2023年05月20日
けんかのたね ラッセル・ホーバン・作
けんかのたね ラッセル・ホーバン・作 小宮由(こみやゆう。男性)・訳 大野八生(おおのやよい。女性)・絵 岩波書店
トラブル発生の物語です。
トラブルの原因を調査するのです。
ざーっと目をとおしましたが、かなりややこしい。もう1回読み直してみます。
人間が6人(男2人、女4人。お父さんとお母さんとこどもが4人(男1人、女3人))に、ねこといぬがからみます。
1 お父さん:仕事からくたくたになって帰宅します。
2 ねこのプッス:いぬのボンゾーにほえられます。ミーナとソファーに座っていたとき、プッスは、ミーナをひっかいて、ボンゾーのあたまにとびのった。
3 いぬのボンゾー:ねこのプッスをほえます。
4 お母さん:お母さんはけんかの原因に関与していません。
5 長女ドラ:長男フランクになぐられた。頭にきたドラは、フランクの髪の毛をひっぱった。
6 長男フランク:次女エミリーが長女ドラに絵の具を投げつけたら、ドラが長男フランクの船の「もけい」にしりもちをついた。
7 次女エミリー:長女ドラに絵の具をなげつけた。いぬのボンゾーが、絵の道具の水入れに足をつっこんで、水をかぶったエミリーの姿をドラが笑ったから腹が立ってドラに絵の具をなげつけた。
8 三女(末っ子)ミーナ:ねこのプッスが、いぬのボンゾーの頭にのっかったから、びっくりしたボンゾーが、次女エミリーの絵画道具の水入れに、足を突っ込んだ。末っ子ミーナは、ねこのプッスとソファーに座っていただけで、ケンカの原因になるようなことはなにもしていないように見えます。だけど、ミーナがねこのプッスにのっかったという事実があります。ソファーのうえにプッスがいるのがわからなかったようです。
お父さんは、いぬのボンゾーをしかった。
ボンゾーは、しょぼんとして、部屋のすみっこへいった。
お父さんは、ねこのプッスをしかった。ミーナをきゅうにひっかいて、ボンゾーのあたまにのったからねこのプッスをしかった。
お父さんにしかられたねこのプッスは、ソファーのしたへもぐりこんだ。
お父さんの指示です。
ドラ、フランク、エミリー、ミーナは、ばんごはんを食べたら、すぐねること。
ねこのプッスといぬのボンゾーは、らいしゅうまで、こどもべやでねることはきんしとした。
命令と罰(ばつ)です。
こどもたち4人が、ねこのプッスをせめます。おまえがわるい。
ねずみ登場です。
プッスがねずみをおいかけます。
プッスがミーナをひっかいたのは、ねずみが原因なのです。
プッスは、ねずみが出入りしている穴をみはっていたのです。
ミーナが急にねこのプッスにのっかってきたから、とつぜん押しつぶされたプッスはびっくりして、ミーナをひっかいたそうです。
びっくりしておこったミーナは、ねこのプッスをいぬのボンゾーの頭めがけてほうりなげた。
プッスは、ボンゾーをおもわずひっかいた。
おこったボンゾーが、プッスをおいかけてきて、ボンゾーは、エミリーの水入れに足をつっこんだ。エミリーが水でびしょぬれになって、それを見たドラがおおわらいした。
エミリーは、自分を笑ったドラに絵の具をなげつけた。絵の具をよけたドラが、フランクの「もけい」にしりもちをついた。フランクは、ドラをなぐった。ドラは、フランクのかみの毛をひっぱった。
ねこのプッスは、ボンゾーにおいかけられて、大きな古時計の上にとびのった。そこへお父さんが帰宅した。
すべての騒ぎの原因は、ねずみにあるというねこのプッスの主張と意見です。
ねずみはすなおに、自分が悪いと、責任を認めます。
ねずみは、ねこのプッスに殺してもらっていいと言います。
ねこのプッスは、ねずみの反発を予測・期待していたので、拍子抜けします。(ひょうしぬけ:張り合いがなくなる。力がぬける)
ねこのプッスは、ねずみに、おまえを(勇気と責任感がある)英雄にはしたくないと言い、その場を去ります。
ねこのプッスは、いぬのボンゾーにあやまりにいきます。
ミーナにほうりなげられたとき、びっくりして、ボンゾーをひっかいてごめんね。
いぬのボンゾーは、ミーナの謝罪を受けて入れて、ふたりで(二匹で)みんなにあやまりに行こうとプッスに提案します。
4人のこどもたちは、二匹の謝罪を受けて入れて、末っ子のミーナは、両親に話をしに行きます。
『許容(きょよう。謝罪を受け入れて相手を許す)』があります。
ミーナはうそをついたと言います。
まわりをよく見ないでソファーにすわったら、プッスがいて、プッスのうえにのっかってしまったそうです。
それぞれわけあって、しかたなく相手にひどいことをしてしまったとこどもたちがあやまります。絵の具をドラに投げつけたエミリー、一か月ぐらいかけてつくった船の「もけい」をこわされて頭にきてドラをなぐったフランク、エミリーを笑って、フランクのかみの毛をひっぱったドラ、『ごめんなさい』が続きます。
ねこのプッスにつかまって、ころされるかもしれないというこわい思いをしたねずみのおとうさんが自分の家に帰り着きました。
家の中では、さきほどの6人家族と二匹の家のように、大げんかで大さわぎをしています。
ねずみのおとうさんは、この本の最初のページあった人間のお父さんと同じセリフを言うのです。
『おいおい、いったどうしたんだ? つかれてかえってきたっていうのに、おかえりなさいも、いってもらえないのかい?』
なにかしら、1945年終戦の第二次世界大戦とか、今、現在進行中のロシアとウクライナとの戦争と重なります。
絵本の中の物語では、ケンカの連鎖があります。
途中で、だれかが止めることができたのに、連鎖してしまいました。
ちょっとしたことで、ケンカがくりかえされて、おおきな悲しみに発展していくのです。
戦争の暗示があります。
戦争反対です。
作者 ラッセル・ホーバン 1925年(日本だと大正14年)-2011年(平成23年) 86歳没 児童文学作家
彼がこの世に残したかったメッセージは『平和』と『協調(きょうちょう。譲り合い(ゆずりあい))』だと受け取りました。
トラブル発生の物語です。
トラブルの原因を調査するのです。
ざーっと目をとおしましたが、かなりややこしい。もう1回読み直してみます。
人間が6人(男2人、女4人。お父さんとお母さんとこどもが4人(男1人、女3人))に、ねこといぬがからみます。
1 お父さん:仕事からくたくたになって帰宅します。
2 ねこのプッス:いぬのボンゾーにほえられます。ミーナとソファーに座っていたとき、プッスは、ミーナをひっかいて、ボンゾーのあたまにとびのった。
3 いぬのボンゾー:ねこのプッスをほえます。
4 お母さん:お母さんはけんかの原因に関与していません。
5 長女ドラ:長男フランクになぐられた。頭にきたドラは、フランクの髪の毛をひっぱった。
6 長男フランク:次女エミリーが長女ドラに絵の具を投げつけたら、ドラが長男フランクの船の「もけい」にしりもちをついた。
7 次女エミリー:長女ドラに絵の具をなげつけた。いぬのボンゾーが、絵の道具の水入れに足をつっこんで、水をかぶったエミリーの姿をドラが笑ったから腹が立ってドラに絵の具をなげつけた。
8 三女(末っ子)ミーナ:ねこのプッスが、いぬのボンゾーの頭にのっかったから、びっくりしたボンゾーが、次女エミリーの絵画道具の水入れに、足を突っ込んだ。末っ子ミーナは、ねこのプッスとソファーに座っていただけで、ケンカの原因になるようなことはなにもしていないように見えます。だけど、ミーナがねこのプッスにのっかったという事実があります。ソファーのうえにプッスがいるのがわからなかったようです。
お父さんは、いぬのボンゾーをしかった。
ボンゾーは、しょぼんとして、部屋のすみっこへいった。
お父さんは、ねこのプッスをしかった。ミーナをきゅうにひっかいて、ボンゾーのあたまにのったからねこのプッスをしかった。
お父さんにしかられたねこのプッスは、ソファーのしたへもぐりこんだ。
お父さんの指示です。
ドラ、フランク、エミリー、ミーナは、ばんごはんを食べたら、すぐねること。
ねこのプッスといぬのボンゾーは、らいしゅうまで、こどもべやでねることはきんしとした。
命令と罰(ばつ)です。
こどもたち4人が、ねこのプッスをせめます。おまえがわるい。
ねずみ登場です。
プッスがねずみをおいかけます。
プッスがミーナをひっかいたのは、ねずみが原因なのです。
プッスは、ねずみが出入りしている穴をみはっていたのです。
ミーナが急にねこのプッスにのっかってきたから、とつぜん押しつぶされたプッスはびっくりして、ミーナをひっかいたそうです。
びっくりしておこったミーナは、ねこのプッスをいぬのボンゾーの頭めがけてほうりなげた。
プッスは、ボンゾーをおもわずひっかいた。
おこったボンゾーが、プッスをおいかけてきて、ボンゾーは、エミリーの水入れに足をつっこんだ。エミリーが水でびしょぬれになって、それを見たドラがおおわらいした。
エミリーは、自分を笑ったドラに絵の具をなげつけた。絵の具をよけたドラが、フランクの「もけい」にしりもちをついた。フランクは、ドラをなぐった。ドラは、フランクのかみの毛をひっぱった。
ねこのプッスは、ボンゾーにおいかけられて、大きな古時計の上にとびのった。そこへお父さんが帰宅した。
すべての騒ぎの原因は、ねずみにあるというねこのプッスの主張と意見です。
ねずみはすなおに、自分が悪いと、責任を認めます。
ねずみは、ねこのプッスに殺してもらっていいと言います。
ねこのプッスは、ねずみの反発を予測・期待していたので、拍子抜けします。(ひょうしぬけ:張り合いがなくなる。力がぬける)
ねこのプッスは、ねずみに、おまえを(勇気と責任感がある)英雄にはしたくないと言い、その場を去ります。
ねこのプッスは、いぬのボンゾーにあやまりにいきます。
ミーナにほうりなげられたとき、びっくりして、ボンゾーをひっかいてごめんね。
いぬのボンゾーは、ミーナの謝罪を受けて入れて、ふたりで(二匹で)みんなにあやまりに行こうとプッスに提案します。
4人のこどもたちは、二匹の謝罪を受けて入れて、末っ子のミーナは、両親に話をしに行きます。
『許容(きょよう。謝罪を受け入れて相手を許す)』があります。
ミーナはうそをついたと言います。
まわりをよく見ないでソファーにすわったら、プッスがいて、プッスのうえにのっかってしまったそうです。
それぞれわけあって、しかたなく相手にひどいことをしてしまったとこどもたちがあやまります。絵の具をドラに投げつけたエミリー、一か月ぐらいかけてつくった船の「もけい」をこわされて頭にきてドラをなぐったフランク、エミリーを笑って、フランクのかみの毛をひっぱったドラ、『ごめんなさい』が続きます。
ねこのプッスにつかまって、ころされるかもしれないというこわい思いをしたねずみのおとうさんが自分の家に帰り着きました。
家の中では、さきほどの6人家族と二匹の家のように、大げんかで大さわぎをしています。
ねずみのおとうさんは、この本の最初のページあった人間のお父さんと同じセリフを言うのです。
『おいおい、いったどうしたんだ? つかれてかえってきたっていうのに、おかえりなさいも、いってもらえないのかい?』
なにかしら、1945年終戦の第二次世界大戦とか、今、現在進行中のロシアとウクライナとの戦争と重なります。
絵本の中の物語では、ケンカの連鎖があります。
途中で、だれかが止めることができたのに、連鎖してしまいました。
ちょっとしたことで、ケンカがくりかえされて、おおきな悲しみに発展していくのです。
戦争の暗示があります。
戦争反対です。
作者 ラッセル・ホーバン 1925年(日本だと大正14年)-2011年(平成23年) 86歳没 児童文学作家
彼がこの世に残したかったメッセージは『平和』と『協調(きょうちょう。譲り合い(ゆずりあい))』だと受け取りました。