2020年01月02日

ワンピース ONE PIECE 尾田栄一郎

ワンピース ONE PIECE 尾田栄一郎 集英社

 これまでに読んだことがありません。アメトークのDVDをみていて、ジョジョの奇妙な冒険のくくりだったのですが、自分の知らない世界なので、世間で流行している有名なアニメ作品のいくつかを借りて来て途中まで読んでみようという、自分なりの冒険のつもりで読み始めることにしました。初版、1997年12月です。
 15才のころの自分が楽しめる作品づくりというのが作者の方針のようです。

第一巻 冒険の夜明け
第1話~第8話
 登場人物紹介、物語のきっかけと目標紹介が続いていきます。集団の形成にあたって、個々のキャラクターには、モデルとなる人がいるのでしょう。
モンキー・D・ルフィ:主人公の少年。泳げないけれど、海賊になりたい。海賊になって、財宝を手に入れたい。ワンピース(富と名声と力の“ひとつなぎの大秘宝”)の獲得を目指す。グランドライツ「偉大なる航路へ」入る。グランドライツは、海賊の墓場を意味する。ルフィは、ゴムゴムの実を食べてから、体がゴムのようにびよーんとのびるようになった。ゴム小僧。麦わら帽子がお気に入りで、彼の目印でもある。(その後のこと:ゴム人間になったからそのかわりに泳げなくなったといういきさつのようです)
シャンクス:海賊の頭(かしら)
マキノ:酒場の女店主
ヒグマ:山賊の棟梁(とうりょう。組織と仕事をたばねる人)
赤髪のシャンクス:海賊頭
副船長
レディ・アルビダ:女海賊。太っていて大きい。金棒のアルビダ。
ロカノア・ゾロ:賞金稼ぎ
コビー:海賊船の雑用係。海賊だけど、海賊と対立している海軍に入りたい。
モーガン大佐:腕の先が斧になっている人。
ナミ:海賊損門の泥棒。女性。

 対立して、負けて、復讐するパターン。山賊対海賊。
 からだがゴムのようにのびて、それが、攻守の武器になるというアイデアは新鮮でした。
 登場人物である個人紹介時に、この人は、こういう人だという冠がつきます。漫画的です。
 ルフィイとコビーの嘘をからめた思いやりのあるやりとりは、童話「泣いた赤鬼」を思い出させてくれました。
 193ページの展開がおもしろかった。鳥をつかまえて食べようとしたルフィが逆に鳥につかまって食べられるのかと思わせるように鳥のくちばしにくわえられて飛んでいきました。

第二巻 バギー海賊団
第9話~第17話
 三人(ルフィ:ゴム人間、夢は海賊王。ナミ:女子、海賊相手専門の泥棒。ゾロ:海賊狩りをする人)が、バギーという海賊集団と闘います。
 女子泥棒ナミの目標は、1億ベリー稼いで、ある村を買うこと。ある村のことはまだ秘密。
 作者はよっぽどの海賊好きです。この当時、23才とあります。こどもころから海賊のファンだったそうです。
 剣豪ロロノア・ゾロとバギー団カバジの剣を使ったチャンバラの戦いは血が出てグロテスクですが迫力がありました。血が出て、肉が飛んで、なんでもありの発想による空想冒険活劇でした。漫画では、バトルは定番なのでしょう。小型のコミックサイズですが、大きな雑誌サイズだともっと見ごたえがあるのでしょう。
 
 ルフィが檻(おり)に入れられてのですが、彼の実力からいって、簡単に外に出ることができるような気がします。
 夢に向かって全力前進です。まるで、仕事人間を見るようです。

 海図というものは見たことがなかったので、ネットでちらりと見ておきました。ルフィは、「グランドライン(偉大なる航路)」へいくための海図がほしい。そして、ナミがその海図をバギー海賊団から盗む。いまの時代だと、海図のコピーとか、画像データが大量に出回りそうです。

第三巻 偽れぬもの
第18話~第26話
 びよーんとルフィの手がのびるのですが、そういえば、足がのびる絵本がありました。ちょっとすぐにはタイトルを思い出せません。家の中で寝っ転がっている男に人の足がどんどんのびていって、町をくねくねと進んでいくのです。とちゅうで止まって、今度はちぢんでいったのです。
 宝箱に体が入って箱から出ることができなくなったガイモンという髪とひげがもじゃもじゃの男性が登場しました。
 赤い土の大陸とか、海がふたつあるとか、登場人物たちの紹介がひととおり済んだので、こんどは、地形の説明が始まりました。そのあと、動機の理屈があって、そろそろ、大航海の冒険に出発するようです。
 村の若者ウソップは、オオカミが来たぞの少年パターンのキャラクターです。
 お金持ちの屋敷に住むお嬢さまカヤが出てきて、執事クラハードルは元海賊のキャプテン・クロで、後ろ向きに歩くのが催眠術師ジャンゴです。最初はバラバラの点だったキャラクターたちにつながりが生まれてきました。

第四巻 三日月
第27話~第35話
 一話ごとの終わりに「SBS(質問と答え)」のコーナーがあります。読者と作者をつなぐ交流の場です。1998年当時の時代背景が思いだされます。
 質問への答として、「相手を殺さない」理屈を語っておられます。命を奪うのではなく、「信念」をくだくことが命を奪うことと同等に値(あたい)すると説いておられます。
 理屈や絵にしても、けっこう細かい。絵はひどく異様で怪奇な面もあります。刃物での斬りあいアクション、前もって名乗っての一騎打ちは、鎌倉時代元寇あたりまでの古典的な勝負を思い出します。
 海賊団の仲間割れが始まります。クラハードル(キャプテン・クロ)が猫キャラらしく、必殺技が、「抜き足」です。
 ポケモンのバトルのようでもあります。いずれの物語でも戦う物語の場合はこのパターンになるのでしょう。
 漫画家の健康管理について考えました。地道な作業をこつこつとやるので、SBSコーナーで、漫画家になったこどものころの動機が、「遊んで暮らせる」なのですが、漫画作成の作業はけっこう体力に響くと思います。

第五巻
 りくつっぽい部分ふえてきて、おもしろみがなくなってきました。ゴムのようにのびのびとしたところが、このマンガの良さだと思うのですが。
 暴力的な面もあって、殺すとか、死ねとか、足1本おいていけというのはどうかと。
 ウソップのうそをつく理由にはほろりときました。病気の母親の気持ちを考えてのことです。
 
 キャラベルという船が用意されて、ようやく船出の時が訪れました。
 時代背景は、15世紀、1400年代のようです。日本では室町時代、南北朝とか応仁の乱とか、漫画と同じで対立と紛争の時代です。
 
 海賊船、ゴーイング・メリー号。メンバーは、ルフィ、ナミ、ゾロ、ウソップ、ヨサクとジョニーです。

 調べたこと、「ネーム:マンガのコマごとの案」、むずかしい単語も出てきたので驚きました。「冒険譚:ぼうけんたん。たんは、お話」、「SBSのコーナー:質問を募集するのだのコーナー」

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