2023年05月19日

給食室のいちにち 大塚菜生・文 イシヤマアズサ・絵

給食室のいちにち 大塚菜生(おおつか・なお)・文 イシヤマアズサ・絵 少年写真新聞社

(1回目の本読みです)
 まずは、ざーっと目をとおしてみます。

 表紙をめくるとメンバー紹介です。
 給食センターで働く人たちなのでしょう(本では「給食室」です)

 山川:栄養士。男性
 田中:今年から働いている女性
 川村:30年勤務のベテランさん。男性か女性か、どっちかな。(読み終えて、男性に思えましたが自信がありません)
 矢野:若い女性。耳が聴こえにくいそうです。障害者枠の採用かもしれません。
 出口:再雇用嘱託員だろうか。年配男性です。元消防士
 アニカ:外国人女性。将来自分のレストランを開きたいそうです。
 ロイ:外国人男性。最近調理師免許を取得した。アニメとゲームが得意だそうです。
 安井戸(やすいど):丸坊主でメガネをかけた男性。お年寄りかと思ったらあんがい若そう。みどり小学校の卒業生だそうです。

 以上、8人です。

 舞台は『みどり小学校』という学校です。
 給食室でのリーダーは、栄養士の山川さんのようです。
 ページの左上とか右上の現在の時刻が表示されています。

午前7時30分
 昼ごはんの準備が仕事ですから、朝が早い仕事です。そのかわり、終わりの時刻が早いのでしょう。
 出勤者の健康チェックがあります。インフルエンザなど、人に感染する病気にかかっていないか注意が必要です。食べ物を扱う仕事ですからね。
 食材が届きます。野菜やお肉などです。
 受け取った食材に異常がないか点検します。

午前8時50分
 先日機会があって、自分が小学生だった時の通信簿を見ました。もう60年ぐらい前のものですが保管してあります。先生のコメントが書いてありました。『給食係でがんばっています』と書いてありました。思えば、小学生の時は、学年が変わっても、たいてい、給食係か、給食委員をしていました。
 いちど、5年生ぐらいの時に、給食室に呼ばれて、あなたのクラスはおかずの食べ残しが多いと給食をつくるおばちゃんにおこられたことがあります。そんなことを思い出しました。当時の世間は『もったいない』が徹底していました。
 以前なにかの記事で、外国人観光客の方が日本人の性質である『もったいない』は、もういいです(お断りします)と意見を主張されているのを読んだことがあります。むだがあってもいい。人生を楽しみたい。日本人は生活の楽しみ方を知らない。そんな趣旨でした。

 さて、絵本では、8人で協力して、児童と先生の分450人分の給食をつくるそうです。早番の人たちが、すでにとりかかっていて、これから全員でつくるそうです。チームワークは大事です。
 メニューは、カレーライス、サラダ、ゼリーです。
 仕事を始める前に打合せをします。打合せは大事です。一日の予定の確認をして、全員で情報を共有します。朝礼みたいなものです。朝礼は大事です。

午前9時10分
 お米をたきます。80人分用のおかまを6個使います。450人分をつくります。算数の勉強です。おかま5個で400人分、あとの1個で50人分をたくのでしょう。

午前9時30分
 野菜の調理を始めます。
 つくるのはカレーです。
 たまねぎ、にんじんですな。
 カレーのルーもつくります。(ルー:カレーの汁)
 量が多くても少なくても、料理は食べる人のことを考えて、心をこめてつくります。
 
午前9時50分
 家庭料理とは違います。
 大きなお鍋で、大量のたまねぎを炒めます(いためます)。にんにくとしょうがを混ぜます
 牛肉も炒めます(いためます)。さとう、水、ローリエを入れるそうです。(ローリエ:香辛料。月桂樹の葉を乾燥させたもの)
 別のチームでは、デザートのゼリーづくりが進んでいます。
 
午前11時
 だんだん昼食の時刻が近づいてきました。
 サラダづくりのスタートです。
 ブロッコリーをゆでて、パプリカとスイートコーンを湯にとおして網ですくいあげます。
 最後がドレッシングかけです。(ドレッシング:サラダにかける味付けの調味料)
 ごはんがたけるとメロディーが流れるそうです。
 熊じいさんの家の電気釜だと、ピーピーピーと何回か音が鳴って、音でごはんがたけたことを知らせてくれます。
 クラスの人数ごとに、ごはんの量を分けていくそうです。なかなかたいへんそうです。細かい作業があります。

午前11時30分
 カレーの仕上げだそうです。
 ルーに合わせるのが、牛肉と野菜です。加えるのが、調味料、スキムミルク(加工した脱脂粉乳。水に溶けやすい)です。
 味見役が、栄養士の山川さんです。
 へーぇ。食中毒の関係で、つくったものを50グラムずつ2週間保存しておくきまりになっているそうです。食中毒が発生した時は、その保存した食べ物に、ばい菌がいないか調べるのでしょう。原因究明です。

午前11時45分
 給食が、だいじょうぶかチェックがあるそうです
 チェックするのは校長先生です。(以前、ネットのニュースで、校長が変だと思って給食のおかずの一部出すのをやめたという事件があった記憶です。そのおかずを調べたら「大腸菌」が入っていたそうです)
 江戸時代とか武士の時代の、お殿さまが食べる料理のお毒味役の武士のポジションを思い出しました。映画で見たことがあります。
 
午後12時
 給食が教室へ運ばれていきます。
 
午後12時10分
 わいわいがやがやとこどもたちが給食の配膳をしています。
 コロナ禍だったときは、いろいろと制限があったことでしょう。あれだめ、これだめです。不自由でした。
 騒ぎが始まって、三年がたって、ようやくコロナウィルス感染拡大が収まってきました。長かった。

 栄養士の山川さんが、児童たちになにかを約束していたようです。

午後12時30分
 クイズ大会です。
 栄養士の山川さんが、こどもたちにクイズを出します。
 調味料のクイズです。
 「ソース」と「しょうゆ」が答です。
 両方がカレーに入っているように読めますが、しょうゆだけのようにも読めます。よくわかりません。
 しょうゆでいい香りを付けるそうです。

午後12時45分
 給食室のメンバーが同じ部屋に集まって、みんなで、自分たちでつくった給食を食べます。

午後1時30分
 給食を食べたあとの後片付けです。
 どれだけたべてくれたかのチェックをします。
 熊じいさんは、小学生低学年のとき、おみそ汁に入ったワカメが口の中でぬるぬるして気持ち悪くて飲み込むことができませんでした。同じく、もうひとりそういう子がいて、全部食べるまで許さないみたいなことを言われて、給食の時間が終わって、掃除の時間が始まったときも、黒板の前にふたりで並んで正座させられて、涙をこぼしながら、食べられないワカメを食べようとしていました。でも結局食べることはできませんでした。人間には、食べられないものもあるのです。体罰反対です。(でも、おとなになった今は、簡単にワカメを食べることができます。あと、チーズがにがてでした。昔の給食に出てくるチーズは、せっけんのような感じがして自分は、食べられませんでした)

午後2時10分
 せんじょう室で食器をみんなで洗います。後片付けもたいへんです。
 ばいきんが発生しないように、消毒もします。
 栄養士の山川さんは、これからの献立(こんだて)づくりです。頭を使います。
 いろんな献立が絵になって、並んでいます。どれもおいしそうです。
 絵本の絵を見ていて、熊じいさんは、病気で何度か入院したことがあるので、病院の食事を思い出しました。朝、昼、夕と一日三食出ます。入院中の楽しみは、食事でした。祝日などは、記念日に、ちなんだ献立が出たり、ときおりは、二種類あるうちのどちらか好きなほうを選択できたりもしました。
 
午後4時
 仕事の終了です。おつかれさまでした。
 働くことは、人の役にたつことです。
 労働について考える絵本でした。
 働く人に『感謝』する絵本でした。
 そして、料理の本でした。

 裏表紙の部分の絵についてです。
 給食室のレイアウト(配置)があります。
 整理整とんは、事故防止のためです。
 清潔を保つのは、食中毒の防止のためです。
 きちんとする習慣をつけましょう。
 ゆっくりていねいにが、安全の基本です。

 裏表紙にある『6年1組新聞』の絵が、見ていて感じが良かった。
 そういえば、絵本の最後のほうに、栄養士の山川さんに取材があると書いてありました。取材の結果が新聞です。

 1回目の本読みで、ざーっと何が書いてあるのか把握(はあく:全体像をつかむ)するつもりでしたが、かなり詳しく読書メモをつくってしまいました。
 短いお話なので、もういちど、2回目の本読みをしてみます。

(2回目の本読み)
 表紙をめくって、二列に人の絵が並んでいるのですが、下の段の人について書きます。
 たんとうするしごとによって(作業をする部屋によって)、着用する衣服が異なりますと書いてあります。
 エプロン、手袋、靴の色が分けてあるそうです。
 けんしゅう室、下しょり室での:青いエプロン、青いくつ
 けんしゅう室、下しょり室での:(肉や卵をあつかうとき)黄色のエプロン、つかいすての水色のてぶくろ
 ちょうり室での:ピンクのエプロン、白いくつ
 ちょうり室での:(火をつかうとき)ピンクのゴムてぶくろ
 ちょうり室での:(調理が終わったものをあつかうとき。なべとか、ほかん容器など)オレンジのエプロンにつかいすての水色の手ぶくろ
 あらいものやそうじをするときは:みどりのエプロンと青いゴム手ぶくろ、せんじょう室では青いくつ
 色で区別する理由は書いてありません。(汚れやばいきん防止のためでしょう。清潔を保ち、衛生的な環境をつくります)

 制服としてのエプロンを着用するときのことです。
 頭の髪の毛の上にネットをかぶせてから、ぼうしをかぶります。(髪の毛が料理に入らないようにするのだなと理解しました。次のページにそのように書いてあったので、当たり!といい気分になりました)
 手洗いは2回で、爪の先はブラシで洗うそうです。徹底しています。
 
 絵がわかりやすい。

 いろいろ細かいマニュアル(手引き。手順書)があります。
 手抜きはしないでほしい。
 この給食のことだけではなくて、世間では、仕事で手を抜く人がいます。
 マニュアルを無視して仕事をして、そのやりかたが日常的なやり方になってしまうパターンがあります。いずれ、事件や事故が起きます。不祥事が起きて、組織はそれを隠そうとします。話はどんどん深刻になって解決がむずかしくなっていきます。手抜きはやめましょう。めんどくさくても、自分の身を守るためにていねいにやりましょう。
 人は『仕事は楽で、給料が良くて、休み多いほうがいい』と思っています。まずは『自分は世のため人のために働いている』という強い動機と意識をもたないと不祥事が起きます。(不祥事:信用を失う残念な出来事)

 後半に、毎日の献立料理の絵があります。
 それぞれの料理の名前はわかりません。
 文字で表示してあると、わかりやすかった。
 8パターンあります。
 
 裏表紙の絵で、けんしゅう室やじゅんび室の位置がわかります。
 じゅんび室に、エプロンがかけてあります。
 部屋がきちんと作業ごとに分けてあるのは、食中毒防止のためでしょう。ばいきんが料理に入らないようにして清潔な環境を保つためでしょう。  

Posted by 熊太郎 at 06:44Comments(0)TrackBack(0)読書感想文