2024年09月21日
成瀬は天下を取りに行く 宮島美奈
成瀬は天下を取りに行く 宮島美奈 新潮社
話題になっている本なので、読んでみることにしました。
まずは、ざーっと最後までページをめくってみる。
登場人物名や地名などを拾ってみる。
島崎みゆき:2006年(平成18年)生まれ。第一話では、中学二年生。この物語の進行役としてスタートします。
成瀬あかり:この物語の主人公女子。最初は中学二年生。そのうち女子高生に育つようです。滋賀県立膳所高等学校1年3組。(ぜぜこうとうがっこう)。琵琶湖畔にある大津市のきらめき中学校卒。
成瀬あかりがどれほど野球のことを知っているのか不明な出だしなのですが、彼女は、『ライオンズ女子』と呼ばれるようになっていきます。(結果的には、成瀬あかりは、相当、プロ野球の球団である西武ライオンズのことを知っていました。店舗も含めての『西武愛』があります)
西武ライオンズ球団:わたしは、中高生時代を福岡県で過ごしたので、当時福岡市を本拠地にしていた西鉄ライオンズのファンでした。球団はその後、何度か名称を変えました。そして、埼玉県へ行ってしまいました。
本の目次には、『ありがとう西武大津店』とあります。
出てくる言葉などとして、ぐるりんワイド、笹塚哲郎、マサル、敬太、大黒悠子、甲賀市(こうかし)、東大、須田くん、桃谷先輩、西浦航一郎(錦木高校二年生)、遥香(はるか)、瑞音(みずね、同級生)、杉本:サッカー部男子、タクロー。
(ざーっと目を通したあと、これから2回目の本読みです)
この本の魅力はなんなのだろう?
魅力を探る(さぐる)読書です。
江州音頭(ごうしゅうおんど):江州とは、滋賀県のこと。近江の国(おうみのくに)のこと。
小倉百人一首かるた選手権大会とあります。映画を思い出しました。
ちはやふる(やはり、118ページにかるたの記事が出てきました。部活のことを、『かるた部』といいます)
ページをめくると、マスクをした女子高生のイラストが出てくるのですが、彼女がつけているマスクに、『ありがとう 西武大津店』と書いてあります。お店の宣伝だろうか。それとも、閉店してしまうから、「ありがとう」なのだろうか。彼女の名前がたぶん、『成瀬あかり』に違いない。(やはり西武は閉店するようです。うしろのページに書いてあります。百貨店? スーパー? 2021年(令和3年)8月末閉店。ショッピングセンターでした)
6ページ、彼女いわく、『島崎(みゆき)、わたしはこの夏を西武にささげようと思う』(どういう意味だろう? お店に? 球団に?)
ふたりはおさななじみで、島崎は凡人で、成瀬は奇人らしい。
7ページでわかりました。成瀬あかりは、夏休みに毎日ショッピングセンター西武に通うらしい。(涼みにいくのだろうか。年寄りみたいだ)
成瀬の両親は滋賀県出身だそうです。島崎みゆきの母は横浜出身で、父も滋賀県出身ではないそうです。
この物語は、『滋賀県愛』をアピールするものだろうか。お笑い芸人ダイアンとか、8ページに、ミュージシャンの西川貴教さんのお名前が登場しました。(わたしは実物を、通りがかった繁華街に設置されたステージで、声だけ聞いたことがあります。ラジオ放送をやっていました。たいへんな人気者で、ものすごい人だかりでした。群衆で本人を見ることはできませんでした。インタビューに答える声だけ聞こえました)
ぐるりんワイド:滋賀県内で放送される夕方のローカル番組。
西武ライオンズの選手がからんだ話です。
最初の短編部分を読み終えました。こんな感じで短編が続くと理解しました。
ショッピングセンター西武大津店が閉店した8月中のお話です。
がんばる成瀬あかりと、彼女に対して冷ややかな地元テレビ局のクルー(撮影隊)です。
同級生の島崎みゆきのひとり語りで物語は進行していきます。
コロナのころの話です。
日本のコロナ禍:2020年(令和2年)1月末-2023年(令和5年)5月(位置づけが、インフルエンザと同じ5類になった。1類が一番危険だそうです)
西武大津店の閉店:2020年(令和2年)8月31日
以前から、地方のどこにでもあった閉店風景です。ジャスコとか、ダイエーとか、ユニーとか、いろいろありました。今では、なんだか、イオンのひとり勝ちです。
コロナ禍だからか、マスクに文字を書くという行為があります。
エゴサーチ:自分に関する情報を検索すること。
8月31日に中学校を休むという話が出てきます。8月31日まで夏休みではないようです。2学期制のところは、3学期制のところより、夏休みが早く終わります。滋賀県は1年間を2学期方式ですな。
『成瀬あかり』とは、著者のことだろうか。
西武大津店閉店にあたって、成瀬あかりの夢は、『将来、わたしが大津にデパートを建てる』
これから先、この話はどうなっていくだろう。読む意欲が湧いてきました。
『膳所(ぜぜ)から来ました』
膳所(ぜぜ):昔、現在の大津市にあった町。膳所町。1933年(昭和8年)合併により廃止。
成瀬あかりと島崎みゆき、中学二年生のふたりが、漫才コンビ『ゼゼカラ』を組んで、漫才コンテスト『M1』の予選に挑戦します。
成瀬あかりの発想が現実離れしているのですが、おもしろい。なんとか障害のこどもさんだろうか。
文章は、なんだか、M1出場のノウハウを教わるようです。
漫才は、西武という野球のテーマではなく、閉店したショッピングセンター西武大津店でいく。
成瀬あかりという個人をおもしろおかしく扱う素材にする。(成瀬あかりは、将来、自前のショッピングセンターを創業したい)
この小説の特徴です。
軽く読めます。
文学作品にありがちな雰囲気の暗さ、内容の深刻さはありません。
現代人が求めている文章と内容の創造なのでしょう。
漫才決勝戦のネタは、4分間。予選は、2分間。(そうなのか。短いのね。わたしの考えだと15分ぐらいはやってほしい)
『膳所(ぜぜ)』、地元ネタで勝負です。全国区だと、笑いが出ないかも。
9月26日、大阪にある朝日生命ホールというところで予選会です。観客はいません。審査員だけです。
まあ、いろいろあります。おもしろい。話のもっていきかたがうまい。
ICOCA:いこか。関西圏にある交通系ICカードなのでしょう。(JR西日本エリアだそうです)
ふたりの漫才予選の結果を知りたい人は、本を買うなりして読んでください。
漫才への挑戦は、人生の実績づくりです。おのれは、おのれの人生において、何に挑戦して、何を残してきたかです。
青春時代の思い出づくりです。
中学二年生、人生はまだまだ長い。
『階段は走らない』
短編の終わり付近は、内容表現のもって行き方が文章足らずで弱い感じがしましたが、それもよしです。
稲枝敬太(いなえ・けいた):1977年(昭和52年)生まれ。ひとり者で実家暮らし。滋賀県大津市民。Web会社勤務。
吉峯マサル(よしみね・まさる):稲枝圭太の小学校からの同級生。弁護士。1990年(平成2年)3月小学校卒業生。
タクロー:笹塚拓郎。小学校6年生の冬休みに家庭の事情があって、突然転校していった人物。
ほかに同級生がたくさん出てきます。
ショッピングセンター西武大津店閉店をきっかけとして、小学校の同窓会が企画されます。西武大津店の閉店は、2020年(令和2年)8月31日です。(開店は、1976年(昭和51年)6月、売上・集客のピークが、1992年度(平成4年)だったそうです)
この短編は、2019年(令和元年)10月からスタートします。
タイトルにある、『階段』は、大津店の屋上へとつながる階段をさします。
大津店の屋上に神社があったそうです。
たまに思い出すのですが、おととし11月に宮城県仙台市を観光で訪れたときに、散策マップにあった百貨店の屋上にある神社に似たような話がこちらの本に出てきます。『えびす神社』という名称でした。最初は場所がわからず、店員さんに聞いて教えてもらいました。もう夕暮れ時は過ぎていて、外は真っ暗で、変な観光客夫婦だなと思われたかもしれません。
大津市立ときめき小学校(作品上では、旧大津市立馬場(ばんば)小学校)。
琵琶湖大津プリンスホテル:たぶんわたしは泊まったことがあります。ずいぶん若い頃、職場のバス旅行で琵琶湖周辺に行ったときだったと思います。
文章を読んでいると、なんだろう、今よりも昔のほうが世間の雰囲気が良かったという、『郷愁(きょうしゅう。なつかしさ)』があります。
うみのこ:滋賀県の小学5年生が乗る学習船。
読んでいて、『人間は気持ちで生きている』。そう思いました。
最後のコメントが良かった。
吉峯マサルが稲枝敬太にお礼を言ったあと、稲枝敬太が返答します。
『俺じゃなくて、西武のおかげだよ』
『線がつながる』
読み終えて感じたことです。
余韻が残るお話でした。よいん:あとに残る味わい。言葉ではうまく表現できないけれど、気持ちがすーっとする感じです。
成瀬あかりたちは、中学生から高校一年生になっています。滋賀県立膳所高等学校(ぜぜ)1年3組です。成瀬あかりは、頭髪を丸坊主にしています。(あとで理由がわかります。ここには書きません)。
高校で新しく登場人物となったクラスメートの大貫かえでのひとり語りで物語は進行していきます。大貫かえでの自宅は、高校から約800mにある。
島崎みゆきは、成瀬あかりとは、別の高校へ進学しています。
高島央介(たかしま・おうすけ):クラスメート。東京大学への進学を目指している。なお、成瀬あかりも東大への進学を考えています。(成瀬あかりの成績は、学年で常に一番だそうです)
大黒悠子:クラスメート。仲間ができにくいタイプ同士として、大貫かえでとつるみますが、やがて、大貫かえでが離れていきます。
小倉百人一首の、『決まり字』:上の句(かみのく)を読み始めることで、下の句(しものく)の始まりの文字がわかる。
読んでいて思ったのは、(東大志望の)この子たちは、東京大学を見たことがあるのだろうかという疑問でした。わたしは、高校は福岡県だったのですが、国立の九州大学は、九州の中心にあるであろう大学だから、地図でいうと九州のまんなか(宮崎と熊本の県境(けんざかい))にあるのだろうと勘違いしていました。九州大学は、福岡市内にあります。
物語では、その後の展開で、東大志望の登場人物たちは、8月に東京へ行き、東大のオープンキャンパスに行っています。
7月湖風祭(こふうさい):高校の学園祭でしょう。
西武大津店の跡地:マンション建築中。
東京池袋の西武百貨店:このへんの文章で、しんみりくるものがあります。記念撮影です。
成瀬あかりの目標は、滋賀県大津市に自分のデパートをつくることです。
ポンポンと書いてある文章ですが、読み終えると、心に味わいが広がります。
純粋であること。一途(いちず)であることからくるものです。
『レッツゴーミシガン』
たまたまこの文章のこの部分を書いている今日、テレビ番組、『徹子の部屋』を見ていて、ゲストが楠田枝里子さんだったのですが、こちらの本の主人公である成瀬あかりと楠田枝里子さんの姿が重なりました。見た目が、似ていると思ったのです。中身も多少似ています。
西浦航一郎:高校生。186cm、100kg、柔道をしていたが芽が出ず、かるた部に入って活躍する。広島県代表錦木高校(にしきぎこうこう)の生徒。滋賀県大津市で開催の高校生かるた選手権みたいな大会に参加して、成瀬あかりに心を奪われます。第45回全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会団体戦Dブロック1回戦だそうです。
中橋結希人(なかはし・ゆきと):西浦航一郎の同級生でかるた部員。女好き。されど、成瀬あかりは、普通の人間ではないことに気づく。成瀬あかりは、相当変わっている。
成瀬あかりは、同じかるた部員たちから、愛称として、『なるぴょ~ん』と呼ばれています。本人曰く(いわく)、自分は200歳まで生きることができるそうです。(マンガみたいです。人は、200歳まで生きることはできないとわたしは思います)。なお、成瀬あかりは、スマホを持っていないそうです。
タイトルのミシガンは、琵琶湖を巡る観光遊覧船です。どうして、『ミシガン』という名称なのだろう。調べました。アメリカ合衆国のミシガン州が、滋賀県の友好姉妹都市だそうです。
読み終えて、なかなかいい話でした。
『ときめき江州音頭(ごうしゅうおんど)』
最後まで読み終えました。
最後まで読んでの感想です。
『成瀬あかり』という人物像の描写がいまいち薄いような印象を受けました。つかみどころがない性格、人物設定です。天才である。されど、奇人である。ふわ~とした人物です。魅力はあります。おそらく、滋賀県に彼女がもつデパートがオープンするというところまで話は続いていくのでしょう。奇想天外な点が、ストーリーでの魅力にもなるのでしょう。
(その後のこと)
上記の感想を書いた翌週、東京見物に行ったおり、渋谷区にあるNHK放送センターから公園通りを渋谷駅方向へ歩いていたら、西武百貨店が見えたので写真を撮りました。
本作品の中では、主人公の成瀬あかりが、東京池袋にある西武百貨店の前で写真を撮ります。池袋と渋谷で場所は異なりますが、成瀬あかりのまねをしてみました。わたしが住んでいる愛知県には、西武百貨店はないので西武のロゴは(会社のマーク)珍しいです。
話題になっている本なので、読んでみることにしました。
まずは、ざーっと最後までページをめくってみる。
登場人物名や地名などを拾ってみる。
島崎みゆき:2006年(平成18年)生まれ。第一話では、中学二年生。この物語の進行役としてスタートします。
成瀬あかり:この物語の主人公女子。最初は中学二年生。そのうち女子高生に育つようです。滋賀県立膳所高等学校1年3組。(ぜぜこうとうがっこう)。琵琶湖畔にある大津市のきらめき中学校卒。
成瀬あかりがどれほど野球のことを知っているのか不明な出だしなのですが、彼女は、『ライオンズ女子』と呼ばれるようになっていきます。(結果的には、成瀬あかりは、相当、プロ野球の球団である西武ライオンズのことを知っていました。店舗も含めての『西武愛』があります)
西武ライオンズ球団:わたしは、中高生時代を福岡県で過ごしたので、当時福岡市を本拠地にしていた西鉄ライオンズのファンでした。球団はその後、何度か名称を変えました。そして、埼玉県へ行ってしまいました。
本の目次には、『ありがとう西武大津店』とあります。
出てくる言葉などとして、ぐるりんワイド、笹塚哲郎、マサル、敬太、大黒悠子、甲賀市(こうかし)、東大、須田くん、桃谷先輩、西浦航一郎(錦木高校二年生)、遥香(はるか)、瑞音(みずね、同級生)、杉本:サッカー部男子、タクロー。
(ざーっと目を通したあと、これから2回目の本読みです)
この本の魅力はなんなのだろう?
魅力を探る(さぐる)読書です。
江州音頭(ごうしゅうおんど):江州とは、滋賀県のこと。近江の国(おうみのくに)のこと。
小倉百人一首かるた選手権大会とあります。映画を思い出しました。
ちはやふる(やはり、118ページにかるたの記事が出てきました。部活のことを、『かるた部』といいます)
ページをめくると、マスクをした女子高生のイラストが出てくるのですが、彼女がつけているマスクに、『ありがとう 西武大津店』と書いてあります。お店の宣伝だろうか。それとも、閉店してしまうから、「ありがとう」なのだろうか。彼女の名前がたぶん、『成瀬あかり』に違いない。(やはり西武は閉店するようです。うしろのページに書いてあります。百貨店? スーパー? 2021年(令和3年)8月末閉店。ショッピングセンターでした)
6ページ、彼女いわく、『島崎(みゆき)、わたしはこの夏を西武にささげようと思う』(どういう意味だろう? お店に? 球団に?)
ふたりはおさななじみで、島崎は凡人で、成瀬は奇人らしい。
7ページでわかりました。成瀬あかりは、夏休みに毎日ショッピングセンター西武に通うらしい。(涼みにいくのだろうか。年寄りみたいだ)
成瀬の両親は滋賀県出身だそうです。島崎みゆきの母は横浜出身で、父も滋賀県出身ではないそうです。
この物語は、『滋賀県愛』をアピールするものだろうか。お笑い芸人ダイアンとか、8ページに、ミュージシャンの西川貴教さんのお名前が登場しました。(わたしは実物を、通りがかった繁華街に設置されたステージで、声だけ聞いたことがあります。ラジオ放送をやっていました。たいへんな人気者で、ものすごい人だかりでした。群衆で本人を見ることはできませんでした。インタビューに答える声だけ聞こえました)
ぐるりんワイド:滋賀県内で放送される夕方のローカル番組。
西武ライオンズの選手がからんだ話です。
最初の短編部分を読み終えました。こんな感じで短編が続くと理解しました。
ショッピングセンター西武大津店が閉店した8月中のお話です。
がんばる成瀬あかりと、彼女に対して冷ややかな地元テレビ局のクルー(撮影隊)です。
同級生の島崎みゆきのひとり語りで物語は進行していきます。
コロナのころの話です。
日本のコロナ禍:2020年(令和2年)1月末-2023年(令和5年)5月(位置づけが、インフルエンザと同じ5類になった。1類が一番危険だそうです)
西武大津店の閉店:2020年(令和2年)8月31日
以前から、地方のどこにでもあった閉店風景です。ジャスコとか、ダイエーとか、ユニーとか、いろいろありました。今では、なんだか、イオンのひとり勝ちです。
コロナ禍だからか、マスクに文字を書くという行為があります。
エゴサーチ:自分に関する情報を検索すること。
8月31日に中学校を休むという話が出てきます。8月31日まで夏休みではないようです。2学期制のところは、3学期制のところより、夏休みが早く終わります。滋賀県は1年間を2学期方式ですな。
『成瀬あかり』とは、著者のことだろうか。
西武大津店閉店にあたって、成瀬あかりの夢は、『将来、わたしが大津にデパートを建てる』
これから先、この話はどうなっていくだろう。読む意欲が湧いてきました。
『膳所(ぜぜ)から来ました』
膳所(ぜぜ):昔、現在の大津市にあった町。膳所町。1933年(昭和8年)合併により廃止。
成瀬あかりと島崎みゆき、中学二年生のふたりが、漫才コンビ『ゼゼカラ』を組んで、漫才コンテスト『M1』の予選に挑戦します。
成瀬あかりの発想が現実離れしているのですが、おもしろい。なんとか障害のこどもさんだろうか。
文章は、なんだか、M1出場のノウハウを教わるようです。
漫才は、西武という野球のテーマではなく、閉店したショッピングセンター西武大津店でいく。
成瀬あかりという個人をおもしろおかしく扱う素材にする。(成瀬あかりは、将来、自前のショッピングセンターを創業したい)
この小説の特徴です。
軽く読めます。
文学作品にありがちな雰囲気の暗さ、内容の深刻さはありません。
現代人が求めている文章と内容の創造なのでしょう。
漫才決勝戦のネタは、4分間。予選は、2分間。(そうなのか。短いのね。わたしの考えだと15分ぐらいはやってほしい)
『膳所(ぜぜ)』、地元ネタで勝負です。全国区だと、笑いが出ないかも。
9月26日、大阪にある朝日生命ホールというところで予選会です。観客はいません。審査員だけです。
まあ、いろいろあります。おもしろい。話のもっていきかたがうまい。
ICOCA:いこか。関西圏にある交通系ICカードなのでしょう。(JR西日本エリアだそうです)
ふたりの漫才予選の結果を知りたい人は、本を買うなりして読んでください。
漫才への挑戦は、人生の実績づくりです。おのれは、おのれの人生において、何に挑戦して、何を残してきたかです。
青春時代の思い出づくりです。
中学二年生、人生はまだまだ長い。
『階段は走らない』
短編の終わり付近は、内容表現のもって行き方が文章足らずで弱い感じがしましたが、それもよしです。
稲枝敬太(いなえ・けいた):1977年(昭和52年)生まれ。ひとり者で実家暮らし。滋賀県大津市民。Web会社勤務。
吉峯マサル(よしみね・まさる):稲枝圭太の小学校からの同級生。弁護士。1990年(平成2年)3月小学校卒業生。
タクロー:笹塚拓郎。小学校6年生の冬休みに家庭の事情があって、突然転校していった人物。
ほかに同級生がたくさん出てきます。
ショッピングセンター西武大津店閉店をきっかけとして、小学校の同窓会が企画されます。西武大津店の閉店は、2020年(令和2年)8月31日です。(開店は、1976年(昭和51年)6月、売上・集客のピークが、1992年度(平成4年)だったそうです)
この短編は、2019年(令和元年)10月からスタートします。
タイトルにある、『階段』は、大津店の屋上へとつながる階段をさします。
大津店の屋上に神社があったそうです。
たまに思い出すのですが、おととし11月に宮城県仙台市を観光で訪れたときに、散策マップにあった百貨店の屋上にある神社に似たような話がこちらの本に出てきます。『えびす神社』という名称でした。最初は場所がわからず、店員さんに聞いて教えてもらいました。もう夕暮れ時は過ぎていて、外は真っ暗で、変な観光客夫婦だなと思われたかもしれません。
大津市立ときめき小学校(作品上では、旧大津市立馬場(ばんば)小学校)。
琵琶湖大津プリンスホテル:たぶんわたしは泊まったことがあります。ずいぶん若い頃、職場のバス旅行で琵琶湖周辺に行ったときだったと思います。
文章を読んでいると、なんだろう、今よりも昔のほうが世間の雰囲気が良かったという、『郷愁(きょうしゅう。なつかしさ)』があります。
うみのこ:滋賀県の小学5年生が乗る学習船。
読んでいて、『人間は気持ちで生きている』。そう思いました。
最後のコメントが良かった。
吉峯マサルが稲枝敬太にお礼を言ったあと、稲枝敬太が返答します。
『俺じゃなくて、西武のおかげだよ』
『線がつながる』
読み終えて感じたことです。
余韻が残るお話でした。よいん:あとに残る味わい。言葉ではうまく表現できないけれど、気持ちがすーっとする感じです。
成瀬あかりたちは、中学生から高校一年生になっています。滋賀県立膳所高等学校(ぜぜ)1年3組です。成瀬あかりは、頭髪を丸坊主にしています。(あとで理由がわかります。ここには書きません)。
高校で新しく登場人物となったクラスメートの大貫かえでのひとり語りで物語は進行していきます。大貫かえでの自宅は、高校から約800mにある。
島崎みゆきは、成瀬あかりとは、別の高校へ進学しています。
高島央介(たかしま・おうすけ):クラスメート。東京大学への進学を目指している。なお、成瀬あかりも東大への進学を考えています。(成瀬あかりの成績は、学年で常に一番だそうです)
大黒悠子:クラスメート。仲間ができにくいタイプ同士として、大貫かえでとつるみますが、やがて、大貫かえでが離れていきます。
小倉百人一首の、『決まり字』:上の句(かみのく)を読み始めることで、下の句(しものく)の始まりの文字がわかる。
読んでいて思ったのは、(東大志望の)この子たちは、東京大学を見たことがあるのだろうかという疑問でした。わたしは、高校は福岡県だったのですが、国立の九州大学は、九州の中心にあるであろう大学だから、地図でいうと九州のまんなか(宮崎と熊本の県境(けんざかい))にあるのだろうと勘違いしていました。九州大学は、福岡市内にあります。
物語では、その後の展開で、東大志望の登場人物たちは、8月に東京へ行き、東大のオープンキャンパスに行っています。
7月湖風祭(こふうさい):高校の学園祭でしょう。
西武大津店の跡地:マンション建築中。
東京池袋の西武百貨店:このへんの文章で、しんみりくるものがあります。記念撮影です。
成瀬あかりの目標は、滋賀県大津市に自分のデパートをつくることです。
ポンポンと書いてある文章ですが、読み終えると、心に味わいが広がります。
純粋であること。一途(いちず)であることからくるものです。
『レッツゴーミシガン』
たまたまこの文章のこの部分を書いている今日、テレビ番組、『徹子の部屋』を見ていて、ゲストが楠田枝里子さんだったのですが、こちらの本の主人公である成瀬あかりと楠田枝里子さんの姿が重なりました。見た目が、似ていると思ったのです。中身も多少似ています。
西浦航一郎:高校生。186cm、100kg、柔道をしていたが芽が出ず、かるた部に入って活躍する。広島県代表錦木高校(にしきぎこうこう)の生徒。滋賀県大津市で開催の高校生かるた選手権みたいな大会に参加して、成瀬あかりに心を奪われます。第45回全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会団体戦Dブロック1回戦だそうです。
中橋結希人(なかはし・ゆきと):西浦航一郎の同級生でかるた部員。女好き。されど、成瀬あかりは、普通の人間ではないことに気づく。成瀬あかりは、相当変わっている。
成瀬あかりは、同じかるた部員たちから、愛称として、『なるぴょ~ん』と呼ばれています。本人曰く(いわく)、自分は200歳まで生きることができるそうです。(マンガみたいです。人は、200歳まで生きることはできないとわたしは思います)。なお、成瀬あかりは、スマホを持っていないそうです。
タイトルのミシガンは、琵琶湖を巡る観光遊覧船です。どうして、『ミシガン』という名称なのだろう。調べました。アメリカ合衆国のミシガン州が、滋賀県の友好姉妹都市だそうです。
読み終えて、なかなかいい話でした。
『ときめき江州音頭(ごうしゅうおんど)』
最後まで読み終えました。
最後まで読んでの感想です。
『成瀬あかり』という人物像の描写がいまいち薄いような印象を受けました。つかみどころがない性格、人物設定です。天才である。されど、奇人である。ふわ~とした人物です。魅力はあります。おそらく、滋賀県に彼女がもつデパートがオープンするというところまで話は続いていくのでしょう。奇想天外な点が、ストーリーでの魅力にもなるのでしょう。
(その後のこと)
上記の感想を書いた翌週、東京見物に行ったおり、渋谷区にあるNHK放送センターから公園通りを渋谷駅方向へ歩いていたら、西武百貨店が見えたので写真を撮りました。
本作品の中では、主人公の成瀬あかりが、東京池袋にある西武百貨店の前で写真を撮ります。池袋と渋谷で場所は異なりますが、成瀬あかりのまねをしてみました。わたしが住んでいる愛知県には、西武百貨店はないので西武のロゴは(会社のマーク)珍しいです。