2024年10月11日

福岡県 博多 天神 中洲あたり

福岡県 博多 天神 中洲(なかす)あたり

 9月末に用事があって夫婦で福岡県へ行ってきました。用事の合間に福岡県内の観光をしてきました。
 しばらく前から、数回に分けて、そのときに訪れたいくつかの観光地を紹介しています。用意ができたものからアップしています。

 博多の天神、中洲あたりを散策したのですが、10月から始まったNHK朝ドラ、『おむすび』を観ていたら、自分たち夫婦が前週に歩いたところが、映像にいくつも出てきたのでびっくりしました。
 映像で、アクロス福岡(文化を中心とした官民合同の複合施設ビル)の玄関入口付近でロケがなされたようすがありましたが、自分たち夫婦がつい先週歩いたところだったのでびっくりしました。
 観光で、ドラマのロケ地を訪れることがありますが、逆に、自分たちが行ったところが、ドラマのロケ地で出てくることはあまりないので驚きました。
 前作の朝ドラ、『虎に翼』でも、自分にとって見たことがある場所がいくつも出てきて驚きましたが、今回ほどのびっくりではありませんでした。なにせ今回は、放送が始まる前の週の福岡訪問だったのでたまげたのです。
 西鉄天神駅、アクロス福岡(複合ビル)、天神中央公園、那珂川(なかがわ)にかかる橋などが、テレビドラマの映像で出ました。
 映像では、桜の花が咲いていたので、4月の初めぐらいに撮影ロケをされたのでしょう。

 次の写真は、博多天神にある『警固神社(けごじんじゃ)』です。
 高いビルに囲まれて、細長い形状の土地に建っていました。
 東南アジア系の外国人観光客が多く。社務所(しゃむしょ。背の高いビルです)の玄関前に設けられた休憩所のエリアで腰かけておられました。
 警固神社(けごじんじゃ)のお隣に警固公園(けごこうえん)という観光地があるとガイドブックで観たので行って見ましたが、少し大きめの喫煙場所があって、そこから流れてくるタバコのくさいにおいに閉口しました。(へいこう:ひどく困ること)
 ニコチン中毒です。病気です。タバコの奴隷になっている人がいます。タバコをやめれば幸せになれるのに、自分から幸せになることを拒んで(こばんで)おられるのです。残念です。



 次の写真は、『福岡市赤煉瓦文化館(ふくおかしあかれんがぶんかかん)』です。
 1909年(明治42年)竣工だそうです。わたしの母方祖父が1907年(明治40年)生まれでした。そんなふうにして、わたしは日本史を理解するようにしています。親族の生年月日と時代背景を合わせながら歴史をふりかえっています。自分の先祖がどのような時代を生きていたかです。
 見学時は、中におられた職員さんに、建物の成り立ちや構造などについて、ていねいに説明していただきました。パリのエッフェル塔がらみのらせん階段のお話でした。ご親切に感謝します。
 内部がとてもきれいでした。会議室として、一般に貸出もされているそうです。









 さきほどの『福岡市赤煉瓦文化館(ふくおかしあかれんがぶんかかん)』のお隣にある神社が、『水鏡天満宮(すいきょうてんまんぐう)』です。警固神社(けごじんじゃ)と同じく、細長い形状の土地に建っていました。
 菅原道真と(すがわらのみちざね。学問の神様)と関係があるそうです。菅原道真は、西暦845年から903年の人ですから、現在放送されているNHK大河ドラマ、『光る君へ』の人たちとは時代が離れています。菅原道長とか紫式部の源氏物語の話、清少納言の枕草子(まくらのそうし)は、西暦1000年頃の出来事です。



 次の写真は、旧福岡県公会堂貴賓館です。
 65歳以上の観覧者は無料だったので、運転免許証を提示して無料で観覧させていただきました。ありがとうございました。
 お部屋の中がとても美しい。美術とか、絵画、工芸などに興味がある方が見学されるとアイデアを発想するときの参考になると思います。
 内装などは、東京三鷹市にある山本有三記念館(小説家の自宅です。作品が、『路傍の石(ろぼうのいし)』)とよく似ていました。















 夕刻から、博多名物の屋台が川沿いに並んでいるあたりを散策しました。
 もう満員で、簡易的なイスが埋まっている屋台もあるし、そうでもない屋台もありました。
 複数の屋台の方が、『おにいさん、おにいさん、寄って行って』みたいに声をかけてきたのですが、わたしは、もうおにいさんではなく、おじいさんなので変な感じでした。

 散策を終えたあとの夕食時に、とあるお店でおいしいお肉を食べていたら、左上の奥歯が半分ボキッだか、ガキッといって割れて欠けてしまいました。しかたがありません。最近そのへんがおかしくて、もともと歯医者に通っていました。
 自分の体の耐用年数が限界に近づいてきていることを実感している老齢期です。(愛知県に帰ってから歯科を受診して欠けた部分を加工する治療をしています)

 散策で立ち寄った商業施設であるキャナルシティはさびれていました。次の写真の奥、赤っぽいレンガ色の建物です。
 自分の記録を調べると、2008年(平成20年)12月にキャナルシティを訪れています。クリスマス前でたいへんにぎやかでした。きらびやかな装飾もなされていました。
 16年が経過して、なにかしらさびしい風景の商業施設に変化していました。

 外国人観光客を中心とした観光客の人たちが、クルーズ船に乗って観光を楽しんでおられました。船は、川を最初は上流へ、それから下流へと、ぐる~と回って、海にも行かれるのでしょう。
 乗船待ちの人たちがたくさん待機場所で待たれていました。繁盛しています。





  

Posted by 熊太郎 at 06:52Comments(0)TrackBack(0)福岡県

2024年10月10日

ノスタルジア イタリア・ソ連合作映画 1983年

ノスタルジア イタリア・ソ連合作映画 1983年(昭和58年) 2時間5分 動画配信サービス

 映像を楽しむ映画でした。美の追求です。
 中身は理解できませんでした。
 宗教のような心の中にある意識をお話にしてあるというつくりでした。

アンドレイ・ゴルチャコフ:詩人。イタリアトスカーナ地方にあるシエナという村にいる。自殺したロシアの音楽家サスノフスキーの足跡を追っている。

エウジエニア:アンドレイ・ゴルチャコフの女性通訳。

ドメニコ:シエナの住人。村人たちから頭のおかしい人扱いをされている。

 宗教があります。心をこめて祈る。神にすがる。
 映像美を表現する映画です。
 イタリアとロシアの話です。
 映像はときおり白黒、だいたいカラーです。
 心象風景を映像に変えてあります。
 独特な雰囲気があるヨーロッパ映画です。
 美を追求する。
 同性同士の愛もありか。
 
 湯気(温泉のゆげ)、不死を求めて温泉に入る。
 タバコやら、葉巻やら。
 映像の中で、人々の話す声が流れますが、映像の中にいる人が話しているようには見えない。
 犬の鳴き声まで人間っぽい。

 『神が言った。お前が存在するのではない。私が代わりに存在するのだ』(なんのことやら)

 美としての、『光線』。
 
 狂人ドメニコと詩人アンドレイの会話は、中身があるようでないようにも感じられる。

 1枚の写真のような映像が、白黒になったり、カラーになったりしながら続きます。
 クラシック音楽がバックに流れて、宗教的な雰囲気が空間全体に広がります。厳か(おごそか)です。
 雨が降る音。雨つぶが金属製の缶に落ちる音。雨が、コンクリートの床に落ちる音。水しぶきの音。いろいろ工夫がこらされています。

 鏡に映る男の顔。

 話の流れはつくり話で現実味はありません。
 詩的な心の中にある風景です。
 湧いて来る地下水のように思考がこの世にあふれてきます。
 透き通った水の中から、アイデアが湧いてきます。

 焼身自殺の定義を別の本で読んだことがあります。
 自殺者の強烈なメッセージ、自殺者の主張があるとき、自殺者は、焼身自殺を試みる。(こころみる。チャレンジする)

 詩人がろうそくを持って長時間歩くシーンが続きます。儀式のようです。祈りの儀式です。
 死後の世界だろうか。
 雪が降り積もります。

 ロシア人がロシアから追い出されて、ロシアの外でロシアのことを思ったから、『ノスタルジア(郷愁、望郷)』なのだろうと考えました。
 むずかしい映画です。
 映像美だけを楽しむのが良さそうです。美術年鑑のようです。

(その後のこと)
 今読んでいる本が、『赤と青のガウン 彬子女王(あきこじょうおう。大正天皇のひ孫。ヒゲの殿下の第一女子) PHP文庫』ですが、224ページあたりに、自然光で絵画を観ることの大切さについて書いてあって、こちらの映画の映像のイメージと重なりました。
 1枚の絵画を朝から晩まで、自然光が変化する場所に置いて鑑賞すると、『今日のショー』のような変化を味わうことができるそうです。昔の人は、そうやって、絵画を楽しんでいたと想像されるそうです。  

2024年10月09日

絵本 『じゃない!』と、『やっぱり じゃない!』の2冊

絵本 『じゃない!』と、『やっぱり じゃない!』の2冊

『じゃない! チョーヒカル フレーベル館』
 不思議な絵本でした。
 本の帯にある、『固定概念をくつがえす』というとおりの絵本でした。

 作者のチョーヒカルさんを、最初は男性だと思って読んでいました。
 読み終えたとき、最後のページにある写真に女性が映っていたので勘違いをしていたことに気づきました。

 絵のバック(背景)が真っ黒だから、物体が映えます。(はえます:目立つ。引き立つ)

 『きゅうり』、『みかん』、人間の思いこみを、そうじゃないと指摘します。
 見た目の形と、切ったあとの中身が一致しません。
 何かの暗示があります。
 人間も同じく、見た目と中身が違う人がいます。
 たまたま、先日お昼の、『ラジオ人生相談』という番組で、だんなさんが、外面(そとづら)はいいけれど、家では、妻子にきついと嘆く(なげく)奥さんのお悩み相談がありました。けっこう深刻でつらそうでした。お気の毒です。

 『いちご』です。
 へぇーっ、奇想天外(きそうてんがい。想像、予想できない)です。
 なかなか思いつきません。
 『いちご』を開くと、中身は、貝(かい。あさり)でした。

 すごい発想です。
 今までにない絵本です。
 『ピーマン』、『レモン』、『ナス』の中身は、鶏卵(けいらん)です。
 
 次のページでの絵は、絵を見てもなんだろう?と首をかしげます。かしげる:かたむける。
 パンかなあ。くるみのような木の実だろうか。
 見た目で、何かわかりません。
 切ったら、中身は、すいかでした。
 予想もつきませんでした。

 チョコがついた穴あきドーナッツと、穴のないドーナツみたいなお菓子(ちょっとわたしには名称がわかりません(その後、『マカロン』だということがわかりました)、あとは、コーヒーがあります。
 切ると、中身はくだものがいっぱい。
 リンゴ、ネーブル、オレンジ、みかん。(なるほど)。

 アイスクリームは……
 さらに、トッピングものりました。
 中身は、人間の5本指でした。
 ちょっとグロテスクかもとびっくりしましたが、そうでもない。
 なかなかいい感じの絵本です。

 『じゃないかもしれない』と考える。思考する。
 このアイデア、じゃない!というアイデアの発想のきっかけは、いつ、どこであったのか、興味津々です。(きょうみしんしん:あとからあとから関心や疑問が湧いてくる)

 おもしろい絵本でした。


 もう一冊、続編も読んでみました。

『やっぱり じゃない! チョーヒカル フレーベル館』
 二冊目も同じパターンです。読み終えて、二冊で、一冊を読むような感じがしました。

 ピザの中身は、カボチャです。
 甘い和菓子や洋菓子、みたらしだんごの中身は、みかんやかんきつ類でした。
 煮干しのような小魚は、そら豆のような豆類でした。
 
 今度は電球です。
 中身はなんと生卵の黄身と白身でした。
 
 宝石です。
 真珠、エメラルド(?)、サファイアかな。
 ぶどうみたいなもの、リンゴあるいは柿みたいなもの、あけびあるいはアボカドみたいなものでした。
 
 花束は、サラダです。(これはおもしろい!)
 
 絵を描くときの筆は、人間の手のひらです。
 このパターンは、前作と同じです。
 前作と同じなので、出来栄えも同じです。
 なにか、もうひとひねりほしかった。
 
 作者が、絵が大好きなことが伝わってきました。  

Posted by 熊太郎 at 06:42Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2024年10月07日

福岡市 地下鉄七隈線(ななくません) 櫛田神社前駅

福岡市 地下鉄七隈線(ななくません) 櫛田神社前駅(くしだじんじゃまええき)のこと

 こんな路線あったっけ?
(新しくできた地下鉄路線でした。2023年3月27日開業です。建設途中の2016年(平成28年)に道路陥没事故が起きて、開業が遅れたそうです)

 新幹線を降りて、博多駅で乗りかえです。かなり深い位置に始発・終点となる地下鉄七隈線の博多駅がありました。
 エスカレーターを何度も乗り継いで地下深くまでもぐりました。途中、地下駐車場とか、地下のタクシー乗り場へ行く通路があった記憶です。地下の有効利用が進んでいます。

 地下鉄駅の構築物は、なにもかもが新しくてきれいです。
 下車した櫛田神社前駅のコンコースには、博多にちなんだ工芸品や絵がガラスケースの中に展示されていました。美術館のようです。宿泊したホテルが駅そばだったので、気に入って、ホテルからでかけるたびにギャラリー(回廊(かいろう)、画廊)の前を何度も往復しました。




























 のぼり旗です。博多の祭り、博多山笠のいでたちなのでしょう。いでたち:身なり
 きりっと締まったお尻がかっこいい。












 気づいたこととして、地下鉄車両の内装はこぶりで、網棚の部分はありませんでした。
 お客さんは、私が乗車したのが平日昼間から夕方、翌朝のラッシュアワーのあとということもあり、それほど多くはありませんでした。
 車両も4両編成で、編成数としては、それほど多くはありません。
 最新式の電車ですから、乗務員なり、運転指令室なりにいるだれかがどこかのボタンを押すと列車が自動的に動き出して、次の駅では列車が自動的に止まるというシステムなのでしょう。  

Posted by 熊太郎 at 10:52Comments(0)TrackBack(0)福岡県

2024年10月06日

水バラ バスVS鉄道 真夏の秋田・青森縦断SP

水バラ バスVS鉄道 真夏の秋田・青森縦断SP これまで、太川陽介バスチーム8勝 村井美樹鉄道チーム12勝 テレビ東京とか、TVer(ティーバー)とか、ネットもテレ東とか

1年半負け続け5連敗中…Mr.バス旅決死の覚悟で挑む(いどむ)みちのく決戦!
秋田大館能代空港(おおだてのしろくううこう)→青森フェリーふ頭


 久しぶりに太川陽介さんが勝利を手にしました。良かった。応援していました。最後に、敵の村井美樹さんが、涙を流しながら太川陽介さんをハグして祝福しました。いいシーンでした。夕映えに映える(はえる)メンバーたちの姿が美しかった。敵も味方もみんな号泣していました。ごうきゅう:大泣きする。
 太川陽介さんの言葉です。『ひさしぶりだな君(宝箱の中にあった勝利の小旗を(こばた)を見ながら(1年半ぶりの再会です)』、『やっと戻ってきたよ』。

 がんばれ、がんばれ、がんばれ太川さん!!の回でした。

太川陽介バスチーム:モデル 土屋アンナ 俳優 浅利陽介

村井美樹鉄道チーム:元AKB総監督 高橋みなみ 芸人デンジャラス ノッチ(今回の番組では、なにかしらオバマ元アメリカ合衆国大統領のものまねを禁じておられて不思議でした)

 始めに体力自慢があります。いつもの始まり方です。たいていは、そのあと期待外れになるのですが、今回のメンバーは真剣に体力勝負に挑戦できる人たちでした。すばらしい。
 鉄道チームはとくに過酷です。電車以外の場所は、たいてい長時間の早歩きか、かけっこです。
 ノッチさんが精彩を欠いていましたが、それはそれなりに笑いにつながっていました。

 太川陽介さんも村井美樹さんも、地図が読めるようで読めない人たちです。地図読みは、ゲストにまかせたほうがいい。浅利陽介さんの存在が光っていました。与えられた役割をきちんと果たせる人はいい人材です。大切にしなければなりません。

 バス旅は、人生そのものです。うまくいくと思ったら、そうはいかない。
 だめだと思ったら、うまくいったり(バスが定刻よりも遅れてくる)もします。
 だから、努力は続けなければならない。夢をあきらめてはいけないのです。

 秋田内陸縦断鉄道がらみの田んぼアートがきれいでした。

 鉄道廃線跡のレールを利用したアクティビティ(体を動かす楽しみ)がありました。
 歴史の経過の中で、失われていったものがあります。
 自分たち老齢者はそれを実際に体験した世代です。いっぽう、もう一生同じことを体験することがない新しい世代の存在があります。なかなか意識の折り合いはつきません。
 しかたがないのでしょう。

(TVer(ティーバー)で答え合わせを見ました)
 タクシーの使い方が勝敗に直結します。
 一日目はなるべくタクシーを使わず、タクシー代を温存する。二日目に、ここぞというルートで、タクシー代を投資する。
 
 日本海と太平洋をはさんだ青森県の地理において、弘前市(ひろさきし)と五所川原市(ごしょがわらし)が、県を横断する位置でまんなかあたりにあることを初めて理解しました。これまで、日本海よりに位置している市だと誤解していました。

 ショートカットができないか考える。(タクシーを利用して)
 奇策とも思えるようなショートカットもあります。きさく:なかなか思いつかない変わった作戦。

 乗り継ぎの時間はギリギリでもいい。ムダな時間を減らして、その時間を歩きに当てる。

 体力的にも精神的にも過酷なゲームです。

 番組を見終えて思い出したこととして、青森は、海鮮料理がおいしい。
 秋田のルートで、クマが出るというところがありました。クマが出るかもしれないから、徒歩移動ではなく、タクシー乗車で移動したほうがいいとアドバイスがありました。
 自分の中に東北旅行に行くプランがあるのですが、クマが出るところなので、ずっと躊躇(ちゅうちょ)しています。  

2024年10月05日

バスがタイムマシン 『不適切にもほどがある!』

バスがタイムマシン 『不適切にもほどがある!』

 今年春先のドラマで、クドカン脚本作品(宮藤官九郎)ドラマ、『不適切にもほどがある!』が人気でした。『路線バス』が、タイムマシンでした。

 先日、自分の読書メモを読み返していて、気づいたことがあります。
 『笑うお葬式 野沢直子 文藝春秋』に、バスがタイムマシンになる記述がありました。
 2018年(平成30年)にわたしが読んだ本です。
 もしかしたら、クドカンさんもその本を読んで、タイムマシンをバスにしたというきっかけがあったのかもしれないと想像しました。

 その本には、野沢直子さんのオヤジさんのことが書いてありました。
 オヤジさんは、自己顕示欲が強くて、自制心が弱い、爆発、自己破滅型です。あと経済感覚はなく、金銭管理ができない人でした。
 いろんな親がいますが、野沢直子さん宅は普通ではありません。オヤジさんは、晩年はアル中です。生活不安定。浮気性で、文章の内容は、すごい出だしです。『壮絶』という言葉がぴったりです。『破天荒』でもあります。書中にありますが、同居する家族は、オヤジさんが正しくなくても受け入れるしかない。そういう時期がありました。
 バスをタイムマシンにたとえる記述があります。飛行機や、電車も同様にタイムマシンになれるときがあります。現在と過去を行ったり来たりして、思い出にふけるのです。
 父親が亡くなったから書ける部分もあります。基本的には、子どもから見て、お世話をすることに耐えられない父親です。父親とは離れて住んでいたから書けた部分もあります。
 どこの家にも悩み事はあります。家族に関する悩みは尽きませんが、たいていは、なんとかいっしょに生きていくしかないのです。