2020年01月19日

東野・岡村旅猿 ロシア・モスクワで観光の旅 DVD

東野・岡村旅猿 ロシア・モスクワで観光の旅 DVDワクワク編とルンルン編 2018年11月

 モスクワの赤の広場、クレムリン宮殿、大統領府、聖ワシリ大聖堂の回りを何度も回るルートで、二日間ぐらいの滞在です。
 東野さんがどうしてクレムリン宮殿(クレムリンは城塞という意味)が大好きなのかはわかりませんが、熱狂的でした。それに対して、岡村さんは、何度も同じ建物を時間帯や位置を変えて見るだけなのでついに嫌気がさしてしまいました。
 
 モスクワの人というのは、やはり、社会主義の国に住む人という印象をもちました。
 途中、ふたりと番組スタッフが、おおきな対立になるのですが、やらせを嫌う東野さんとコサックダンス教室を企画した現地ガイド・日本人スタッフの争いは、東野さんの意見のほうが正しい。いっけん、日本人とモスクワに住む人との友好シーン映像に見えるのですが、コサックダンスのメンバーは、報酬をもらって演技をしていたと推測するのです。
 社会主義、秘密主義、言論統制、報道の不自由などの要素がある社会組織の国です。東野さんがスパイ行為も含めていろいろ疑うのはやむをえません。スポーツにおけるドーピング疑惑とか、日本終戦時に満州や北方領土に進行してきたとか、いろいろ思い浮かびます。

 空港に行く列車の中で、現地のロシア人らしきおじさんに、撮影をしていたので、うるさい、静かにしろみたいに注意されます。緊張の時間帯でした。しかたがありません。日本の新幹線も同じ雰囲気です。
 
 モスクワでの食事は、みんなおいしいことが伝わってきました。お肉は、ビーフストロガノフ、ピロシキ、キャビアのパンケーキのせ、イクラ、ウクライナ料理(ブタのラードをパンにのせて食べる)、ジョージア料理(グルジア料理。オムレツ、水餃子)

 景色のいいところとしては、空が広い、夜のライトアップが美しい、大きい大砲、大きい鐘

 おみやげ屋では、マトリョーシカ(重ね人形)、防寒用帽子、プーチングッズ(Tシャツ、マグカップ、マトリョーシカ、タンブラー)、スタバ―のタンブラースモールサイズ

 2019年の未来予想のようになっている東野語録として、「沢尻エリカさんぐらいしかいない」、「ワンプーチンになろう。(プーチンが大好き)ラグビーのワンチームと同じ意味合い」
 岡村さん語録として、夜、ウォッカで酔っぱらって、「風俗に行きたい」

 旧ソ連の今の印象として、けして豊かではない。せいいっぱい。
 人の印象として、猜疑心(さいぎしん。疑い)をもっていないと利用されそう。

 おまけとして、糸切り方式のユーフォーキャッチャーゲーム、また、痛めつけられているようなサウナ(白樺の葉で15分間はだかの上半身をたたかれたあと、頭を押さえられて冷水に潜る)

 笑ったところとして、岡村さんが朝食にそばの実を頼んで食べていたら、東野さんが、「鳥のエサ食うてるんか」
 
 映像を見ているだけで行った気分になれました。

 行きは、中東カタール(サウジアラビアの東隣り。秋田県と同程度の面積。油田。首都はドーハ―)経由でモスクワまで16時間、帰りは、東野さんがヘルシンキ(フィンランドの首都。人口約56万人)経由名古屋で17時間、岡村さんが成田直行で10時間だそうです。ふたりは、これからの予定を直前ぐらいにしか知らされず、タレントさんのスケジュール管理には、恐ろしささえ感じられます。

 観光気分で、東京で、カメラをおふたりがそれぞれ購入した話を聞いて、動画撮影用ではなくて、本格的な写真撮影に興味があるのかとちょっと意外でした。

 あとは、寒そうでした。朝の気温が8℃ぐらい。
  

2020年01月18日

男はつらいよ50 お帰り寅さん 映画館

男はつらいよ50 お帰り寅さん 映画館

 親子関係を考える映画でした。そして、歴史をふりかえり、思い出をなつかしむ映画でもあります。出演者も観客も歳を重ねました。平日昼間の観客は70代すぎの人たちが多かった。同性の友だち連れや夫婦です。
 昭和時代に金字塔(後世に永く残る優れた業績を打ち立てた作品群)を打ち立てたシリーズです。昭和40年代後半から50年代前半に田舎の映画館でこの映画を観ていたころ、上映中に、チケットもぎりのおばちゃんが観客席に来て、大きな声で、「〇〇くん、家から電話だよ」とお客で来ている近所の人に声をかけたりしていました。映像の中の世界と現実の世界が一致していました。まだ、自宅に加入電話をひけていない家庭もままありました。
 劇中、寅さんを中心にして激しい口喧嘩がたびたびあるのですが、お互いに言いたいことを言い合って、ぶつかって、それでも、それぞれが少しずつ身を引いて妥協点に達して合意する経過は、核家族や単身世帯が増えた現在にあってはうらやましい。
 すでに亡くなってしまった出演者の映像からは、淋しさと、せつなさを感じます。とくに、事故死された女優さん、病死された女優さんや男優さんは、もっと長生きしてほしかった。長寿社会になったとはいえ、平均寿命まで生きることができない人もいます。
 感想をいくつか。
 寅さんのシーンがたくさん出てくると思っていましたが、それほどありませんでした。もっぱら、吉岡秀隆さんと後藤久美子さんのシーンです。おもにふたりが思い出す寅さんのシーンが映像で流れます。渥美清さんの映像はDVDで楽しめるので、これまでの本編はそちらで楽しみましょうということなのでしょう。昔の映像のなかの役者さんたちはみなさん若い。女性は美しくてきれいです。男性は生き生きとしていていい男です。
 吉岡秀隆さんの現在の子どもとしての女子高生は、父親にあんなに優しい女子高生は現実にはいないわけで、つくられた個性でした。それでもかまいませんが。
 映像も合成とわかるようなものもありました。しかたがありません。
 おもしろかったのは、「年をとって、耳が遠くなっても、悪口だけはよく聞こえる」というセリフ。耳も聞こえづらくなりますが、目もかすんで見えにくくなります。
 いまでは、ストーカー行為といわれるような昭和時代のいちずな恋愛は涙を誘います。
 女性編集者高野さん役の池脇千鶴さんは芸達者で演技上手です。感心しました。
 車寅次郎は善人ですが、わがままでいいかげんな悪役の面もあります。めんどくさい奴です。それでも愛されるのは、美しくて太い線が一本とおっているからです。たとえば、「人間は理屈だけで生きているんじゃない(気持ちとか、感情のほうが理屈よりも優先している)」、「(人間はなんのために生きているのかと吉岡秀隆さんにたずねられて)たまに、生まれてきて良かったなあと思えるときがあるからじゃないか」、「結婚は必要なことだ」、「いいじゃないか、まちがえても。若いんだから(心が広いときもある)」、「だめなところもあるけれど、それが伯父さんだ(心が狭いときもある)」、惚れっぽいのですが、望みがかないそうになって、その女性と一線を超えるチャンスが訪れたとたんに臆病になって身を引いてしまいます。永遠の少年です。そこが、健全であり、おかしくもあり、こどもからお年寄りまで、おおぜいでも安心して観ていられるのです。
 柴又駅のホームを隔てて、女子高生たちが会話をかわしているシーンが良かった。柴又駅の現地にいったことがあるし、若い頃自分が、別の場所で、じっさいそういう体験をしたことがあるので、ほんわかしました。
 ワンポイントでの、出川哲朗さん、立川志らくさん、カンニング竹山さん、笹野高史さん、橋爪功さんの登場も良かった。
 苦言としては、今の時代、映画での喫煙シーンは出さないほうがいいです。ましてや今回は病院での喫煙シーンです。時代は変わっているのに日本映画スタッフの意識は変われていません。ほかの日本映画でも喫煙シーンで感情表現をしようとする映像が多用されていますが時代遅れです。
 BGMとしての雨の降る音が良かった。バックミュージックの音楽で観客の感情を誘導するのではなく、自然の音、鳥のさえずりとか、風の吹く音で、映像に雰囲気をつくってほしい。
 歴史を感じる映画でした。昨年秋にNHKで観た寅次郎少年のドラマも思い出し、永い時の経過を味わうことができました。
  

2020年01月17日

14ひきのあさごはん いわむらかずお

14ひきのあさごはん いわむらかずお 童心社

(1回目の本読み)
 絵本です。
 14ひきののねずみがでてくる大家族のおはなしのようです。
 おじいさん、おばあさん、おとうさん、おかあさん、1・2・3…のじゅんばんで、いっくん、にっくん、さっちゃん、よっちゃん、ごうくん、ろっくん、なっちゃん、はっくん、くんちゃん、とっくん、ぜんいんあわせて、14ひきです。
 まずは、文字を読まずに、一枚ずつめくってながめてみました。
 絵がとても美しい。静止画なのに、動画に見えてきます。映画アニメの映像を見ているようです。色合いに華やかな彩りがあります。光が輝いています。豊かな色彩です。立体的でもあります。
 自然と物語があたまのなかに浮かんできます。今年読んで良かった1冊になりそうです。
 のねずみたちの生活感が伝わってきました。
 とんぼが可愛い。虫もいっぱいでてきます。

(2回目の本読み)
 1枚の絵を見ながら、読み手のおとなと聞き手のこどもさんが、たくさんおしゃべりできそうです。小鳥のさえずりが聞こえて来たり、おじいさんのねずみがあたっているたき火の火の燃える音が聞こえたりしてくるような絵本です。
 14ひきののねずみたちは、みんな同じような顔なので、だれがだれなのかわかりにくい。着ている洋服の柄とか色とか、各自の体の大きさでだれなのかがわかるようになっています。
 あさごはんは、すっと出てくるのではなく、みんなで準備するのです。のいちごをとりに行くところからはじまります。自然がいっぱいある山の中です。昆虫がたくさんいます。のいちごがおいしそう。ほたるぶくろのピンク色がきれい。おとうさん、おかあさん、おじいさん、おばあさんは、おうちでパンづくりをしています。10番目のこども「とっくん」もおとなといっしょに、きのこスープづくりです。
 パンとスープとのいちごで、おおぜいで食べるあさごはんです。ジュースとジャムもあります。
 ひとつの丸テーブルをみんなで囲んで、あたらしい一日のはじまりが、さわやかです。
 1983年発行のロングセラー絵本でした。今年読んで良かった1冊でした。
  

Posted by 熊太郎 at 09:16Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2020年01月16日

しょうがっこうへいこう 斉藤洋・作 田中六大・絵

しょうがっこうへいこう 斉藤洋・作 田中六大・絵 講談社

 今年読んで良かった1冊です。
 小学校へ入学するこどもさんの不安を解消するための絵本です。
 クイズ形式になっている楽しい本でした。
 いなかっぽい絵が、地方に住む子どもにとっては身近です。
 
 ようちえんのように、ようちえんバスのおむかえは来ません。登校班になって、じぶんで歩いていくのですから始まります。道のとちゅうにいるブタさんをはじめとして、いろんなどうぶつが可愛い。<いなかですなあ>

 朝礼が開かれている校庭には、児童がいっぱいです。
 へんな校長先生が登場しました。「じゅぎょうは、せんせいのおはなしをきかずに、みんなでおしゃべりしましょう」といいます。それは、うその校長先生です。本物の校長先生は、だれだ。

 国語の授業です。「いぬ」をひらがなで習います。ひらがなによる「迷路しりとり」のはじまりー さあ、ゴールをめざしてスタート!
 
 さんすうの授業です。「にー しー ろー はー」といいたくなります。
 
 おとなにとっては、なつかしい教室の風景です。音楽室、理科室、図工室、家庭科室、図書室など。

 体育の授業もあります。まちがいさがしゲームの始まりだよ。

 保健室は楽しいところ。

 給食の時間です。あれ、また、へんな校長先生が、ビールをのんでいます。

 校庭にもうひとり、あやしい人がしんにゅうしました。おまわりさんが来てくれました。
 気をつけて帰ろうね。

 夕食です。
 いまの時代、家族そろってばんごはんをとれる家は少なくなりました。残念です。

 裏表紙の絵もきれいです。じゅうぶん、楽しめました。孫たちにも好評でした。ありがとう。  

Posted by 熊太郎 at 06:33Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2020年01月15日

ぼくはあるいた まっすぐ まっすぐ

ぼくはあるいた まっすぐ まっすぐ マーガレット・ワイズ・ブラウン 坪井郁美・文 林明子・絵 ペンギン社

 家の白い電話が鳴りました。
 電話の呼び出し音が、この物語のはじまるきっかけです。
 5才ぐらいに見える男の子が家の中ではだしなのがいい。
 おばあちゃんが、あそびに来てねとさそっています。
 ひとりできてね。まっすぐ、まっすぐあるけば、おばあちゃんの家につくよ。
 絵がやさしい。窓の外に見える街の風景がきれいです。
 みちばたで咲いていた赤い花一輪が、おばあちゃんへのプレゼントになりました。やさしいお孫さんです。
 いちょうの葉っぱがちょうちょみたい。
 のいちごもプレゼントにくわえました。
 まっすぐなみちをまっすぐいくのですが、いろいろ苦労もあります。
 馬のおしりが見えます。男の子にとっては、おばあちゃんの家に行くまでが、冒険です。新しい体験があります。知識がふえます。
 ワンちゃんとの出会いもありました。
 みつばちさんに追いかけられました。
 あっ! 家のまどのむこうにおばあちゃんの顔が見えます。
 おいしそうなチョコレートケーキがごほうびでした。野イチゴと交換です。
 19見開きの絵本でした。  

Posted by 熊太郎 at 06:38Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2020年01月14日

杉原千畝 邦画DVD 

杉原千畝 邦画DVD 2015年公開

 岐阜県加茂郡八百津町にある杉原千畝記念館へは、20年ぐらい前に、観光バスに揺られた団体旅行で訪れたことがありますが、当時は本人のことをあまり知らず、施設の中をひととおり歩いた記憶があります。こじんまりとしたところでした。
 訪問当時は、ヨーロッパにあるとある国の領事館に勤務していて、ユダヤ人をドイツ軍の虐殺から守るために、自分の命をかえりみず、条件に合致していないユダヤ人にビザ(日本国への入国許可証)を発給した人という知識だけしかありませんでした。今回この映画を観てだいぶわかりました。
 ビザ発給の取り扱いは不正であるので、微妙な心理で鑑賞することになるのですが、命乞いをする人たちに対して、自らの命をかけて、たとえ不正とはいえ、命を助ける行為をしたことは、人道的には称賛に値します。そうでなければ、おおぜいの人たちが不当に虐殺の対象になっていました。
 ヨーロッパでの本人の呼び名は、スギウラチウネではなく、センポスギウラであったということは映画を観て初めて知りました。(チウネは発音しにくいから、通称センポ)
 リトアニアという国もよく知りませんでした。ソ連崩壊まで、強制的にソビエト連邦に含まれていたようです。
 ビザの発行については、いろいろ考えさせられました。しょせん紙切れという理屈もわかります。紙が有効なのは、国が存在しているという実態があってこそのものです。ドイツに占拠されてしまったオランダ国領事もからんでいたことでわかりました。
 外交官という名目のスパイ行為もあるのかと、複雑な心境になりますが、人間の行動と行為はもともと複雑です。
 外国侵略という不正には、ビザの不正発行でのりきる。対抗策です。
 杉浦千畝氏を追放した日本国外務省が、リトアニア国及び命を助けられたユダヤ人の人々からの抗議を受けて、名誉回復の措置をしたことは、驚きをもちつつ、いいことだと賛同します。
 良かったセリフなどとして、千畝がポーランド人スパイを雇用するときに「残っているのは、運転手の枠だけだ」、「(千畝に向かって)あなたは世界を変えたいと思っていますか→(千畝の返答として)常に思っている。すべてを失うことになってもそう思っている。(ビザを)できるだけたくさん発給する」、「お世話にならない。お世話をする。報いを求めない。(日本人の美徳とか、サムライの心意気を感じました)」、「(国籍が違っても同じ人間)私はかれらを(ユダヤ人を)救いたい」、「きみは最低の外交官だった。そして、最高の友人だった」
 戦争の愚かさが伝わってくる映画でした。軍人は丸腰の庶民、老若男女こどもにまでも、冷酷に、機械的に銃殺行為をします。人間は教育によって殺人マシーンにもなれてしまうのです。怖い。