2020年09月12日
お手がみください 髙森美由紀
お手がみください 髙森美由紀 産業編集センター
読む前の知識として、お孫さんが、ひいおばあちゃんに何度も手紙を出したけれど、返事をもらえませんでしたという情報を得ました。
そこで、ああ、その理由は、ひいおばあちゃんが、文字を書けなかったからだろうと推測しました。だから本のタイトルが、「お手紙」ではなく、「お手がみ」にしてあるのだろうと。
第二次世界大戦後に義務教育が完備される前の年配の人たちは、学校に行きたくても行けず、学校教育を受けられなかった人もいます。
先日映画「愛を読む人」を観て、この本に興味をもちました。映画の原題は、「朗読者」で、15歳の少年が、文字の読み書きができない30代の女性に物語を朗読するものでした。
第二次世界大戦の暗い影があるナチスドイツがらみのお話でした。
読み始めたら、少し驚きました。登場してきたのは、こどもさんではなく、31歳未婚女子、さらに会社が倒産して現在無職になってしまったという田中眞子(たなか・まこ)さんだったからです。
この物語は、彼女の回想になるのでしょうか。
ずいぶん昔の話から始まります。23年ぐらい前に亡くなった田中眞子さんのひいおばあちゃんの話です。
ご家族は、これから、ひいおばあちゃんが生活していた部屋を片付けて、部屋のリフォームをするようです。
ひいおばあちゃんが亡くなった当時、田中眞子さんは小学2年生だったそうです。
部屋に残っているのは、こたつ、たんす、戸棚、ブラウン管テレビ、冷蔵庫などです。
田中眞子さんが生まれたとき祖父母はすでに他界していて、家にはひいおばあちゃんがいた。おばあちゃんは、高齢になったので引き取られた。
13ページまできて、四行あけて、時代背景は過去へと飛びました。
田中眞子さんは小学2年生で、1年生の時は下校後、夜間保育園(保育園の延長)に通っていましたが、1年生の3学期からひいおばあちゃんのかずさんが同居するようになり、夜間保育園を卒園しました。
小学校での朗読の宿題があります。
童話の「ふたりはともだち」は読んだことがあります。がまがえるとかえるのふたりが出てきます。同じかえるなのに、がまとふつうのかえるで、わかりにくいところがありました。
お話自体は、思いやりの物語でした。
孫の眞子ちゃんの宿題朗読が終わって、ちゃんとやったという証拠のサインをひいおばあちゃんのかずさんにお願いしましたが、ひいおばあちゃんが「たなかかず」のサインを書き終わるまでがひと苦労です。動作の表現が豊かで笑いました。
かずさんのセリフ「(うまく署名できないから)困った先生だこと、教え子を疑うとは」が良かった。
かずおばあちゃんは、眞子さんに「回覧板」の朗読を頼みます。
こどもさん向けのお話かと思っていましたが、おとな向けでした。むずかしい漢字がたくさん出てきます。
共働き家庭の小学2年生女児と80歳ひいおばあちゃんの心の交流です。
ひいおばあちゃんにとってみれば、長生きは幸せなのかという本人がもつ疑問のようなお悩みが潜んでいます。
ふつうは、幼児が文字を覚えていく手順をひいおばあちゃんが覚えるパターンになっています。
「わくわくあいうえお」というテレビ番組があるそうです。
「づ・お・り・ほ・か・い・つ・れ・ぢ・し」は、「であいは、かいてんずし」ちょっとわかりませんでした。
2年1組女子のいやらしい世界があります。いじめです。
いろいろちょっと話のつくりに無理があります。
難をいえば、文章にリズム感がないので少し読みにくいです。あと、シーンとしての文章の固まりの区切り目がわかりにくいです。
72ページの二行目に誤植があるような。「布団」の間にアルファベットのSが横向きになっています。全体的に推敲とか点検が不十分な印象が残りました。
ギャグみたいなやりとりのいくつかには笑いました。
「参観日」「晩餐会(ばんさんかい)」
「お手上げってこと?」「バンザイってことだ」
ひいおばあちゃんが話す文字の読み書きに関する思い出話の部分を読んでいるとなんだかせつなくなってきます。文字学習の基本は、絵本読みからです。チャンスがなかったのは残念です。
読んでいて、ひらがなの成り立ちとして、「変体仮名」を習ったのを思い出しました。
調べた言葉などとして、
咽る(むせる):めんをすすってむせる。この部分は、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん。気管支に水や食べ物が入る)のことだろと思いながら読みました。
ピンチハンガー:せんたくばさみがいっぱい付いているハンガー。タオル、下着、靴下などを吊り下げる。
慇懃(いんぎん):礼儀正しい。ただし、慇懃無礼(いんぎんぶれい)になると失礼なことになる。わざとらしく丁寧にして相手を馬鹿にしている。
麺を啜る:めんをすする。
伸し餅(のしもち):板状のもち
肥後森(ひごのもり):小刀(こがたな。ナイフ)
賑々しい(にぎにぎしい):たいへんにぎやかなようす
射程に収める:ねらいをつける。
破顔(はがん):顔をほころばせて笑う。
逸らす:そらす
言い方を諫める:いいかたをいさめる。過ちや悪いところを忠告する。
瞠目(どうもく):驚いたりして目をみはる。
斟酌(しんしゃく):相手の事情や心情をくみとる。
相田みつを(あいだ・みつお):男性。1924年-1991年 67歳没 詩人・初夏 代表作として「にんげんだもの」
金子みすゞ(かねこ・みすず):1903年(明治36年)-1930年(昭和5年) 26歳で自死 童謡詩人 「わたしと小鳥と鈴と」の一節として、「みんなちがって みんないい」
凹む:へこむ
検める:あらためる。検査する。
険が抜ける:けんがぬける。とげとげしさがぬける。
揶揄が滲む(やゆがにじむ):皮肉めいた批判が広がる。
迸ばしる:ほとばしる。勢いよく飛び散る。
綿埃:わたぼこり
精進落とし(しょうじんおとし):お寺の儀式のあとなどに食べる食事
一張羅(いっちょうら):一番上等な衣類もしくは、一枚だけの衣類
滔々と(とうとうと):よどみなくどんどん流れていく。
辛うじて(かろうじて):ぎりぎりのところで
良かった文節などとして、
「感情に勝ち負けも、いいも悪いもない」
「字に謝りなさい(あやまりなさい)」
「(字を知らないばあちゃんに)大好きだよ」
倒産で、潰れた(つぶれた)のは会社で、人間じゃないという趣旨のセリフ
読む前の知識として、お孫さんが、ひいおばあちゃんに何度も手紙を出したけれど、返事をもらえませんでしたという情報を得ました。
そこで、ああ、その理由は、ひいおばあちゃんが、文字を書けなかったからだろうと推測しました。だから本のタイトルが、「お手紙」ではなく、「お手がみ」にしてあるのだろうと。
第二次世界大戦後に義務教育が完備される前の年配の人たちは、学校に行きたくても行けず、学校教育を受けられなかった人もいます。
先日映画「愛を読む人」を観て、この本に興味をもちました。映画の原題は、「朗読者」で、15歳の少年が、文字の読み書きができない30代の女性に物語を朗読するものでした。
第二次世界大戦の暗い影があるナチスドイツがらみのお話でした。
読み始めたら、少し驚きました。登場してきたのは、こどもさんではなく、31歳未婚女子、さらに会社が倒産して現在無職になってしまったという田中眞子(たなか・まこ)さんだったからです。
この物語は、彼女の回想になるのでしょうか。
ずいぶん昔の話から始まります。23年ぐらい前に亡くなった田中眞子さんのひいおばあちゃんの話です。
ご家族は、これから、ひいおばあちゃんが生活していた部屋を片付けて、部屋のリフォームをするようです。
ひいおばあちゃんが亡くなった当時、田中眞子さんは小学2年生だったそうです。
部屋に残っているのは、こたつ、たんす、戸棚、ブラウン管テレビ、冷蔵庫などです。
田中眞子さんが生まれたとき祖父母はすでに他界していて、家にはひいおばあちゃんがいた。おばあちゃんは、高齢になったので引き取られた。
13ページまできて、四行あけて、時代背景は過去へと飛びました。
田中眞子さんは小学2年生で、1年生の時は下校後、夜間保育園(保育園の延長)に通っていましたが、1年生の3学期からひいおばあちゃんのかずさんが同居するようになり、夜間保育園を卒園しました。
小学校での朗読の宿題があります。
童話の「ふたりはともだち」は読んだことがあります。がまがえるとかえるのふたりが出てきます。同じかえるなのに、がまとふつうのかえるで、わかりにくいところがありました。
お話自体は、思いやりの物語でした。
孫の眞子ちゃんの宿題朗読が終わって、ちゃんとやったという証拠のサインをひいおばあちゃんのかずさんにお願いしましたが、ひいおばあちゃんが「たなかかず」のサインを書き終わるまでがひと苦労です。動作の表現が豊かで笑いました。
かずさんのセリフ「(うまく署名できないから)困った先生だこと、教え子を疑うとは」が良かった。
かずおばあちゃんは、眞子さんに「回覧板」の朗読を頼みます。
こどもさん向けのお話かと思っていましたが、おとな向けでした。むずかしい漢字がたくさん出てきます。
共働き家庭の小学2年生女児と80歳ひいおばあちゃんの心の交流です。
ひいおばあちゃんにとってみれば、長生きは幸せなのかという本人がもつ疑問のようなお悩みが潜んでいます。
ふつうは、幼児が文字を覚えていく手順をひいおばあちゃんが覚えるパターンになっています。
「わくわくあいうえお」というテレビ番組があるそうです。
「づ・お・り・ほ・か・い・つ・れ・ぢ・し」は、「であいは、かいてんずし」ちょっとわかりませんでした。
2年1組女子のいやらしい世界があります。いじめです。
いろいろちょっと話のつくりに無理があります。
難をいえば、文章にリズム感がないので少し読みにくいです。あと、シーンとしての文章の固まりの区切り目がわかりにくいです。
72ページの二行目に誤植があるような。「布団」の間にアルファベットのSが横向きになっています。全体的に推敲とか点検が不十分な印象が残りました。
ギャグみたいなやりとりのいくつかには笑いました。
「参観日」「晩餐会(ばんさんかい)」
「お手上げってこと?」「バンザイってことだ」
ひいおばあちゃんが話す文字の読み書きに関する思い出話の部分を読んでいるとなんだかせつなくなってきます。文字学習の基本は、絵本読みからです。チャンスがなかったのは残念です。
読んでいて、ひらがなの成り立ちとして、「変体仮名」を習ったのを思い出しました。
調べた言葉などとして、
咽る(むせる):めんをすすってむせる。この部分は、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん。気管支に水や食べ物が入る)のことだろと思いながら読みました。
ピンチハンガー:せんたくばさみがいっぱい付いているハンガー。タオル、下着、靴下などを吊り下げる。
慇懃(いんぎん):礼儀正しい。ただし、慇懃無礼(いんぎんぶれい)になると失礼なことになる。わざとらしく丁寧にして相手を馬鹿にしている。
麺を啜る:めんをすする。
伸し餅(のしもち):板状のもち
肥後森(ひごのもり):小刀(こがたな。ナイフ)
賑々しい(にぎにぎしい):たいへんにぎやかなようす
射程に収める:ねらいをつける。
破顔(はがん):顔をほころばせて笑う。
逸らす:そらす
言い方を諫める:いいかたをいさめる。過ちや悪いところを忠告する。
瞠目(どうもく):驚いたりして目をみはる。
斟酌(しんしゃく):相手の事情や心情をくみとる。
相田みつを(あいだ・みつお):男性。1924年-1991年 67歳没 詩人・初夏 代表作として「にんげんだもの」
金子みすゞ(かねこ・みすず):1903年(明治36年)-1930年(昭和5年) 26歳で自死 童謡詩人 「わたしと小鳥と鈴と」の一節として、「みんなちがって みんないい」
凹む:へこむ
検める:あらためる。検査する。
険が抜ける:けんがぬける。とげとげしさがぬける。
揶揄が滲む(やゆがにじむ):皮肉めいた批判が広がる。
迸ばしる:ほとばしる。勢いよく飛び散る。
綿埃:わたぼこり
精進落とし(しょうじんおとし):お寺の儀式のあとなどに食べる食事
一張羅(いっちょうら):一番上等な衣類もしくは、一枚だけの衣類
滔々と(とうとうと):よどみなくどんどん流れていく。
辛うじて(かろうじて):ぎりぎりのところで
良かった文節などとして、
「感情に勝ち負けも、いいも悪いもない」
「字に謝りなさい(あやまりなさい)」
「(字を知らないばあちゃんに)大好きだよ」
倒産で、潰れた(つぶれた)のは会社で、人間じゃないという趣旨のセリフ
2020年09月11日
ナチスから図書館を守った人たち
ナチスから図書館を守った人たち デイビッド・E・フィッシュマン 羽田詩津子(はたしづこ)・訳 原書房
ナチスはユダヤ人という人間だけではなく、ユダヤ人の歴史や文化まで根絶やしにしようとしたそうです。だから、ユダヤ人の本をこの世から消滅させようとした。
記録の舞台は、リトアニアです。命のビザを発給した日本人外交官杉浦千畝(すぎうら・ちうね)さんの名前が思い浮かびます。
本のカバーには、ユダヤ人の大虐殺があったリトアニアの首都ヴィルナ(現在のヴィリニュス)で、ユダヤ人の本を後世に残すために活動したユダヤ人40人のチーム「紙部隊」の命を賭けた闘いがあったと記されています。ナチスに奴隷扱いで働かされた人たちとあります。
話はずれるのですが、最近、韓国は、ハングル語が普及して、漢字を読めない人が増えてきているという記事を読みました。その結果、韓国の人は、漢字で書かれた過去の歴史書を読めなくなってきているという内容でした。そんなことがあるのかと驚きましたが、考えてみれば、そういうこともあるのだろうという結論に達してしまいます。
この本を読み始めて30ページぐらいまできたところですが、80年ぐらい前の第二次世界大戦中であれば、「本」は紙ベースでした。現代は、画像データやテキストドキュメントで保存がききます。そういう点では、技術が平和につながっていると安心しました。
(あとさきの記述になりますが、最初に)
いつも読みながら感想を継ぎ足していく方式で文章をつくっているのですが、この本は、読みながら理解するのがむずかしく、さきほど全体を読み終えたところですが、出てきた人物の氏名をここに落として少しはわかるようにしてみます。戦時中当時の年齢は30代前後の人が多い。ユダヤ人のみなさんです。
シュメルケ・カチェルギンスキ:この本の主人公的位置づけ。グループのまとめ役。パルチザン(ナチス・ドイツに対する抵抗組織の一員。非正規軍)になった。
アブロム・スツケヴェル:シュメルケの相棒的存在。詩人。パルチザンになった。
イサク・ストラシュン:ストラシュン図書館の司書助手。男性。図書館創立者の孫
ハイクル・ウンスキ:ストラシュン図書館の司書。相談係。男性
マックス・ヴァインラッヒ:ヴィルナのYIVO(リトアニアの首都ヴィルナのイーヴォ・ユダヤ人文化研究所)の所長。1940年からは、ニューヨークYIVOの所長
ゼーリグ・カルマノーヴィッチ:ヴィルナYIVOの副所長。紙部隊の副隊長
ヨハネス・ポール博士:この人はユダヤ人ではありません。ドイツナチス側の人です。文化的財産を略奪するための組織ERR(全国指導者ローゼンベルク特捜隊)の責任者。ユダヤ民族専門家。ナチズムの信奉者
ロフル・クリンスキー:紙部隊の同僚。女性。ハイスクールの歴史教師。娘がサラ
アンタナス・ウルピス:リトアニア・ソビエト社会主義共和国の図書館室長。大量の本や記録文書を聖ジョージ教会に移した。
リトアニアの首都の呼び方:場所は同一ですが、ユダヤ人は「ヴィルナ」、リトアニア語だと「ヴィリニュス」、ポーランド語で「ヴィルノ」
ミハエル・メンキン:紙部隊の一員。2012年時点で93歳。アメリカニュージャージー州の養護施設暮らし。
シオニズム:イスラエルにユダヤ人のふるさとを再建しようという運動
ヘルマン・クルク:ゲットー貸出図書館の館長。紙部隊の隊長
ハイム・グラーデ:シュメルケの友人。詩人、作家
ヴォルフ・ラツキ・バルトルディ:ユダヤ人の社会主義指導者
ノアフ・プルウツキ:1941年現在59歳。学者。ユダヤ人知識人。ソビエト化されたYIVOイーヴォ、ユダヤ研究所の所長、ヴィルナ大学イディッシュ語教授。1941年YIVOイーヴォは、ドイツ軍に支配された。妻が、パウラ・プリウツキ。夫のノアフ・プルウツキは、1941年8月18日に処刑された。
当時、ヴィルナにいた学者、知識人は、ナチスドイツの配下で、奴隷的な労働に従事させられた。ユダヤ文化の消滅に協力させられた。
ヘルマン・クルク:ワルシャワのグロッサ図書館長。ユダヤ人司書。日記を書き残した。弟が、ピンカス。弟はアメリカへ渡った。
アナトール・フリード:ユダヤ評議会議長。ドイツは、ユダヤ人収容区域であるゲットーの中をユダヤ人に組織させた評議会で統制させた。ユダヤ人内の不満をユダヤ人に向けさせる作戦あり。
FPO:パルチザン連合組織。1941年編成。最高司令官は、イツイック・ヴィテンベルク。副官がコブナー。地雷のつくり方を本で知識を得た。
カフタン:トルコの民族衣装
ボルシェビキ:ソ連共産党の前身
アルベルト・シュポルケット:ERR(ドイツの組織。文化遺産の略奪担当)の横暴な責任者
ヘルベルト・ゴッタルド博士:ERRのユダヤ民族専門家
グトコヴィッチ:シュメルケの小学校時代からの友人。共産党地下組織に所属。ユダヤ美術館館長。
「はじめに」と「第1部 戦前」
さて、物語のほうです。1943年7月から始まりました。日本では、昭和18年です。終戦が、昭和20年です。
基本的には、「本」が好きな人たちだと思います。図書館関係者たちの偉業です。「紙部隊」のメンバーとして紹介される最初の人は、孤児として育ったシュメルケ・カチェルギンスキという当時34歳の人です。詩人で、文学関係者のまとめ役です。
敵は、ナチスのヨハネス・ポール博士とあります。
博士が属していた組織として、ERR:全国指導者ローゼンベルク特捜隊(ローゼンベルクは局長の名前 文化遺産の略奪担当
以前映画で観たポーランドの動物園のことを思い出しました。そのときもナチスの動物博士がポーランドの人やポーランドにいたユダヤ人をいじめていました。
ページに、当時の地図があります。
最近独裁で話題になっているベラルーシがあります。ベラルーシの北が、この本の舞台のリトアニアです。
首都ヴィルナにユダヤ人収容区域である「ゲットー」の図面があります。当時の人口は、19万3000人だったとあります。そのうちの28.5%がユダヤ人だったそうです。宗教(ユダヤ教)のことはわたしは知りませんが、「文化的には、東ヨーロッパユダヤ民族の首都、リトアニアのエルサレム」だったそうです。ヴィルナというのは、都市ではなく、イデア(理念)とあります。
ヴィルナの住民は、きっと、ユダヤ人の文化人関係者も多かったことでしょう。だから、「本」を大切にしたのでしょう。
先日、ヒトラーの青年期の本を読みました。彼がなぜユダヤ人の大虐殺をしたのかという理由は、結局、「わからない」でした。推測としては、ドイツ人のストレスがナチスドイツの組織に向かないように、特定の民族を攻撃して論点をそらしたのではないかということでした。ひどい話です。
これはこうだろうとか、こういう情報があるからとか、あの人がああいうからとか、事実とは異なることで、人の命まで左右されるようなことが起こります。
世の中は、先入観という思い込みによって、間違ったイメージで成り立っています。ずいぶん昔に読んだ本で、世界各地を旅行された方が書いた本に、「世界は誤解で成り立っているということがわかりました」という文章が書かれていたのを思い出しました。
お互いに交流を深めて、話し合って、よく理解しあって、平和な世界になってほしい。
さて、話は戻って、本の内容では、リトアニアの都市の歴史の説明が続きます。日本でいうところの関ケ原の合戦1600年頃から濃厚な歴史が始まっています。
タルムード:旧約聖書に出てくるモーセが伝えた律令(りつりょう)ユダヤ教徒の生活と信仰の基(もと)
ユダヤ人の言語としては、「イディッシュ語」「ヘブライ語」
調べた言葉として、
シナゴーグ:ユダヤ教の会堂 集会所
「第2部 ドイツ占領下で」
1941年6月22日です。戦争が終わるのは、1945年です。
混乱しています。悲惨です。
ゲットー(ユダヤ人収容区域)にユダヤ人向けの図書館があって、開館しています。
収容所での苦しい生活をまぎらわせるために人々は本を借りて読みます。また、本の閲覧室で座って本を読んでいるふりをして心を落ち着かせます。
ドイツ軍は、ユダヤ人女性は出産を禁止するという法令をつくりました。1942年2月5日以降に生まれた赤ちゃんはドイツ軍によって毒殺されました。
また、年配者は、サナトリウムに送られて、療養するのではなく、全員が殺されました。
図書館で貸し出された本のタイトルがいくつか並べられています。ジュール・ベルヌの「八十日間世界一周」、同じくジュール・ベルヌの「グラント船長の子供たち」、マーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」、トルストイの「戦争と平和」、レマルクの「西部戦線異状なし」、いちばんよく読まれたのは、犯罪小説だったそうです。
主な登場人物としては、パルチザン(他国の支配に抵抗するために結成された非正規軍の構成員)になった。ふたりとも詩人でした。読んでいて気づいたのですが、ヨーロッパにおける「詩人」とは、政治活動をするようなリーダー的存在をさし、人から尊敬される立場のようです。いっぽう日本で言うところの、「詩人」は、情緒たっぷりの詩を書いて、人々の心をいやしてくれる存在です。
シュメルケ・カチェルギンスキ
アブロム・スツケヴェル
ふたりとも銃を持った写真が出ています。
もうひとりは女性で、
ロフル・クリンスキー 結婚して、まだ二歳ぐらいの小さなこどもさんと生き別れになって、四年後、なんとか再会されていますが、ご主人は、ドイツ軍に捕まって銃殺されています。
この三人は、三十歳前後の年齢でした。
YIVO:イーヴォ。イディッシュ科学研究所。1925年設立。国立のユダヤ調査研究所。ユダヤ人文化の研究、保存、振興のための機関。図書館の役割もある。
共産主義とか社会主義にに対する反発があるのですが、かといって、資本主義が完ぺきなわけでもありません。けっきょく、完ぺきな「主義」というものは存在しないという読み手の感想に落ち着きます。
ただ、共産主義、社会主義にある、集団のための管理には嫌悪感をもちます。「自由」も「文化」も組織の上層部の意向に沿うように管理されるのです。
むずかしい。ヨーロッパで暮らしたことがないので、歴史とか文化の下地がありません。知らないことやわからないことも多い。読んでいても理解できないことが多い。
ポナリ:地名。ユダヤ人の大量虐殺があった場所
(つづく)
これまでわかりにくかったこともあって、ふりかえりながら以下のとおり整理してみました。自己解釈もあるので、違う点もあるかもしれません。
イディッシュとは、ユダヤ人のこと。ユダヤ人が話す言葉。ドイツ語に近い。
ヘブライ語とは、古代パレスチナに住んでいたヘブライ人が使っていた言語。現在、イスラエルで、現代ヘブライ語が使われている。
シオニズムとは、イスラエルにふるさとを再建しよう。ユダヤ人の運動
リトアニア国の首都ヴィリニュスにナチスドイツが、ヴィルナ・ゲットー(収容としてのユダヤ人居住区域)をつくった。
ヴィルナは、“リトアニアのエルサレム”と呼ばれていた。リトアニア語では、「ヴィリュニス」、ロシア語で、「ヴィリナ」、ドイツ語で、「ヴィルナ」
1940年6月にソビエトがヴィルナを支配下においたが、1941年6月にドイツ軍が攻撃してきて、ヴィルナの支配権はドイツ軍に移った。ここから、ドイツ軍のユダヤ人虐殺が始まった。
ドイツの組織ERR(ローゼンベルク特捜隊)が、ユダヤ人の本を処分するための組織だった。
対象になった図書館は、ヴェルナ大学図書館、ヴブレフスキ州立図書館(ポーランド国立図書館の地方館)、それからYIVOイーヴォの図書館だった。
ナチス・ドイツは、ユダヤ文化撲滅のために、図書館の本をドイツへ移送すると提案してきた。表向きは、貴重な財産の保存、本当は、本の処分が目的だった。
本の選別、移送をする労働をするのが、ゲットーに収容されていた図書館関係者で、ナチスドイツは彼らのことを、「紙部隊」といった。
紙部隊のメンバーは40人のユダヤ人だった。彼らは、本が処分されることを知り、貴重な知的文化財産である本を後世に残すために、ドイツに送られて処分される本を体に隠して、ゲットーの地下深くにある秘密の場所に持ち帰り隠した。持ち出しをナチスドイツに見つかれば殺されてしまう。しかし、かれらは、自分たちの命はいずれにせよ長くはないと観念して、覚悟を決めて、本を隠して図書館から持ち出した。彼らの年齢は大半が30歳前後だった。
ユダヤ人の居住区域であるゲットーにあるユダヤ人の自治組織ユダヤ評議会の意向で、ゲットー図書館ができた。
1942年2月11日ドイツの兵隊がゲットー図書館に来た。命令として、シナゴーグのストラシュン図書館の蔵書をヴィルナ大学図書館に移す。それは、ストラシュン図書館の閉鎖を意味する。
1942年6月、ユダヤ民族の本を救うために、メンバーたちは、YIVOイーヴォ図書館の作業場からこっそりと持ち出しを始めます。本、原稿、記録、美術品などを持ち出します。
ちょっとわかりにくいのですが、市街地の中にゲットーの区域がふたつあって、紙部隊の作業場であるYIVOイーヴォ図書館が、ゲットーの区域外にあって、同図書館から、ゲットーの中に本を持ち込むときに、検問所を通らなければならないと考えました。
1942年8月2日の紙部隊副隊長の日記で、すべての図書館が廃館になったとあります。大量の本は製紙工場へ運ばれて処分されます。当時リサイクルがあったとは思えないので、読めないような状態で廃棄処分されたのでしょう。
戦況は厳しくなり、紙部隊のメンバーたちの一部は命を落としていきます。
1944年9月18日にあった大量のユダヤ人の処刑で亡くなった司書のひとりは、「記録」を遺そうとします。「日記」です。メモを重ねるようにひたすら紙に文字を書きます。見つかるのを恐れながらもほとんど読み取れない筆跡で書きます。「未来の世代のためにあらゆることを記録する。だれかがこれを発見する日がくるだろう。わたしが記録した恐怖のページを」という詩の文節に胸を打たれます。「平和」であってほしい。(埋めて隠された日記は、戦後、そのことを知る生存者によって掘り起こされています)
ハインリッヒ・ヒムラ―:ヒトラーの側近。親衛隊のトップ。ユダヤ人に対する迫害を実行した。1945年、44歳没。自死
「第3部 戦後」
レーニン:1870年-1924年 53歳没 ロシアの革命家、政治家。史上初の社会主義国家を樹立。
スターリン:1878年-1953年 74歳没 レーニンの死後29年間、ソビエト連邦の最高指導者を務めた。
第二次世界大戦が終わっても、ソ連の目があって、隠したユダヤ人の資料を公表することができません。公表までにはさらに永い歳月がかかっています。40年後です。聖ジョージ教会に保管というか放置されます。途中、いろいろありますが、秘匿されます。1990年3月にリトアニアがソ連から独立してようやく1994年に資料が日の目を見ます。
ゲシュタポ:ドイツ警察組織内の秘密警察部門
トーラーの朗読:ユダヤ教の聖書における最初の「モーセ五書」のこと。「教え」という意味
「第4部 粛清から贖罪へ」
読んでいて、「人間って何なんだろう」と考えこみます。
生まれた時代、生まれた場所で、全然違う体験をもつことになります。
「死」が近い時代と場所の時もあるし、そうでないときもあります。
ただ、歴史を創り出しているのは人間であることに間違いはありません。
ナチスはユダヤ人という人間だけではなく、ユダヤ人の歴史や文化まで根絶やしにしようとしたそうです。だから、ユダヤ人の本をこの世から消滅させようとした。
記録の舞台は、リトアニアです。命のビザを発給した日本人外交官杉浦千畝(すぎうら・ちうね)さんの名前が思い浮かびます。
本のカバーには、ユダヤ人の大虐殺があったリトアニアの首都ヴィルナ(現在のヴィリニュス)で、ユダヤ人の本を後世に残すために活動したユダヤ人40人のチーム「紙部隊」の命を賭けた闘いがあったと記されています。ナチスに奴隷扱いで働かされた人たちとあります。
話はずれるのですが、最近、韓国は、ハングル語が普及して、漢字を読めない人が増えてきているという記事を読みました。その結果、韓国の人は、漢字で書かれた過去の歴史書を読めなくなってきているという内容でした。そんなことがあるのかと驚きましたが、考えてみれば、そういうこともあるのだろうという結論に達してしまいます。
この本を読み始めて30ページぐらいまできたところですが、80年ぐらい前の第二次世界大戦中であれば、「本」は紙ベースでした。現代は、画像データやテキストドキュメントで保存がききます。そういう点では、技術が平和につながっていると安心しました。
(あとさきの記述になりますが、最初に)
いつも読みながら感想を継ぎ足していく方式で文章をつくっているのですが、この本は、読みながら理解するのがむずかしく、さきほど全体を読み終えたところですが、出てきた人物の氏名をここに落として少しはわかるようにしてみます。戦時中当時の年齢は30代前後の人が多い。ユダヤ人のみなさんです。
シュメルケ・カチェルギンスキ:この本の主人公的位置づけ。グループのまとめ役。パルチザン(ナチス・ドイツに対する抵抗組織の一員。非正規軍)になった。
アブロム・スツケヴェル:シュメルケの相棒的存在。詩人。パルチザンになった。
イサク・ストラシュン:ストラシュン図書館の司書助手。男性。図書館創立者の孫
ハイクル・ウンスキ:ストラシュン図書館の司書。相談係。男性
マックス・ヴァインラッヒ:ヴィルナのYIVO(リトアニアの首都ヴィルナのイーヴォ・ユダヤ人文化研究所)の所長。1940年からは、ニューヨークYIVOの所長
ゼーリグ・カルマノーヴィッチ:ヴィルナYIVOの副所長。紙部隊の副隊長
ヨハネス・ポール博士:この人はユダヤ人ではありません。ドイツナチス側の人です。文化的財産を略奪するための組織ERR(全国指導者ローゼンベルク特捜隊)の責任者。ユダヤ民族専門家。ナチズムの信奉者
ロフル・クリンスキー:紙部隊の同僚。女性。ハイスクールの歴史教師。娘がサラ
アンタナス・ウルピス:リトアニア・ソビエト社会主義共和国の図書館室長。大量の本や記録文書を聖ジョージ教会に移した。
リトアニアの首都の呼び方:場所は同一ですが、ユダヤ人は「ヴィルナ」、リトアニア語だと「ヴィリニュス」、ポーランド語で「ヴィルノ」
ミハエル・メンキン:紙部隊の一員。2012年時点で93歳。アメリカニュージャージー州の養護施設暮らし。
シオニズム:イスラエルにユダヤ人のふるさとを再建しようという運動
ヘルマン・クルク:ゲットー貸出図書館の館長。紙部隊の隊長
ハイム・グラーデ:シュメルケの友人。詩人、作家
ヴォルフ・ラツキ・バルトルディ:ユダヤ人の社会主義指導者
ノアフ・プルウツキ:1941年現在59歳。学者。ユダヤ人知識人。ソビエト化されたYIVOイーヴォ、ユダヤ研究所の所長、ヴィルナ大学イディッシュ語教授。1941年YIVOイーヴォは、ドイツ軍に支配された。妻が、パウラ・プリウツキ。夫のノアフ・プルウツキは、1941年8月18日に処刑された。
当時、ヴィルナにいた学者、知識人は、ナチスドイツの配下で、奴隷的な労働に従事させられた。ユダヤ文化の消滅に協力させられた。
ヘルマン・クルク:ワルシャワのグロッサ図書館長。ユダヤ人司書。日記を書き残した。弟が、ピンカス。弟はアメリカへ渡った。
アナトール・フリード:ユダヤ評議会議長。ドイツは、ユダヤ人収容区域であるゲットーの中をユダヤ人に組織させた評議会で統制させた。ユダヤ人内の不満をユダヤ人に向けさせる作戦あり。
FPO:パルチザン連合組織。1941年編成。最高司令官は、イツイック・ヴィテンベルク。副官がコブナー。地雷のつくり方を本で知識を得た。
カフタン:トルコの民族衣装
ボルシェビキ:ソ連共産党の前身
アルベルト・シュポルケット:ERR(ドイツの組織。文化遺産の略奪担当)の横暴な責任者
ヘルベルト・ゴッタルド博士:ERRのユダヤ民族専門家
グトコヴィッチ:シュメルケの小学校時代からの友人。共産党地下組織に所属。ユダヤ美術館館長。
「はじめに」と「第1部 戦前」
さて、物語のほうです。1943年7月から始まりました。日本では、昭和18年です。終戦が、昭和20年です。
基本的には、「本」が好きな人たちだと思います。図書館関係者たちの偉業です。「紙部隊」のメンバーとして紹介される最初の人は、孤児として育ったシュメルケ・カチェルギンスキという当時34歳の人です。詩人で、文学関係者のまとめ役です。
敵は、ナチスのヨハネス・ポール博士とあります。
博士が属していた組織として、ERR:全国指導者ローゼンベルク特捜隊(ローゼンベルクは局長の名前 文化遺産の略奪担当
以前映画で観たポーランドの動物園のことを思い出しました。そのときもナチスの動物博士がポーランドの人やポーランドにいたユダヤ人をいじめていました。
ページに、当時の地図があります。
最近独裁で話題になっているベラルーシがあります。ベラルーシの北が、この本の舞台のリトアニアです。
首都ヴィルナにユダヤ人収容区域である「ゲットー」の図面があります。当時の人口は、19万3000人だったとあります。そのうちの28.5%がユダヤ人だったそうです。宗教(ユダヤ教)のことはわたしは知りませんが、「文化的には、東ヨーロッパユダヤ民族の首都、リトアニアのエルサレム」だったそうです。ヴィルナというのは、都市ではなく、イデア(理念)とあります。
ヴィルナの住民は、きっと、ユダヤ人の文化人関係者も多かったことでしょう。だから、「本」を大切にしたのでしょう。
先日、ヒトラーの青年期の本を読みました。彼がなぜユダヤ人の大虐殺をしたのかという理由は、結局、「わからない」でした。推測としては、ドイツ人のストレスがナチスドイツの組織に向かないように、特定の民族を攻撃して論点をそらしたのではないかということでした。ひどい話です。
これはこうだろうとか、こういう情報があるからとか、あの人がああいうからとか、事実とは異なることで、人の命まで左右されるようなことが起こります。
世の中は、先入観という思い込みによって、間違ったイメージで成り立っています。ずいぶん昔に読んだ本で、世界各地を旅行された方が書いた本に、「世界は誤解で成り立っているということがわかりました」という文章が書かれていたのを思い出しました。
お互いに交流を深めて、話し合って、よく理解しあって、平和な世界になってほしい。
さて、話は戻って、本の内容では、リトアニアの都市の歴史の説明が続きます。日本でいうところの関ケ原の合戦1600年頃から濃厚な歴史が始まっています。
タルムード:旧約聖書に出てくるモーセが伝えた律令(りつりょう)ユダヤ教徒の生活と信仰の基(もと)
ユダヤ人の言語としては、「イディッシュ語」「ヘブライ語」
調べた言葉として、
シナゴーグ:ユダヤ教の会堂 集会所
「第2部 ドイツ占領下で」
1941年6月22日です。戦争が終わるのは、1945年です。
混乱しています。悲惨です。
ゲットー(ユダヤ人収容区域)にユダヤ人向けの図書館があって、開館しています。
収容所での苦しい生活をまぎらわせるために人々は本を借りて読みます。また、本の閲覧室で座って本を読んでいるふりをして心を落ち着かせます。
ドイツ軍は、ユダヤ人女性は出産を禁止するという法令をつくりました。1942年2月5日以降に生まれた赤ちゃんはドイツ軍によって毒殺されました。
また、年配者は、サナトリウムに送られて、療養するのではなく、全員が殺されました。
図書館で貸し出された本のタイトルがいくつか並べられています。ジュール・ベルヌの「八十日間世界一周」、同じくジュール・ベルヌの「グラント船長の子供たち」、マーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」、トルストイの「戦争と平和」、レマルクの「西部戦線異状なし」、いちばんよく読まれたのは、犯罪小説だったそうです。
主な登場人物としては、パルチザン(他国の支配に抵抗するために結成された非正規軍の構成員)になった。ふたりとも詩人でした。読んでいて気づいたのですが、ヨーロッパにおける「詩人」とは、政治活動をするようなリーダー的存在をさし、人から尊敬される立場のようです。いっぽう日本で言うところの、「詩人」は、情緒たっぷりの詩を書いて、人々の心をいやしてくれる存在です。
シュメルケ・カチェルギンスキ
アブロム・スツケヴェル
ふたりとも銃を持った写真が出ています。
もうひとりは女性で、
ロフル・クリンスキー 結婚して、まだ二歳ぐらいの小さなこどもさんと生き別れになって、四年後、なんとか再会されていますが、ご主人は、ドイツ軍に捕まって銃殺されています。
この三人は、三十歳前後の年齢でした。
YIVO:イーヴォ。イディッシュ科学研究所。1925年設立。国立のユダヤ調査研究所。ユダヤ人文化の研究、保存、振興のための機関。図書館の役割もある。
共産主義とか社会主義にに対する反発があるのですが、かといって、資本主義が完ぺきなわけでもありません。けっきょく、完ぺきな「主義」というものは存在しないという読み手の感想に落ち着きます。
ただ、共産主義、社会主義にある、集団のための管理には嫌悪感をもちます。「自由」も「文化」も組織の上層部の意向に沿うように管理されるのです。
むずかしい。ヨーロッパで暮らしたことがないので、歴史とか文化の下地がありません。知らないことやわからないことも多い。読んでいても理解できないことが多い。
ポナリ:地名。ユダヤ人の大量虐殺があった場所
(つづく)
これまでわかりにくかったこともあって、ふりかえりながら以下のとおり整理してみました。自己解釈もあるので、違う点もあるかもしれません。
イディッシュとは、ユダヤ人のこと。ユダヤ人が話す言葉。ドイツ語に近い。
ヘブライ語とは、古代パレスチナに住んでいたヘブライ人が使っていた言語。現在、イスラエルで、現代ヘブライ語が使われている。
シオニズムとは、イスラエルにふるさとを再建しよう。ユダヤ人の運動
リトアニア国の首都ヴィリニュスにナチスドイツが、ヴィルナ・ゲットー(収容としてのユダヤ人居住区域)をつくった。
ヴィルナは、“リトアニアのエルサレム”と呼ばれていた。リトアニア語では、「ヴィリュニス」、ロシア語で、「ヴィリナ」、ドイツ語で、「ヴィルナ」
1940年6月にソビエトがヴィルナを支配下においたが、1941年6月にドイツ軍が攻撃してきて、ヴィルナの支配権はドイツ軍に移った。ここから、ドイツ軍のユダヤ人虐殺が始まった。
ドイツの組織ERR(ローゼンベルク特捜隊)が、ユダヤ人の本を処分するための組織だった。
対象になった図書館は、ヴェルナ大学図書館、ヴブレフスキ州立図書館(ポーランド国立図書館の地方館)、それからYIVOイーヴォの図書館だった。
ナチス・ドイツは、ユダヤ文化撲滅のために、図書館の本をドイツへ移送すると提案してきた。表向きは、貴重な財産の保存、本当は、本の処分が目的だった。
本の選別、移送をする労働をするのが、ゲットーに収容されていた図書館関係者で、ナチスドイツは彼らのことを、「紙部隊」といった。
紙部隊のメンバーは40人のユダヤ人だった。彼らは、本が処分されることを知り、貴重な知的文化財産である本を後世に残すために、ドイツに送られて処分される本を体に隠して、ゲットーの地下深くにある秘密の場所に持ち帰り隠した。持ち出しをナチスドイツに見つかれば殺されてしまう。しかし、かれらは、自分たちの命はいずれにせよ長くはないと観念して、覚悟を決めて、本を隠して図書館から持ち出した。彼らの年齢は大半が30歳前後だった。
ユダヤ人の居住区域であるゲットーにあるユダヤ人の自治組織ユダヤ評議会の意向で、ゲットー図書館ができた。
1942年2月11日ドイツの兵隊がゲットー図書館に来た。命令として、シナゴーグのストラシュン図書館の蔵書をヴィルナ大学図書館に移す。それは、ストラシュン図書館の閉鎖を意味する。
1942年6月、ユダヤ民族の本を救うために、メンバーたちは、YIVOイーヴォ図書館の作業場からこっそりと持ち出しを始めます。本、原稿、記録、美術品などを持ち出します。
ちょっとわかりにくいのですが、市街地の中にゲットーの区域がふたつあって、紙部隊の作業場であるYIVOイーヴォ図書館が、ゲットーの区域外にあって、同図書館から、ゲットーの中に本を持ち込むときに、検問所を通らなければならないと考えました。
1942年8月2日の紙部隊副隊長の日記で、すべての図書館が廃館になったとあります。大量の本は製紙工場へ運ばれて処分されます。当時リサイクルがあったとは思えないので、読めないような状態で廃棄処分されたのでしょう。
戦況は厳しくなり、紙部隊のメンバーたちの一部は命を落としていきます。
1944年9月18日にあった大量のユダヤ人の処刑で亡くなった司書のひとりは、「記録」を遺そうとします。「日記」です。メモを重ねるようにひたすら紙に文字を書きます。見つかるのを恐れながらもほとんど読み取れない筆跡で書きます。「未来の世代のためにあらゆることを記録する。だれかがこれを発見する日がくるだろう。わたしが記録した恐怖のページを」という詩の文節に胸を打たれます。「平和」であってほしい。(埋めて隠された日記は、戦後、そのことを知る生存者によって掘り起こされています)
ハインリッヒ・ヒムラ―:ヒトラーの側近。親衛隊のトップ。ユダヤ人に対する迫害を実行した。1945年、44歳没。自死
「第3部 戦後」
レーニン:1870年-1924年 53歳没 ロシアの革命家、政治家。史上初の社会主義国家を樹立。
スターリン:1878年-1953年 74歳没 レーニンの死後29年間、ソビエト連邦の最高指導者を務めた。
第二次世界大戦が終わっても、ソ連の目があって、隠したユダヤ人の資料を公表することができません。公表までにはさらに永い歳月がかかっています。40年後です。聖ジョージ教会に保管というか放置されます。途中、いろいろありますが、秘匿されます。1990年3月にリトアニアがソ連から独立してようやく1994年に資料が日の目を見ます。
ゲシュタポ:ドイツ警察組織内の秘密警察部門
トーラーの朗読:ユダヤ教の聖書における最初の「モーセ五書」のこと。「教え」という意味
「第4部 粛清から贖罪へ」
読んでいて、「人間って何なんだろう」と考えこみます。
生まれた時代、生まれた場所で、全然違う体験をもつことになります。
「死」が近い時代と場所の時もあるし、そうでないときもあります。
ただ、歴史を創り出しているのは人間であることに間違いはありません。
2020年09月10日
もしも恐竜とくらしたら 山本省三
もしも恐竜とくらしたら 山本省三 WAVE出版
こどもさん向けの楽しい絵本です。
たしか、恐竜がいた時代は、わたしが独自につくった自分のための年表によると、
宇宙の始まり:146億年前
地球誕生:46億年前
恐竜時代として、
三畳紀(さんじょうき。2億年ぐらい前)
ジュラ紀(1億5000万年ぐらい前)
白亜紀(7000万年ぐらい前)
恐竜は、6600万年前ぐらいに、隕石の衝突で気候が変化した地球環境が原因で死滅した。
と記録されております。
いまふと思いついたのですが、「ジュラシックワールドとか、ジュラシックパーク」のジュラは、「ジュラ紀」からきているのかもしれません。
この絵本では、ジュラ紀に生きていたとされる「ステゴサウルス」を「テス」と名づけて、動物園で飼育するように南の島ジュラジュラ島で、育成管理をします。
お散歩にも連れていきます。梶原佑太くんが、おとうさん、おかあさん、妹のことみさんと、家族で恐竜の世話をします。研究所の人たちもいます。
恐竜は実は、鳥に近い仲間と説明があります。意外です。
餌は葉っぱです。
福岡ドームみたいなところが恐竜の家ですが、福岡ドームよりはこじんまりとしています。
恐竜の背中にあるビロビロの説明があります。体温調整の役割があったそうです。初知識です。
恐竜の「ふん」の化石の説明もあります。ふんをリサイクルしているそうです。おもしろい。
歩くスピードは人間よりは早い。あんなにでかいのに。
へーぇと思うことがいっぱい書いてあります。
二足歩行(にそくほこう)ができた時期もあったそうです。
四本足で立って、一時間おきに眠ったり、起きたりする睡眠のとりかたです。浅い眠りです。恐竜も夢を見ることがあったような気がしてきました。
こどもさん向けの楽しい絵本です。
たしか、恐竜がいた時代は、わたしが独自につくった自分のための年表によると、
宇宙の始まり:146億年前
地球誕生:46億年前
恐竜時代として、
三畳紀(さんじょうき。2億年ぐらい前)
ジュラ紀(1億5000万年ぐらい前)
白亜紀(7000万年ぐらい前)
恐竜は、6600万年前ぐらいに、隕石の衝突で気候が変化した地球環境が原因で死滅した。
と記録されております。
いまふと思いついたのですが、「ジュラシックワールドとか、ジュラシックパーク」のジュラは、「ジュラ紀」からきているのかもしれません。
この絵本では、ジュラ紀に生きていたとされる「ステゴサウルス」を「テス」と名づけて、動物園で飼育するように南の島ジュラジュラ島で、育成管理をします。
お散歩にも連れていきます。梶原佑太くんが、おとうさん、おかあさん、妹のことみさんと、家族で恐竜の世話をします。研究所の人たちもいます。
恐竜は実は、鳥に近い仲間と説明があります。意外です。
餌は葉っぱです。
福岡ドームみたいなところが恐竜の家ですが、福岡ドームよりはこじんまりとしています。
恐竜の背中にあるビロビロの説明があります。体温調整の役割があったそうです。初知識です。
恐竜の「ふん」の化石の説明もあります。ふんをリサイクルしているそうです。おもしろい。
歩くスピードは人間よりは早い。あんなにでかいのに。
へーぇと思うことがいっぱい書いてあります。
二足歩行(にそくほこう)ができた時期もあったそうです。
四本足で立って、一時間おきに眠ったり、起きたりする睡眠のとりかたです。浅い眠りです。恐竜も夢を見ることがあったような気がしてきました。
2020年09月09日
ペイ・フォアード 可能の王国 アメリカ映画DVD
ペイ・フォアード 可能の王国 アメリカ映画DVD 2000年公開
「PAY IT FORWARD」が原題の小説を映画化してあります。小説の映画化なので、2時間ぐらいの映像にまとめるのは難しかったのではないかという感想をもちました。設定としては、現実にはなさそうな出来事の連続で、筋立てに無理があり、苦しい展開でしたが、趣旨は伝わってきました。
こどもさんが主人公の映画ですが、内容は、「哲学的」です。難しい。ひとりひとりが人に言えないことをいっぱい抱え込んでいます。物語をリードしていく社会科教師もしっかりしているようで、実は弱い。男女の付き合いで、嫉妬心(しっとしん。やきもち)を押さえられません。
他人から自分が受けた善意を、善意を与えてくれた人ではなく、その他の無関係は人たち3人に善意や思いやりを渡していく。そうすると、善意が、ネズミ算式に広がって、平和で温かい社会ができる。それを、ペイ・フォアードという。ペイ・フォアードという行為を広めましょうとというメッセージです。されど、そうするのには、いろいろと困難があるのです。
主人公は11歳で、学年の制度が日本とは異なりますが、日本でいうところの中学1年生であるという設定のトレバー少年です。
彼は、アル中の母親と暮らす母子家庭で育っていて、父親は母親に家庭内暴力を振るう男だったというっことで、映画の始まりでは行方不明の設定です。
いいことはあまりありません。薬物中毒のホームレスとか、父親からの虐待体験がある社会科の先生とか、ホームレスの男性たちなどが登場します。そして児童間には、いじめがあります。
新聞記者が、「ペイ・フォアード」といういいニュースを取材するという方式で、ストーリーが流れていきます。
正直者は結局はバカをみる。自分を守るためには、知らん顔をする。だれも助けてくれないから、自分自身が敵となる相手と闘うしかない。そういう終わり方をするのかという感じでしたが、ラストシーンに強いメッセージがありました。鑑賞後に考える映画です。
良かったセリフなどとして、
「(学校という束縛は、永遠じゃない)いつか君たちは自由になる」自由になったあとの君たちの生活が、「失望」にならないようにしたいというような趣旨の社会科教師の発言
「(ホームレスになって、夜、新聞紙を毛布代わりにしたときに)人生を台無しにしたと思った」ホームレスの発言
「世の中はクソだよ」
「君のせいじゃない。できないこともある」
「世界が変わるのを見たかったが、(ペイ・フォアードというプランは)失敗した」
「(飛び降り自殺をしようとしている女性が)わたしのことをわかってもらえない」
「(飛び降り自殺を止めようとする通りがかりの男性が)いっしょにコーヒーを飲んでください。オレを助けると思って(自分には、あなたが必要です)」
「(母親の言葉)また、間違えたみたい」「(息子が)間違えてばかりだね。おかあさん」
「無理だからやるんじゃないか。ボクはできると思う。ボクのために(やってよ)」
「人間のやることには、限界がある」
「(アル中の祖母に向かって、アル中の母が)ママを許すわ。(でもいっしょに)元の暮らしはできない」
舞台はアメリカ合衆国ラスベガスでしたが、シーンにギャンブルの雰囲気はまったくなく、それはそれで、自然の風景を映像で見ることができて良かった。
「PAY IT FORWARD」が原題の小説を映画化してあります。小説の映画化なので、2時間ぐらいの映像にまとめるのは難しかったのではないかという感想をもちました。設定としては、現実にはなさそうな出来事の連続で、筋立てに無理があり、苦しい展開でしたが、趣旨は伝わってきました。
こどもさんが主人公の映画ですが、内容は、「哲学的」です。難しい。ひとりひとりが人に言えないことをいっぱい抱え込んでいます。物語をリードしていく社会科教師もしっかりしているようで、実は弱い。男女の付き合いで、嫉妬心(しっとしん。やきもち)を押さえられません。
他人から自分が受けた善意を、善意を与えてくれた人ではなく、その他の無関係は人たち3人に善意や思いやりを渡していく。そうすると、善意が、ネズミ算式に広がって、平和で温かい社会ができる。それを、ペイ・フォアードという。ペイ・フォアードという行為を広めましょうとというメッセージです。されど、そうするのには、いろいろと困難があるのです。
主人公は11歳で、学年の制度が日本とは異なりますが、日本でいうところの中学1年生であるという設定のトレバー少年です。
彼は、アル中の母親と暮らす母子家庭で育っていて、父親は母親に家庭内暴力を振るう男だったというっことで、映画の始まりでは行方不明の設定です。
いいことはあまりありません。薬物中毒のホームレスとか、父親からの虐待体験がある社会科の先生とか、ホームレスの男性たちなどが登場します。そして児童間には、いじめがあります。
新聞記者が、「ペイ・フォアード」といういいニュースを取材するという方式で、ストーリーが流れていきます。
正直者は結局はバカをみる。自分を守るためには、知らん顔をする。だれも助けてくれないから、自分自身が敵となる相手と闘うしかない。そういう終わり方をするのかという感じでしたが、ラストシーンに強いメッセージがありました。鑑賞後に考える映画です。
良かったセリフなどとして、
「(学校という束縛は、永遠じゃない)いつか君たちは自由になる」自由になったあとの君たちの生活が、「失望」にならないようにしたいというような趣旨の社会科教師の発言
「(ホームレスになって、夜、新聞紙を毛布代わりにしたときに)人生を台無しにしたと思った」ホームレスの発言
「世の中はクソだよ」
「君のせいじゃない。できないこともある」
「世界が変わるのを見たかったが、(ペイ・フォアードというプランは)失敗した」
「(飛び降り自殺をしようとしている女性が)わたしのことをわかってもらえない」
「(飛び降り自殺を止めようとする通りがかりの男性が)いっしょにコーヒーを飲んでください。オレを助けると思って(自分には、あなたが必要です)」
「(母親の言葉)また、間違えたみたい」「(息子が)間違えてばかりだね。おかあさん」
「無理だからやるんじゃないか。ボクはできると思う。ボクのために(やってよ)」
「人間のやることには、限界がある」
「(アル中の祖母に向かって、アル中の母が)ママを許すわ。(でもいっしょに)元の暮らしはできない」
舞台はアメリカ合衆国ラスベガスでしたが、シーンにギャンブルの雰囲気はまったくなく、それはそれで、自然の風景を映像で見ることができて良かった。
2020年09月08日
28日後 イギリス映画DVD
28日後 イギリス映画DVD 2002年公開
ウィルスの感染映画だと思って観始めましたが違っていました。
ゾンビ映画でした。ただ、ゾンビよりも怖いのが、「人間ですよ」という趣旨の映画でした。
ウィルス研究所からウィルスが外に出て、感染が広がって、28日後には、ほんの少ししか人間が生き残っていないというところからスタートだと思うのですが、ラスト付近で再び、「28日後」という表示が画面に出ました。よくわかりません。
政府も軍隊も警察も存在しないとあるのですが、軍人のグループは存在しました。
最初はひとり劇、それから、ふたり、しばらくして、4人と増えていきます。小劇団のステージ芝居を映像化してあるような雰囲気でした。
生き残るために、
①感染者は殺す。
②感染者に捕まった人間は見捨てる。
期待したウィルスの話はほとんど出ません。よって、ワクチンの話も出ません。
軍人たちの様子には興味がいきました。
軍事国家には民主主義がない。制服社会にあるのは、「命令」と「服従」のみ。「話し合い」はない。
クレイジーな世界が展開されます。人間同士の殺し合いです。
軍人が考える正常な世界です。
自分が生きるために相手を殺す。
内容は、ふつうの戦争と変わりません。
ふと空を見上げれば、空高くを、ジェット旅客機が飛んでいます。
グロテスクだけれど、まあ映画だから安心です。
イギリス国の地形と風景を観ることができて良かった。
自分には合わない映画でした。
「もうひとつのエンディング(劇場公開バージョン)」も観ました。正反対の終わり方でしたが、どちらでも感じたことは同じでした。
ウィルスの感染映画だと思って観始めましたが違っていました。
ゾンビ映画でした。ただ、ゾンビよりも怖いのが、「人間ですよ」という趣旨の映画でした。
ウィルス研究所からウィルスが外に出て、感染が広がって、28日後には、ほんの少ししか人間が生き残っていないというところからスタートだと思うのですが、ラスト付近で再び、「28日後」という表示が画面に出ました。よくわかりません。
政府も軍隊も警察も存在しないとあるのですが、軍人のグループは存在しました。
最初はひとり劇、それから、ふたり、しばらくして、4人と増えていきます。小劇団のステージ芝居を映像化してあるような雰囲気でした。
生き残るために、
①感染者は殺す。
②感染者に捕まった人間は見捨てる。
期待したウィルスの話はほとんど出ません。よって、ワクチンの話も出ません。
軍人たちの様子には興味がいきました。
軍事国家には民主主義がない。制服社会にあるのは、「命令」と「服従」のみ。「話し合い」はない。
クレイジーな世界が展開されます。人間同士の殺し合いです。
軍人が考える正常な世界です。
自分が生きるために相手を殺す。
内容は、ふつうの戦争と変わりません。
ふと空を見上げれば、空高くを、ジェット旅客機が飛んでいます。
グロテスクだけれど、まあ映画だから安心です。
イギリス国の地形と風景を観ることができて良かった。
自分には合わない映画でした。
「もうひとつのエンディング(劇場公開バージョン)」も観ました。正反対の終わり方でしたが、どちらでも感じたことは同じでした。
2020年09月07日
ギャシュリークラムのちびっ子たち エドワード・ゴーリー
ギャシュリークラムのちびっ子たち エドワード・ゴーリー 柴田元幸・訳
先日読んだ同作者の「うろんな客」からこの大人の絵本(ブラックユーモア、ブラックジョーク)にきました。うろんな客は、カラスのような体をした奇妙な生き物が家に居つく話でした。17年が経ったと書いてありました。最初はその生き物がなにかわからなかったのですが、巻末の解説を読んで、「こども」であることがわかりました。
ですので、今回のこの本は、最初に巻末にある訳者の解説から読みました。
エドワード・ゴーリーの経歴を読むのが楽しかった。とくに、名前は、本名であること。彼はアメリカ人ですが、文学においては、紫式部のファンであること、映画においては、溝口健二作品のファンであること。2000年5月に75歳心臓発作で亡くなっていること。近親者がいなかったこと。
このちびっ子たちの絵本は、1963年に出版されています。ページをめくるたびに子どもが死んだという記事が書いてあります。アルファベットの、「A」から「Z」まで続きます。アルファベットの頭文字が、子どもの名前の頭文字です。子どもが悲惨に死んでいきます。
読み手である自分は、結局、こどもというのは、生きていればいいんだという結論に達しました。
ページをめくります。
英会話の学習教材みたいです。英語の構文紹介です。
アルファベット(たとえばA)+be動詞+for 〇〇〇+関係代名詞(whoとか)……
エイミーは、階段から落ちて死んじゃったみたいなパターンが延々と続きます。
だれそれは、こんなふうに死んじゃった。
救いがありません。
ブラックな現象。世の中の悲しみ。どちらかといえば、隠しておきたいこと。暗い人間心理があります。そういったものがあるという、「存在」を示すおとなのための絵本です。不幸に対する解決策は、提示されません。
事故死、病死、自殺、いろいろあります。
アーチストが描く絵ですので、絵は上手です。白黒エッチング版画みたい。
一度読み終えて、もう一度読もうという気力はわいてきません。
とはいえ、絵本を捨てようとは思いません。じっさい、こういうことはあるし、避けられません。
こどものまま亡くなった少年少女を悼む(いたむ 悲しむ)お話だという気持ちで受け止めます。
こどもに望むことは、とりあえず、生きていてほしいということ。
先日読んだ同作者の「うろんな客」からこの大人の絵本(ブラックユーモア、ブラックジョーク)にきました。うろんな客は、カラスのような体をした奇妙な生き物が家に居つく話でした。17年が経ったと書いてありました。最初はその生き物がなにかわからなかったのですが、巻末の解説を読んで、「こども」であることがわかりました。
ですので、今回のこの本は、最初に巻末にある訳者の解説から読みました。
エドワード・ゴーリーの経歴を読むのが楽しかった。とくに、名前は、本名であること。彼はアメリカ人ですが、文学においては、紫式部のファンであること、映画においては、溝口健二作品のファンであること。2000年5月に75歳心臓発作で亡くなっていること。近親者がいなかったこと。
このちびっ子たちの絵本は、1963年に出版されています。ページをめくるたびに子どもが死んだという記事が書いてあります。アルファベットの、「A」から「Z」まで続きます。アルファベットの頭文字が、子どもの名前の頭文字です。子どもが悲惨に死んでいきます。
読み手である自分は、結局、こどもというのは、生きていればいいんだという結論に達しました。
ページをめくります。
英会話の学習教材みたいです。英語の構文紹介です。
アルファベット(たとえばA)+be動詞+for 〇〇〇+関係代名詞(whoとか)……
エイミーは、階段から落ちて死んじゃったみたいなパターンが延々と続きます。
だれそれは、こんなふうに死んじゃった。
救いがありません。
ブラックな現象。世の中の悲しみ。どちらかといえば、隠しておきたいこと。暗い人間心理があります。そういったものがあるという、「存在」を示すおとなのための絵本です。不幸に対する解決策は、提示されません。
事故死、病死、自殺、いろいろあります。
アーチストが描く絵ですので、絵は上手です。白黒エッチング版画みたい。
一度読み終えて、もう一度読もうという気力はわいてきません。
とはいえ、絵本を捨てようとは思いません。じっさい、こういうことはあるし、避けられません。
こどものまま亡くなった少年少女を悼む(いたむ 悲しむ)お話だという気持ちで受け止めます。
こどもに望むことは、とりあえず、生きていてほしいということ。