2020年01月07日

彼のみつめる先に ブラジル映画DVD

彼のみつめる先に ブラジル映画DVD 2018年公開 PG12

 レンタルビデオ店の名画コーナーにあったので手に取りました。
 不思議な映画でした。目の見えない青年の映画だと書いてあったので、障害者の不自由さを開放する映画だと思って見始めたのですが、内容は、確かにそうなのですが、さらに、彼は、同性愛者だったのです。最終的には、人として、自由を謳歌(おうか。幸せをおおいに楽しみ合う)する映画と受け止めました。

 16才、高校1年生ぐらいの青少年少女たちにみえます。
 視覚障害者の主人公レオナルドと彼のめんどうを幼いころからみているらしき同級生の女子ジョバンナがいます。レオナルドとジョバンナの恋物語かと思いきや、そうではありません。
 レオナルドは、自由と平等がほしい。健常者と同じに扱ってほしい。家を出たい。海外留学をしたい。ひとりで暮らしたい。
 されど、視覚障害者であるがゆえに、否定と却下の嵐です。両親が最大の敵です。
 へんてんこりんな三角関係が生まれます。男同志の仲の良さに女子のジョバンナが切れます。やきもちを焼くのです。みたことのないパターンでした。

 同級生男子たちによる障害者差別のシーンも何度か出てきますが、男同士の同性愛シーンのほうがショッキングです。障害者であろうがなかろうが、同性愛は認められるのです。  

2020年01月06日

はなちゃんのみそ汁 邦画DVD

はなちゃんのみそ汁 邦画DVD 2015年公開

 幼稚園児はなちゃんのママで、乳がんで亡くなった千恵さんの思い出話です。

 千恵さんはまだ結婚前ですが、左のおっぱい全摘、癌患者となりましたから始まります。やがて癌は全身に転移します。こどもは産めないだろうということです。

 九州弁の心がこもったセリフが良かった。
 結婚する前の話として、(夫の母親が)「そしたら、わたしら、孫も抱けんやん(怒り)」
 妊娠したときの話として、(妻の実父が)「死ぬ気で産め」
 生まれてきたばかりのはなちゃんに、(千恵ママが)「はなちゃんは、すばらしい世界にやってきたとよ」
 
 妻の実父が膠原病で亡くなって、映画の半分が終わりました。次の1時間は、第2話が始まる感じです。こんどは、娘さんである千恵さんが亡くなってしまいます。

 後半は重苦しい。
 歌やコーラスを優先しなければならないのは制作上しかたがないのでしょう。あと、スポンサーなどの映像も。おとなの気持ちが入っていて、そのへんは残念ですが、商業映画なのでしかたがありません。
 医療外の食事療法はうさんくさいものがありましたが、これもしかたがないのでしょう。

 歌い終わったあと、マンションの階上のご夫婦が拍手してくれたシーンが良かった。
 水筒に入れたあったみそ汁を飲むシーンが良かった。
 
 「わたしはツイていた」の決めゼリフは、ピンときませんでした。

 長生きすることはむずかしいことだと感じました。  

2020年01月05日

おふろだいすき 松岡亨子・作 林明子・絵

おふろだいすき 松岡亨子(まつおか・きょうこ)・作 林明子・絵 福音館書店

 今年読んで良かった1冊です。こどもさん向けの絵本です。
 いわゆる「ほら話」です。落語のようでもあります。
 ふつうは、「うそをついてはいけません」と教えますが、物語の世界のなかでは、うそをついてもかまわないのです。むしろ、おおうそつきにならねばならないのです。その気楽さがいい。
 主人公は、4さいぐらいにみえる男の子「まこちゃん」です。まこちゃんの手の中にアヒルの「プッカくん」がいるのがいい。水にぷかぷか浮かぶからプッカなのでしょう。この物語においてプッカくんの存在は大きい。プッカくんは、しゃべります。ニルスの不思議な旅で出てくるカモのリーダーアッカさんを思い出しました。
 おふろのそとには、おかあさんがいて、ときおり、まこちゃんに声をかけてくれます。それが、またいい感じです。おかあさんは、やさしい。
 浴槽に出てくるのは、ウミガメ-ふたごのこどものペンギン-オットセイ-カバ、シロナガスクジラです。カバ以外は、南極の生き物です。
 なかみは、ユーモラスです。発想がすばらしい。思いつきではなく、積み重ねだと察します。
 絵がきれいです。色がきれいです。林明子さんの絵を絵本でよく見かけます。ファンになりました。
 1982年発行のロングセラー作品です。
  

Posted by 熊太郎 at 07:05Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2020年01月04日

静かな炎天 若竹七海

静かな炎天 若竹七海(わかたけ・ななみ 女性) 文春文庫

 アメトークでのカズレーザーさんの推薦図書です。

 まだ、読む前です。
 目次には、7月から12月までの半年間で書いてあり、それぞれが短編なのか、連続物なのかはまだわかりません。

「青い影 七月」
 葉村晶(はむら・あきら 女性 40才ぐらい 白熊探偵社の調査員)が、主人公のようです。彼女は、ミステリ専門店(MURDER BEAR BOOKSHOP)のバイト店員でもあります。
 交通事故が発生します。東京都三鷹市杏林大学病院前あたりです。葉村晶のひとりがたりの一人称で文章は進行していきます。
 大型トラックが路線バスに追突しました。

(つづく)

 読み終えました。高尚でした。上品で高級感あり。
 どのようにでも読み手をだませる技術をもっている作者さんです。

 調べたこととして、「カーゴパンツ:作業用ズボン。ひざ上に大きなポケット。貨物船での荷役作業をする人が利用」、「野川:川。国分寺市内を水源とする多摩川の支流」

(その後 再読)
 青い影七月の部分を読み終えたばかりですが、もう一度読んでみることにしました。
 2014年6月末に大きな交通事故が起こって、死傷者が出る。
 場所は、東京都内の仙川の北、杏林大学病院前を過ぎて、東八道路(とうはちどうろ。三鷹市-国立市)を渡り、人見街道(府中市-杉並区大宮)を越え、三鷹市孤久保(きつねくぼ)の交差点。
 追突事故。連雀通り(れんじゃくどおり)側から、ダンプカーが来て、信号待ちをしているセダンに追突。セダンがふっとんで、ダンプカーはそのまま路線バスに追突。バスは横転。ダンプカーはさらに、ブルーの小型車に追突。ダンプカーは、建物にぶつかって停止。死者5人のうちわけは、路線バスの乗客が3人、ダンプカーの運転手と小型車を運転していた女性。負傷者が19人。
 ブルーの小型車の運転手女性のブルーのハンドバッグを火事場泥棒のように盗んでいった女がいました
 不気味です。
 
 巻末の説明をみると、2015年に発表した作品をもはや原形をとどめないくらい改稿したとあります。よくねりこまれた作品です。人生における人との縁です。うまく書けませんが、偶然と思えるような必然の縁がじっさいにあったりします。

「静かな炎天 八月」
 読み終えて、爽快な読後感がありました。
 夏で、静かだから、殺人企図の犯行が可能になります。怖い話です。
 複数の事件が同時進行で進んでいきます。飲酒運転交通事故の加害者で交通刑務所から出所したお金持ちのおぼっちゃまがいます。彼は再び飲酒運転をします。
 いくつかのいっけん関係のない事件が、さいごにつながります。

 ミステリの本が何冊も出てくるのですが読んだことがありません。読んだことがある人が読むとさらに楽しい気分になるのでしょう。

 主人公の四十肩の痛みにこだわったのは、なぜ。

 たくさん人が出てくるので、メモをしながら読みました。

 調べた言葉として、「むげにはできない:冷たくそっけなくする」、「高木光琳:たかぎあきみつ。推理小説作家。白昼の死角」

 印象的だった表現として、「(みかけで、まさか、この人が、というような人が)意外に冷酷なんだ」

「熱海・ブライトン・ロック 九月」
 うーむ。ドラッグの話です。去年の芸能界、薬物汚染のことを思い出します。
 1979年9月13日に失踪した純文学新人賞受賞作家の過去の掘り起こしをこの物語の探偵さん葉村晶さんが成し遂げたのでした。

「副島さんは言っている 十月」
 最後まで読み終えて、最初の一行に戻ってみます。「いろんなことが起こりすぎるほど起きてしまう日もある」という文が胸にしみます。そういう内容の物語でした。最初に説明しすぎない。ビジネスだと、いつどこでだれがなにをどのようにというような5W1Hが基本ですが、推理小説は異なります。
 途中、どういうことだろう?という疑問が湧きますが、疑問はやがて明らかにされていきます。おもしろかった。うまくつくってあります。時間がかけてあるのでしょう。
 調査員葉村晶さんの四十肩の痛みのことがずっと続けて書いてあります。なにか、しかけめいた理由があるのかも。
 
 調べた単語などとして、「アンソロジー:テーマにそって、複数の作家の作品をひとつにまとめたもの」、「マジョリカ・タイル:南ヨーロッパの陶器。色が鮮やか」

「血の凶作」
 他人に自分の戸籍を使われてしまうお話です。警察から連絡があり、火事で焼死した人物が、連絡を受けた本人であるというところから始まります。焼死体の人物の身元調査です。他人の戸籍の無断使用です。
 ややこしいので、読み終えた後、おさらいで、軽く読みなおしました。おもしろかった。途中、あっけなく真相がわかったと思いきやなかなかそうはいきませんでした。すんなりとはいきません。

 6月のトラックが路線バスにぶつかった交通死傷事故とつながりました。

 印象に残ったフレーズとして、「他人の善意を信じて、ゆるゆると生きられた時代(があった)」、「親孝行もしないで遺産だけをほしがるごうつくばり(とても欲張り)」

 調べた単語などとして、「バリスタ:カウンターに立ってコーヒーを入れる職業」

「聖夜プラス1」
 高尚で上品です。
 偶然、白骨死体が発見されます。空地の木の根元に埋められていました。
 葉村晶探偵は、バイト先のミステリブックストア店長に依頼されて、スパイがらみの本を受け取りに出かけます。彼女がどたばたする一日が始まりました。
 
 人間の本音が出ていておもしろい(うっとおしいおばあさんの押し付け合い)

 多摩湖(東大和市)、

 土地勘がないので、ネットの地図で葉村晶探偵の足跡を追ってみました。
 
 調べた単語などとして、「ヨックモック:葉巻型のお菓子」、「シュトレン:ドイツの菓子パン」、「方南町:ほうなんちょう」

 心に残った文節として、「犯罪者はたいてい自滅するもんだよ」、「作品そのものが、だましであり、化かしであった」  

Posted by 熊太郎 at 07:18Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2020年01月03日

コウノドリ テレビドラマDVD

コウノドリ テレビドラマDVD 2015年

 過去へのタイムトラベルです。観るのは初めてです。
 産科医の名前が、鴻鳥(こうのどり)とは思いつきませんでした。鴻鳥サクラさんです。綾野剛さん。ほかに、松岡茉優さん、吉田羊さん、星野源さんなど。
 
第1話
 最初、レアケース(まれ、珍しい)の事例をおおげさに書いてあると思いました。(その後わかったのですが、救急病院なので、妊婦や赤ちゃんが危険な状態な人が対象の病院でした。周産期医療センター)極端で重苦しくもあり、途中、観るのがしんどい気持ちになりましたが、最後は、ベイビーの可愛い顔に救われました。
 理想を追いかけるドラマでしょう。人情に流されがちです。ゆえに苦しい。星野源さんが冷徹な医師で好演されています。ドラマでは、医師の星野さんは手術の失敗歴があるらしく、途中、ぐりとぐらの絵本を意識がないないようなベッド上に寝ている女の子に読み聞かせています。
 非婚未受診の妊産婦話です。望まれない出産です。父親である男は逃げました。風俗嬢の出産です。母親は生まれてきた赤ちゃんを抱かない、いらないと言い放ちます。ひどい。
 忙しくて、緊迫して、慌ただしくて、トラブルで、にぎやかなドラマです。
 吉田羊さんが相手のほっぺたをつまんでのばしての「スマイル」がよかった。
 出産が始まっている妊婦の救急搬送の受け入れに難色を示すところあたりから、どたばたが始まりました。
 現実はこんなに激しくはないだろうにと感じながらドラマの展開を見守りました。病院経営の話とか、産み逃げ、かなり、無理な状況設定の脚本で、重苦しい。他の夫婦の出産話も重なっていて複雑です。

第2話
 極端な設定です。臨月の女性が交通事故に巻き込まれて仮死状態です。赤ちゃんを助けるか、女性を助けるかの厳しい選択が夫に迫られます。夫は、両方助けろとわめきます。
 残っていた動画での奥さんの言葉がよかった。(大きなおなかをなでながら)「自分の命よりも大切なものってあるんだね。このいとしさは愛だね」
 患者が死ぬとくやしくて泣いてばかりいたという男性医師の言葉もよかった。
 乳幼児の虐待をする親に観てもらいたいドラマです。
 映像がリアルです。撮影にかける製作者側の情熱が伝わってきます。出産シーンを見ると、愛の結晶である子を次の世に残したい人間の本能を、けがれがなくて尊いことして再認識できます。

第3話
 風疹の予防接種の話、それから、喫煙する妊婦の話、そして、厳しさは愛情という優しさにつながるという展開でした。医療と保健の啓発、啓蒙映像を見ているようでもあります。
 
第4話
 切迫流産のお話。452gで産まれてきた男の子ですが、産まれるまでに両親や医療従事者の苦しい葛藤がありました。
 感情移入が強すぎるような、音楽による感情の誘導が著しいような面がありますが、命の誕生という尊い場面には一致します。
 こどもというものは、なかなか妊娠できなくても簡単に生まれてきてもいろいろと親は悩みます。

第5話
 中学2年生女子の妊娠出産と特別養子縁組への流れです。現役中学生に見てほしい。父親も中学2年生です。
 昔からある素材とテーマです。予期せぬ妊娠で産まれてくるあかちゃんは、たいてい施設入所です。
 人情噺(ばなし)でもあります。
 主人公のピアノ演奏シーンでは、音楽は人を救うと共感しますが、いつまでも流れ続けるBGMを聞かされるのは感情の誘導であり苦痛です。
 よかったセリフとして、「(女子中学生に自分のおなかに手をあてさせて)この子に聞いてごらん」
 自分と自分の子を守るために、できるだけ、結婚、出産の順番にはこだわってほしい。

第6話
 重苦しく暗い時間がつづきます。今度は、高齢出産です。
 妊娠が、うまくいくときもあるし、うまくいかないときもあります。
 問題提起が次々とありますが、簡単には解決できないことばかりです。
 不妊外来の暗い内容に気が重くなります。
 おめでたいのは、本当におめでたいのか。
 「出産とともに燃え尽きて、育児ができなくなる人もいる」
 良かったセリフとして、「オレの心は折れていない」
 どの人もそうですが、自分ひとりだけで抱え込まないほうがいい。
 やむをえず子宮摘出手術を受けた患者のことで、男性が、「(すでにこどもがいて、これからは高齢出産にあたる年齢でもあるので、もうこどもはいらないのだから)もう子宮はいらないだろう」と発言したのに対して、吉田羊さんが、「あなたは、66才なのだから、もうキンタマはいらないでしょう。ちょんぎりましょう。そういうことです」と言い返しところが、実感が湧き、女性の気持ちが、よく伝わってきました。

第7話
 自然分娩にこだわりをもつ妊婦さんが緊急事態に陥って帝王切開になるという流れは初期時点で予想がつきます。そのとおりになりました。
 真剣に観ていると気が重くなる内容のドラマです。つくりすぎの感もあります。尺が長くて、内容が不足の時もあります。BGMの音楽で感情を誘導しすぎの面もあります。
 困難事例を列挙しながらの、妊娠中のファミリー向けのドラマとしては視聴者に勇気を与えられます。セリフがしっかりしています。助産師役吉田羊さんの言葉で、出産後いらいらがつのる女性に対して、「生まれて4日目、おっぱいをあげるほうも吸うほうも初心者なんだから、うまくいかないのがあたりまえ」、助産師役冨士真奈美さんの言葉として、帝王切開をかたくなに拒む分娩台の上に寝かされた女性に対して、自分も帝王切開の体験者、しかもふたりのこども両方とも帝王切開の経験者、だから帝王切開で産みましょうと説得する。
 赤ちゃんを守るために母親を教育しなければならないのです。

第8話
 おなかの中の赤ちゃんを検査したら、口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)であることがわかりました。動揺する夫婦とその親御さんたちです。
 もうひとつは、第1子を死産した女性の第2子出産です。無脳症で、産声を聞くことができなかったショックが尾を引いています。
 説得と検討が続きます。そして、「人は変われる」のです。
 7話も8話も、主役は、星野源さんと吉田羊さんで、綾野剛さんはふたりの影に隠れたような存在でした。

第9話・第10話
 切迫早産の話、それから、染色体異常のお子さんがいます。先日、手の先がない障害を素材にした絵本「さっちゃんのまほうのて」を読みました。そのことを思い出しながらドラマを見ました。
 言葉で進めていくドラマなので、言葉数が多い。好みが分かれるところです。
 音楽が心を支えるということはあります。
 さっきまで元気だった産婦さんがとうとつに具合が悪くなったのはなにかしら無理があります。
 とはいえ、全体をとおして、まじめないいドラマでした。  

2020年01月02日

ワンピース ONE PIECE 尾田栄一郎

ワンピース ONE PIECE 尾田栄一郎 集英社

 これまでに読んだことがありません。アメトークのDVDをみていて、ジョジョの奇妙な冒険のくくりだったのですが、自分の知らない世界なので、世間で流行している有名なアニメ作品のいくつかを借りて来て途中まで読んでみようという、自分なりの冒険のつもりで読み始めることにしました。初版、1997年12月です。
 15才のころの自分が楽しめる作品づくりというのが作者の方針のようです。

第一巻 冒険の夜明け
第1話~第8話
 登場人物紹介、物語のきっかけと目標紹介が続いていきます。集団の形成にあたって、個々のキャラクターには、モデルとなる人がいるのでしょう。
モンキー・D・ルフィ:主人公の少年。泳げないけれど、海賊になりたい。海賊になって、財宝を手に入れたい。ワンピース(富と名声と力の“ひとつなぎの大秘宝”)の獲得を目指す。グランドライツ「偉大なる航路へ」入る。グランドライツは、海賊の墓場を意味する。ルフィは、ゴムゴムの実を食べてから、体がゴムのようにびよーんとのびるようになった。ゴム小僧。麦わら帽子がお気に入りで、彼の目印でもある。(その後のこと:ゴム人間になったからそのかわりに泳げなくなったといういきさつのようです)
シャンクス:海賊の頭(かしら)
マキノ:酒場の女店主
ヒグマ:山賊の棟梁(とうりょう。組織と仕事をたばねる人)
赤髪のシャンクス:海賊頭
副船長
レディ・アルビダ:女海賊。太っていて大きい。金棒のアルビダ。
ロカノア・ゾロ:賞金稼ぎ
コビー:海賊船の雑用係。海賊だけど、海賊と対立している海軍に入りたい。
モーガン大佐:腕の先が斧になっている人。
ナミ:海賊損門の泥棒。女性。

 対立して、負けて、復讐するパターン。山賊対海賊。
 からだがゴムのようにのびて、それが、攻守の武器になるというアイデアは新鮮でした。
 登場人物である個人紹介時に、この人は、こういう人だという冠がつきます。漫画的です。
 ルフィイとコビーの嘘をからめた思いやりのあるやりとりは、童話「泣いた赤鬼」を思い出させてくれました。
 193ページの展開がおもしろかった。鳥をつかまえて食べようとしたルフィが逆に鳥につかまって食べられるのかと思わせるように鳥のくちばしにくわえられて飛んでいきました。

第二巻 バギー海賊団
第9話~第17話
 三人(ルフィ:ゴム人間、夢は海賊王。ナミ:女子、海賊相手専門の泥棒。ゾロ:海賊狩りをする人)が、バギーという海賊集団と闘います。
 女子泥棒ナミの目標は、1億ベリー稼いで、ある村を買うこと。ある村のことはまだ秘密。
 作者はよっぽどの海賊好きです。この当時、23才とあります。こどもころから海賊のファンだったそうです。
 剣豪ロロノア・ゾロとバギー団カバジの剣を使ったチャンバラの戦いは血が出てグロテスクですが迫力がありました。血が出て、肉が飛んで、なんでもありの発想による空想冒険活劇でした。漫画では、バトルは定番なのでしょう。小型のコミックサイズですが、大きな雑誌サイズだともっと見ごたえがあるのでしょう。
 
 ルフィが檻(おり)に入れられてのですが、彼の実力からいって、簡単に外に出ることができるような気がします。
 夢に向かって全力前進です。まるで、仕事人間を見るようです。

 海図というものは見たことがなかったので、ネットでちらりと見ておきました。ルフィは、「グランドライン(偉大なる航路)」へいくための海図がほしい。そして、ナミがその海図をバギー海賊団から盗む。いまの時代だと、海図のコピーとか、画像データが大量に出回りそうです。

第三巻 偽れぬもの
第18話~第26話
 びよーんとルフィの手がのびるのですが、そういえば、足がのびる絵本がありました。ちょっとすぐにはタイトルを思い出せません。家の中で寝っ転がっている男に人の足がどんどんのびていって、町をくねくねと進んでいくのです。とちゅうで止まって、今度はちぢんでいったのです。
 宝箱に体が入って箱から出ることができなくなったガイモンという髪とひげがもじゃもじゃの男性が登場しました。
 赤い土の大陸とか、海がふたつあるとか、登場人物たちの紹介がひととおり済んだので、こんどは、地形の説明が始まりました。そのあと、動機の理屈があって、そろそろ、大航海の冒険に出発するようです。
 村の若者ウソップは、オオカミが来たぞの少年パターンのキャラクターです。
 お金持ちの屋敷に住むお嬢さまカヤが出てきて、執事クラハードルは元海賊のキャプテン・クロで、後ろ向きに歩くのが催眠術師ジャンゴです。最初はバラバラの点だったキャラクターたちにつながりが生まれてきました。

第四巻 三日月
第27話~第35話
 一話ごとの終わりに「SBS(質問と答え)」のコーナーがあります。読者と作者をつなぐ交流の場です。1998年当時の時代背景が思いだされます。
 質問への答として、「相手を殺さない」理屈を語っておられます。命を奪うのではなく、「信念」をくだくことが命を奪うことと同等に値(あたい)すると説いておられます。
 理屈や絵にしても、けっこう細かい。絵はひどく異様で怪奇な面もあります。刃物での斬りあいアクション、前もって名乗っての一騎打ちは、鎌倉時代元寇あたりまでの古典的な勝負を思い出します。
 海賊団の仲間割れが始まります。クラハードル(キャプテン・クロ)が猫キャラらしく、必殺技が、「抜き足」です。
 ポケモンのバトルのようでもあります。いずれの物語でも戦う物語の場合はこのパターンになるのでしょう。
 漫画家の健康管理について考えました。地道な作業をこつこつとやるので、SBSコーナーで、漫画家になったこどものころの動機が、「遊んで暮らせる」なのですが、漫画作成の作業はけっこう体力に響くと思います。

第五巻
 りくつっぽい部分ふえてきて、おもしろみがなくなってきました。ゴムのようにのびのびとしたところが、このマンガの良さだと思うのですが。
 暴力的な面もあって、殺すとか、死ねとか、足1本おいていけというのはどうかと。
 ウソップのうそをつく理由にはほろりときました。病気の母親の気持ちを考えてのことです。
 
 キャラベルという船が用意されて、ようやく船出の時が訪れました。
 時代背景は、15世紀、1400年代のようです。日本では室町時代、南北朝とか応仁の乱とか、漫画と同じで対立と紛争の時代です。
 
 海賊船、ゴーイング・メリー号。メンバーは、ルフィ、ナミ、ゾロ、ウソップ、ヨサクとジョニーです。

 調べたこと、「ネーム:マンガのコマごとの案」、むずかしい単語も出てきたので驚きました。「冒険譚:ぼうけんたん。たんは、お話」、「SBSのコーナー:質問を募集するのだのコーナー」  

Posted by 熊太郎 at 07:21Comments(0)TrackBack(0)読書感想文