2017年12月31日

2017年 今年読んでよかった本

2017年 今年読んでよかった本

嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え 岸見一郎 古賀史健 ダイヤモンド社
 さて、哲学の問答集です。アドラーという人は知りません。読みながら、整理して、理解していく作業になります。ソクラテスは書物を残さなかった。弟子のプラトンが残した。対話篇という書物ということを先日読んだ本で知りました。イメージとして、その対話篇の模倣がこの本だと一人合点しています。
ためになることがいっぱい書いてありました。
 全面的に賛成というわけにはまいりませんが、賛同する項目が多々ありました。今年読んで良かった本です。

僕らのごはんは明日で待ってる 瀬尾まいこ(せお・まいこ) 幻冬舎文庫
 タイトルの意味はわからない。読み始めました。高校3年生の学校生活、体育祭から始まりました。
「米袋が明日を開く」
 読後感がなかなかいい。3年前に高2の兄貴を病気で亡くした今高校3年生の葉山と彼に恋心を寄せる上村という女子高性のやりとりの雰囲気が自然でいい。とくに上村の態度に無理がなくていい。生きるための力を得るために読むBookです。

いつか伝えられるなら 鉄拳 SB Creative
 今年読んで良かった1冊になりました。
 泣けます。
 亡くなった方への遺族からの手紙をマンガにしてあります。
 最後は、複数の人たちの同類の手紙です。思い出をきれいごとにしてある意識的なものもありますが、いくつかは非常にせつない。

すべりだい 鈴木のりたけ PHP
 書店の本棚で見つけて、ちょっと迷って、さっさと買いました。
 こどもは、すべりだいが好きです。
 帯にある「いくよ、もう、とめられないーい!」に実感がこもっています。
 ぶらんこよりも、すべりだいが好きなこどものほうが多いと思う。

長いお別れ 中島京子(なかしま・きょうこ) 文藝春秋
 老衰、認知症、お別れの話かと思って手にした本です。
 短編8本がおさめられています。
 おもしろすぎる。今年読んでよかった1冊です。
 おもしろ、おかしい。
 妻72歳、夫はぼけている。

孤独のすすめ 五木寛之 中公新書ラクレ
「嫌老感」あたりからの記述は、言いにくいことをはっきり書いてあります。
 現役世代の収入が、高齢者層の医療費や年金に吸い取られる。
 現役層は、車も買えない、子もつくれない、結婚すらできない。
 高齢者への風当たりは強い。「嫌老社会」という新語のような単語が置かれています。

ざんねんないきもの事典 今泉忠明監修 高橋書店
 話題になっている本です。
 最初はなんとなく嫌悪感があって読むことを避けていましたが(具体的理由は不明。大した内容ではないだろうという思い込み)、読んでみたら、かなりおもしろい。

大人の語彙力ノート 斎藤孝 SBCreaitive
こたつの上にこの本を置いといて、3か月間ぐらい、暇なときにページをめくって、知識を身に付けるつもりです。
お勧めします。
学校教育で教えてほしかった。  

Posted by 熊太郎 at 09:04Comments(0)TrackBack(0)熊太郎の語り

2016年12月30日

2016年 今年読んでよかった本

2016年 今年読んでよかった本

戦場のコックたち 深緑野分(ふかみどり・のわき) 東京創元社
 作者の名前は最初、これは名前かと仰天しました。でも名前でした。よくわからないが、女性らしい。
 最初のほうのページをめくりました。第二次世界大戦、フランスノルマンディーでのコックアメリカ隊員たちの話らしい。

王とサーカス 米澤穂信(よねざわ・ほのぶ 男性) 東京創元社
 時代は2001年6月1日、場所は、標高1300mネパールの首都カトマンズ、主人公は、トーキョーロッジ202号室に旅行ルポ取材のため滞在する28歳太刀洗万智(たちあらい・まち 女性らしい。東洋新聞元記者、現在フリーライター)で始まります。

朝が来る 辻村深月(つじむら・みずき) 文藝春秋
 「朝が来る」というのは、こどもができない夫婦が、長いトンネルを通過するような体験を経て、最後に、特別養子縁組制度で、あかちゃんを家族に迎えた瞬間を指します。暗いトンネルを抜けて、朝が来たのです。40代栗原佐都子(さとこ)・清和さん夫婦は、養子としたあかちゃんに「朝斗(あさと)」と名付けました
 怖い話です。朝斗くんが幼稚園5歳になって、彼を産んだという女性が、栗原夫婦に迫ってきました。子どもを返してほしい。それがだめなら、お金が欲しい。

ホセ・ムヒカの言葉 佐藤美由紀 双葉社
 強烈なショックを受けました。
 日本が正しいとして目指してきたものへの否定があります。そして、それは正しい。説得力があります。先進諸国は、自分たちだけの富のために、地球上の原料を使い果たす気かという抗議と攻撃があります。その考え方は、少なくとも、日本国の方針に逆行する内容です。

海の見える理髪店 荻原浩(おぎわら・ひろし) 集英社
短編6本です。
「成人式」
 泣けました。ぜひ、読んでほしい。
 思春期、父親と対立していた中学3年生の娘さんが、高校入学前の3月に交通事故死します。両親の苦悩は深い。そして、重い。「生きていてこそ」、思ったことです。作品の出来はすばらしい。

向田理髪店 奥田英朗(おくだ・ひでお) 光文社
 最後は感涙でした。
 理想なのでしょう。現実には実現がむずかしい世界です。

書店主フィクリーのものがたり ガブリエル・セヴィン 早川書房
 2016年本屋大賞翻訳小説部門第1位作品です。
 62ページからがぜん面白くなりました。ここまでは、何が書いてあるのかよくわからず、何度も戻りながら頭を傾けていました。あと、200ページぐらい。いっき読みとおしたい。  

Posted by 熊太郎 at 06:49Comments(0)TrackBack(0)熊太郎の語り

2015年12月31日

2015年 今年読んでよかった本

2015年 今年読んでよかった本

貘の檻(ばくのおり) 道尾秀介 新潮社
 力作です。時代設定は、昭和59年です。舞台は長野県の山村。昭和50年代にはやった金田一耕助シリーズ「八つ墓村」とか「犬神家の一族」などの流れをくむホラー、怪奇を帯びた推理小説だと受け取りました。

信さん 辻内智貴 小学館文庫
 本の検索をしているときに、なにかをしていてのきっかけでこの本を知りました。小説の舞台となっている福岡県の炭鉱があった市のそばで、自分自身、中学・高校のうちの4年間を過ごしました。こういう小説があるのかとちょっと驚いて興味をもち、読み始めました。今年巡り合った良書です。心が洗われるいい小説です。涙がにじみます。優しい。

どこから行っても遠い町 川上弘美 新潮文庫
 11篇の短編集です。互いの短編に多少のからみがありますが、大勢に大きな影響を与えるものではありません。舞台は「遠い町」です。
 同作者の「センセイの鞄」同様、年齢差のある男女の淡い恋がしたためられている作品集です。恋には、体の関係も含まれます。
 風情(ふぜい)を文章化してあります。道徳とか、倫理とか、それらを否定するところまではいかないのですが、常識にとらわれない、いい世界を描く才能が作者にあります。
 それぞれの能力、学力、環境に応じた暮らしがある。法令等の決め事から少しずれた位置にある生活です。しみじみしました。穏当に暮らす人もいれば、そうでない人もいる。1編は短く、それぞれ20分もあれば読めます。

流(りゅう) 東山彰良(ひがしやまあきら) 講談社
 直木賞受賞作です。
 まだ読み始めていないけれど、台湾生まれ、日本育ちの主人公葉秋生(台北高等中学17才、イエチョウシエン)は、同じく直木賞受賞作「サラバ!」の主人公圷歩(あくつあゆむ、エジプト育ち)と重なるのだろうか。
 とてもおもしろい。主人公秋生は昭和50年当時で17才、わたしは、16才です。主人公とは同世代であることがわかりました。雑然とした台北の町の様子、荒くれ者の人の様子が続きます。熱気と勢いがあります。日本も台湾も同じで、自分がこどもの頃、50年ぐらい前の暮らしを思い出します。半世紀前の地球上の話です。

人間の分際(ぶんざい) 曽野綾子 幻冬舎新書
 癒しと救いの1冊です。今年読んで良かった本です。
 前半半分ぐらいの内容が心に響きました。気持ちが安らかになりました。中盤は、宗教(キリスト教)関連のお話、哲学っぽいものもありましたが、難しくて理解しにくい解釈でした。後半は寿命で、「死」を身近に感じるようになったときのお話でした。共感をもつ部分が多かった。

傘をもたない蟻たちは(ありたちは) 加藤シゲアキ 角川書店
 短編集で6本あります。
「Undress」タイトル英語は「裸」という意味だろうかと読み始めました。すごい筆力です。ストーリー構成が魅力的です。裸になるのは、脱サラ営業セールスマンの大西勝彦、年齢は32歳ぐらいです。男女関係の性、煙草、アルコールと不純なものに囲まれながら、策略、転落、どんでんがえしが続きます。

ちょっと今から仕事やめてくる 北川恵海(きたがわ・えみ) メディアワークス文庫
 若い人向けの「救い」の書です。自殺防止の願いがこめられています。
 主人公俺(青山隆)は仕事のことでとても悩んでいます。職場の人間関係であったり、長時間労働であったりです。そこへ「ヤマモト」が登場します。まるで、幽霊のような存在です。

娘になった妻、のぶ代へ 砂川啓介 双葉社
 読み手は、最初の5ページを読んだぐらいで、もう涙ぐんできます。今年読んで良かった1冊です。
 ドラえもんの声優大山のぶ代さんが認知症です。だんなさんの手記(体験記)です。ドラえもんを知る世代としてはショックです。2012年秋にアルツハイマー型認知症と診断されましたから始まります。こどもさんがいないとか、生後3か月で亡くされたとかは、今回これを読んで始めて知りました。ドラえもんらしく幸せいっぱいの人生だと勘違いしていました。

雨の降る日は学校に行かない 相沢紗呼(あいざわ・さこ 男性) 集英社
 登校拒否の女子中学生14歳ぐらいが読者の対象者です。
 非常に不安定で繊細な心理です。心が傷つきやすく、もろい。
 読んでいると悲しくなってくる。
 短編6本です。
 時空間移動があります。最後の短編が最初の短編につながります。わたしの好きなパターンです。

我が家のヒミツ 奥田英朗 集英社
 短編6本です。
「虫歯とピアニスト」自然体で生きるということです。クラシックの知識がある人が読んだほうが、実感が湧きます。こどもができるかできないかの葛藤があります。結婚したから必ず子どもが生まれるわけはありません。「ぼくの30代は寝ていた」という表現がいい。  

Posted by 熊太郎 at 11:28Comments(0)TrackBack(0)熊太郎の語り

2015年12月30日

2015年 今年観てよかった映画

2015年 今年観てよかった映画

(再鑑賞)県庁の星 邦画 DVD
 やがて負ける少数派の映画でもあり、公務員攻撃と思いきや公務員に対する期待と応援の映画でもあります。
 民間スーパーに半年間研修に出た県庁産業政策課係長野村さん(研修後は生活福祉課に配置転換)の悩み多き、されど実り多き足跡です。
 映画の始まりでは、スーパーバックヤードの乱雑さが気になります。非衛生的な弁当づくりでは、命の安全さよりも採算優先の姿勢にあきれます。それらが、県庁さんとパートの二宮さんの情熱と努力で改善されていきます。県庁さんがつくった「改善書」の価値は高い。
 人は弱い。気持ちを大切にする。劇中の県庁さんの言葉として、素直にあやまる。素直に教わる、何かを成し遂げるには、仲間が必要。いろいろ学びました。チームワークの重要性を再確認できました。

天国から来たチャンピオン 洋画 DVD
 死ねない霊魂が他人にのりうつるパターンでコメディ映画です。今年観てよかった1本です。アメリカンフットボールの実力選手ジョーが、自転車をこいでいて、車とぶつかりそうになるのだけれど、運動神経良く、車をよけるはずが、死に神の役割を果たす天国の職員さん(公務員ぽい)が、早とちりして、車にぶつかる前に、ジョーを天国へ連れてきてしまったというところあたりから始まります。

おくりびと 邦画 DVD
(観る前)
 小説は読んだことがありますが、内容をはっきり覚えていません。
 オーケストラでチェロを担当していた主人公の楽団がつぶれた。主人公は故郷の山形県へ帰って、納棺師(おくりびと)になった。
(観た後)
 「仕事」とは何かということに対する表現があります。
志をもって働く。お金のためだけじゃない。
やりがい。

ガチ☆ボーイ 邦画 DVD
 後半30分間が重厚でした。今年観てよかった映画です。
 自転車自分ひとり転倒事故で頭を打って以来、その後の記憶が1日分しかもたなくなった大学3回生のお話です。転倒事故以前の記憶は明瞭に残っている。
 「博士が愛した数式」とか、「明日の記憶」、韓国映画の頭の中の消しゴムがどうしたとかいう路線です。
 メモをします。ポラロイドカメラで写真を残します。それでも、翌日になると前日の記憶は残っていません。

男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け 17作 昭和51年夏
 いい作品でした。
 ひさしぶりに映画を観て笑い転げました。
 みなさん若い。(亡くなってしまった人が多い)
 底抜けに明るい太地喜和子演じる芸者ぼたんがいい。
 寅さんと彼女のシーンは、調和がとれていて抜群です。
 人情話です。
 お金<気持ちで、「気持ち」を大切にするところがいい。
 けんかになると軽く手が出るところがいい。

ノッティングヒルの恋人 洋画 DVD
 気が休まる英国ロンドンを舞台にした映画でした。アメリカハリウッド女優(当然美しい)とロンドンノッティングヒルで旅行書を専門に扱う書店主とのラブストーリーでした。

レオン 洋画 DVD
 94年フランス・アメリカ映画です。初めて観ました。腕利きの殺し屋レオンと12歳のマチルダが一緒に暮らしながらマチルダの家族を皆殺しにした組織の相手に復讐をする物語です。正確には、マチルダの弟4歳を殺した相手が敵(かたき)です。赤穂浪士四十七士のようでもあるし、ランボーのようでもある共通の快感がわきあがります。

しあわせの隠れ場所 洋画 DVD
 使い古しの安いDVDを手に入れて観ているので、たまに調子が悪くなったりします。このDVDでは、1時間ぐらい過ぎたあたりでトラブルになり、画面が動かなくなってしまいました。あれこれやってもだめで、別の部屋にある新しいデッキを使ったら徐々に動くようになりました。その結果、同じシーンを何回か繰り返し観ました。おかげで、最初は理解できなかった最初と最後のシーンがつながることとか、アメリカンフットボールのルール(ほんの少しわかった)、キリスト教の教え、人種差別問題、大学入試制度、奨学金制度、貧困問題などを少し理解し、映画のもつメッセージが伝わってきましした。作り話っぽくあったり、強引であったり、理想主義であったりもしますが、気持ちに響いた今年観てよかった1本です。  

Posted by 熊太郎 at 09:25Comments(0)TrackBack(0)熊太郎の語り

2014年12月30日

2014年 今年観てよかった映画

2014年 今年観てよかった映画

あなただけ今晩は 映画 DVD

 うまい! おもしろい。
 1963年のアメリカ映画です。同じスタッフによる「アパートの鍵貨します」は中学生の頃に観ました。今回の映画はアメリカ映画ですが、舞台はパリです。冒頭付近はパリの街角観光案内になっていました。凱旋門の部分が個人的な興味があったのでよかった。
 映画は人生を教えてくれます。良質な映画を観て良質な気持ちを保つ。
 娼婦街があって、ギャングも警察もみなグルで経済活動が成立している。そこへ何も知らないまじめな警察官ネスタ(ジャック・レモン)が登場してどたばた喜劇が繰り広げられます。コメディだけではなくて、ミステリーも含まれています。
 実害のないグレーゾーンの世界があります。されど、毒におかされてマヒした世界です。ジャックレモンは、自分が好きになった娼婦イルマ(シャーリー・マクレーン)をまっとうな世界へと導きたい。更生保護は、言葉ではなくて、態度で示すというメッセージがこめられた作品でした。

ナイトミュージアム 1と2 映画 DVD
 自然史博物館の展示物が夜になると動き出す。
 離婚後息子を妻にとられた父親が博物館の警備員として大活躍をして父親としての権威をとり戻す。
 映像がきれいです。楽しそうで、期待感をもちながら観始めました。正直、最初は怖かった。だんだん慣れてきます。ティラノザウルスの骨格が、「遊んでくれ」とじゃれてくるシーンはかわいい。学習するとか、仕事を継続するとかの強い意志が底辺に脈々と川のごとく流れています。目指すは、対立するもの同志の「共存」です。そこには当然「愛」があります。

歓喜の歌 映画 DVD
 泣けました。笑えました。つくってもつくっても埋もれていく良質な邦画の存在を主張したい。誠実な名作映画を再び表に出したい。
 市ホールの重複予約が発端です。おおみそか、いわゆるベートーベン9番歓喜の歌を歌うグループが、グループの名が似ていたいことから重複予約となってしまう。素人ながら、最後は共同開催で手打ちとなることが予測できるのですが、そこまでに至るまでが苦労です。

箱入り息子の恋 映画 DVD
 秀作です。
 市役所歴13年のヒラ職員天雫健太郎(あましずくけんたろう)は、職場と家の往復、昼食は自宅でとる。趣味はテレビゲーム、ペットはカエル、酒もタバコもやらないといういい意味では真面目、そうでない意味では、面白みのない35歳男性です。恋人いない歴35年です。
 ひとり息子が結婚しないと天雫家の家系が途絶えてしまう。あせった両親が双方、両親だけの婚活に走ります。

おとなり 映画 DVD
 なかなかいい映画でした。
 東京のとあるアパートで、お隣同士で暮らす30歳ぐらい男女のラブストーリーです。お隣同士ですが住んでいた期間、ふたりが顔を会わせることはありませんでした。
 お隣の生活音が聞こえる共同住宅からヒントを得て創作して成功した脚本制作です。風景カメラマンを目指す聡とフラワーアレンジメントを目指してフランス留学を目指している七緒がお隣同士で生活します。

ワンチャンス 映画館
 イギリス映画。ヒューマンラブコメディでした。コンパクトにまとめてあることから軽さを感じますが、それはそれでいい。主人公のポール(音声ではパウロに聞こえることもある。)が、再び声が出るようになって、喜びすぎて、車とぶつかったあとの病院でのシーンには笑いました。そのほかにも、そこかしこにおかしくて笑ってしまうシーンが多々ありました。少々あからさまで下品なセリフも多いのですが、こんなものだろうと、強い抵抗感までには至りません。イギリス工業地帯の海岸風景を背景にして、現実に妥協して我慢の人生を送る人たちの気持ちが強く伝わってきました。鑑賞後は、さわやかでした。観客に夢を与えてくれる映画です。お勧めします。

映画館と小説 青天の霹靂(へきれき) 劇団ひとり
 もうずいぶん前に読んだ小説なので、記憶が遠ざかっていました。トランプ手品から始まるのですが、小説にその場面があったことを思い出せません。これ以上ここに書くと映画のだいご味が損なわれますので書きません。
 まじめで優しい映画でした。ていねいに積み重ねられて、時間をかけて制作されたことがわかります。細かなシーンのつなぎが絶妙で、うまい!音楽も素晴らしい。1978年、昭和48年の風景です。

超高速参勤交代 映画館
 「高速参勤交代」というタイトルだと思って映画館へ行きました。チケット購入窓口で頭に「超」がつくことに気づきました。
 高速であるために、ルートをショートカットします。歩くのではなく、走ります。お金がないので、途中で行列に並ぶ人々を雇用します。(この部分は、江戸時代の現実でも実際にあったとなにかで聞いたことがあります。)
 優しくて気持ちの温かい映画でした。お勧めします。ごたくが多かったり(もったいぶってくどくど)もしますが、いい映画でした。撮影は現代的なサムライ映画でした。戦闘シーンも迫力がありました。打楽器の音楽もいい。  

Posted by 熊太郎 at 17:43Comments(0)TrackBack(0)熊太郎の語り

2014年12月29日

2014年 今年聴いてよかった曲

2014年 今年聴いてよかった曲

○交響詩 モルダウ 作曲スメタナ
 自分なりに思うには、モルダウというのは、ロシア国を流れる大河で、この音楽はその流れをイメージして創作されている。
 導入部は、管楽器が川のさざ波を表している。そしてだんだん川の流れは音の厚みとともに太くなっていく。川は人生の流れそのものです。
 映画やドラマの背景に流れる曲として、重厚、荘厳で、ぴったりくると思います。

○アランフェス協奏曲 第2楽章:Adagio ギター 村治佳織
 ギターとオーケストラとの共演です。中世ヨーロッパの演劇を見ているようです。
 そこには神の存在があります。
 そして、人がいます。
 どうすることもできない悲しみがあります。
 それでも人は、ほんのわずかな光のありかを求めています。

○アダージョ ト短調(アルビノーニ/ジャゾット編曲)
 バロック音楽です。(17世紀から18世紀のヨーロッパ音楽)
 自分なりに思うのは、音に強弱、速度管理、繰り返しの技法を用いることによって、感情表現をしていく。ときには、音の流れを止めたりもする。それが、聞き手の気持ちにぐっとこみあげるものを呼び起こさせるのです。バイオリンの音色は、バイオリンが言葉を発しているようです。

○カノン ニ長調 パッヘルベル
 一定のリズムを刻みながらだんだん盛り上がっていきます。明るい調子の曲ですから幸福感が満ちる頃をイメージしてあるのでしょう。
 季節に例えるなら、雪が積もる長い冬を超えて、暖かい春のきざしが訪れたのです。

○ラフマニノフ ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調作品18
 オリンピックで、女子スケート選手が最初の演技でこけてしまい、次の演技で演じたときの曲です。感動的でした。
 作曲自身も、心の病にかかってしまったあと、長い期間を経てこの曲を作曲し自らが演奏して成功を収めた曲となっています。

○「大阪暮色」、「すずめの涙」 桂銀淑(ケイウンスク)
 ここまで書いた曲とは曲調が異なるのですが、似ていないこともない。
 思いどおりに生きられるはずもない人生の中で葛藤する人間の姿があります。  

Posted by 熊太郎 at 21:40Comments(0)TrackBack(0)熊太郎の語り