絵本です。表紙をめくると、カメ(亀)がひっくりかえっています。
 前回読んだ同作者の、『とんでもない アリス館』と同じパターンのようです。
 ページをめくって、うむ。やはり、『とんでもない』と同じです。『とんでもない』の初めのページは、海に近い住宅地の風景でした。こちらの、『なんでもない』のはじめのページは、海が見えない内陸部にある住宅地の風景です。

 着ている服が破れて、がっかりしている少女が公園のベンチに座っています。
 公園にはカラスたちがいます。
 カラスはみな黒い。カラスは、黒い服しか持っていない。
 カラスにも言い分があります。
 ただ、読んでいて、カラスのしゃべりには、なにかしら無理があります。
 
 『のろまなカメ』
 どこかで聞いたことがあるセリフです。
 昔ドラマであった、『スチュワーデス物語』です。堀ちえみさんと風間杜夫さん(かざまもりおさん)が出演されていました。
 堀ちえみさんは、自称、『ドジでのろまなカメ』でした。その後の実生活では、ご病気でご苦労がありました。人生はとても長い。なにがあるかわかりません。

 カメはやることがない。
 やることがないから、一日中ひなたぼっこをしている。
 (なんだか、年金生活者みたい。人生の最後は、死ぬまで生きているだけです)
 そんなカメは、土の下で暮らすモグラに同情します。

 カメの評価に対して、モグラにはモグラの言い分があります。
 ミミズを食べているモグラの絵です。
 土に囲まれて暮らすモグラは、そんなこと(地面の下で暮らすこと)なんでもないそうです。
 土の下にあるおうちでは、快適な暮らしを送っているそうです。
 モグラたちの楽しそうな絵があります。
 そんなモグラは、体が大きいゾウに同情します。

 ゾウが自分の後ろ足の間から顔を出しています。
 おもしろい。
 ゾウは、こどもたちと遊びます。楽しそうです。
 そんなゾウは、みんなから怖がられる(こわがられる)トラに同情します。

 トラはまわりから怖がられる(こわがられる)ことを気にしていません。
 『なんでもない』のです。
 トラにはトラの理屈があります。
 そんなトラは人間に同情します。
 
 そして、人間の女の子が描いてあるページにたどりつきました。
 最初の頃に絵本のページに出ていた少女です。
 読み終えました。
 う~む。ちょっとつまらなかった。
 
 パジャマの下をはいたまま、女の子がランドセルをしょって家を出て行ったところは、おもしろかった。

 最後のページにあるクイズは、鹿の数のところがむずかしかった。鹿が17匹いると答えがありますが、わたしが何度数えても16匹しか見つけきれません。(その後1か月ぐらいがたって、絵本を読み返して、ようやく見つけきれなかった鹿1匹を見つけました。建物の2階から首を出していました。小さな鹿の絵です。老眼で見えませんでした。とほほ)。

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