2018年08月13日

鼻から胃カメラをのむ

鼻から胃カメラをのむ

 人間ドックでひっかかった。
 胃に異常があるらしい。
 10年前も健康診断でひっかかった。
 胃潰瘍の治療とピロリ菌の退治をした。
 
 10年前は口から胃カメラを飲んだ。
 苦しかった。検査中、検査のあと、気持ちがへこんだ。
 だから、今回は、鼻から胃カメラにした。人から聞いた。鼻から胃カメラは楽だと。

 問診を受ける。
 胃の中を洗浄するためらしき液体を紙コップ一杯飲む。
 椅子に腰かけた状態で、鼻の穴に麻酔薬を入れる。液体のような、霧のような、ゼリー状のような。軽い物質。鼻の奥から喉に垂れてくる。飲み込む。麻酔が効くまでしばし待つ。
 鼻の穴に細い管を入れて抜く。
 鼻の穴に胃カメラと同じ太さの管を入れて抜く。

 ひと呼吸置いたあと、ベッドに移動して左を下にして横たわる。
 よだれかけをする。唾液はよだれかけに流す。
 どちらの鼻の穴を希望するかと聞かれたので、「左」と返事をする。

 胃カメラが左の鼻の穴から喉へ入っていく。少しだけ違和感がある。ほんの少しだけ苦しい。
 一瞬、胃カメラが喉を通過した感じがする。それでも、ほんの一瞬だ。
 あとは、ハアハアと呼吸をしながら耐える。いつものように念仏を唱える。ほかの受検者の人たちはどうしているのかは知らない。医師と会話ができそうだが初回の体験である自分には無理。
 自分の目の前にモニターがある。メガネをとおして自分の胃の中や十二指腸の中が見えるが、ずっとは見ていられない。疲れる。画像が明瞭に表れるときもあるし、砂嵐状態とかピンボケ状態になったりもする。早く終わってほしい。感覚として8分間ぐらい。途中、楽になって、苦しいピークはすぎたと自己判断する。

 自分にとっては、ようやくという感じで胃カメラが体内から抜かれる。抜くときは短時間だ。

 終わって鼻水をふく。
 呼ばれて、モニター画像を見ながら医師の説明を聞く。食道と胃のつなぎ目付近が、逆流しやすい形状をしているそうだ。今はないが、以前は、その自覚症状があった。暴飲暴食をやめてからはその気配は消えた。
 胃の画像は素人の自分にはきれいに見えるが、医師の目では、一部炎症が発生しているらしい。それでも、たいしたことはないそうだ。とにもかくにも癌の要素がなければいい。ないそうだ。
 自分の胃の中を見て、ここに飲食物が入って行くところがイメージできる。これからも暴飲暴食は慎みたい。熱いもの辛いものも避けたい。アルコールもコーヒーも最小限でいい。もう、水だけでいい。健康で長生きしたい。  

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2018年08月05日

自分でリフォーム DIY

自分でリフォーム DIY(Do it yourself 自分でやる。)

 自分でリフォームのきっかけは、お風呂の汚くなったフタの交換です。

〇ユニットバス
 10年以上利用したフロのフタが汚い。ところどころ切れて裂けている。さらに、フタの表面のところどころにカビが生えていて、洗剤でこすってもとれません。古いフタは処分することにしました。(結局処分せずに、エアコン室外機の雨よけ・日当たりよけで使用しています。)→ホームセンターに行きました。ちょうどよい形状のフタがありませんでした。→自宅にあるフタをよく見ると「品番」が書いてありました。インターネットの検索ページで品番を入力して検索しました。→同じフタを購入できることがわかりました。注文して届きました。こういう部品もネットで買えるのかと驚きました。
 フロの床が部分的にかびて黒ずんでいました。もうユニットバスごと交換できないかと考えました。しかし、とりあえず、洗剤で汚れを落としてみようと思い立ち、何日もかけて何度も洗いました。ふつうの洗剤、重曹、クエン酸、塩素系洗剤、排水溝のパイプにも液体を流し込みました。ブラシも何種類か買ってきて、何度も繰り返し数日かけて磨き上げました。その結果、ぴかぴかに輝く床になりました。すばらしい。新品のような輝きです。気持ちがいい。自分でやっておきながら努力した自分に感動しました。自画自賛です。
 シャワーホースにこびりついた部分的な黒カビがどうしてもとれませんでした。ネットの検索ページに品番を入れて検索しました。ヒットしました。びっくりしました。ホースとついでにゆるゆるで固定できずばかになっていたシャワーフックと、それまで使用していたものとは異なるシャワーヘッドも注文しました。ネットのページにあった既購入者の感想を読んで、お湯が、霧状、ふつう、直線で出る、の3種類に切り替えができる評価が好評なシャワーヘッドにしました。正解でした。いまは気持ちよくシャワーを利用しています。シャワーを固定している棒のはずし方も動画で見ることができて、大型のスパナみたいな道具は購入しましたがそれほど高価なものではありませんでした。
 ユニットバスを解体して中を洗えないかと思いつきました。また、ネットで検索しました。動画でやり方が説明してありました。手前をかかえて上にあげて手前に引く。簡単でした。よく見ると、ユニットバスの下部表面にシールがはってあり、そのようにしてはずすと書いてありました。全部ばらばらになると掃除がしやすいのですが、その部分しかはずせませんでした。ただ、意外に中は汚れていませんでした。説明書きのシールが風呂桶に貼ってあっても老眼で読めない年齢になってしまいました。

〇板塀の塗装
 ネットで塗り方を見て研究しました。塗料は、「水性」と「油性」があります。自分には油性は無理だと思い、ホームセンターで水性の塗料を買ってきました。無臭です。最初は、はけで120cmぐらいの板3枚を塗っただけでへたばりました。かなり緊張してやりました。養生(ペンキが落ちてもいいように下に新聞紙を敷く。)しなかったので、下のコンクリートに少ししみが残ってしまいました。
 その後、ローラーを購入して使用しました。最初は、ローラーで、でこぼこも塗れるのだろうかと半信半疑でしたが、やっとみるときれいに塗れました。その後、養生もきちんとやって、天気の良い、風の少ない日に1回1時間程度かけながら、1か月かけて数日間を要して、板塀全部を塗り上げました。途中ムラができたので塗りなおした部分もありますが、自分としては満足いくきれいな仕上がりになりました。達成感があります。塗装というのは気持ちがよく、幸福感が得られるものだと気づきました。いまは、ときどき自分が塗り上げた板塀をながめて満足感にひたっています。デメリットとしては、作業終了後、1か月間ぐらい腕の筋肉痛がぬけませんでした。
 水性塗料は木材に浸透するものではなく、塗って乾燥した部分をみると、まるで、ゴムでパッキン(包み込む)したような状態で仕上がります。これでいいと思います。

〇玄関ドアの鍵交換
 10年以上使用して鍵もシリンダーの内部も摩滅したようです。鍵を入れて回そうとしてもにっちもさっちも右回りも左回りもしてくれないときがほとんどで、そのうち回るのですがイライラがつのりました。鍵の業者に連絡して見積もりに来てもらおうとネットで検索しました。すると、鍵を購入して自分で交換取り付けができるというような説明がありました。ホームセンターに行ったら、5000円ぐらいで鍵が売られていたのでびっくりしました。しかし、うちの鍵とは合いません。メーカーはなんとなくわかるのですが種類がわかりません。鍵ですから重要で繊細だと思っていましたが、そうでもないようです。そもそも人目に付く玄関から堂々と鍵を壊して入る泥棒は聞いたことがないので、とても高額な鍵を使用する必要もないのかもしれません。
 数日間、あっちのホームページを見たり、こっちのホームページを見たりしていたら、自宅の鍵のメーカーとかドアの名称、交換できる鍵のページを見つけました。
 それでも自分で交換作業ができるのか不安だったので、ドライバーで何度か、いまあるシリンダー鍵を取り外したり、取り付けたりしました。自分でできるという自信がついたので、ネットで鍵を注文し、翌々日に注文した新しいシリンダー鍵が送られてきたので、自分で鍵の交換取り付け作業をしました。簡単でした。新しい鍵の開閉は快調です。

〇トイレの換気扇
 もうずいぶん前からなんか調子が悪くなったとかで使用をストップしていましたが、説明書を見て、中を掃除して、ちゃんと自動運転ができるような状態になったので、ふたたび利用しています。
 その後、手洗い付きトイレのふたの部分をあげて中を掃除しました。水垢がひどかった。やりかたが下手くそだったので、水が床に落ちてあふれてしまい慌てましたがきれいにはなりました。

〇クレヨン型色塗り棒「かくれん棒」
 そういうものがあることは知っていましたが、ほかのものを求めてホームセンターにいったときたまたま目について、茶色を1本購入しました。
 キズが多くついていた玄関ドアの表面を塗ってこすって、だいたいきれいになりました。手軽に使用できて助かります。

〇折れた傘の修理
 ほかのものを求めに100円ショップに行ったら修理セットが売っていたので購入しました。修理は、家族にやってもらいました。安くて便利です。

〇ドアホン
 室内機に録画機能が付いていますが、時刻が合っていません。時刻設定の仕方も知りません。説明書もありません。ネットの検索に機種を入れて調べたらマニュアルが出てきました。
 現在時刻の設定方法(待受画面で「伝言/メニュー」ボタンを約3秒押して設定画面となる。)がわかり、すぐに、簡単に現在時刻を設定することができました。それまで、何年間も不正確な時刻(西暦年も去年)で放置してありました。直せて良かった。
 (その後、本棚にある説明書を発見しました。歳をとってきて、頼りない次第です。自信をなくしました。)

〇網戸の網の張り替え
 ロール方式の網付き枠ごとの交換です。これも部品をネット上で注文、宅配可能なことがわかりました。今はまだ大丈夫なのでそのうち利用します。

〇テープはがし
 いつ買ったのか記憶がありませんが、ものがあることを発見しました。いろいろ利用する機会がありました。便利です。シールをはがすときに使用するスプレーです。

〇障子紙の張り替え
 破れて黄ばみがある障子紙を張り替えます。ホームセンターで買ってきた障子紙はがしの液体で障子紙を濡らしました。5分後、スームズに古い障子紙をはがすことができました。その液体の量も適量で、2枚分をはがす分量プラスアルファの量で、やはりよく考えて商品化してあると感心しました。
 きれいに障子のさんを布ぶきしました。しっかり乾燥させて、明日、プラスチック製の障子を張ります。
 翌日の貼り付けは苦労しました。1枚目を貼って、2枚目を張る時に紙が足りませんでした。ひと枠分、さきほど張ったときに横方向の切れ端として残った紙がちょうどあてはまったので使用しました。どうしてそうなのかわかりません。うちの障子は上から下までなので、ふつうは、下部に幅広の板の部分があるのかもしれません。

〇車のヘッドライト
 たまたまネットの動画でお風呂洗いの研磨剤入り洗剤で洗うといいと出ていて、そのとおりにしたら黄ばみがとれて、かなりきれいになりました。1回だけで終わらせるのではなく、日にちを変えて数回やろうと思っています。

 まだ、ほかの部分についても、自分でリフォームの継続中ですが、これぐらいにしておきます。

〇うまくいかなかったこと
 10年以上前の液晶テレビで画面が写らない。裏ブタをはずして中身を掃除機で吸うといいと知りやってみました。しかし内部にはほこりがほとんどありませんでした。いちおう吸いました。映りませんでした。しかしながら、電源を長時間入れておくときれいに映ることもありました。そのうち何度やっても映らなくなりました。耐用年数を過ぎていると思います。部品交換は可能なのでしょうが、新品を買ったほうが得策なのでしょう。

 トイレのふたがゆっくりおりなくなった。いろいろ調べましたが、こちらも古いものなので寿命だと思っています。それでもまだ使いますけど。

〇よくわからないけれど調子が良くなったもの
 ガスコンロのひとつがなかなか点火しなくなりましたが、そのうち快調に点火するようになりました。  

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2017年12月31日

2017年 今年読んでよかった本

2017年 今年読んでよかった本

嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え 岸見一郎 古賀史健 ダイヤモンド社
 さて、哲学の問答集です。アドラーという人は知りません。読みながら、整理して、理解していく作業になります。ソクラテスは書物を残さなかった。弟子のプラトンが残した。対話篇という書物ということを先日読んだ本で知りました。イメージとして、その対話篇の模倣がこの本だと一人合点しています。
ためになることがいっぱい書いてありました。
 全面的に賛成というわけにはまいりませんが、賛同する項目が多々ありました。今年読んで良かった本です。

僕らのごはんは明日で待ってる 瀬尾まいこ(せお・まいこ) 幻冬舎文庫
 タイトルの意味はわからない。読み始めました。高校3年生の学校生活、体育祭から始まりました。
「米袋が明日を開く」
 読後感がなかなかいい。3年前に高2の兄貴を病気で亡くした今高校3年生の葉山と彼に恋心を寄せる上村という女子高性のやりとりの雰囲気が自然でいい。とくに上村の態度に無理がなくていい。生きるための力を得るために読むBookです。

いつか伝えられるなら 鉄拳 SB Creative
 今年読んで良かった1冊になりました。
 泣けます。
 亡くなった方への遺族からの手紙をマンガにしてあります。
 最後は、複数の人たちの同類の手紙です。思い出をきれいごとにしてある意識的なものもありますが、いくつかは非常にせつない。

すべりだい 鈴木のりたけ PHP
 書店の本棚で見つけて、ちょっと迷って、さっさと買いました。
 こどもは、すべりだいが好きです。
 帯にある「いくよ、もう、とめられないーい!」に実感がこもっています。
 ぶらんこよりも、すべりだいが好きなこどものほうが多いと思う。

長いお別れ 中島京子(なかしま・きょうこ) 文藝春秋
 老衰、認知症、お別れの話かと思って手にした本です。
 短編8本がおさめられています。
 おもしろすぎる。今年読んでよかった1冊です。
 おもしろ、おかしい。
 妻72歳、夫はぼけている。

孤独のすすめ 五木寛之 中公新書ラクレ
「嫌老感」あたりからの記述は、言いにくいことをはっきり書いてあります。
 現役世代の収入が、高齢者層の医療費や年金に吸い取られる。
 現役層は、車も買えない、子もつくれない、結婚すらできない。
 高齢者への風当たりは強い。「嫌老社会」という新語のような単語が置かれています。

ざんねんないきもの事典 今泉忠明監修 高橋書店
 話題になっている本です。
 最初はなんとなく嫌悪感があって読むことを避けていましたが(具体的理由は不明。大した内容ではないだろうという思い込み)、読んでみたら、かなりおもしろい。

大人の語彙力ノート 斎藤孝 SBCreaitive
こたつの上にこの本を置いといて、3か月間ぐらい、暇なときにページをめくって、知識を身に付けるつもりです。
お勧めします。
学校教育で教えてほしかった。  

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2016年12月30日

2016年 今年読んでよかった本

2016年 今年読んでよかった本

戦場のコックたち 深緑野分(ふかみどり・のわき) 東京創元社
 作者の名前は最初、これは名前かと仰天しました。でも名前でした。よくわからないが、女性らしい。
 最初のほうのページをめくりました。第二次世界大戦、フランスノルマンディーでのコックアメリカ隊員たちの話らしい。

王とサーカス 米澤穂信(よねざわ・ほのぶ 男性) 東京創元社
 時代は2001年6月1日、場所は、標高1300mネパールの首都カトマンズ、主人公は、トーキョーロッジ202号室に旅行ルポ取材のため滞在する28歳太刀洗万智(たちあらい・まち 女性らしい。東洋新聞元記者、現在フリーライター)で始まります。

朝が来る 辻村深月(つじむら・みずき) 文藝春秋
 「朝が来る」というのは、こどもができない夫婦が、長いトンネルを通過するような体験を経て、最後に、特別養子縁組制度で、あかちゃんを家族に迎えた瞬間を指します。暗いトンネルを抜けて、朝が来たのです。40代栗原佐都子(さとこ)・清和さん夫婦は、養子としたあかちゃんに「朝斗(あさと)」と名付けました
 怖い話です。朝斗くんが幼稚園5歳になって、彼を産んだという女性が、栗原夫婦に迫ってきました。子どもを返してほしい。それがだめなら、お金が欲しい。

ホセ・ムヒカの言葉 佐藤美由紀 双葉社
 強烈なショックを受けました。
 日本が正しいとして目指してきたものへの否定があります。そして、それは正しい。説得力があります。先進諸国は、自分たちだけの富のために、地球上の原料を使い果たす気かという抗議と攻撃があります。その考え方は、少なくとも、日本国の方針に逆行する内容です。

海の見える理髪店 荻原浩(おぎわら・ひろし) 集英社
短編6本です。
「成人式」
 泣けました。ぜひ、読んでほしい。
 思春期、父親と対立していた中学3年生の娘さんが、高校入学前の3月に交通事故死します。両親の苦悩は深い。そして、重い。「生きていてこそ」、思ったことです。作品の出来はすばらしい。

向田理髪店 奥田英朗(おくだ・ひでお) 光文社
 最後は感涙でした。
 理想なのでしょう。現実には実現がむずかしい世界です。

書店主フィクリーのものがたり ガブリエル・セヴィン 早川書房
 2016年本屋大賞翻訳小説部門第1位作品です。
 62ページからがぜん面白くなりました。ここまでは、何が書いてあるのかよくわからず、何度も戻りながら頭を傾けていました。あと、200ページぐらい。いっき読みとおしたい。  

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2015年12月31日

2015年 今年読んでよかった本

2015年 今年読んでよかった本

貘の檻(ばくのおり) 道尾秀介 新潮社
 力作です。時代設定は、昭和59年です。舞台は長野県の山村。昭和50年代にはやった金田一耕助シリーズ「八つ墓村」とか「犬神家の一族」などの流れをくむホラー、怪奇を帯びた推理小説だと受け取りました。

信さん 辻内智貴 小学館文庫
 本の検索をしているときに、なにかをしていてのきっかけでこの本を知りました。小説の舞台となっている福岡県の炭鉱があった市のそばで、自分自身、中学・高校のうちの4年間を過ごしました。こういう小説があるのかとちょっと驚いて興味をもち、読み始めました。今年巡り合った良書です。心が洗われるいい小説です。涙がにじみます。優しい。

どこから行っても遠い町 川上弘美 新潮文庫
 11篇の短編集です。互いの短編に多少のからみがありますが、大勢に大きな影響を与えるものではありません。舞台は「遠い町」です。
 同作者の「センセイの鞄」同様、年齢差のある男女の淡い恋がしたためられている作品集です。恋には、体の関係も含まれます。
 風情(ふぜい)を文章化してあります。道徳とか、倫理とか、それらを否定するところまではいかないのですが、常識にとらわれない、いい世界を描く才能が作者にあります。
 それぞれの能力、学力、環境に応じた暮らしがある。法令等の決め事から少しずれた位置にある生活です。しみじみしました。穏当に暮らす人もいれば、そうでない人もいる。1編は短く、それぞれ20分もあれば読めます。

流(りゅう) 東山彰良(ひがしやまあきら) 講談社
 直木賞受賞作です。
 まだ読み始めていないけれど、台湾生まれ、日本育ちの主人公葉秋生(台北高等中学17才、イエチョウシエン)は、同じく直木賞受賞作「サラバ!」の主人公圷歩(あくつあゆむ、エジプト育ち)と重なるのだろうか。
 とてもおもしろい。主人公秋生は昭和50年当時で17才、わたしは、16才です。主人公とは同世代であることがわかりました。雑然とした台北の町の様子、荒くれ者の人の様子が続きます。熱気と勢いがあります。日本も台湾も同じで、自分がこどもの頃、50年ぐらい前の暮らしを思い出します。半世紀前の地球上の話です。

人間の分際(ぶんざい) 曽野綾子 幻冬舎新書
 癒しと救いの1冊です。今年読んで良かった本です。
 前半半分ぐらいの内容が心に響きました。気持ちが安らかになりました。中盤は、宗教(キリスト教)関連のお話、哲学っぽいものもありましたが、難しくて理解しにくい解釈でした。後半は寿命で、「死」を身近に感じるようになったときのお話でした。共感をもつ部分が多かった。

傘をもたない蟻たちは(ありたちは) 加藤シゲアキ 角川書店
 短編集で6本あります。
「Undress」タイトル英語は「裸」という意味だろうかと読み始めました。すごい筆力です。ストーリー構成が魅力的です。裸になるのは、脱サラ営業セールスマンの大西勝彦、年齢は32歳ぐらいです。男女関係の性、煙草、アルコールと不純なものに囲まれながら、策略、転落、どんでんがえしが続きます。

ちょっと今から仕事やめてくる 北川恵海(きたがわ・えみ) メディアワークス文庫
 若い人向けの「救い」の書です。自殺防止の願いがこめられています。
 主人公俺(青山隆)は仕事のことでとても悩んでいます。職場の人間関係であったり、長時間労働であったりです。そこへ「ヤマモト」が登場します。まるで、幽霊のような存在です。

娘になった妻、のぶ代へ 砂川啓介 双葉社
 読み手は、最初の5ページを読んだぐらいで、もう涙ぐんできます。今年読んで良かった1冊です。
 ドラえもんの声優大山のぶ代さんが認知症です。だんなさんの手記(体験記)です。ドラえもんを知る世代としてはショックです。2012年秋にアルツハイマー型認知症と診断されましたから始まります。こどもさんがいないとか、生後3か月で亡くされたとかは、今回これを読んで始めて知りました。ドラえもんらしく幸せいっぱいの人生だと勘違いしていました。

雨の降る日は学校に行かない 相沢紗呼(あいざわ・さこ 男性) 集英社
 登校拒否の女子中学生14歳ぐらいが読者の対象者です。
 非常に不安定で繊細な心理です。心が傷つきやすく、もろい。
 読んでいると悲しくなってくる。
 短編6本です。
 時空間移動があります。最後の短編が最初の短編につながります。わたしの好きなパターンです。

我が家のヒミツ 奥田英朗 集英社
 短編6本です。
「虫歯とピアニスト」自然体で生きるということです。クラシックの知識がある人が読んだほうが、実感が湧きます。こどもができるかできないかの葛藤があります。結婚したから必ず子どもが生まれるわけはありません。「ぼくの30代は寝ていた」という表現がいい。  

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2015年12月30日

2015年 今年観てよかった映画

2015年 今年観てよかった映画

(再鑑賞)県庁の星 邦画 DVD
 やがて負ける少数派の映画でもあり、公務員攻撃と思いきや公務員に対する期待と応援の映画でもあります。
 民間スーパーに半年間研修に出た県庁産業政策課係長野村さん(研修後は生活福祉課に配置転換)の悩み多き、されど実り多き足跡です。
 映画の始まりでは、スーパーバックヤードの乱雑さが気になります。非衛生的な弁当づくりでは、命の安全さよりも採算優先の姿勢にあきれます。それらが、県庁さんとパートの二宮さんの情熱と努力で改善されていきます。県庁さんがつくった「改善書」の価値は高い。
 人は弱い。気持ちを大切にする。劇中の県庁さんの言葉として、素直にあやまる。素直に教わる、何かを成し遂げるには、仲間が必要。いろいろ学びました。チームワークの重要性を再確認できました。

天国から来たチャンピオン 洋画 DVD
 死ねない霊魂が他人にのりうつるパターンでコメディ映画です。今年観てよかった1本です。アメリカンフットボールの実力選手ジョーが、自転車をこいでいて、車とぶつかりそうになるのだけれど、運動神経良く、車をよけるはずが、死に神の役割を果たす天国の職員さん(公務員ぽい)が、早とちりして、車にぶつかる前に、ジョーを天国へ連れてきてしまったというところあたりから始まります。

おくりびと 邦画 DVD
(観る前)
 小説は読んだことがありますが、内容をはっきり覚えていません。
 オーケストラでチェロを担当していた主人公の楽団がつぶれた。主人公は故郷の山形県へ帰って、納棺師(おくりびと)になった。
(観た後)
 「仕事」とは何かということに対する表現があります。
志をもって働く。お金のためだけじゃない。
やりがい。

ガチ☆ボーイ 邦画 DVD
 後半30分間が重厚でした。今年観てよかった映画です。
 自転車自分ひとり転倒事故で頭を打って以来、その後の記憶が1日分しかもたなくなった大学3回生のお話です。転倒事故以前の記憶は明瞭に残っている。
 「博士が愛した数式」とか、「明日の記憶」、韓国映画の頭の中の消しゴムがどうしたとかいう路線です。
 メモをします。ポラロイドカメラで写真を残します。それでも、翌日になると前日の記憶は残っていません。

男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け 17作 昭和51年夏
 いい作品でした。
 ひさしぶりに映画を観て笑い転げました。
 みなさん若い。(亡くなってしまった人が多い)
 底抜けに明るい太地喜和子演じる芸者ぼたんがいい。
 寅さんと彼女のシーンは、調和がとれていて抜群です。
 人情話です。
 お金<気持ちで、「気持ち」を大切にするところがいい。
 けんかになると軽く手が出るところがいい。

ノッティングヒルの恋人 洋画 DVD
 気が休まる英国ロンドンを舞台にした映画でした。アメリカハリウッド女優(当然美しい)とロンドンノッティングヒルで旅行書を専門に扱う書店主とのラブストーリーでした。

レオン 洋画 DVD
 94年フランス・アメリカ映画です。初めて観ました。腕利きの殺し屋レオンと12歳のマチルダが一緒に暮らしながらマチルダの家族を皆殺しにした組織の相手に復讐をする物語です。正確には、マチルダの弟4歳を殺した相手が敵(かたき)です。赤穂浪士四十七士のようでもあるし、ランボーのようでもある共通の快感がわきあがります。

しあわせの隠れ場所 洋画 DVD
 使い古しの安いDVDを手に入れて観ているので、たまに調子が悪くなったりします。このDVDでは、1時間ぐらい過ぎたあたりでトラブルになり、画面が動かなくなってしまいました。あれこれやってもだめで、別の部屋にある新しいデッキを使ったら徐々に動くようになりました。その結果、同じシーンを何回か繰り返し観ました。おかげで、最初は理解できなかった最初と最後のシーンがつながることとか、アメリカンフットボールのルール(ほんの少しわかった)、キリスト教の教え、人種差別問題、大学入試制度、奨学金制度、貧困問題などを少し理解し、映画のもつメッセージが伝わってきましした。作り話っぽくあったり、強引であったり、理想主義であったりもしますが、気持ちに響いた今年観てよかった1本です。  

Posted by 熊太郎 at 09:25Comments(0)TrackBack(0)熊太郎の語り