2020年01月05日

おふろだいすき 松岡亨子・作 林明子・絵

おふろだいすき 松岡亨子(まつおか・きょうこ)・作 林明子・絵 福音館書店

 今年読んで良かった1冊です。こどもさん向けの絵本です。
 いわゆる「ほら話」です。落語のようでもあります。
 ふつうは、「うそをついてはいけません」と教えますが、物語の世界のなかでは、うそをついてもかまわないのです。むしろ、おおうそつきにならねばならないのです。その気楽さがいい。
 主人公は、4さいぐらいにみえる男の子「まこちゃん」です。まこちゃんの手の中にアヒルの「プッカくん」がいるのがいい。水にぷかぷか浮かぶからプッカなのでしょう。この物語においてプッカくんの存在は大きい。プッカくんは、しゃべります。ニルスの不思議な旅で出てくるカモのリーダーアッカさんを思い出しました。
 おふろのそとには、おかあさんがいて、ときおり、まこちゃんに声をかけてくれます。それが、またいい感じです。おかあさんは、やさしい。
 浴槽に出てくるのは、ウミガメ-ふたごのこどものペンギン-オットセイ-カバ、シロナガスクジラです。カバ以外は、南極の生き物です。
 なかみは、ユーモラスです。発想がすばらしい。思いつきではなく、積み重ねだと察します。
 絵がきれいです。色がきれいです。林明子さんの絵を絵本でよく見かけます。ファンになりました。
 1982年発行のロングセラー作品です。
  

Posted by 熊太郎 at 07:05Comments(0)TrackBack(0)読書感想文