2019年12月30日

2019年 今年観て良かった映画など

2019年 今年観て良かった映画など

カメラを止めるな! 邦画DVD 2018年公開
 話題になった映画です。ようやく、返却されたDVDを見つけたので借りました。
 仕掛けのある映画なのであまり書けませんが、伏線の張り方も上手で、見終わったあとは、さわやかな気持ちになりました。前半30分ぐらいは、ホラーとかスリラーとか、血まみれのグロテスクでしたが、その後は喜劇でした。今年観て良かった映画です。

人魚の眠る家 邦画DVD 2018年公開
 良かった。いい映画でした。前半から中盤は重苦しく暗い。退屈な時間帯もありますが、ラスト付近で、次々と感動の波が押し寄せてくるようにつくられています。それまではあまりしゃべらなかった登場人物たちがしゃべりだして、霧に隠れていた真実が、霧が晴れて見えるようになります。すごいなあ。

相棒DVD シーズン5 2006年(平成18年)10月~翌年3月
第11話
 2時間半スペシャルです。設定には無理があるのですが、今年観て良かったドラマでした。
 国会議員の婚約者(離婚歴あり。ろうあの娘あり)が、連れ子の娘を誘拐されて、犯人から娘を開放する代わりにこれから再婚して夫になる国会議員の射殺を求められます。

こんな夜更けにバナナかよ 邦画DVD 2018年公開
 筋ジストロフィー(筋肉が徐々に壊れていく)男性、障害者の暮らしが土台です。実話です。映画は、ラブストーリーをからめて、人生を考えるヒューマンな面、治療に取り組むドキュメンタリーな部分が重ねてあります。いい映画でした。今年観て良かった1本です。ラスト近くにある、とあるシーンは最高でした。

きみはいい子 邦画DVD 2015年公開
 小説は読んだことがあります。母親が幼児を集合住宅の密室で虐待する内容でした。
 映像は、終始暗い雰囲気ですすんでいきます。観ているほうの気持ちも沈みます。
 家庭環境に恵まれない子どもばかりです。こどものために歯を食いしばって戦ってくれるおとながいない。児童相談所も頼りない。学校も事なかれ主義の人ばかり。こどもが逃げ込む場所がいる。
 そのうち、子どもは闘うことを覚えます。そして、親はこどもに負けるときがきます。子どもは家を合法的に出て行きます。
 荒れた教室の映像を観ていると、とりあえず、(子どもたちが)生きていればいいという気持ちになります。
 後半に近づくに従って、じーんと感動の波が近づいてきます。
 映画を観たなーという気分に浸れました。今年観て良かった1本です。
  

Posted by 熊太郎 at 07:22Comments(0)TrackBack(0)熊太郎の語り

2019年12月29日

2019年 今年読んでよかった本

2019年 今年読んでよかった本

ニルスの不思議な旅 セルマ=ラーゲルレーフ 山室静訳 講談社青い鳥文庫
 小学5年生11歳の頃に読みました。さらに、紙芝居のように物語に沿って水彩画を描いた記憶があります。覚えているのは、ニルスが悪い子で、こびとにされて、鳥のガンの背中にのって北ヨーロッパの半島あたりを旅して、さまざまな経験をしながら、心優しい人間に成長していくことと、鳥のリーダーの名前が、アッカさん(メス)だったことです。最後のシーンが、ニルスがこびとから人間に戻って、アッカさんたちと会話ができなくなって終わりを迎えた気がします。何十年も経って再読してみるとどんな感想になるのか、楽しみです。

もしも宇宙でくらしたら 山本省三 WAVE出版
 優れた絵本です。ためになります。おもしろい。
 小学生を含む家族が宇宙ステーションで暮らして、天野光くんがレポ―してくれます。
 読めば読むほど人間の英知はすごいと感心します。

日本国紀 百田尚樹 幻冬舎
 よく売れている日本史の本です。以前読んだ同氏の本に、他の国では、ありもしなかったことをあったとして、日本を攻撃してくると書いてあり、目からうろこが落ちる思いでした。読書がきっかけで、物事の真実の実態が別の方向から見えるようになってすっきりと理解ができました。

なにからできているでしょーか? 大森裕子(おおもり・ひろこ) 白泉社
 子どもさん向けの絵本です。
 読み聞かせをするとどんな反応をみせてくれるか楽しみです。
 食べ物の材料を紹介する絵本です。
 ねずみくんたちの絵がかわいい。
 ねこさんもかわいい。
 分解元は、おにぎり、ハンバーガーときて、ラーメンです。

ふらいぱんじいさん 神沢利子(かんざわ・としこ)作 堀内誠一絵 あかね書房
 おもしろい! 愛情あふれる作品です。今年読んで良かった1冊になりました。
 ぜんぶひらがなでかかれたこどもさんむけのほんです。
 元気をなくしたふらいぱんのおじいさん、ふらいぱんじいさんが、ごきぶりにはげまされるという発想に笑いました。
 じいさんは旅に出ます。

サイド・トラック ダイアナ・ハーモン・アシャー 評論社
主人公の名前が、ジョセフ・フリードマン(ニックネームはジョーイ)で、物語は彼の一人称、ひとり語りで進行していきます。彼がたぶん好きなのが、ヘザーという名前のメイン州チェリーフィールドから転校してきた女子で、身長180cmのスポーツウーマンです。
ふたりは、レイクビュー中学校の7年生なので、日本では中学1年生です。ふたりともこれから陸上チームで活躍するようです。

ノンタン いたいのとんでけ~★ キヨノサチコ 偕成社
 にぎやかな絵がいい。動物たちが遊びを楽しんでいます。くま、うさぎ、ぶた、たぬき、そして、ノンタンというおおきいほうのしろいねこ、タータンというちいさいほうのしろいねこです。
 ノンタンとタータンがトラブルです。あかいじどうしゃの所有権のことでノンタンがタータンをつきとばします。遊び道具の取り合いです。よくあるシーンです。

かんかんかん のむらさや文 川本美制作 塩田正幸写真 福音館書店
 0.1.2歳向けの絵本です。10見開きです。
 「かんかんかん」は、鉄道線路の横にある遮断機がなる音の「かんかんかん」です。かんかんかんの音とともに物語がスタートします。

ヒマラヤに学校をつくる 吉岡大祐(よしおか・だいすけ) 旬報社
 ネパール人が貧しいこと。貧しいから幸福ではないとはいいきれないこと。写真を見ます。こどもたちの悲しそうな顔がならんでいます。日本でいうところの虐待とはまた違う苦しい境遇があるようようです。かれらの目には、だれかをうらんでいるような強い光が宿っています。母子家庭が多いようです。

はれときどきぶた 矢玉四郎(やだま・しろう) 岩崎書店
 はれときどきくもりとかあめとか、天気予報ではそうなるのですが、「ぶた」が空からふってくることはないので、なんとなく、ふざけているのかなという悪い印象をもって読み始めました。小学校3年生の畠山則安くん、あだなが「十円やす」というのは、「則安」という名前から着ているのでしょうが意味はわかりません。彼が、日記を書くのです。絵日記です。四コママンガみたいな絵日記ですが、最初の日記はふたコマでした。

14歳、明日の時間割 鈴木るりか 小学館
 奇跡の中学生作家、青春群像小説という謳い(強調、宣伝)文句です。
 科目などにあわせてつくられた短編7本です。
「国語」
 ベース(下地、基礎)は、中学生作家の日常生活においてあります。14歳とは思えないような文章作成能力に驚かされます。語彙力(ごい)が高い。(言葉をたくさん知っている。あわせて、自由自在に言葉の組み合わせを使いこなしている)その能力に怖さを感じました。国語辞典の読破でもしたのだろうか。

泥の家族 東野幸治 幻冬舎よしもと文庫
 「東野・岡村の旅猿」で又吉直樹さんが出演した時に、東野さんが紹介していた自身が描いた小説です。もう20年ぐらい前のものです。読んでみました。
 200ページぐらい。ひとつのお話が5分ぐらいで読めます。文章に文学的な情緒はありませんが、笑えますし、しみじみとした人間的な味わいがあります。

このゴミは収集できません マシンガンズ 滝沢秀一(たきざわ・しゅういち) 白夜書房
 話題になっている本です。お笑い芸人をしながら、それだけでは生活できないので、ごみ収集員もしている。まだ、読み始めですが、どちらかといえば、ごみ収集が本業で、お笑いの仕事があればそちらもやるような比重のようです。

コンビニたそがれ堂 村山早紀 ポプラ文庫ピュアフル
 短編6本です。
「コンビニたそがれ堂」
 ファンタジー神がかり(お稲荷さん神社関係)ショートショート(不思議物語)です。はじめて読みました。ロマンチック(男女の愛をからめて情緒的)です。ミステリーっぽく、読後感は胸がすく(すっとした心持ち)ような感じです。

ふるさとって呼んでもいいですか ナディ 大月書店
 外見は外国人、中身は日本人、日本をふるさとと呼んでもいいですかという問い。①いいですよ②呼ぶのはあなたの自由です。だれかの許可を得るものではありません③だめですよ。①が答えになるのでしょう。
 イラン人1991年に来日した30代イラン人女性ですが、6才から日本育ちです。日本人同様の文章作成能力があります。

白狐魔記(しらこまき) 源平の嵐 斉藤洋 偕成社
 妖怪白狐のお話みたいな感じで、源氏と平家の対立と戦の終末期を描くものだろうという予想で読み始めました。こういう児童文学作品があったことを初めて知りました。おもしろい。秀作です。
 ひとりだちのために、住み家から、母親ぎつねに、きつく追い払われたきつねの話から始まります。物語の3分の2ぐらいを読みましたが、彼にはまだ名前がありません。同じく追い出された弟らしききつねがいますが、その存在には詳しくは触れられていません。きつねの一人称、ひとり語りで物語は続いていきます。

タンポポの金メダル 山本早苗 BL出版
 子どもさん向けの絵本です。発想がいい。今年読んで良かった1冊になりました。
 山奥のバス停です。バスの絵は、思い出のなかにある古い型のバスのようでもあり、現代の過疎化した地域のバスのようでもあります。道をはさんだバス停同士が会話をするのです。そのような発想は初めてです。新鮮でした。バス停1本なら発想できますが、2本はなかなか発想できません。そこのところが重要なポイントです。

まじょのナニーさん まほうでおせわいたします 藤真利子 ポプラ社
 子どもさん向け、小学3年生ぐらい向けの本です。初めて読みました。おもしろかった。今年読んで良かった1冊です。家政婦さんが魔法使いです。魔法使いではないけれど、サウンドオブミュージックのマリアさんを思い出します。あとは、サリーちゃんとか、アッコちゃんとか、アニメのキャラクターを思い浮かべました。

図解でわかる14歳からの天皇と皇室入門 太田出版
 天皇の系図というのは、西暦400年ぐらいから始まったと勘違いしていたことにこの本を立ち読みして気づきました。紀元前660年神武天皇から始まっています。2019年の今年、中華人民共和国は建国して、まだわずか70年です。大韓民国と北朝鮮が71年、アメリカ合衆国が243年です。日本は、2679年です。驚きました。世界一です。すごい。

生きる どんなにひどい世界でも 茂木健一郎 長谷川博一 主婦と生活社
 いい本に出会えたようです。まだ、55ページまでしか読んでいませんが、今年読んで良かった1冊です。おふたりの水準の高い会話が続きます。

レオ・レオニの絵本2冊
 レオ・レオニ:オランダアムステルダム生まれ。ユダヤ人。アメリカ合衆国に亡命後、イタリアで過ごす。1910年生まれ。1999年89歳没。1959年、孫のためにつくった「あおくんときいろちゃん」で絵本作家としてデビュー。
「フレデリック」 谷川俊太郎訳
 のねずみの名前が、フレデリックです。彼をふくめて、5匹ののねずみのお話です。
 1969年初版、79刷されているロングセラーです。はじめて読みました。こういう絵本があるのかと驚きました。
「あおくんときいろちゃん」 藤田圭雄(ふじた・たまお) 訳 志光社 国際版絵本
 色がついた玉の絵しかありません。しかし、心豊かに人間を表現してあります。

明日への一歩 津村節子 河出書房新社
 津村節子さん:小説家。1928年(昭和3年)生まれ。1965年(昭和40年)「玩具」で芥川賞受賞。
 吉村昭さん:小説家。1927年(昭和2年)生まれ。2006年(平成18年)79歳没。「星への旅」、「戦艦ムサシ」、「三陸海岸大津波」

このつぎ なあに 山中恒(やまなか・ひさし) 栗田八重子・絵 あかね書房
 楽しみました。こどもさん向けの児童文学です。たぬきがおじいさんを化かすのですが、化けかたがへたくそなので、おじいさんに気づかれてしまいます。男の孫とおじいさんの風景のような読後感でした。ベースは、「愛情」で、心ぬくもるお話でした。

おふろだいすき 松岡亨子(まつおか・きょうこ)・作 林明子・絵 福音館書店
 今年読んで良かった1冊です。こどもさん向けの絵本です。いわゆる「ほら話」です。落語のようでもあります。ふつうは、「うそをついてはいけません」と教えますが、物語の世界のなかでは、うそをついてもかまわないのです。むしろ、おおうそつきにならねばならないのです。その気楽さがいい。

言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか ナイツ 塙宣之(はなわ・のぶゆき) 聞き手 中村計 集英社新書
 50ページぐらいまで読んだところです。今年読んで良かった1冊になりそうです。
 うまいだけでは、M1でチャンピョンにはなれない。コンテストでのその瞬間に、「芸人としての強さ」がいると書いてあります。

ケーキの切れない非行少年たち 宮口幸治(みやぐち・こうじ) 新潮新書
 売れている本です。児童精神科医、医療少年院勤務歴ありの著者です。
 非行の原因に迫る内容のようです。意外な理由があるというメッセージだと思って読み始めました。
 「認知機能:記憶、思考、理解、計算、学習、言語、判断」に問題があるそうです。病院では、根本的には治せない。そうなのかと、疑問が解ける内容でした。  

Posted by 熊太郎 at 06:44Comments(0)TrackBack(0)熊太郎の語り

2019年12月28日

このつぎ なあに 山中恒

このつぎ なあに 山中恒(やまなか・ひさし) 栗田八重子・絵 あかね書房

 楽しみました。こどもさん向けの児童文学です。たぬきがおじいさんを化かすのですが、化けかたがへたくそなので、おじいさんに気づかれてしまいます。孫とおじいさんのやりとりをみたあとのような読後感でした。ベースは、「愛情」で、心がぬくもるいいお話でした。

 「むかし、むかし…」から始まるなつかしい出だしです。
 おじいさんの息子が、出稼ぎに行って帰ってきません。何年も帰ってきません。動きのない最初の部分です。
 さし絵がきれい。色が美しい。ブルーの空が気に入りました。春とか、冬の季節の絵がいい。もちろんたぬきが化けたときの絵もいい。
 大入道(おおにゅうどう、巨人)の訪問にはびっくりしました。ゲタをはいた足の絵が怖い。すね毛がぼうぼうです。大きな足の裏で踏みつぶされそうです。怖い足に比べて、お顔が単純です。怖くありません。その落差が笑いを誘います。
 オレオレ詐欺で、だまされたふり作戦を演じるようなおじいさんです。
 お年寄りの「孤独」が描かれていると思います。
 大入道の次に出てきたのは大蛇です。びっくりしました。意外性があります。だけど、かわいい大蛇です。顔がたぬきなのです。たぬきもさびしいのかも。
 タイトル「このつぎなあに」の意味がわかってきました。このつぎは、なにに化けようかなです。
 冬の季節の文章に味わいがあります。本当に寒そうです。
 長い歳月が流れて、やがて、家を出て行った息子が帰ってきました。でも、おじいさんは、たぬきが息子に化けて出てきたと勘違いします。本当の息子なのに。
 今年読んで良かった1冊です。
 たぬきくんが、抜けている部分があるからおもしろい。化けかたがへたな方がいいのです。
 1969年初版のロングセラーです。  

Posted by 熊太郎 at 06:20Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2019年12月27日

アメトークの感想第2弾 DVD

アメトークの感想第2弾 (2019年10月以降の鑑賞分から) DVD

 仕事優先の生活を送っていたので、20年間ぐらいテレビをあまり見たことがなく、こんなに楽しい番組があることを知りませんでした。今年の収穫でした。

Vol.10ア
「中学の時イケてないグループに属していた芸人」 2008年
 悩んでいる中学生にとって、励ましになる番組作品です。
 あだ名が面白い。あだ名が、与謝野晶子(明治11年-昭和17年 63歳没 歌人)→与謝蕪村(よさぶそん1716年-1784年 68歳没。8代将軍徳川吉宗、田沼意次、杉田玄白のいた江戸時代の俳人・画家)、インディカ米、ショルダー、まゆげ、梅宮辰夫、滝廉太郎、粉ふき芋(こふきいも)、捕虜、リュックびちゃお。
 よゐこの濱口優さんが語る相方の有野晋哉さんの中学時代の話が良かった。すね毛が濃い濱口さんに有野さんがハイソックスを貸してくれたというものです。
 それから、ゲームソフトを初対面の級友に盗まれたという山本さんという人の話がおもしろかった。相手に家で、山本と書いたゲームソフトが、「山」が見え消しで消してあって、本山というその人の名に書き換えてあったそうです。

Vol.11メ
「おなかピーピー芸人 腸が弱くて何が悪いねん」
 それなりに笑えました。
 紙がない。トイレットペーパーの芯はある。お尻をふくものにするために、芯を分解して使用する。体にはってもらったシップを代用する。かわいそう。気の毒です。
 町なかのトイレの数を増やしてほしい。小中学校の男子トイレを全部個室にしてほしい。(実際にしたところがあるそうです。小学校のトイレでは男の子が排便行為がしにくいため)。学生さんを励ます番組でもありました。
(この部分の感想を書いたあと2か月後ぐらいのこと:番組に出演していた笑い飯の西田幸治さんが、NHKの教育Eテレビに出演していて、『ウワサの保護者会 おなかが痛い(こどもさんが)』で発言していたのでびっくりしました。下痢ピーのお笑いだった話が、まじめな話になっていました)

「肥後という男Ⅰ&Ⅱ 肥後大陸」
 ダチョウ倶楽部のメンバーですが、こんな変な人だとは思いませんでした。すごい人です。笑えました。もう10年ぐらい前の映像ですが、10年経ってもあまり変化はないのでしょう。
 プロ野球のイチローを知らなかった(本人に会って紹介をうけたときに、お店の店主の大きくなった息子だと思った)

Vol.13メ
「気にしすぎ芸人」
 神経質な人たちです。めんどくさい人たちでもあります。いろんな人がいることがわかりました。

「おばあちゃん子芸人」
 おかしかった。ブラマヨの吉田さんのおばあさんには笑いました。千原ジュニアさんの話にも笑えました。すさまじい体験談です。笑いころげました。

Vol.14メ
「嫁を大事にしてる芸人」
 おもしろかったのですが、みなさん、変態です。

「雨上がりファミリー」
 クレイジーでした。
 とくに、千原兄弟の兄せいじさん(押し入れの引き出しにおしっこ、みりんを酒がわりに飲む。子ども向けマンガたるるーとに夢中、駅のプラットフォームにて、公衆のなかでのひとりしゃべりなど)、宮川大輔さん(暴力的)、螢原さん(ひとりしばい)、滅茶苦茶ですが、なぜかしら救われる気持ちになります。この世にはこれほどひどい人たちがいる。自分はまだ大丈夫というように。

Vol.19ア
「運動神経悪い芸人ゴールデン」、「運動神経悪い芸人VS少年野球チーム」
 大爆笑しました。どうして、こんなふうに、あるいは、あんなふうにしか体が動かせないのだろう。
 野球のルールを知っている人が見たらおもしろさは倍増するでしょう。わたしは、あまりにもおかしくて、口の中にふくんでいた飲み物を吹き出してしまいました。片づけがたいへんでした。
 芸人のみなさんたちは、ぼろぼろの運動神経で、どうしようもないように見えるのですが、本業の笑いでは最高の仕事をされています。ストレスで疲れ果てている人がこれを見たら元気になれることまちがいありません。
 そして、工藤公康監督のいい人が光っていました。

Vol.23ア
「運動神経悪い大賞」
 何度見ても笑えます。おかしすぎて、疲れ果てます。
 素の状態の芸人さんたちなのですが、イッツ・エンタテーメントで、人を笑わせる内容になっています。

「ホリケンほっとけない芸人」
 好みが分かれるのでしょうが、奇妙な人です。
 ものすごくおかしくておもしろいときもありますが、これは、相手に対して失礼(映像のない部分で謝っておられるのでしょうが)なときもあります。
 まわりの有名人が協力してくれたのは、本人の人柄だけではないような気がします。アメトークだからできた企画内容なのでしょう。

Vol.40
「定時制高校芸人」
 心が温まる内容で良かった。
 いい話の連発です。
 勉強しよう。
 生徒の年齢層は幅広く、職域もさまざま、雇用主や先生の理解もあり、アットホームです。
 80歳の高齢者の生徒、19歳のママと1歳の息子の子連れ授業、キャバ嬢の生徒など。
 ラーメン屋の店主の言葉が良かった。「高校ぐらいは出ておけ」

「高校だぶり芸人」
 つらい話が多い。同じ学年を2度やったという話です。
 おとなになって、何年もたって、過ぎてしまえば、笑い話です。
 最後のコメントが良かった。「今、だぶっている君に」自分たちを見て勇気をもてというメッセージでした。

Vol.41ア
「運動神経悪い芸人」
 水泳の背泳ぎはびっくりするほど変な体勢での潜り泳ぎでした。女性アナのスキップも不可解でした。されど、苦手な種目があるとはいえ、何人かの人が、これはできるという自分の得意種目を披露して、クロールとか、卓球とか、跳び箱とか、やっぱり上手で、意外な面も見ることができました。
 女子大学野球部との対決は、勝ったとはいえ、めちゃくちゃなルール違反で、それはもう野球ではありませんでした。かなり脚色が効いた勝利ビデオでした。勝っても恥ずかしい。

Vol.45ア
「鉄道ファンクラブ」
 鉄道ネタというのは、笑いを誘う鉄板(本命)だと思うのです。
 中川礼二さんの言動がおもしろおかしい。電車の音真似がおもしろい。
 電車をまるで、生き物のように扱う。愛情を注ぎこむ。
 日本の電車がアルゼンチンに行って、また、日本に戻ってきてという話は人情ものです。
 天竜浜名湖鉄道のカモメの大群には驚きました。
 踏切の音をほかのものにたとえるのもおもしろかった。  

2019年12月26日

さっちゃんのまほうのて

さっちゃんのまほうのて たばたせいいち のべあきこ しざわさよこ 偕成社

 先天性四肢障害児父母の会共同制作の絵本となっています。
 1985年10月初版のロングセラー作品です。

(1回目の本読み)
 右手首から先がないさっちゃんです。さっちゃんは、幼稚園にかよっています。
 さっちゃんは、ままごと遊びで、お母さん役になりたいけれど、ならせてもらいない。
 理由は手がないことにあるようです。手のない人は、お母さんは無理ということでしょう。
 それでもさっちゃんは、お母さんになりたい。

 途中、さっちゃんが、くまのぬいぐるみをおふとんで寝かしつける絵がでてきます。ほのぼのしました。さっちゃんが、くまさんをあかちゃんとして、おぶいひもでおんぶしています。今の時代だったらだっこひもで前抱きをするのでしょう。

 「さっちゃん、ゆびがなくてもおかあさんになれるかなあ」というフレーズが出てきます。さっちゃん自身が発した心配ごとの言葉です。
 お父さんは、さっちゃんに、「なれる」と声をかけて励まします。
 そこで、「まほうのて」という言葉が出てきます。まほうの手から、幸せが伝わってくるのです。
 
 さっちゃんは、お母さんになる前に、お姉さんになりました。
 弟が生まれたのです。

 いじめっこだったあきらくんがいますが、あきらくんのことは、2回目の本読みのところで書きます。

(2回目の本読み)
 乳幼児の虐待をする親がいるいっぽう、悩みながらも障害児のこどもさんに愛情を注ぎながら育てている親がいます。いろいろ考えさせられる子育ての風景です。
 絵本の作成にかかわった左手指のない女性が書かれた文章が、絵本とは別紙のしおりとして本に付いています。
 こどものころに、障害を理由として、あなたは、結婚はできないと教育されたそうです。(それでも結婚されてこどもさんを複数もたれています)
 夢はあきらめたときにかなわなくなります。親になりたいという夢は、あきらめるべき夢ではありません。
 絵本の絵を見ていると、登場人物のこどもたちがまるで今、生きているように見えます。
 親の側の気持ちがいっぱいこめられている絵本です。絵本のもつ大きな力が伝わってきました。
 絵にスピード感があります。
 みんな違っていて、いいんだよという言葉が聞こえてきます。
 攻撃してくるほうだったあばれんぼうのあきらくんが、さっちゃんにプレゼントをします。謝罪と励ましのハートのチョコレートです。
 5年間かけてできあがった絵本だそうです。魂がこもっています。
  

Posted by 熊太郎 at 07:05Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2019年12月25日

アライバル ショーン・タン

アライバル ショーン・タン 河出書房新社

 テレビ番組のアメトークで、カズレーザーさんが推奨していたので取り寄せて読んでみました。文章部分のない絵本です。セリフもありません。絵は緻密な鉛筆画です。写真のようです。そして、大量です。

 物語部分がないので自分で感じて文章をつくっていきます。
 絵はリアルで、読み始めは、静止画が動画に見えてきます。鉄拳さんのパラパラ漫画のようでもあります。不思議な感覚におちいります。

 白いトカゲのような生き物がいます。それを各自がもっている「感情」の化身だと理解することにしました。妖精であり妖怪でもあります。
 各自がペットのようにいろいろな形の生き物を飼っています。それは、各自の「気持ち」とか「愛情」を表しているのだと解釈します。

 作者は、一芸に秀でた、このことだけに集中できる人ではなかろうか。凡人にはとても書けない絵です。なおかつ大量です。4年間を費やしたと巻末に説明がありました。

 肖像画の人々は、まるでほんとうに生きているように見えます。
 
 タイトル「アライバル」の意味は、「到着」です。移民とか、出稼ぎとか、難民とかを想像できます。

Ⅰの部分
 思い出を残すために家族そろっての記念写真を残すことは大事なことだと思います。
 旅行に持って行くトランクに荷物を入れて、旅立ちの準備ができました。
 小学4年生ぐらいの娘さんがいて、ベッドで目覚めて、朝食をとって、父はトランクをもって、母と娘の三人は家を出ました。
 舞台は空想の街です。トゲトゲがあるタコの足が道路や建物をおおっています。なにか悪いことの暗示のようです。
 三人いっしょに旅に出るのかと思ったら、おとうさんだけが旅立ちます。
 夫婦、親子の別れがあります。
 少女は不安そうです。蒸気機関車が来て、出発しました。
 父ひとりが旅に出ました。妻と娘が残されました。暗い空にトゲトゲのタコの足が見えます。

Ⅱの部分
 ぞっとします。人物が生きているみたい。
 船室の中です。
 船はどこへ行くのだろう。イメージとしては、シリアからイタリアへの感じです。地中海での航行です。
 雲の絵には圧倒されます。60枚あります。見上げるように雲の絵を見ながら、「人生ってなんだろう」という思いにひたります。
 船上には、たくさんの人がいます。
 日本でいうところの「折り鶴」を折ります。折った鶴は、とんぼみたいになって、空中を飛んでいきます。
 赤ちゃんと母親の絵から、家族とか、家庭へのこだわりが感じられます。
 日本人も外国人も、その外見は異なっていても、気持ちは同じであることがわかります。
 難民、移民、出稼ぎ、流浪の人々は、平和と繁栄を望んでいます。
 船は、どこかの国あるいは地域へ到着しました。社会問題、国際問題を扱った絵に見えます。
 表示してある文字は、イスラムのアラビア語に見えます。入国審査、健康状態の検査。おそらく役人に問われてなにかを説明している。役人らしき人がスタンプを押している。許可書でしょう。パスポートのようなビザのような。
 入国許可がおりました。
 ここが、どこの国なのかはわかりません。空想の世界です。理想がかなうかもしれないという期待感がもてる世界です。にぎやかで、豊かな街に家を出た男はひとりで立っています。
 男は、道に迷いました。男はどこへゆくのだろう。
 男は、これから住む借家に到着したようです。その部屋には、ネズミのような生物がいます。(それが、この男の気持ちを表しています)
 家族。妻。娘。孤独。旅行トランクのふたを開けると、トランクの中に、故郷に残してきた妻と娘の姿が見えます。仕送りをしなければいけません。壁に家族写真をぶらさげて飾ります。
 
Ⅲの部分
 ウーパールーパー(メキシコ山椒魚)のような顔をした生き物です。男の淋しい気持ちや妻子への思いを表している生き物だと思います。
 男は仕事に行く。あるいは、仕事を探しに行きます。地図を見ながら、人に道をたずねながら移動してチケットを買います。また、船の上にいるようです。
 昔、農家への減反政策とか、エネルギー革命による炭鉱閉山とかで、転職、転宅を余儀なくされた日本人が思い浮かびました。
 絵本のなかの男性は、船の上で、乗り合わせた女の人の身の上話を聞いています。強制労働をさせられていた場所から逃げてきた話です。工場での住み込み肉体労働者で、人間扱いされていなかったようです。みんながいろいろと苦しんでいます。
 船は空中を浮かびながら移動しています。
 笑顔でいっぱいのページが現れます。街の人たちが笑顔なのは、金銭的にも気持ちの面でも豊かだからです。
 瞳の中にある炎は何を意味しているのだろう。巨人の悪魔が街を破壊しに来ました。あまりよく知りませんが、進撃の巨人みたい。戦争勃発です。みんな、逃げるために穴に入って地下の世界へ行きます。
 水の都、イタリアのヴェニスのようなところに着きました。
 ここはどこ? それとも、思い出の世界なのか。
 笑っている。人間たちが笑っています。人間は生きていくために笑顔が大事ということがわかります。
 
ⅳの部分
 仕事をします。男は、これからどうしたらいいのか、考えます。壁にポスターを貼る仕事をします。次には、モノを売る仕事をします。その次には、ベルトコンベアーで流れ作業をしながら、物をピックアップする仕事をします。酒を飲みます。徴兵に応じます。イタリアの風景みたいです。戦地へ行って、戦死者のガイコツを見ます。右足の膝から下を失った戦闘員がいます。ヨーロッパ映画を観ているようです。足を失ったのは絵本の主人公の男性ではありません。男性は願いをこめて千羽鶴を飛ばしました。
 平和な世界をキープしたい。茶色と白色しかないけれど、まぶしく光が輝く絵です。
 新しい国づくりが始まりました。
 
Ⅴの部分
 「気持ち」という鳥が地面に着地しました。アライバルです。
 男は手紙を書きます。手紙を折って、鶴をつくって、封筒に入れます。
 葉っぱから目が出て育って木になって枯れての流れ図があります。
 雪国のような、灰が積もっているような風景です。
 男に手紙が届きます。妻子から男への手紙でしょう。
 妻子が男に会いに来てくれた。
 
Ⅵの部分
 家族の「再会」です。
 三人が思い出話をしています。楽しい暮らしがあったころの思い出話です。平和であること。
 娘は父親に頼まれて、なにかをみっつ手に入れてきてくれと言われ家を出て行きます。外で娘はなにかを3個手に入れました。球根に星が生えているような植物に見えます。
 娘は外で、地図を持って自分の行き先の道を探している若い女性と話をします。じゅんぐりに夢とか希望とか愛情とかを手に入れていきましょうというメッセージがあります。それが人生だと。

 最後に、いろんな国籍であろう人々の顔の絵がたくさん描いてあります。

(その後)
 3回、4回と読みなおしを繰り返しています。
 途中、ひとつ目巨人の悪魔がまちを破壊しているような絵があるのですが、彼らの手には、ラッパの形状の武器が握られています。最初は、その武器で、路上にいるたくさんの人間たちを吹き飛ばしていると思ったのですが、じっと見ていたら、むしろ逆で、ラッパの中に人を吸い込んでいました。つまり、「掃除機」なのです。さかさになって、掃除機に吸い込まれていく人の影がたくさん描いてあります。不気味です。

 終戦シーンのような絵があります。まちは廃墟になっています。なにがなんでもなにがあっても戦争は避けなければなりません。

 この本のしおりのヒモが、金色で、幅が広い。しっかりしたつくりです。そういう形状の立派なしおりヒモを初めて見ました。なんだか、うれしい。  

Posted by 熊太郎 at 06:26Comments(0)TrackBack(0)読書感想文