2023年07月25日
みえるとかみえないとか ヨシタケシンスケ 伊藤亜紗
みえるとかみえないとか ヨシタケシンスケ・さく 伊藤亜紗(いとうあさ)・そうだん アリス館
宇宙旅行の絵からスタートです。
『ぼくは うちゅうひこうし……』
宇宙飛行士のぼくは、いろいろな星に立ち寄ります。
おもしろい。
到着した星に住む宇宙人とご対面です。
宇宙人は、緑色のからだで、目が三つあります。
うしろをみるための目だそうです。
『逆障害者』の発想があります。
もう三十年以上昔の話になりますが、わたしは用事があって、障害者に医療を提供する施設を訪問したことがあります。
中に入ると、みなさんが身体障害者なのです。体の部位はいろいろなのですが、体のどこかに障害をもっておられる。
そしてなんと、医師もそこで働く職員も障害者の方たちだったのです。
変な言い方ですが、健常者は自分だけで、まわりにいる人たちがみんな障害者となると、体のつくりが自分だけほかの人と違うのです。ゆえに、自分のほうが全体のうちの少数派で、自分のほうがどこかおかしいのではないかという気分に包まれたのです。そんなことがあったのを、この絵本を読み始めて思い出しました。
絵本では、目玉がふたつの地球人である宇宙飛行士のぼくについての考察があります。
この『三つ目生物』の星では『二つ目生物』の自分はめずらしい。
でも、地球では『二つ目』があたりまえ。
絵本の絵は色がきれいです。
三つ目の宇宙人の体は緑色なので、カエルのようにも見えます。二本足で立つカエルです。
絵本の内容には、りくつっぽさがあります。(理屈:りくつ。ものごとをていねいに関連付けて考える)それでも、不快感はありません。
『みえないひとには こう「みえて」いるみたい』のページに、「わん」というなきごえがきこえたら、ひだりへと書いてあります。
思い出しました。むかし、わたしが、今は亡き義母に手渡した宿泊施設まで行く道案内の地図に、「この角(かど)を曲がると犬がほえる」と書いて渡したら、現場で本当に犬がほえたので、みんなで大笑いをしたよ! と義母が笑っていたことを思い出しました)
その部分を読んでいてもうひとつ思いついたことがあります。
先日読み終えた本『アップステージ -シャイなわたしが舞台に立つまで- ダイアナ・ハーモン・アシャー作 武富博子・訳 評論社』の感想に書いたことです。
『読み終えての自分なりの解釈です。
人間は、見た目で受ける印象と、脳みその中身は違います。
脳みその中には、人それぞれ、異なる世界が広がっています。
各自の知識や人生体験、素質や能力によって、脳みその中にある世界はだいぶ違います。
自分のことをわかってもらうためには、相手に向かって、しゃべらないといけません。
自分の頭の中にあることを、言葉に変えてしゃべることで、自分は何者なのかを相手に伝えることができます。
お互いが話す言葉をしっかり聞き取って話し合うことで、お互いの脳みその中にある世界が伝わってきます。
黙っていたら(だまっていたら)いつまでたってもわかりあえません。
察する(さっする。黙っていても気づく。以心伝心(いしんでんしん)言わなくてもわかる)ことなんて無理なんです……』
この絵本は、障害者福祉の本です。
もうひとつ『ひらがなの力(ちから)が感じられる本』です。
人間の標準化について書いてあります。
将来会社や組織で役立つ人材を育てるために従順に働いてくれるロボットのような動きをする人間を大量生産する教育をこどもたちにほどこすのです。(その結果、一部の人間が富を独占して、多数の人間がその人たちのために働かされる世界が誕生します)
標準化の枠(わく)に入れない人間は否定されます。
大きな組織にいる、仕事ができるとされる人の中には、人を差別する人がいます。人をランク付けします。また、人を分類したがります。
仕事ができるとされる人間は、24時間、どんな場面にいても仕事の話ばかりをします。
この絵本は、哲学書を読むような絵本です。(人間とはどうあるべきかについて考えさせられる)
今の世界は、平和を維持することがむずかしい。
ウクライナとかロシアとか、台湾とか中国とか、大多数の国民は戦争がない平和な国を願っているのに、どうして、一部のトップとそのグループが、地球を破壊するほどの戦争を実行するのだろう。
こちらの絵本の最後のページでは『共存』というメッセージが紹介されています。
宇宙旅行の絵からスタートです。
『ぼくは うちゅうひこうし……』
宇宙飛行士のぼくは、いろいろな星に立ち寄ります。
おもしろい。
到着した星に住む宇宙人とご対面です。
宇宙人は、緑色のからだで、目が三つあります。
うしろをみるための目だそうです。
『逆障害者』の発想があります。
もう三十年以上昔の話になりますが、わたしは用事があって、障害者に医療を提供する施設を訪問したことがあります。
中に入ると、みなさんが身体障害者なのです。体の部位はいろいろなのですが、体のどこかに障害をもっておられる。
そしてなんと、医師もそこで働く職員も障害者の方たちだったのです。
変な言い方ですが、健常者は自分だけで、まわりにいる人たちがみんな障害者となると、体のつくりが自分だけほかの人と違うのです。ゆえに、自分のほうが全体のうちの少数派で、自分のほうがどこかおかしいのではないかという気分に包まれたのです。そんなことがあったのを、この絵本を読み始めて思い出しました。
絵本では、目玉がふたつの地球人である宇宙飛行士のぼくについての考察があります。
この『三つ目生物』の星では『二つ目生物』の自分はめずらしい。
でも、地球では『二つ目』があたりまえ。
絵本の絵は色がきれいです。
三つ目の宇宙人の体は緑色なので、カエルのようにも見えます。二本足で立つカエルです。
絵本の内容には、りくつっぽさがあります。(理屈:りくつ。ものごとをていねいに関連付けて考える)それでも、不快感はありません。
『みえないひとには こう「みえて」いるみたい』のページに、「わん」というなきごえがきこえたら、ひだりへと書いてあります。
思い出しました。むかし、わたしが、今は亡き義母に手渡した宿泊施設まで行く道案内の地図に、「この角(かど)を曲がると犬がほえる」と書いて渡したら、現場で本当に犬がほえたので、みんなで大笑いをしたよ! と義母が笑っていたことを思い出しました)
その部分を読んでいてもうひとつ思いついたことがあります。
先日読み終えた本『アップステージ -シャイなわたしが舞台に立つまで- ダイアナ・ハーモン・アシャー作 武富博子・訳 評論社』の感想に書いたことです。
『読み終えての自分なりの解釈です。
人間は、見た目で受ける印象と、脳みその中身は違います。
脳みその中には、人それぞれ、異なる世界が広がっています。
各自の知識や人生体験、素質や能力によって、脳みその中にある世界はだいぶ違います。
自分のことをわかってもらうためには、相手に向かって、しゃべらないといけません。
自分の頭の中にあることを、言葉に変えてしゃべることで、自分は何者なのかを相手に伝えることができます。
お互いが話す言葉をしっかり聞き取って話し合うことで、お互いの脳みその中にある世界が伝わってきます。
黙っていたら(だまっていたら)いつまでたってもわかりあえません。
察する(さっする。黙っていても気づく。以心伝心(いしんでんしん)言わなくてもわかる)ことなんて無理なんです……』
この絵本は、障害者福祉の本です。
もうひとつ『ひらがなの力(ちから)が感じられる本』です。
人間の標準化について書いてあります。
将来会社や組織で役立つ人材を育てるために従順に働いてくれるロボットのような動きをする人間を大量生産する教育をこどもたちにほどこすのです。(その結果、一部の人間が富を独占して、多数の人間がその人たちのために働かされる世界が誕生します)
標準化の枠(わく)に入れない人間は否定されます。
大きな組織にいる、仕事ができるとされる人の中には、人を差別する人がいます。人をランク付けします。また、人を分類したがります。
仕事ができるとされる人間は、24時間、どんな場面にいても仕事の話ばかりをします。
この絵本は、哲学書を読むような絵本です。(人間とはどうあるべきかについて考えさせられる)
今の世界は、平和を維持することがむずかしい。
ウクライナとかロシアとか、台湾とか中国とか、大多数の国民は戦争がない平和な国を願っているのに、どうして、一部のトップとそのグループが、地球を破壊するほどの戦争を実行するのだろう。
こちらの絵本の最後のページでは『共存』というメッセージが紹介されています。
2023年07月24日
東京吉祥寺井の頭弁財天あたり
東京吉祥寺井の頭弁財天(きちじょうじ・いのかしらべんざいてん)あたり
先日、東京都武蔵野市にある吉祥寺を散策してきました。
数回に分けて、ちょっとリポートしてみます。
次の写真は、吉祥寺駅そばにあるユニクロの店舗なのですが、おそらくほかの店舗も同じような展示手法なのでしょうが、自分には珍しく目に映りました。窓ガラスの向こうにたくさんのマネキンが飾られてありました。(この日、愛知県にある家から出かける朝に、株式のテレビ番組で『ファーストリテイリング』の株価がどうのこうのと放送されていたことを思い出しました。ファーストリテイリング:ユニクロとかジーユーの運営会社です)
次の写真は、井の頭公園内にある池です。(いのかしらこうえん)
夏ですから、シャワーの光景が恋しい。
東京駅からここまででは、マスクをしている人が少ないと感じました。
猛暑です。外国人をはじめとして、観光客は解放感を楽しみたい。
同じ場所を今春、桜の花が咲くころに訪れました。
次の写真は、井の頭弁財天(いのかしらべんざいてん)です。
前回は、離れたところから赤いお社(やしろ)をながめて、そのあと吉祥寺駅方向へ遠ざかりました。
その後、テレビだったか雑誌だったかで、あたりまえのことなのですがお参り(おまいり)ができることを知り、今回はきちんとお参りをしました。小銭を洗うところもあったので洗いました。(銭を洗うとお金がたまるらしいです)
噴水がきれいです。気持ちがいい。
写真には写しませんでしたが、左方向に外国人観光客が集まっていて、案内の日本人ガイドさんから、この場所案内の説明を聞いておられます。そのなかに、小学6年生ぐらいの外国人の女の子がいて、ニュージーランドから来ているというようなことをガイドさんと話していました。ニュージーランドは南半球で季節が日本とは反対なので、今は冬なのでしょう。外国の学校は、6月から8月ぐらいがお休みで、9月とか10月が新学期なのでしょう。秋入学です。春入学の日本は世界では少数派です。
夜は吉祥寺駅に近いホテルに宿泊しました。
居酒屋で夕食をとったのですが、いろいろ驚きました。
夜10時を過ぎても人が多い。女性が多い。みなさんよく飲んでいます。(アルコール)
路上にいくつかあるバス停には、バス乗車待ちをされている長い列ができていました。あの時間帯にお酒を飲んだあとバスで自宅に帰るのはたいへんだろうなあ。
自分たち夫婦は、そのあとスーパーマーケットに入ってお菓子なんかの買い物をしましたが、店内の雰囲気が、昔行ったことがある外国での東南アジアのお店のような感じでした。異国情緒たっぷりです。
先日、東京都武蔵野市にある吉祥寺を散策してきました。
数回に分けて、ちょっとリポートしてみます。
次の写真は、吉祥寺駅そばにあるユニクロの店舗なのですが、おそらくほかの店舗も同じような展示手法なのでしょうが、自分には珍しく目に映りました。窓ガラスの向こうにたくさんのマネキンが飾られてありました。(この日、愛知県にある家から出かける朝に、株式のテレビ番組で『ファーストリテイリング』の株価がどうのこうのと放送されていたことを思い出しました。ファーストリテイリング:ユニクロとかジーユーの運営会社です)
次の写真は、井の頭公園内にある池です。(いのかしらこうえん)
夏ですから、シャワーの光景が恋しい。
東京駅からここまででは、マスクをしている人が少ないと感じました。
猛暑です。外国人をはじめとして、観光客は解放感を楽しみたい。
同じ場所を今春、桜の花が咲くころに訪れました。
次の写真は、井の頭弁財天(いのかしらべんざいてん)です。
前回は、離れたところから赤いお社(やしろ)をながめて、そのあと吉祥寺駅方向へ遠ざかりました。
その後、テレビだったか雑誌だったかで、あたりまえのことなのですがお参り(おまいり)ができることを知り、今回はきちんとお参りをしました。小銭を洗うところもあったので洗いました。(銭を洗うとお金がたまるらしいです)
噴水がきれいです。気持ちがいい。
写真には写しませんでしたが、左方向に外国人観光客が集まっていて、案内の日本人ガイドさんから、この場所案内の説明を聞いておられます。そのなかに、小学6年生ぐらいの外国人の女の子がいて、ニュージーランドから来ているというようなことをガイドさんと話していました。ニュージーランドは南半球で季節が日本とは反対なので、今は冬なのでしょう。外国の学校は、6月から8月ぐらいがお休みで、9月とか10月が新学期なのでしょう。秋入学です。春入学の日本は世界では少数派です。
夜は吉祥寺駅に近いホテルに宿泊しました。
居酒屋で夕食をとったのですが、いろいろ驚きました。
夜10時を過ぎても人が多い。女性が多い。みなさんよく飲んでいます。(アルコール)
路上にいくつかあるバス停には、バス乗車待ちをされている長い列ができていました。あの時間帯にお酒を飲んだあとバスで自宅に帰るのはたいへんだろうなあ。
自分たち夫婦は、そのあとスーパーマーケットに入ってお菓子なんかの買い物をしましたが、店内の雰囲気が、昔行ったことがある外国での東南アジアのお店のような感じでした。異国情緒たっぷりです。
2023年07月23日
ふたりのえびす 高森美由紀
ふたりのえびす 高森美由紀 フレーベル館
えびすといえば、太川陽介さんのバス旅のコンビだった蛭子能収(えびすよしかず)さんを思い浮かべます。
えびすさんは認知症になってしまって、バス旅企画で観ることはできませんが、先日の夜は第24弾で、熊切あさ美さんをゲストに迎えて、山口県の錦帯橋(きんたいきょう)から京都府の天橋立(あまのはしだて)まで、路線バスで移動されて、みごと成功された昔の放送をBSテレ東で観ました。
途中のお城の欄干(らんかん。展望場所)で、えびすさんが『これからぼくたちは新幹線でどこへ向かうの?』と太川陽介さんと熊切あさ美さんに質問しました。おふたりがあぜんとした表情で言葉を失います。間があって、今、バス旅の企画で、路線バスで移動しているということをわかっているか?とたずねると、えびすさんが真顔で、ああそうかと答えます。そのころからえびすさんの脳みその中はおかしくなっていたのでしょう。このパターンのバス旅は次の第25弾で終了しています。
さて、こちらは、舞台は青森県八戸あたり(はちのへあたり)、小学校5年1組の(郷土芸能であるらしき)地元の歌舞伎みたいなお祭り演技に小学生が挑戦するようです。
『南部藩(なんぶはん)とか南部という地域名』わたしは、長いこと、どうして本州の北部にあるのに『南部藩』というのか、不思議でした。そうしたら『南部』というのは、そこを治めていた(おさめていた)人の名前だと知り納得しました。
えびす舞(まい):縁起がよくなりますように。豊作でありますように。無事祈願でしょう。
内村太一(うちむら・たいち):主人公5年1組の男子児童。4年生の春に、青森県三戸町(さんのへまち)から八戸市(はちのへし)へ引っ越しして来た。内村太一は、小学校で、ほんとうの自分とは違う自分のようなもの(個性)を演じています。小学校では、おちゃらけた明るいキャラクターを演じています。へんな言葉づかいをします。「聞いたんたん?」「ありがとるねーど!」「おはとるねーど」「おたよん」「ないがあ」ほか。
大路優希(おおじ・ゆうき):12月にクラスに来た転校生。ニックネームが、王子さまの『王子』背が高くて、体の線が細くて、色白、顔は小さい。なんだか、フィギュアスケーターの羽生結弦(はにゅう・ゆずる)さんのようです。イケメン。納豆(なっとう)はにがてなようです。見た目はイケメンですが、家ではいろいろゴタゴタがあるようです。父親が仕事を失って転校してきた。八戸へ来て、父親は「ちくわ工場」で働いている。母親は家でパソコンを使った仕事をしている。大路優希は、塾には行っていない。家では両親の夫婦ゲンカあり。(現実社会では、仲のいい夫婦というのは少ないです。32ページにちょっと書いてありますが、「自分の要求とか意見とか、はっきり言っておたがいに……」。なんというか、「おまかせします」と相手に言えないと離婚が近づきます。親の仲が悪いと、こどもは悲惨(ひさん)な思いをします)ちょっと変わった雰囲気の母親です。都会的です。ドラマ『北の国から』の田中邦衛さん(たなかくにえさん)といしだあゆみさんの組み合わせを思い出しました。
大路優希は、見た目は立派ですがどんくさい。音楽のリズム感がない。体の動きもぎこちない。(おとなの男女を仮定して考えると、付き合い始めた女性から「なんか違う」と言われて、別れを切り出される男性のタイプです。見た目がいいだけで中身がないのです)。大路優希は、前の学校では『残念王子』と呼ばれていた。
大路優希の母親:自分は都会人という意識あり。いなかとかいなかの人にとけこみたくないそうです。
雪田知美(ゆきた・ともみ):クラスメート。大路優希に気があるようすです。
土谷かおり(つちや・かおり):昔そういう名前のアイドル女性歌手がいたような。
遠藤:同じクラスの男子児童。小柄。ニックネームは『豆』むかしは、小柄だと、マンガの天才バカボンにちなんで『チビ太』と名付けることが多かった。
親方:2011年3月11日に起きた東日本大震災がらみで2012年の冬に郷土芸能である『えんぶり』(2月に開催される)の親方になった。。
岡田:「えんぶり」での指導者
岩田じいさん
大山:親方の知り合い
細木:6年生男子。ひょろり体形つり目。「太夫(たゆう)」をやる。ニックネームは「ひょろり」
森:6年生男子。背が低くてもじゃもじゃ頭。「太夫」をやる。ニックネームは「もじゃ毛」
小谷(こたに):6年生男子。「太夫」をやる。ニックネームは「ネズミ」
佐藤:5年生女子。クラス一かわいい。舌たらず。
鈴木:5年女子。クラスで二番目にかわいい。赤いピンでショートヘアの前髪をとめている。
有田:親方の友だち。東日本大震災の津波で亡くなった。
炊事場(すいじば)のおばちゃん
せんべい汁:青森の郷土料理。おせんべいを似てお汁で食べる。野菜、豆腐、サバ缶が入っている。
メメガー:方言。目がない。大好物ということ。
東北の人のなまり(方言ほうげん)は、ともだちづくりの武器になりそうです。ばかにするのはもったいない。
(つづく)
読んでいて『学校』について感じたことです。
学校というのはきゅうくつな世界です。
義務教育という強制で、こどもらが、広くもない校舎や教室に押し込められて、気が合うとか合わないとかに関係なく、多数の人間(個性)を集めて、同じ教科書で同じような人間になるように学習させる。みんな仲良く、協力しなさいと強いられる。(しいられる)。将来、企業や組織にとって都合のいい個性と習性をもった人間をつくる。歳をとってみて、そう悟るのです。(さとる:見抜く。理解する)。そして、一部の人間である富裕層の金もうけのために、大多数の大衆は利用されているのですが、そのことに気づく人は少ない。
親方:グループのリーダー。指示を出す人
ダルマストーブ:昔よく学校の教室で使われていた鉄製の石炭ストーブ。見た目が「だるま」っぽい。いまのこどもたちにはわからないと思います。昭和40年代のイメージです。1965年代。
八戸(はちのへ)でよく聞くのは『八食センター(はっしょくせんたー)』です。バラエティの旅番組でよく出てきます。
えんぶり:毎年2月17日から同月20日まで、青森県八戸市で行われる郷土芸能行事。国の重要無形民俗文化財に指定されている伝統あるお祭り。町内会の組が運営する。主人公の内村太一は『七つ組』に属している。
構成として、
おはやし
松の舞(まい):祝福芸
大黒舞(だいこくまい):祝福芸
えびす舞(えびすまい):祝福芸。福の神「えびす」がさかなつりをする場面を踊る。10分間ぐらい。主人公の内村太一が親方に指名されたあと、大路優希が手を上げて立候補する。ふたりで演じる芸
関係者・出演者として、七つ組は、全員で30人
親方(おやかた):リーダー。踊りを教える。合図を出す。指揮棒が『ザイ』。七つ組の親方は80歳ぐらいの男性。昔漁師をしていた。小柄だががっしりしていて眼光鋭い。
太夫(たゆう):「えんぶり」の主役。太夫の踊りを「摺り(すり)」という。踊りは勇ましくてかっこいい。太夫の踊りの合間に祝福芸という「松の舞」「大黒舞」「えびす舞」が差し込まれる。全体で1時間ぐらい。太夫は6年生がやる。細木(ひょろり体形つり目)、森(背が低くてもじゃもじゃ頭)、小谷(こたに。ネズミに似ている)
舞い子(まいこ):「大黒舞」のメンバーとして、土谷かおりと雪田友美、メンバーは全員で10人
歌い手(うたいて)
おはやし
(読んでいての感想です:言葉が古くてむずかしい)
ふたりでやる「えびす舞」での「失敗は許されない」というような書き方がしてありますが、だいじょうぶです。
失敗しても許される年齢です。まだ、小学5年生です。
失敗して、お金を失う話でもありません。
のびのび楽しんで踊りましょう。
(つづく)
転校のことが書いてあります。
転校のイヤな部分についてです。気弱で繊細(せんさい。感じやすく傷つきやすい)です。
わたしは、父親が気が短くてお酒のみで、仕事場の上司とケンカして短期間で仕事をやめるので、こどものころは引っ越しばかりしていました。小学校は6校、中学校は3校通いました。(父親は体を壊して中学の時に死んでしまいました)。景気がいい時代だったので、どこにいってもすぐに仕事が見つかりました。まあ、溶接(ようせつ。金属をとかしてくっつける)とかの肉体労働でしたが。
わたしは、そのころ、転校がイヤだと思ったことはありませんでした。オヤジについていくしかないのです。なんでこんな家に生まれてきてしまったんだと思ったことはありました。
近所で、こどもが、転校するのはイヤだとか、親が、こどもを転校させるのはかわいそうだとかという話を耳にしたときは『ちゃんちゃらおかしい(ばからしい)』と自分は思いました。新しい土地に行けば新しい人や環境との出会いがありました。こどもだったので好奇心が強かった。いろいろな体験がその後の人生を支えてくれました。
この作品では、考えるべきこととして『素の(すの)自分ではない「個性」を演じる』ことに光を当ててあります。
主人公の内村太一は、学校では、おどけた人気者を演じていますが、それは、ほんとうの内村太一の姿ではありません。
対比があります。内村太一と大路優希(おおじ・ゆうき)のふたりが、郷土芸能『えんぶり』で、ふたり一組で踊る『えびす舞』を披露するわけですが、内村太一は、ふだん人前で『いい人間』を演じることに心を注いでいます。
それに対して大路優希は、ありのままの自分をさらけだします。気の毒なのは、見た目がいい(イケメン)なので、なんでも上手にできる完成された人間だと誤解されることです。(俳優さんでも、見た目はイケメン・美女でも、話し出すと、どこにでもいるおじさん、おばさんのようだったりもします)
個性が異なる登場人物のふたりは、最終的にはお互いを理解して、かたい友情が芽生えるという展開が予想されます。
青森県南部の方言として、
へっちょはぐ:疲れる。
アんべ:行こう。(岩手県を舞台にした朝ドラ『あまちゃん』に出てくる片桐はいりさん演じるあんべちゃんを思い浮かべてしまいます。そちらのドラマでは『じぇじぇじぇ(驚いたときについ出てしまう言葉』がはやりです)
ンだば:さようなら
このあと、65ページあたりまで、6年生たちが5年生のふたりをいじめるくだり(話)が出てくるのですが、作家としてこんな書き方でいいのかあと思ってしまいました。うーむ。うまくない。読んでいて不快な気持ちになります。6年生は一方的に悪者です。バランスがよくない。人間には二面性があります。
アルミの灰皿:見かけなくなりました。禁煙教育や習慣が浸透してきたのでしょう。いまどきのこどもさんは灰皿やたばこのことを知らないかもしれません。
踊りの練習は、宗教のようでもあります。
だいじょうぶだろうか。
狭い特殊な世界が描いてあります。
おとながこどもにやらせて満足する世界です。
人はひとりになったとき読書を始める。
読んでいると、内村太一も大路優希もひとりです。
一番に釣り上げたのは『金のタイ』
二番目に釣り上げたのは『エンブダン(金(きん。砂金さきんのこと))』
三番目に釣り上げたのは『えびす様のむすめ』
だいじょうぶだろうか。「むすめを釣る」というのは、娘=ごほうびのもの。商品であるからして、男尊女卑とか女性差別と指摘されそうです。金と女を手に入れて男社会はウハウハととれます。まあ、歴史的背景とかありますし、神事(しんじ)っぽいのでいいのでしょう。
いんずい:方言。違和感のこと。
自分なりの違和感として、東京=都会とは思えないのです。まあ、東京は、都市と田舎の混在です。むしろ東京のほうが、いまだに『昭和時代』が感じられる地域が残っています。共存しているところが素敵です。古いもの、新しいもの、地方の人たち、もともとの江戸っ子のひとたちなどの共存です。
蕪島神社(かぶしまじんじゃ):テレビで時々見ます。『出川哲郎の充電させてもらえませんか?』とか、NHKの『72時間』とか、ほかにも見た記憶はあるのですが、番組名を思い出せません。『旅猿』でも見たような気がするのですが自信がありません。
うーむ。2011年の地震と津波の話が、お決まりのように出てきます。
なんだかなあ。必ず出さねばならぬものなのだろうか。宮藤官九郎さんの意思として『あまちゃん』に震災のことは出したくなかったという記事を思い出しました。なんだろう。創作したときにその話を出す予定はなかった。それから、不幸をネタにして関心をもたせるという手法はよくありません。
種差海岸:たねさしかいがん。こちらも観光地です。
ブドウ虫:釣りのエサ。ガの幼虫
オキアミ:釣りのエサ。エビに似たプランクトン
アオイソメ:釣りのエサ。ミミズのようなムカデのような。
大路優希の母親が『都会の自分』にこだわりをもっている。
内村太一は『明るいキャラ』をかぶっている。
親方の言葉として『つりはしんぼうだ。根気だ。がまん強くまっていればいずれあたりはくる……(あたり:つれたときの目印となる動きの感触)』
実際の釣りと演技の『えびす舞』をつなげる。
ソイ:海の魚。本では体長40センチぐらいのソイが釣れています。メバルとかカサゴのような姿をしている。
(つづく)
言葉がどうだろうか。
方言もそうですが、ほかの言葉も、ときおり、意味がとれなくて、内容をすんなり理解することができません。
この手法は読み手にとっては好ましくありません。
オラんど:自分
フォカッチャ:イタリア料理。平たいパンですが、話の中では、そのパンのことは指していません。
おかっちゃ:母親のこと。
どしたば?:どうした?(うーむ。なにかと会話文が不自然です)
親切からけるってゆってるんで:親切心で言っているので(だろうか?)
いんずい:しっくりこない。うまくいかない。居心地(いごこち)が悪い。
カクメー:食べ物がうまいという意味らしい。
ンダバ:「それなら」という意味だろうか。よくわかりません。
「ヒョロリ」とか「もじゃ毛」とか「ネズミ」とか:ちゃんと氏名で書いてもらったほうがわかりやすい。6年生男子のニックネームというか隠語(いんご。表に出せないような言葉)です。
ジャンギ:「えんぶり」のときに使用する棒
ゆるさねすけな:ゆるさないからな
ごわんなさい:ごめんなさい
ラッキーワッキー 助かりまんぼっ:なんというか。すべっているような。「マンボ」は相当古い時代の言葉です。
ザイ:指揮棒
わかりマリンバ:わかりました
心が弱い人は、うまくいかなかったとき、人のせいにします。
親方が海に落ちるという乱暴な展開があります。
マジカルンバ:本。魔法使いの話
「みんなが主役」という言葉:時と場所と目的で主役やわき役は変化すると思うのですが、この話の場合では、フィット感(ぴったりくる)がありません。
一年上の上級生たちとうまくいきません。
年功序列の意識があるのですが、それも最近は薄れてきました。
ただ、下の者に無礼な態度をとられると年上の者はそれなりの反発をするのが常です。
頭を下げない人間は嫌われます。
『えんぶり』にしても『えびす舞(まい)』にしても、相手がいて、勝ち負けがあるものではないので、出来栄えの評価はなかなかむずかしい。
人から良く思われたいがために、いい人を演じる。
自分の身を守りたい。
生(なま)の自分を表に出すことができない。
内村太一が、自分に自信がない証拠です。
2月17日にえんぶりが開催されました。
読み終えて、こちらの物語は、小学校5年生前後のこどもさんには、むずかしい内容だと思いました。
もう一つ考えたことです。
物語の主題は『自分ではない自分のようなものを演じることはやめようではないか』というものだというメッセージを受け取りました。
現実社会では、だれしもが、職場などでは自分ではない人格(いい人)を演じています。
そんなふたりが夫婦になったときが大変です。
演じている者どうしが結婚すると、お互いにお互いの本当の姿を見て失望します。
時には離婚につながることもあります。こんなはずじゃなかった。
「夫婦」はだめだけれど、「友だち」なら長続きするということはあります。
えびすといえば、太川陽介さんのバス旅のコンビだった蛭子能収(えびすよしかず)さんを思い浮かべます。
えびすさんは認知症になってしまって、バス旅企画で観ることはできませんが、先日の夜は第24弾で、熊切あさ美さんをゲストに迎えて、山口県の錦帯橋(きんたいきょう)から京都府の天橋立(あまのはしだて)まで、路線バスで移動されて、みごと成功された昔の放送をBSテレ東で観ました。
途中のお城の欄干(らんかん。展望場所)で、えびすさんが『これからぼくたちは新幹線でどこへ向かうの?』と太川陽介さんと熊切あさ美さんに質問しました。おふたりがあぜんとした表情で言葉を失います。間があって、今、バス旅の企画で、路線バスで移動しているということをわかっているか?とたずねると、えびすさんが真顔で、ああそうかと答えます。そのころからえびすさんの脳みその中はおかしくなっていたのでしょう。このパターンのバス旅は次の第25弾で終了しています。
さて、こちらは、舞台は青森県八戸あたり(はちのへあたり)、小学校5年1組の(郷土芸能であるらしき)地元の歌舞伎みたいなお祭り演技に小学生が挑戦するようです。
『南部藩(なんぶはん)とか南部という地域名』わたしは、長いこと、どうして本州の北部にあるのに『南部藩』というのか、不思議でした。そうしたら『南部』というのは、そこを治めていた(おさめていた)人の名前だと知り納得しました。
えびす舞(まい):縁起がよくなりますように。豊作でありますように。無事祈願でしょう。
内村太一(うちむら・たいち):主人公5年1組の男子児童。4年生の春に、青森県三戸町(さんのへまち)から八戸市(はちのへし)へ引っ越しして来た。内村太一は、小学校で、ほんとうの自分とは違う自分のようなもの(個性)を演じています。小学校では、おちゃらけた明るいキャラクターを演じています。へんな言葉づかいをします。「聞いたんたん?」「ありがとるねーど!」「おはとるねーど」「おたよん」「ないがあ」ほか。
大路優希(おおじ・ゆうき):12月にクラスに来た転校生。ニックネームが、王子さまの『王子』背が高くて、体の線が細くて、色白、顔は小さい。なんだか、フィギュアスケーターの羽生結弦(はにゅう・ゆずる)さんのようです。イケメン。納豆(なっとう)はにがてなようです。見た目はイケメンですが、家ではいろいろゴタゴタがあるようです。父親が仕事を失って転校してきた。八戸へ来て、父親は「ちくわ工場」で働いている。母親は家でパソコンを使った仕事をしている。大路優希は、塾には行っていない。家では両親の夫婦ゲンカあり。(現実社会では、仲のいい夫婦というのは少ないです。32ページにちょっと書いてありますが、「自分の要求とか意見とか、はっきり言っておたがいに……」。なんというか、「おまかせします」と相手に言えないと離婚が近づきます。親の仲が悪いと、こどもは悲惨(ひさん)な思いをします)ちょっと変わった雰囲気の母親です。都会的です。ドラマ『北の国から』の田中邦衛さん(たなかくにえさん)といしだあゆみさんの組み合わせを思い出しました。
大路優希は、見た目は立派ですがどんくさい。音楽のリズム感がない。体の動きもぎこちない。(おとなの男女を仮定して考えると、付き合い始めた女性から「なんか違う」と言われて、別れを切り出される男性のタイプです。見た目がいいだけで中身がないのです)。大路優希は、前の学校では『残念王子』と呼ばれていた。
大路優希の母親:自分は都会人という意識あり。いなかとかいなかの人にとけこみたくないそうです。
雪田知美(ゆきた・ともみ):クラスメート。大路優希に気があるようすです。
土谷かおり(つちや・かおり):昔そういう名前のアイドル女性歌手がいたような。
遠藤:同じクラスの男子児童。小柄。ニックネームは『豆』むかしは、小柄だと、マンガの天才バカボンにちなんで『チビ太』と名付けることが多かった。
親方:2011年3月11日に起きた東日本大震災がらみで2012年の冬に郷土芸能である『えんぶり』(2月に開催される)の親方になった。。
岡田:「えんぶり」での指導者
岩田じいさん
大山:親方の知り合い
細木:6年生男子。ひょろり体形つり目。「太夫(たゆう)」をやる。ニックネームは「ひょろり」
森:6年生男子。背が低くてもじゃもじゃ頭。「太夫」をやる。ニックネームは「もじゃ毛」
小谷(こたに):6年生男子。「太夫」をやる。ニックネームは「ネズミ」
佐藤:5年生女子。クラス一かわいい。舌たらず。
鈴木:5年女子。クラスで二番目にかわいい。赤いピンでショートヘアの前髪をとめている。
有田:親方の友だち。東日本大震災の津波で亡くなった。
炊事場(すいじば)のおばちゃん
せんべい汁:青森の郷土料理。おせんべいを似てお汁で食べる。野菜、豆腐、サバ缶が入っている。
メメガー:方言。目がない。大好物ということ。
東北の人のなまり(方言ほうげん)は、ともだちづくりの武器になりそうです。ばかにするのはもったいない。
(つづく)
読んでいて『学校』について感じたことです。
学校というのはきゅうくつな世界です。
義務教育という強制で、こどもらが、広くもない校舎や教室に押し込められて、気が合うとか合わないとかに関係なく、多数の人間(個性)を集めて、同じ教科書で同じような人間になるように学習させる。みんな仲良く、協力しなさいと強いられる。(しいられる)。将来、企業や組織にとって都合のいい個性と習性をもった人間をつくる。歳をとってみて、そう悟るのです。(さとる:見抜く。理解する)。そして、一部の人間である富裕層の金もうけのために、大多数の大衆は利用されているのですが、そのことに気づく人は少ない。
親方:グループのリーダー。指示を出す人
ダルマストーブ:昔よく学校の教室で使われていた鉄製の石炭ストーブ。見た目が「だるま」っぽい。いまのこどもたちにはわからないと思います。昭和40年代のイメージです。1965年代。
八戸(はちのへ)でよく聞くのは『八食センター(はっしょくせんたー)』です。バラエティの旅番組でよく出てきます。
えんぶり:毎年2月17日から同月20日まで、青森県八戸市で行われる郷土芸能行事。国の重要無形民俗文化財に指定されている伝統あるお祭り。町内会の組が運営する。主人公の内村太一は『七つ組』に属している。
構成として、
おはやし
松の舞(まい):祝福芸
大黒舞(だいこくまい):祝福芸
えびす舞(えびすまい):祝福芸。福の神「えびす」がさかなつりをする場面を踊る。10分間ぐらい。主人公の内村太一が親方に指名されたあと、大路優希が手を上げて立候補する。ふたりで演じる芸
関係者・出演者として、七つ組は、全員で30人
親方(おやかた):リーダー。踊りを教える。合図を出す。指揮棒が『ザイ』。七つ組の親方は80歳ぐらいの男性。昔漁師をしていた。小柄だががっしりしていて眼光鋭い。
太夫(たゆう):「えんぶり」の主役。太夫の踊りを「摺り(すり)」という。踊りは勇ましくてかっこいい。太夫の踊りの合間に祝福芸という「松の舞」「大黒舞」「えびす舞」が差し込まれる。全体で1時間ぐらい。太夫は6年生がやる。細木(ひょろり体形つり目)、森(背が低くてもじゃもじゃ頭)、小谷(こたに。ネズミに似ている)
舞い子(まいこ):「大黒舞」のメンバーとして、土谷かおりと雪田友美、メンバーは全員で10人
歌い手(うたいて)
おはやし
(読んでいての感想です:言葉が古くてむずかしい)
ふたりでやる「えびす舞」での「失敗は許されない」というような書き方がしてありますが、だいじょうぶです。
失敗しても許される年齢です。まだ、小学5年生です。
失敗して、お金を失う話でもありません。
のびのび楽しんで踊りましょう。
(つづく)
転校のことが書いてあります。
転校のイヤな部分についてです。気弱で繊細(せんさい。感じやすく傷つきやすい)です。
わたしは、父親が気が短くてお酒のみで、仕事場の上司とケンカして短期間で仕事をやめるので、こどものころは引っ越しばかりしていました。小学校は6校、中学校は3校通いました。(父親は体を壊して中学の時に死んでしまいました)。景気がいい時代だったので、どこにいってもすぐに仕事が見つかりました。まあ、溶接(ようせつ。金属をとかしてくっつける)とかの肉体労働でしたが。
わたしは、そのころ、転校がイヤだと思ったことはありませんでした。オヤジについていくしかないのです。なんでこんな家に生まれてきてしまったんだと思ったことはありました。
近所で、こどもが、転校するのはイヤだとか、親が、こどもを転校させるのはかわいそうだとかという話を耳にしたときは『ちゃんちゃらおかしい(ばからしい)』と自分は思いました。新しい土地に行けば新しい人や環境との出会いがありました。こどもだったので好奇心が強かった。いろいろな体験がその後の人生を支えてくれました。
この作品では、考えるべきこととして『素の(すの)自分ではない「個性」を演じる』ことに光を当ててあります。
主人公の内村太一は、学校では、おどけた人気者を演じていますが、それは、ほんとうの内村太一の姿ではありません。
対比があります。内村太一と大路優希(おおじ・ゆうき)のふたりが、郷土芸能『えんぶり』で、ふたり一組で踊る『えびす舞』を披露するわけですが、内村太一は、ふだん人前で『いい人間』を演じることに心を注いでいます。
それに対して大路優希は、ありのままの自分をさらけだします。気の毒なのは、見た目がいい(イケメン)なので、なんでも上手にできる完成された人間だと誤解されることです。(俳優さんでも、見た目はイケメン・美女でも、話し出すと、どこにでもいるおじさん、おばさんのようだったりもします)
個性が異なる登場人物のふたりは、最終的にはお互いを理解して、かたい友情が芽生えるという展開が予想されます。
青森県南部の方言として、
へっちょはぐ:疲れる。
アんべ:行こう。(岩手県を舞台にした朝ドラ『あまちゃん』に出てくる片桐はいりさん演じるあんべちゃんを思い浮かべてしまいます。そちらのドラマでは『じぇじぇじぇ(驚いたときについ出てしまう言葉』がはやりです)
ンだば:さようなら
このあと、65ページあたりまで、6年生たちが5年生のふたりをいじめるくだり(話)が出てくるのですが、作家としてこんな書き方でいいのかあと思ってしまいました。うーむ。うまくない。読んでいて不快な気持ちになります。6年生は一方的に悪者です。バランスがよくない。人間には二面性があります。
アルミの灰皿:見かけなくなりました。禁煙教育や習慣が浸透してきたのでしょう。いまどきのこどもさんは灰皿やたばこのことを知らないかもしれません。
踊りの練習は、宗教のようでもあります。
だいじょうぶだろうか。
狭い特殊な世界が描いてあります。
おとながこどもにやらせて満足する世界です。
人はひとりになったとき読書を始める。
読んでいると、内村太一も大路優希もひとりです。
一番に釣り上げたのは『金のタイ』
二番目に釣り上げたのは『エンブダン(金(きん。砂金さきんのこと))』
三番目に釣り上げたのは『えびす様のむすめ』
だいじょうぶだろうか。「むすめを釣る」というのは、娘=ごほうびのもの。商品であるからして、男尊女卑とか女性差別と指摘されそうです。金と女を手に入れて男社会はウハウハととれます。まあ、歴史的背景とかありますし、神事(しんじ)っぽいのでいいのでしょう。
いんずい:方言。違和感のこと。
自分なりの違和感として、東京=都会とは思えないのです。まあ、東京は、都市と田舎の混在です。むしろ東京のほうが、いまだに『昭和時代』が感じられる地域が残っています。共存しているところが素敵です。古いもの、新しいもの、地方の人たち、もともとの江戸っ子のひとたちなどの共存です。
蕪島神社(かぶしまじんじゃ):テレビで時々見ます。『出川哲郎の充電させてもらえませんか?』とか、NHKの『72時間』とか、ほかにも見た記憶はあるのですが、番組名を思い出せません。『旅猿』でも見たような気がするのですが自信がありません。
うーむ。2011年の地震と津波の話が、お決まりのように出てきます。
なんだかなあ。必ず出さねばならぬものなのだろうか。宮藤官九郎さんの意思として『あまちゃん』に震災のことは出したくなかったという記事を思い出しました。なんだろう。創作したときにその話を出す予定はなかった。それから、不幸をネタにして関心をもたせるという手法はよくありません。
種差海岸:たねさしかいがん。こちらも観光地です。
ブドウ虫:釣りのエサ。ガの幼虫
オキアミ:釣りのエサ。エビに似たプランクトン
アオイソメ:釣りのエサ。ミミズのようなムカデのような。
大路優希の母親が『都会の自分』にこだわりをもっている。
内村太一は『明るいキャラ』をかぶっている。
親方の言葉として『つりはしんぼうだ。根気だ。がまん強くまっていればいずれあたりはくる……(あたり:つれたときの目印となる動きの感触)』
実際の釣りと演技の『えびす舞』をつなげる。
ソイ:海の魚。本では体長40センチぐらいのソイが釣れています。メバルとかカサゴのような姿をしている。
(つづく)
言葉がどうだろうか。
方言もそうですが、ほかの言葉も、ときおり、意味がとれなくて、内容をすんなり理解することができません。
この手法は読み手にとっては好ましくありません。
オラんど:自分
フォカッチャ:イタリア料理。平たいパンですが、話の中では、そのパンのことは指していません。
おかっちゃ:母親のこと。
どしたば?:どうした?(うーむ。なにかと会話文が不自然です)
親切からけるってゆってるんで:親切心で言っているので(だろうか?)
いんずい:しっくりこない。うまくいかない。居心地(いごこち)が悪い。
カクメー:食べ物がうまいという意味らしい。
ンダバ:「それなら」という意味だろうか。よくわかりません。
「ヒョロリ」とか「もじゃ毛」とか「ネズミ」とか:ちゃんと氏名で書いてもらったほうがわかりやすい。6年生男子のニックネームというか隠語(いんご。表に出せないような言葉)です。
ジャンギ:「えんぶり」のときに使用する棒
ゆるさねすけな:ゆるさないからな
ごわんなさい:ごめんなさい
ラッキーワッキー 助かりまんぼっ:なんというか。すべっているような。「マンボ」は相当古い時代の言葉です。
ザイ:指揮棒
わかりマリンバ:わかりました
心が弱い人は、うまくいかなかったとき、人のせいにします。
親方が海に落ちるという乱暴な展開があります。
マジカルンバ:本。魔法使いの話
「みんなが主役」という言葉:時と場所と目的で主役やわき役は変化すると思うのですが、この話の場合では、フィット感(ぴったりくる)がありません。
一年上の上級生たちとうまくいきません。
年功序列の意識があるのですが、それも最近は薄れてきました。
ただ、下の者に無礼な態度をとられると年上の者はそれなりの反発をするのが常です。
頭を下げない人間は嫌われます。
『えんぶり』にしても『えびす舞(まい)』にしても、相手がいて、勝ち負けがあるものではないので、出来栄えの評価はなかなかむずかしい。
人から良く思われたいがために、いい人を演じる。
自分の身を守りたい。
生(なま)の自分を表に出すことができない。
内村太一が、自分に自信がない証拠です。
2月17日にえんぶりが開催されました。
読み終えて、こちらの物語は、小学校5年生前後のこどもさんには、むずかしい内容だと思いました。
もう一つ考えたことです。
物語の主題は『自分ではない自分のようなものを演じることはやめようではないか』というものだというメッセージを受け取りました。
現実社会では、だれしもが、職場などでは自分ではない人格(いい人)を演じています。
そんなふたりが夫婦になったときが大変です。
演じている者どうしが結婚すると、お互いにお互いの本当の姿を見て失望します。
時には離婚につながることもあります。こんなはずじゃなかった。
「夫婦」はだめだけれど、「友だち」なら長続きするということはあります。
2023年07月22日
出川哲朗の充電バイクの旅 京都嵐山から三重県椿大社
出川哲朗の充電させてもらえませんか? 京都嵐山から三重県椿大社(つばきおおかみやしろ) テレビ東京 関東地区2023年5月13日放送 中部地区は、7月に2週に分けて放送
ゲストが漫才コンビブラックマヨネーズの小杉竜一さんと、あのちゃんです。(あのちゃんで、この企画をやれるのだろうか? だいじょうぶなのだろうか……)
事前にゲストがあのちゃんと聞いて微妙な気持ちになりましたが、番組では大活躍で爆笑しました。
あのちゃんは太川陽介チームの一員として、以前太川陽介さんと河合郁人さん(かわいふみとさん)のバス対決旅の番組に出て、その態度が、かなりひどかった。(なのに、勝負には勝ちました)
次が、そのときの感想メモの一部です。
『ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 陣取り合戦 in富士山麓 三島大社-甲府城跡天守台 テレビ番組
太川陽介チーム:あの(歌手) こがけん
河合郁人チーム:久代萌美(くしろ・もえみ) 田村亮
あのちゃんという方は、自分は知りませんが、相当変わった人でした。
女性だと思うのですが、自分のことを『ボク』と言っていました。年齢は非公表で不詳だそうです。見た感じは、30歳ぐらいに見えました。(もっと若いのかもしれません)(その後:25歳ぐらいであろうということがわかりました)
あのちゃんの番組での出だしのようすを見て、今回は、太川陽介チームは、あのちゃんに足を引っ張られて負けると予想しましたが、みごと、河合郁人(かわいふみと)チームに大差をつけて勝ちました。たいしたものです。
以下バス旅のときの、あのちゃん語録です。
『かわいい! このバス!』(見た目は大人なのに、頭の中は5歳児のようです。声はアニメの声優さんのようです)
『わけがわかんない』(見ていて、とまどいます。おとなからなにも教育をうけずに、こどものままおとなの姿になったような人物像です)
『(太川さんに向かって)歩くの、速い!』(友だちに話しかけるような乱暴な言葉づかいが目立ちました)
あのちゃんのOFFオフ。(カメラが回って撮影中なのに、バスの中で堂々と寝ています。ふつうなら、次回の出演はNGです。(ノーグッド。出演拒否))
(スマホを使っての3人の自撮りシーンで)『3・2……5』のかけ声。(けっこうおもしろくて楽しかった)
あのちゃんが『オーマイゴー(ッド)』こがけんさんは、おいしいものを食べて『うーまいごーっど』あのちゃんが『そおいうお仕事をされているんですね(お笑いの仕事という意味です。なんとなく、相手をばかにしているような雰囲気があるのですが、本人にはそういう気持ちはなく、いわゆる天然なのです)』
『(こがけんさんに向かって、あなたは)優しいだけがとりえですね』
『家に帰りたいかも』
『(さっきのバス停でバスを降りたらよかったのにというタイミングで)ひよったんですね(ひよる:ひるむ。おじけづく。暗に太川陽介さんのバス利用での判断ミスをおちょくる。責める)』
『ママにでんわしたい』
『おいぬかれたど』
『すごいショックだ』
『(負けたら)はずい(恥ずかしい。意外に負けず嫌いで驚きました)』
甲府市内の山の中で歩きながら、あのちゃんが30分おきに太川さんに『タクシー! タクシー!(に乗ろう!)』
あのちゃんという方は、OLは無理です。会社勤めは無理です。営業も事務も接客接遇もできません。このまま芸能界にしがみついていてほしい。わが道を行かれたほうがいい。』
さて、こちらの番組では、小杉竜一さんのお母さんが笑いのヒットを飛ばし続けました。
小杉竜一さんのご実家がロケのスタート地である京都嵐山に近いということで、出川哲朗さんが小杉竜一さんの実家に立ち寄りたいのですが、小杉竜一さんご実家に電話をかけると、小杉竜一さんのお母さんが、自分は出川哲郎さんのファンだと言いつつ、自宅への訪問は、きっぱりと断られました。
なんというか、だれでもそうなのですが、人間の表の顔と、腹の中は違うということがはっきり出ていて笑えました。
『いや来んでいい(こんでいい)!』『必ずしも(出川哲朗さんに)会いたいとは思ってない!』なかなか良かった。
すき焼きを食べたお店で、かなり年配の男性(昔の店長さんらしい)が、常連客である小杉さんに塩対応をされたのがこれまたおもしろかった。(塩対応:何度声をかけても、知らんふりのほったらかしでした)このあと、その話題も含めて、小杉竜一さんご本人も言っていましたが、ご本人のギャクよりも、お母さんのひとこと、ひとことが爆笑を生んでまわりにうけていました。
途中で立ち寄った学童保育所風景がなつかしかった。
うちのこどもたちも通っていました。こどもを預けての共働きはたいへんでした。生活していくためにはふたりで働かなければならなかったのです。
今ではこどもたちも中年のおばさん、おじさんになってしまいました。時がたつのは早いものです。
途中で偶然立ち寄った放送局『えふえむ草津』から、おっぱいの形をした『うばがもち』の由来までのくだりがなかなか良かった。偶然が重なりました。たしか、400年以上前から続いている伝統あるおもちと紹介がありました。たいしたものです。三重県伊勢市の赤福餅(あかふくもち)の親戚のようだねと番組を見ていた家族からは感想がありました。
移動の途中に小杉竜一さんが映画『トップガン マーベリック』のことを話します。先日、番組『アメトーク』でテーマになっていて、小杉竜一さんも出演されていました。
充電の番組は、ゲストが翌週の放送で、あのちゃんでした。
人見知りな人です。『充電させてください』と言えるのだろうか。
なんと、最初に声をかけた相手は、(相手がどんな人なのかも確認せず声をかけました)、こわそうな外国人男性でした。声をかけてから外国人(ブラジル人)だと気づいたあのちゃんです。相手は背が高く色黒でヒゲづらで、毛糸の帽子をかぶっています。あのちゃんは、もう泣き顔です。
あのちゃん『あなたはだれですかーー』
相手の男性『ブラジル人です』
あのちゃん『あのです。充電させてください!』
相手の男性『オッケー いいよ』
だいじょうぶでした。あのちゃんが声をかけた相手はやさしい人でした。(よかった)
あのちゃん『ボク行くの? そっち?(充電場所へ移動する)』
あのちゃん『おしっこもれそう……』(幼児のようです)
あのちゃんが、なにかしゃべらないといけないと責任を感じたらしくブラジル人男性に『充電かしてくださいという人よく来ます?』
相手の男性が来ないよという流れもよかった。
出川哲朗さんが電池切れの充電バイクを押して遅れて現場に来た時にあのちゃんが、出川哲朗さんにブラジル人男性のことを『めっちゃ、聞きわけがよくて……』(犬のことを言うような言葉です)男性の名前は「サントスさん」でした。ブラジルには多い名前だと思います。ドス・サントスさんとか。
自動車工を仕事にしているサントスさんで、ニッサンフェアレディZが置いてあり懐かしかった。もう40年ぐらい前の型です。
充電バイクを運転しながらの、出川哲朗さんとあのちゃんとの語録です。
会話がかみあいません。
出川さんがペリーの黒船の話をあのちゃんに話しかけます。
あのちゃん『黒船? ペリー? フェリー? だれぇ?』
(あのちゃんの頭の中にある世界はどんな世界なのだろうと、見ていて思いました。狭いのだろうなあ)
出川さん:江戸末期にペリーの黒船が来たことをあのちゃんに説明します。
あのちゃん『だから(それが)なにー? (それがどうしたんだという反応でした)』
(あのちゃんは、ちゃんと学校に行ったのだろうか)
途中ふたりが立ち寄った『関宿(せきじゅく)』は自分も訪れたことがあります。
自分が観光バスで訪れたのは、もう20年以上前です。
古くて大きな屋敷の中を少し見学させてもらいました。
映像のメンバーは、おそばの昼食を楽しまれていました。
まあ、なんというか、あのちゃんパワー全開です。
少年たちとの野球もすごかった。
野球のルールを知らないわけで、しかたがありません。
まあ、びっくりしました。
こどもたちには、思い出がいっぱいできてよかった。いい企画です。
あのちゃんは、さっきおそばを食べていた時は左手におはしをもっていたのに、バッターボックスの中では右打席のバッターです。不思議でした。右利きなのか。両刀使いなのか。(おそばをたべるときには、「ネギ」は食べられないと言い、出川さんがあのちゃんのネギをもらっていました)
あのちゃんが、ヒットを打って、バッターボックス内で力強く片腕をあげて『ヤッターー』(走らない。なんでぇ?)
あのちゃんに、野球というものは、打ったら走るんだと教えて、再挑戦です。
次の打席でボールを打ったら(野球をやったことがないのによく当たるなあ)、なんと、あのちゃんは、ピッチャーに向かって爆走を始めました。おびえる女子小学生のピッチャーでした。守備についていた選手たちがマウンドに集まってあのちゃんを止めます。(まあ。しかたがありません。たしか、以前野球を知らないというゲストのDA PUMP(ダ・パンプ)のISSA(イッサ)さんは、ボールを打ったあと3塁方向へ走りました)
番組では、勝負に負けた出川哲朗さんとゲストが土下座(どげざ)をして少年たちに「負けました」と頭を下げるのですが、あのちゃんは、「ボクはボールを打てたのにどうしてあやまらなくちゃいけないんだ」と主張します。なるほど。言い分はわかります。
これまでの番組をふりかえると、このシーンの場合のこどもたちの反応はふたとおりあります。イェーイと喜ぶ子たちのグループと、そんなこと(土下座であやまる)しなくていいですよと出川哲朗さんに声をかけるこどものグループがいます。まあ、お笑いバラエティの番組ですが、土下座はやめたほうがいい。こどもがいじめでまねします。
たいてい農家では、お年寄りが留守番代わりに在宅しています。
田んぼの中に親族同士が集落をつくるように家を建てて住んでいて、年寄りは農作業をする体力がなくなったので、家にいます。
あのちゃんが、また、おばあちゃんに充電させての声をかけました。
おばあちゃん『出川のアレか?』
あのちゃんがおばあちゃんに『(あなたは)死にかかっているの?』おもしろすぎる。
あのちゃんが遅れてきた出川哲朗さんに『(おばあちゃんが)なんか死に間際(まぎわ)なんだって』
ヨシコさんといわれる80歳の方でした。
バイクのバッテリーの充電にあと30分ぐらいかかると聞いて、
ヨシコさん『あんたらまだ30分おるの?』
そのあと、目的地の神社に着いてお参りです。
あのちゃんが宮司(ぐうじ)さんに、
あのちゃん『(おさいせんは)いくらがいいですか?』
宮司さん『お気持ちで……』
なんか、あのちゃんは、本音(ほんね)むきだしで、正真正銘の善人です。人からだまされないように気をつけてね。いや、本人には無理そうなので、まわりにいる人たちが気を配ってください。
神社で芸能人の人たちが奉納した板がいっぱい掲示されていました。出川哲朗さんたちが板を差し込んだ横のほうに三重県の演歌歌手の人の名前があったのでびっくりしました。わたしは株式投資をやるので、毎朝三重テレビの株式の番組を見ています。コマーシャルのときに『ていじのひとりごと』というフレーズを繰り返す三重県が地元である男性演歌歌手がおられます。その方が納めたお札の板がありました。なんというか、頭の中で、知っていることの『点』が結びついて『線』になることがあります。うれしい気分になれました。
次回は、自分も行ったことがある愛知県三河湾に浮かぶ『日間賀島(ひまかじま)』から名古屋市内にある『熱田神宮』を経て、岐阜市へ向かうそうです。楽しみです。
(その後思ったこと)
あのちゃんという人は、むかし太川陽介さんと組んで路線バスの旅をしていた蛭子能収(えびす・よしかず)さんみたいな個性の人だと気づきました。表現の仕方が正直です。予定調和の行為ができませんが、根は善人です。なかなかこういう人はいない。
ゲストが漫才コンビブラックマヨネーズの小杉竜一さんと、あのちゃんです。(あのちゃんで、この企画をやれるのだろうか? だいじょうぶなのだろうか……)
事前にゲストがあのちゃんと聞いて微妙な気持ちになりましたが、番組では大活躍で爆笑しました。
あのちゃんは太川陽介チームの一員として、以前太川陽介さんと河合郁人さん(かわいふみとさん)のバス対決旅の番組に出て、その態度が、かなりひどかった。(なのに、勝負には勝ちました)
次が、そのときの感想メモの一部です。
『ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 陣取り合戦 in富士山麓 三島大社-甲府城跡天守台 テレビ番組
太川陽介チーム:あの(歌手) こがけん
河合郁人チーム:久代萌美(くしろ・もえみ) 田村亮
あのちゃんという方は、自分は知りませんが、相当変わった人でした。
女性だと思うのですが、自分のことを『ボク』と言っていました。年齢は非公表で不詳だそうです。見た感じは、30歳ぐらいに見えました。(もっと若いのかもしれません)(その後:25歳ぐらいであろうということがわかりました)
あのちゃんの番組での出だしのようすを見て、今回は、太川陽介チームは、あのちゃんに足を引っ張られて負けると予想しましたが、みごと、河合郁人(かわいふみと)チームに大差をつけて勝ちました。たいしたものです。
以下バス旅のときの、あのちゃん語録です。
『かわいい! このバス!』(見た目は大人なのに、頭の中は5歳児のようです。声はアニメの声優さんのようです)
『わけがわかんない』(見ていて、とまどいます。おとなからなにも教育をうけずに、こどものままおとなの姿になったような人物像です)
『(太川さんに向かって)歩くの、速い!』(友だちに話しかけるような乱暴な言葉づかいが目立ちました)
あのちゃんのOFFオフ。(カメラが回って撮影中なのに、バスの中で堂々と寝ています。ふつうなら、次回の出演はNGです。(ノーグッド。出演拒否))
(スマホを使っての3人の自撮りシーンで)『3・2……5』のかけ声。(けっこうおもしろくて楽しかった)
あのちゃんが『オーマイゴー(ッド)』こがけんさんは、おいしいものを食べて『うーまいごーっど』あのちゃんが『そおいうお仕事をされているんですね(お笑いの仕事という意味です。なんとなく、相手をばかにしているような雰囲気があるのですが、本人にはそういう気持ちはなく、いわゆる天然なのです)』
『(こがけんさんに向かって、あなたは)優しいだけがとりえですね』
『家に帰りたいかも』
『(さっきのバス停でバスを降りたらよかったのにというタイミングで)ひよったんですね(ひよる:ひるむ。おじけづく。暗に太川陽介さんのバス利用での判断ミスをおちょくる。責める)』
『ママにでんわしたい』
『おいぬかれたど』
『すごいショックだ』
『(負けたら)はずい(恥ずかしい。意外に負けず嫌いで驚きました)』
甲府市内の山の中で歩きながら、あのちゃんが30分おきに太川さんに『タクシー! タクシー!(に乗ろう!)』
あのちゃんという方は、OLは無理です。会社勤めは無理です。営業も事務も接客接遇もできません。このまま芸能界にしがみついていてほしい。わが道を行かれたほうがいい。』
さて、こちらの番組では、小杉竜一さんのお母さんが笑いのヒットを飛ばし続けました。
小杉竜一さんのご実家がロケのスタート地である京都嵐山に近いということで、出川哲朗さんが小杉竜一さんの実家に立ち寄りたいのですが、小杉竜一さんご実家に電話をかけると、小杉竜一さんのお母さんが、自分は出川哲郎さんのファンだと言いつつ、自宅への訪問は、きっぱりと断られました。
なんというか、だれでもそうなのですが、人間の表の顔と、腹の中は違うということがはっきり出ていて笑えました。
『いや来んでいい(こんでいい)!』『必ずしも(出川哲朗さんに)会いたいとは思ってない!』なかなか良かった。
すき焼きを食べたお店で、かなり年配の男性(昔の店長さんらしい)が、常連客である小杉さんに塩対応をされたのがこれまたおもしろかった。(塩対応:何度声をかけても、知らんふりのほったらかしでした)このあと、その話題も含めて、小杉竜一さんご本人も言っていましたが、ご本人のギャクよりも、お母さんのひとこと、ひとことが爆笑を生んでまわりにうけていました。
途中で立ち寄った学童保育所風景がなつかしかった。
うちのこどもたちも通っていました。こどもを預けての共働きはたいへんでした。生活していくためにはふたりで働かなければならなかったのです。
今ではこどもたちも中年のおばさん、おじさんになってしまいました。時がたつのは早いものです。
途中で偶然立ち寄った放送局『えふえむ草津』から、おっぱいの形をした『うばがもち』の由来までのくだりがなかなか良かった。偶然が重なりました。たしか、400年以上前から続いている伝統あるおもちと紹介がありました。たいしたものです。三重県伊勢市の赤福餅(あかふくもち)の親戚のようだねと番組を見ていた家族からは感想がありました。
移動の途中に小杉竜一さんが映画『トップガン マーベリック』のことを話します。先日、番組『アメトーク』でテーマになっていて、小杉竜一さんも出演されていました。
充電の番組は、ゲストが翌週の放送で、あのちゃんでした。
人見知りな人です。『充電させてください』と言えるのだろうか。
なんと、最初に声をかけた相手は、(相手がどんな人なのかも確認せず声をかけました)、こわそうな外国人男性でした。声をかけてから外国人(ブラジル人)だと気づいたあのちゃんです。相手は背が高く色黒でヒゲづらで、毛糸の帽子をかぶっています。あのちゃんは、もう泣き顔です。
あのちゃん『あなたはだれですかーー』
相手の男性『ブラジル人です』
あのちゃん『あのです。充電させてください!』
相手の男性『オッケー いいよ』
だいじょうぶでした。あのちゃんが声をかけた相手はやさしい人でした。(よかった)
あのちゃん『ボク行くの? そっち?(充電場所へ移動する)』
あのちゃん『おしっこもれそう……』(幼児のようです)
あのちゃんが、なにかしゃべらないといけないと責任を感じたらしくブラジル人男性に『充電かしてくださいという人よく来ます?』
相手の男性が来ないよという流れもよかった。
出川哲朗さんが電池切れの充電バイクを押して遅れて現場に来た時にあのちゃんが、出川哲朗さんにブラジル人男性のことを『めっちゃ、聞きわけがよくて……』(犬のことを言うような言葉です)男性の名前は「サントスさん」でした。ブラジルには多い名前だと思います。ドス・サントスさんとか。
自動車工を仕事にしているサントスさんで、ニッサンフェアレディZが置いてあり懐かしかった。もう40年ぐらい前の型です。
充電バイクを運転しながらの、出川哲朗さんとあのちゃんとの語録です。
会話がかみあいません。
出川さんがペリーの黒船の話をあのちゃんに話しかけます。
あのちゃん『黒船? ペリー? フェリー? だれぇ?』
(あのちゃんの頭の中にある世界はどんな世界なのだろうと、見ていて思いました。狭いのだろうなあ)
出川さん:江戸末期にペリーの黒船が来たことをあのちゃんに説明します。
あのちゃん『だから(それが)なにー? (それがどうしたんだという反応でした)』
(あのちゃんは、ちゃんと学校に行ったのだろうか)
途中ふたりが立ち寄った『関宿(せきじゅく)』は自分も訪れたことがあります。
自分が観光バスで訪れたのは、もう20年以上前です。
古くて大きな屋敷の中を少し見学させてもらいました。
映像のメンバーは、おそばの昼食を楽しまれていました。
まあ、なんというか、あのちゃんパワー全開です。
少年たちとの野球もすごかった。
野球のルールを知らないわけで、しかたがありません。
まあ、びっくりしました。
こどもたちには、思い出がいっぱいできてよかった。いい企画です。
あのちゃんは、さっきおそばを食べていた時は左手におはしをもっていたのに、バッターボックスの中では右打席のバッターです。不思議でした。右利きなのか。両刀使いなのか。(おそばをたべるときには、「ネギ」は食べられないと言い、出川さんがあのちゃんのネギをもらっていました)
あのちゃんが、ヒットを打って、バッターボックス内で力強く片腕をあげて『ヤッターー』(走らない。なんでぇ?)
あのちゃんに、野球というものは、打ったら走るんだと教えて、再挑戦です。
次の打席でボールを打ったら(野球をやったことがないのによく当たるなあ)、なんと、あのちゃんは、ピッチャーに向かって爆走を始めました。おびえる女子小学生のピッチャーでした。守備についていた選手たちがマウンドに集まってあのちゃんを止めます。(まあ。しかたがありません。たしか、以前野球を知らないというゲストのDA PUMP(ダ・パンプ)のISSA(イッサ)さんは、ボールを打ったあと3塁方向へ走りました)
番組では、勝負に負けた出川哲朗さんとゲストが土下座(どげざ)をして少年たちに「負けました」と頭を下げるのですが、あのちゃんは、「ボクはボールを打てたのにどうしてあやまらなくちゃいけないんだ」と主張します。なるほど。言い分はわかります。
これまでの番組をふりかえると、このシーンの場合のこどもたちの反応はふたとおりあります。イェーイと喜ぶ子たちのグループと、そんなこと(土下座であやまる)しなくていいですよと出川哲朗さんに声をかけるこどものグループがいます。まあ、お笑いバラエティの番組ですが、土下座はやめたほうがいい。こどもがいじめでまねします。
たいてい農家では、お年寄りが留守番代わりに在宅しています。
田んぼの中に親族同士が集落をつくるように家を建てて住んでいて、年寄りは農作業をする体力がなくなったので、家にいます。
あのちゃんが、また、おばあちゃんに充電させての声をかけました。
おばあちゃん『出川のアレか?』
あのちゃんがおばあちゃんに『(あなたは)死にかかっているの?』おもしろすぎる。
あのちゃんが遅れてきた出川哲朗さんに『(おばあちゃんが)なんか死に間際(まぎわ)なんだって』
ヨシコさんといわれる80歳の方でした。
バイクのバッテリーの充電にあと30分ぐらいかかると聞いて、
ヨシコさん『あんたらまだ30分おるの?』
そのあと、目的地の神社に着いてお参りです。
あのちゃんが宮司(ぐうじ)さんに、
あのちゃん『(おさいせんは)いくらがいいですか?』
宮司さん『お気持ちで……』
なんか、あのちゃんは、本音(ほんね)むきだしで、正真正銘の善人です。人からだまされないように気をつけてね。いや、本人には無理そうなので、まわりにいる人たちが気を配ってください。
神社で芸能人の人たちが奉納した板がいっぱい掲示されていました。出川哲朗さんたちが板を差し込んだ横のほうに三重県の演歌歌手の人の名前があったのでびっくりしました。わたしは株式投資をやるので、毎朝三重テレビの株式の番組を見ています。コマーシャルのときに『ていじのひとりごと』というフレーズを繰り返す三重県が地元である男性演歌歌手がおられます。その方が納めたお札の板がありました。なんというか、頭の中で、知っていることの『点』が結びついて『線』になることがあります。うれしい気分になれました。
次回は、自分も行ったことがある愛知県三河湾に浮かぶ『日間賀島(ひまかじま)』から名古屋市内にある『熱田神宮』を経て、岐阜市へ向かうそうです。楽しみです。
(その後思ったこと)
あのちゃんという人は、むかし太川陽介さんと組んで路線バスの旅をしていた蛭子能収(えびす・よしかず)さんみたいな個性の人だと気づきました。表現の仕方が正直です。予定調和の行為ができませんが、根は善人です。なかなかこういう人はいない。
2023年07月21日
じごくのそうべえ 上方落語・地獄八景より
じごくのそうべえ 作・たじまゆきひこ 桂米朝・上方落語・地獄八景より 童心社
今年二月に訪れた大分県別府温泉で『温泉地獄めぐり』をしました。
青森県の恐山(おそれざん)にも『地獄』があるそうです。
それから、長崎県の雲仙温泉にも『地獄』があります。
人間は『地獄』に対して興味が強い。
昔は、人が悪いことをすると『地獄に落ちるぞ』と警告したものですが、最近はそういった言い方は聞かなくなりました。
さてさて、夏の風物詩である遊園地やお墓での『おばけ屋敷』や『肝試し(きもだめし)』風の(ふうの)絵本を読み始めてみます。
(1回目の本読み)
文字は読まずに絵だけ見て最後のページまでめくります。
地獄を扱っているにしては、優しい感じがする絵です。
鬼は、二種類いますな。
赤鬼と青鬼です。
名作『泣いた赤鬼』を思い出します。
友情物語です。
赤鬼のために青鬼が犠牲になるのです。
青鬼の行為をどう思うか。
考える価値はあります。
意味合いは深い。
やわらかいけれど、ち密な絵です。(ち密:細かくて込み入っている)
(2回目の本読み)
表紙をめくると、赤鬼・青鬼以外の鬼もたくさんいて驚きました。
緑鬼、オレンジ鬼、紫鬼、緑鬼、肌色鬼なんかがいます。鬼たちのすき間で、ちいさな体の人間が逃げまどっています。人間たちは悲しそうな顔をしています。
されど、次のページをめくると、鬼と人間たちが仲良しの絵です。
どういうこと?
鬼のために働く人間がいるということだろうか?
時代は江戸時代です。
『そうべえ』というサーカス芸をやるような人がいたそうな。綱渡り芸です。
文章に音楽があります。
三味線(しゃみせん)の音にのせながらの曲芸(きょくげい。アクロバット、バランス芸、見世物、離れ業(はなれわざ))です。
ぺペン ペンペン ペーン
(このカゴの中にオゼゼ(お金)を入れてくださいな。(大道芸(だいどうげい)ですな))
えッ?! 綱渡りの綱から、そうべえが、転落しました。
(ちょっと、芥川龍之介作品『蜘蛛の糸(くものいと)』が脳裏に浮かびました。
高い位置に設置されていた綱渡りの綱から転落して、打ちどころが悪くて、そうべえは、死んでしまうらしい……
死後の世界への旅立ちです。
どひゃー 火の車が出てきました。鬼が引いています。リヤカーの上に家型の箱があって、その箱が大きな炎に包まれています。(また。思い出しました。宮部みゆき作品『火車(かしゃ)』です。カードローンが事件の発端(ほったん。はじまり)になっていました)
さあ、次はどうなる?
そうべえに仲間ができました。
しかい:歯医者です。「歯ぬきし」という職業の男です。
ちくあん:医者だそうです。「いしゃ」と書いてあります。
ふっかい:山伏(やまぶし)だそうです。
そうべえを入れて登場人物が4人になりました。
「しょうずかのばあさん」という白装束(しろしょうぞく。全身白い服)のおばあさんがいて、来る人来る人の服を脱がせます。
はだかにさせられた人たちは、地獄・極楽の判定を受ける場所に向かうために、三途の川(さんずのかわ)を渡る渡し船に乗せられます。
(訂正があります。はだかになっても、ふんどしと腰巻(こしまき。女性の下着)は、つけていていいそうです)
木船(きぶね)は、えんま大王がいる地獄・極楽の行き先判定場所へ行く男女でいっぱいです。
なんだか、地中海を進む、シリアやアフリカの難民船のようでもあります。
船の沈没が怖いけれど、こちらの絵本では、いちおう、みんなすでに死んでいるはずの人たちです。
赤鬼、青鬼、黄色鬼が、船の操作をしています。鬼にも労働があるのです。
『えんま大王(だいおう)』登場です。
髭の(ひげ)のような、髪の毛(かみのけ)のような感じで、顔は毛でおおわれています。
船に乗せられてきた人たちは、えんま大王の質問に答えなければなりません。
えんま大王のうしろには大きな鏡があって、えんま大王の質問に対してウソを言う者は、鏡が事実を映し出すそうです。ウソがばれるのです。
人をだまして金もうけをした人間は地獄行きじゃ。(そういう人はいそうです)
人を洗脳して(せんのう。マインドコントール。意識を操作する)利益を得たものは地獄行きじゃーー(いまどきの宗教界に多そう。信仰が理由で地獄に行くのか。本末転倒です(ものごとの結果が逆転している))
どうも、えんま大王の仕事は、数少ない悪人をあぶりだして、その他おおぜいの善人はさっさと極楽(ごくらく。天国)へ行ってくれという仕事のしかたです。えんま大王の仕事量は多いのです。
そうべえをふくむ四人は地獄行きが決定です。
ふんにょうじごく:うんこしっこの穴に落とされた四人ですが、四人にはこたえていません。現実社会での自分たちのトイレのほうがきたなかったそうです。これぐらいどうってことない。
じんどんき:鬼のこと。人を食う(くう)鬼だそうです。
悪者はしたたかです。じんどんきをだまして、じんどんきが痛い目にあっています。
(けっこうおもしろい。ちびっこはよろこぶと思います)
まあ、下ネタもあって、下品な絵もありますが、なかなかいい。
(きれいごとばかりを教えていたら、こどもの心はこわれます)
ねっとうのかま:おかまに四人が入れられました。熱いぞーー
おもしろい。
熱湯ではなく、単なるおふろになってしまいました。
はりのやま:トゲトゲの針(はり)がいっぱいです。
ちょっと言葉が古くてわかりにくいのですが、いいたい気持ちは伝わってきます。
オチがおもしろい。(話の締め(しめ))
落語の世界でした。
じょうずに絵本にしてあります。
1978年(昭和53年)初版の絵本でした。
(この絵本を読んだ翌日に考えたこと)
世の中には、人をだましてお金もうけをする人がいます。
紳士淑女(しんししゅくじょ。礼儀正しい男女)のような善人の顔をして、じょうずに人をだましてお金をまきあげていきます。暗示をかけて、意識をコントロールして、お金を出させて、だまされていることに気づかせないで、うまく大金持ちになる人がいます。
ようやくだまされていることに気がついた人の復讐心(ふくしゅうしん。しかえし)は強い。
でも復讐しないでがまんする人は多い。
そんな人たちの願いで『地獄』が誕生したのでしょう。
あんた死んだら地獄に落ちてくれです。
(追記:2023年8月)
うちに泊まりに来た親族の小学生低学年ちびっこたちに夜読み聞かせをしました。
意外とこの絵本の内容に興味をもってくれました。
とくに、えんま大王について、あれこれ聞かれました。
アニメ『妖怪ウォッチ』の影響があるようです。
わたしのこども時代は『ゲゲゲの鬼太郎』でした。
今年二月に訪れた大分県別府温泉で『温泉地獄めぐり』をしました。
青森県の恐山(おそれざん)にも『地獄』があるそうです。
それから、長崎県の雲仙温泉にも『地獄』があります。
人間は『地獄』に対して興味が強い。
昔は、人が悪いことをすると『地獄に落ちるぞ』と警告したものですが、最近はそういった言い方は聞かなくなりました。
さてさて、夏の風物詩である遊園地やお墓での『おばけ屋敷』や『肝試し(きもだめし)』風の(ふうの)絵本を読み始めてみます。
(1回目の本読み)
文字は読まずに絵だけ見て最後のページまでめくります。
地獄を扱っているにしては、優しい感じがする絵です。
鬼は、二種類いますな。
赤鬼と青鬼です。
名作『泣いた赤鬼』を思い出します。
友情物語です。
赤鬼のために青鬼が犠牲になるのです。
青鬼の行為をどう思うか。
考える価値はあります。
意味合いは深い。
やわらかいけれど、ち密な絵です。(ち密:細かくて込み入っている)
(2回目の本読み)
表紙をめくると、赤鬼・青鬼以外の鬼もたくさんいて驚きました。
緑鬼、オレンジ鬼、紫鬼、緑鬼、肌色鬼なんかがいます。鬼たちのすき間で、ちいさな体の人間が逃げまどっています。人間たちは悲しそうな顔をしています。
されど、次のページをめくると、鬼と人間たちが仲良しの絵です。
どういうこと?
鬼のために働く人間がいるということだろうか?
時代は江戸時代です。
『そうべえ』というサーカス芸をやるような人がいたそうな。綱渡り芸です。
文章に音楽があります。
三味線(しゃみせん)の音にのせながらの曲芸(きょくげい。アクロバット、バランス芸、見世物、離れ業(はなれわざ))です。
ぺペン ペンペン ペーン
(このカゴの中にオゼゼ(お金)を入れてくださいな。(大道芸(だいどうげい)ですな))
えッ?! 綱渡りの綱から、そうべえが、転落しました。
(ちょっと、芥川龍之介作品『蜘蛛の糸(くものいと)』が脳裏に浮かびました。
高い位置に設置されていた綱渡りの綱から転落して、打ちどころが悪くて、そうべえは、死んでしまうらしい……
死後の世界への旅立ちです。
どひゃー 火の車が出てきました。鬼が引いています。リヤカーの上に家型の箱があって、その箱が大きな炎に包まれています。(また。思い出しました。宮部みゆき作品『火車(かしゃ)』です。カードローンが事件の発端(ほったん。はじまり)になっていました)
さあ、次はどうなる?
そうべえに仲間ができました。
しかい:歯医者です。「歯ぬきし」という職業の男です。
ちくあん:医者だそうです。「いしゃ」と書いてあります。
ふっかい:山伏(やまぶし)だそうです。
そうべえを入れて登場人物が4人になりました。
「しょうずかのばあさん」という白装束(しろしょうぞく。全身白い服)のおばあさんがいて、来る人来る人の服を脱がせます。
はだかにさせられた人たちは、地獄・極楽の判定を受ける場所に向かうために、三途の川(さんずのかわ)を渡る渡し船に乗せられます。
(訂正があります。はだかになっても、ふんどしと腰巻(こしまき。女性の下着)は、つけていていいそうです)
木船(きぶね)は、えんま大王がいる地獄・極楽の行き先判定場所へ行く男女でいっぱいです。
なんだか、地中海を進む、シリアやアフリカの難民船のようでもあります。
船の沈没が怖いけれど、こちらの絵本では、いちおう、みんなすでに死んでいるはずの人たちです。
赤鬼、青鬼、黄色鬼が、船の操作をしています。鬼にも労働があるのです。
『えんま大王(だいおう)』登場です。
髭の(ひげ)のような、髪の毛(かみのけ)のような感じで、顔は毛でおおわれています。
船に乗せられてきた人たちは、えんま大王の質問に答えなければなりません。
えんま大王のうしろには大きな鏡があって、えんま大王の質問に対してウソを言う者は、鏡が事実を映し出すそうです。ウソがばれるのです。
人をだまして金もうけをした人間は地獄行きじゃ。(そういう人はいそうです)
人を洗脳して(せんのう。マインドコントール。意識を操作する)利益を得たものは地獄行きじゃーー(いまどきの宗教界に多そう。信仰が理由で地獄に行くのか。本末転倒です(ものごとの結果が逆転している))
どうも、えんま大王の仕事は、数少ない悪人をあぶりだして、その他おおぜいの善人はさっさと極楽(ごくらく。天国)へ行ってくれという仕事のしかたです。えんま大王の仕事量は多いのです。
そうべえをふくむ四人は地獄行きが決定です。
ふんにょうじごく:うんこしっこの穴に落とされた四人ですが、四人にはこたえていません。現実社会での自分たちのトイレのほうがきたなかったそうです。これぐらいどうってことない。
じんどんき:鬼のこと。人を食う(くう)鬼だそうです。
悪者はしたたかです。じんどんきをだまして、じんどんきが痛い目にあっています。
(けっこうおもしろい。ちびっこはよろこぶと思います)
まあ、下ネタもあって、下品な絵もありますが、なかなかいい。
(きれいごとばかりを教えていたら、こどもの心はこわれます)
ねっとうのかま:おかまに四人が入れられました。熱いぞーー
おもしろい。
熱湯ではなく、単なるおふろになってしまいました。
はりのやま:トゲトゲの針(はり)がいっぱいです。
ちょっと言葉が古くてわかりにくいのですが、いいたい気持ちは伝わってきます。
オチがおもしろい。(話の締め(しめ))
落語の世界でした。
じょうずに絵本にしてあります。
1978年(昭和53年)初版の絵本でした。
(この絵本を読んだ翌日に考えたこと)
世の中には、人をだましてお金もうけをする人がいます。
紳士淑女(しんししゅくじょ。礼儀正しい男女)のような善人の顔をして、じょうずに人をだましてお金をまきあげていきます。暗示をかけて、意識をコントロールして、お金を出させて、だまされていることに気づかせないで、うまく大金持ちになる人がいます。
ようやくだまされていることに気がついた人の復讐心(ふくしゅうしん。しかえし)は強い。
でも復讐しないでがまんする人は多い。
そんな人たちの願いで『地獄』が誕生したのでしょう。
あんた死んだら地獄に落ちてくれです。
(追記:2023年8月)
うちに泊まりに来た親族の小学生低学年ちびっこたちに夜読み聞かせをしました。
意外とこの絵本の内容に興味をもってくれました。
とくに、えんま大王について、あれこれ聞かれました。
アニメ『妖怪ウォッチ』の影響があるようです。
わたしのこども時代は『ゲゲゲの鬼太郎』でした。
2023年07月20日
昆虫の惑星 アンヌ・スヴェルトルップ=ティーゲソン
昆虫の惑星 虫たちは今日も地球を回す アンヌ・スヴェルトルップ=ティーゲソン 小林玲子・訳 丸山宗利・監修 辰巳出版
昆虫の話です。
まず、思い浮かべるのは先日読んだ本です。『中村哲物語(なかむらてつものがたり) 大地をうるおし平和につくした医師 松島恵利子 汐文社(ちょうぶんしゃ)』
中村哲さんは小さいころから昆虫に対する興味が強く、こどものころは、将来昆虫を研究する人になりたかったという記憶です。
次に思い出すのはタレントの井上咲楽(いのうえ・さくら)さんです。番組『新婚さんいらっしゃい』の司会進行を藤井隆さんといっしょにされています。
井上咲楽さんは、昆虫食をされる人です。びっくりしました。以前、太川陽介さんと村井美樹さんの路線バス対鉄道対決旅で、たしか、場所は北海道で、村井さんの鉄道チームの一員としてゲスト出演されました。そのとき、道を歩いていたのですが、虫を見つけると立ち止まり、虫を食べようとするような言動をし続けられたのです。ほんとうにびっくりしました。美女であり、とてもそのような趣向があるとは思えません。ただその後、ほかの番組で昆虫食のことを知り、気持ちが悪くなるようなことではないということを知りました。カルチャーショックです。(自分の常識とはかけはなれた異文化のありように不安をもつ)
(1回目の本読み)
最初から最後まで全部のページをゆっくりめくりながら、なにが書いてあるのかを把握します。(はあく:内容を理解する)
自分にとっては不思議な本です。
目次に『自然界の“掃除人” 死骸と糞の分解』とあります。昆虫を人のようにたとえてある本です。
いい感じの出だしです。
『わたしは昔から外で過ごすのが好きで、とりわけ森の中にいると心が安らぐ……』熊じいさんも、朝、森の中を散歩しています。動植物たちがいる自然に触れていると心が安らぎます。
13ページ、(昆虫は)恐竜より前からいたらしい。(そうだろうなあ。ゴキブリが最強の昆虫という思い込みが自分にあります)昆虫は、約4億7900万年前に現れたそうな。わたしが自作した歴史ノートでは、恐竜は地球上に紀元前2億年前ごろに登場しています。
翅(はね):この単語がキーワードになるらしい。昆虫が生き延びることができた能力が飛翔能力なのでしょう。(ひしょう:空中を飛ぶ)
なるほど『小さな体は高性能 足は6本 翅(はね)は4枚 触角は2本』すばらしい体格、仕組みです。人間以上かも。
昆虫の血の色は? とあります。
わたしは長いこと生きてきましたが、昆虫の血を見たことはありません。透明なお汁のようなものは見たことはありそうです。
蛇足(だそく。むだばなし)ですが、小学生の時に観た邦画『ガメラ対バルゴン』では、怪獣の血の色は緑色でした。映画館でクイズに答えてなんとかをもらおう!というクイズ問題でした。ああ、あのころ、お酒飲みでろくでもないオヤジとふたりでよく映画館に邦画を観に行きました。クレイジーキャッツのいいかげんなサラリーマンの映画も見ました。オヤジはたいてい客席でイビキをかいて寝ていました。クレイジーキャッツの植木等さんもうちのオヤジもとうの昔に亡くなりました。ちょっとわびしい。
40ページ『ダンシングビー』踊るハチでいいのでしょう。ハチが発情しているのか。
わたしは中学生の時に小鳥のジュウシマツをたくさん飼育していました。ジュウシマツは発情期になると、枝の上でしきりにダンスをします。「クルクルクルクルクックッピン!」というような鳴き声を出していました。
中学生のわたしは、ジュウシマツがたくさん生まれると、百貨店のペット売り場に売りに行っていました。たしか一羽140円ぐらいで引き取ってもらえました。ペットショップでは一羽780円ぐらいでわたしが売った鳥を売っていました。
49ページ『昆虫たちの”婚活”事情 ― 生殖と繁殖』(そうか、虫の世界もたいへんだ)
60ページ『ビヨンセは正しかった』
ビヨンセ・ノウルズ:1981年生まれ41歳。アメリカ合衆国の女性シンガーソングライター、ダンサー、女優、音楽プロデューサー(新種のアブの名前が『スカプティア・ビヨンセアエ』と名付けられた。1981年ビヨンセが生まれた年と同じ年に発見された。あわせて、ビヨンセのように「美尻」だったそうです。虫のお尻のことです)
62ページ『父はいないが祖父はいる』(なんのことだろう?)
66ページ『イクメン昆虫』(やはり人間界のようだ)
68ページ『食べて、食べられて』(なかなか厳しいものがあります。自然界の食物連鎖ですな)
72ページ『ツチハンミョウの賭け(かけ)』
ツチハンミョウ:昆虫。同じようなタイプの虫の総称
ここまでページをめくって、最初はとっつきにくさを感じたのですが、なかなかおもしろそうな内容です。読む興味が湧いて(わいて)きました。
85ページ『ワニの涙をすする』(そんな虫がいるのか)
97ページ『農耕のベテラン』(昆虫は農民のイメージがありますな)
99ページ『ペットはアブラムシ』(人間的です。いや、人間のほうが、昆虫的なのかも)
106ページ『虫なんて気持ち悪いから、いなくてもいい』(そう思う人は多い)
121ページ『一杯のコーヒーのかげで』(なんのことについて書いてあるのだろうか?)
129ページ『昆虫食は普及するか』(また、井上咲楽さんの笑顔が脳に浮かびました。彼女は「ハイ!」とごきげんな返事をするでしょう)
212ページ『何が昆虫をおびやかしているのか?』(人間による自然破壊でしょうな)
234ページ『昆虫とヒトの未来のために』(そこがだいじです)
236ページ『おわりに』
まだ読んでいないけれど、先にここを読みます。
240ページ『監修者あとがき』
昆虫博士の方だろうか。
(2回目の読書)
著者:ノルウェー生命科学大学の教授をしている。研究者、教員、科学コミュニケーター
論文の検証や自分の研究発表を行っている。
昆虫学者であることをばかにされることがある。そんな学問が、何の役に立つのだと。
1 昆虫は、魚、鳥、コウモリなどのエサとして欠かせない。昆虫がいなければ、命をつなぐことはできない。
2 昆虫が、ヒトの病気を治す材料、素材、原料になることがある。たとえば、抗生物質
3 昆虫には生きる権利がある。生まれてきた生き物にはすべて生きる機会(チャンス)が与えられる。
昆虫が、この地球を支えているそうです。説得力があります。
昆虫という存在があるから、地球は回り続けている。
前半は、昆虫の話。体の仕組み、知覚の方法、種としての多様性、分類など。
後半は、ヒトと昆虫との関りについて述べる。昆虫は人間界で危機に陥っている。(おちいっている)
昆虫は体が三つの部分に分かれている。
「節足動物門」に属している。
「頭」「胸」「腹」に分かれている。
骨はない。外骨格が全身を包んでいる。
外骨格が古くなると脱皮する。
トンボの眼の優秀さについて書いてあります。
トンボは有能な狩人(かりゅうど)なのです。
アリのことについて書いてあります。
本能とはいえ賢い。
社会性昆虫:ミツバチ、スズメバチ、アリ
(つづく)
ハンス:ドイツ生まれの馬。愛称『賢馬ハンス』。1900年代前半に活躍した。馬なのに、数を数えられるし、計算もできた。飼い主は数学教師のヴィルヘルム・フォン・オーステン。(じっさいは、馬に人間の表情を読み取る能力があって解答することができていた)
ハチ:ハチは、数字を4まで数えることができる。(これは事実だそうです)ハチは色を識別できる。ダンスで場所を仲間のハチに伝えることができる。
以降、ハチの能力の高さについての説明があります。(そうか。2年前にわたしの自宅にハチの巣ができて、わたしはハチと戦ったことがあります。なかなか手ごわい相手で、わたしは恐怖感をもちました。ハチは、わたしの顔を認識していて攻撃してきたのです)
クモは昆虫の仲間ではないそうです。
では何なのか。「ダニやサソリに近い生き物」だそうです。よくわかりません。昆虫は足が6本、クモは足が8本、昆虫は、頭・胸・腹の組み合わせでできている。クモは、(頭・胸でひとつ)・腹の構造になっている。
昆虫の性生活について詳細に書いてあります。
子孫を残すことに全力を注いでいます。
オスもメスも真剣です。
昆虫は環境への適応能力が高いそうです。
シロアリの女王は、一生ずっと、3秒に1個のペースで卵を産んでいるそうです。おそるべし、シロアリ
本の中身は、無限に続く昆虫の世界のありようについて熱く語られていきます。かなり広い世界です。
ワニの涙をチョウとハチが吸う。右眼と左眼に分かれて吸う。貴重な塩分をワニの涙から摂取するそうで、ありふれた光景だそうです。たいていの人間が知らない昆虫の世界があります。
昆虫が養殖をするような記述が90ページにあります。もちつもたれつです。やりすぎると、相手が絶滅してしまうから、ある程度のところで踏みとどまり、共生をめざすのです。お互いに次世代に命をつなぐのです。昆虫たちは子孫を残すために必死です。
本では、ショートエッセイの連続で、昆虫の生態を浮き彫りにしていきます。
昆虫の種類は多種多様で、さまざまな昆虫としての生き方があり、本を一度読んだだけではすんなり理解できないこともあります。興味があれば、何度でも読む本です。
マナ:旧約聖書に登場する驚異の食物が『マナ』だそうです。著者によると、マナというものは、樹液を食べる昆虫が排泄した甘い露(つゆ)の結晶で、名称は『マナコナカイガラムシ』ではないか。
エコな健康食。昆虫は栄養価が高いそうです。牛肉に負けないたんぱく質がある。脂肪は少ない。コオロギの粉末は、牛乳よりカルシウムが多い。鉄分はホウレンソウの二倍ある。昆虫食は体によく、環境にもやさしい。世界の人口増加による食糧不足を救うのが昆虫食と読み取れます。
先日読んだ『中村哲物語(なかむらてつものがたり) 大地をうるおし平和につくした医師 松島恵利子 汐文社(ちょうぶんしゃ)』では、中村哲さんがアフガニスタンの乾燥した土地で食べ物を育てるために乾燥に強い作物を選んだ経過が書いてありました。『乾燥に強い農作物を植える。なんでも研究です。サツマイモ、ソルゴー(イネ科の一年草。モロコシ)、お茶、蚊を退治するための除虫菊(じょちゅうぎく)など』それが、こちらの本では、昆虫食という方向性です。
昆虫食の普及について書いてあります。(ふきゅう:一般社会に広くゆきわたること)
昆虫の姿が丸見えのまま昆虫料理として出すのは抵抗感が強い人が多い。(ああ、飲み屋さんでゲテモノ料理という位置づけで出している料理を思い出しました)
読んでいて、ガソリン車→電気自動車、肉料理(牛)→バッタ、寿司→ムシ(虫)というようなイメージで先々(さきざき)食生活の一部に変化がありそうです。
虫を家畜としてとらえる。人間が食べるための動物として扱う。
1885年頃に、ホールトという人が『昆虫食はいかが?』という本を出しているそうです。未来は本当にそうなりそうです。昆虫食は気持ち悪いと否定できない世の中が訪れるのでしょう。なにせ食べなければ死んじゃうのですから。そして、食べてみると、あんがいおいしかったりもするのです。
134ページ、なんとなく理解できる項目です。『第6章 自然界の“掃除人” -死骸と糞の分解 』です。
蜜蝋(みつろう):ミツバチが巣をつくるための材料として使用するロウ。ミツバチの腹部の分泌腺(ぶんぴつせん)から分泌する。保湿性と光沢がある。化粧品に使われる。
カイコ以外にも糸を出す昆虫はいる。
没食子インク(もっしょくしインク):タマバチという昆虫から生まれるインク。タマバチは『虫こぶ』という突起を植物につくる。
虫は色をつくる:赤い色は、カイガラムシの仲間「コチニールカイガラムシ」からとる。
マジックテープ:植物がヒント
ドローン:トンボがヒント
都市部でも昆虫は生きている。
ゴキブリは人よりも放射能に強い。
プラスチックを食べる虫がいる。ミールワーム(チャイロゴミムシダマシの幼虫)
この部分を読んでいて思いついたのが、認知症の薬で『レカネマブ』です。自分は、製薬会社への株式投資をしているので知ったのですが、アルツハイマー型認知症の原因となっているアミロイドβ(べーたー)というたんぱく質を取り除く性質がその薬にあるそうです。
虫がプラスチックを食べるように、認知症の原因になっているたんぱく質を薬が食べていくようすが重なるイメージがわきました。
203ページあたりの記述内容は不思議で奇妙です。虫が逆に戻っていくのです。おとながあかちゃんに戻っていくのです。なんというか種の生存への執念が強い。
209ページに『この100年ほどのあいだに、地球の生態系はかつてないほど急激な変化を遂げた……』とあります。同感です。100年前ですから、わたしが生まれたころに近くなります。たしかにわたしがこどものころには、身近にたくさんの虫がいました。
『昆虫がダメージを受ければ、ヒトもダメージを受ける……』とあります。同感です。生態系を壊したら最終的にはヒトも滅びます。
昆虫をおびやかすものです。
1 土地開発
2 気候変動
3 農薬使用、遺伝子操作
住み家を守る。
夜も明るい街は昆虫には生きにくい環境にある。
昆虫たちは快適な環境を求めて移動している。
昆虫の保護が、地球の保護につながる。
236ページある『おわりに』の部分を読みました。
日曜日の午前中に放送されるNHKラジオ番組『こども科学電話相談』を思い出しました。昆虫を好きなこどもたちがいます。昆虫を大切にすることは、ヒトを大切にすることにつながるというような文脈で文章が書いてあります。
238ページに謝辞があります。(しゃじ:お礼(おれい))
ここで初めてわたしは、著者が女性であることを知りました。著者には、夫とこどもたちがいます。
『……やさしい夫チェーティルはすばらしい忍耐心の持ち主で、夜遅く励むわたしにお茶とバターつきのパンを持ってきてくれた……』とあります。いいご主人です。
240ページ、監修者のあとがきでは、森の中に虫がいなくなったと嘆いておられます。(なげいて:悲しみ、怒り(いかり)、満たされない思い)
どうしたらいいのだろう……
むずかしい。
(この本を読んでいたとき、朝早くのテレビニュースで聴いたことです)
福島県の田村市役所に『昆虫課』という部署ができたそうです。
観光交流課というところの所属で『ムシムシランド』への誘客を指導するそうです。
バーチャル組織だそうです。(バーチャル:仮想的な空間)
いろいろな取り組みがあります。
職員はいませんが『カブトン課長』がいるそうです。
田村市は、カブトムシが有名らしい。
昆虫の話です。
まず、思い浮かべるのは先日読んだ本です。『中村哲物語(なかむらてつものがたり) 大地をうるおし平和につくした医師 松島恵利子 汐文社(ちょうぶんしゃ)』
中村哲さんは小さいころから昆虫に対する興味が強く、こどものころは、将来昆虫を研究する人になりたかったという記憶です。
次に思い出すのはタレントの井上咲楽(いのうえ・さくら)さんです。番組『新婚さんいらっしゃい』の司会進行を藤井隆さんといっしょにされています。
井上咲楽さんは、昆虫食をされる人です。びっくりしました。以前、太川陽介さんと村井美樹さんの路線バス対鉄道対決旅で、たしか、場所は北海道で、村井さんの鉄道チームの一員としてゲスト出演されました。そのとき、道を歩いていたのですが、虫を見つけると立ち止まり、虫を食べようとするような言動をし続けられたのです。ほんとうにびっくりしました。美女であり、とてもそのような趣向があるとは思えません。ただその後、ほかの番組で昆虫食のことを知り、気持ちが悪くなるようなことではないということを知りました。カルチャーショックです。(自分の常識とはかけはなれた異文化のありように不安をもつ)
(1回目の本読み)
最初から最後まで全部のページをゆっくりめくりながら、なにが書いてあるのかを把握します。(はあく:内容を理解する)
自分にとっては不思議な本です。
目次に『自然界の“掃除人” 死骸と糞の分解』とあります。昆虫を人のようにたとえてある本です。
いい感じの出だしです。
『わたしは昔から外で過ごすのが好きで、とりわけ森の中にいると心が安らぐ……』熊じいさんも、朝、森の中を散歩しています。動植物たちがいる自然に触れていると心が安らぎます。
13ページ、(昆虫は)恐竜より前からいたらしい。(そうだろうなあ。ゴキブリが最強の昆虫という思い込みが自分にあります)昆虫は、約4億7900万年前に現れたそうな。わたしが自作した歴史ノートでは、恐竜は地球上に紀元前2億年前ごろに登場しています。
翅(はね):この単語がキーワードになるらしい。昆虫が生き延びることができた能力が飛翔能力なのでしょう。(ひしょう:空中を飛ぶ)
なるほど『小さな体は高性能 足は6本 翅(はね)は4枚 触角は2本』すばらしい体格、仕組みです。人間以上かも。
昆虫の血の色は? とあります。
わたしは長いこと生きてきましたが、昆虫の血を見たことはありません。透明なお汁のようなものは見たことはありそうです。
蛇足(だそく。むだばなし)ですが、小学生の時に観た邦画『ガメラ対バルゴン』では、怪獣の血の色は緑色でした。映画館でクイズに答えてなんとかをもらおう!というクイズ問題でした。ああ、あのころ、お酒飲みでろくでもないオヤジとふたりでよく映画館に邦画を観に行きました。クレイジーキャッツのいいかげんなサラリーマンの映画も見ました。オヤジはたいてい客席でイビキをかいて寝ていました。クレイジーキャッツの植木等さんもうちのオヤジもとうの昔に亡くなりました。ちょっとわびしい。
40ページ『ダンシングビー』踊るハチでいいのでしょう。ハチが発情しているのか。
わたしは中学生の時に小鳥のジュウシマツをたくさん飼育していました。ジュウシマツは発情期になると、枝の上でしきりにダンスをします。「クルクルクルクルクックッピン!」というような鳴き声を出していました。
中学生のわたしは、ジュウシマツがたくさん生まれると、百貨店のペット売り場に売りに行っていました。たしか一羽140円ぐらいで引き取ってもらえました。ペットショップでは一羽780円ぐらいでわたしが売った鳥を売っていました。
49ページ『昆虫たちの”婚活”事情 ― 生殖と繁殖』(そうか、虫の世界もたいへんだ)
60ページ『ビヨンセは正しかった』
ビヨンセ・ノウルズ:1981年生まれ41歳。アメリカ合衆国の女性シンガーソングライター、ダンサー、女優、音楽プロデューサー(新種のアブの名前が『スカプティア・ビヨンセアエ』と名付けられた。1981年ビヨンセが生まれた年と同じ年に発見された。あわせて、ビヨンセのように「美尻」だったそうです。虫のお尻のことです)
62ページ『父はいないが祖父はいる』(なんのことだろう?)
66ページ『イクメン昆虫』(やはり人間界のようだ)
68ページ『食べて、食べられて』(なかなか厳しいものがあります。自然界の食物連鎖ですな)
72ページ『ツチハンミョウの賭け(かけ)』
ツチハンミョウ:昆虫。同じようなタイプの虫の総称
ここまでページをめくって、最初はとっつきにくさを感じたのですが、なかなかおもしろそうな内容です。読む興味が湧いて(わいて)きました。
85ページ『ワニの涙をすする』(そんな虫がいるのか)
97ページ『農耕のベテラン』(昆虫は農民のイメージがありますな)
99ページ『ペットはアブラムシ』(人間的です。いや、人間のほうが、昆虫的なのかも)
106ページ『虫なんて気持ち悪いから、いなくてもいい』(そう思う人は多い)
121ページ『一杯のコーヒーのかげで』(なんのことについて書いてあるのだろうか?)
129ページ『昆虫食は普及するか』(また、井上咲楽さんの笑顔が脳に浮かびました。彼女は「ハイ!」とごきげんな返事をするでしょう)
212ページ『何が昆虫をおびやかしているのか?』(人間による自然破壊でしょうな)
234ページ『昆虫とヒトの未来のために』(そこがだいじです)
236ページ『おわりに』
まだ読んでいないけれど、先にここを読みます。
240ページ『監修者あとがき』
昆虫博士の方だろうか。
(2回目の読書)
著者:ノルウェー生命科学大学の教授をしている。研究者、教員、科学コミュニケーター
論文の検証や自分の研究発表を行っている。
昆虫学者であることをばかにされることがある。そんな学問が、何の役に立つのだと。
1 昆虫は、魚、鳥、コウモリなどのエサとして欠かせない。昆虫がいなければ、命をつなぐことはできない。
2 昆虫が、ヒトの病気を治す材料、素材、原料になることがある。たとえば、抗生物質
3 昆虫には生きる権利がある。生まれてきた生き物にはすべて生きる機会(チャンス)が与えられる。
昆虫が、この地球を支えているそうです。説得力があります。
昆虫という存在があるから、地球は回り続けている。
前半は、昆虫の話。体の仕組み、知覚の方法、種としての多様性、分類など。
後半は、ヒトと昆虫との関りについて述べる。昆虫は人間界で危機に陥っている。(おちいっている)
昆虫は体が三つの部分に分かれている。
「節足動物門」に属している。
「頭」「胸」「腹」に分かれている。
骨はない。外骨格が全身を包んでいる。
外骨格が古くなると脱皮する。
トンボの眼の優秀さについて書いてあります。
トンボは有能な狩人(かりゅうど)なのです。
アリのことについて書いてあります。
本能とはいえ賢い。
社会性昆虫:ミツバチ、スズメバチ、アリ
(つづく)
ハンス:ドイツ生まれの馬。愛称『賢馬ハンス』。1900年代前半に活躍した。馬なのに、数を数えられるし、計算もできた。飼い主は数学教師のヴィルヘルム・フォン・オーステン。(じっさいは、馬に人間の表情を読み取る能力があって解答することができていた)
ハチ:ハチは、数字を4まで数えることができる。(これは事実だそうです)ハチは色を識別できる。ダンスで場所を仲間のハチに伝えることができる。
以降、ハチの能力の高さについての説明があります。(そうか。2年前にわたしの自宅にハチの巣ができて、わたしはハチと戦ったことがあります。なかなか手ごわい相手で、わたしは恐怖感をもちました。ハチは、わたしの顔を認識していて攻撃してきたのです)
クモは昆虫の仲間ではないそうです。
では何なのか。「ダニやサソリに近い生き物」だそうです。よくわかりません。昆虫は足が6本、クモは足が8本、昆虫は、頭・胸・腹の組み合わせでできている。クモは、(頭・胸でひとつ)・腹の構造になっている。
昆虫の性生活について詳細に書いてあります。
子孫を残すことに全力を注いでいます。
オスもメスも真剣です。
昆虫は環境への適応能力が高いそうです。
シロアリの女王は、一生ずっと、3秒に1個のペースで卵を産んでいるそうです。おそるべし、シロアリ
本の中身は、無限に続く昆虫の世界のありようについて熱く語られていきます。かなり広い世界です。
ワニの涙をチョウとハチが吸う。右眼と左眼に分かれて吸う。貴重な塩分をワニの涙から摂取するそうで、ありふれた光景だそうです。たいていの人間が知らない昆虫の世界があります。
昆虫が養殖をするような記述が90ページにあります。もちつもたれつです。やりすぎると、相手が絶滅してしまうから、ある程度のところで踏みとどまり、共生をめざすのです。お互いに次世代に命をつなぐのです。昆虫たちは子孫を残すために必死です。
本では、ショートエッセイの連続で、昆虫の生態を浮き彫りにしていきます。
昆虫の種類は多種多様で、さまざまな昆虫としての生き方があり、本を一度読んだだけではすんなり理解できないこともあります。興味があれば、何度でも読む本です。
マナ:旧約聖書に登場する驚異の食物が『マナ』だそうです。著者によると、マナというものは、樹液を食べる昆虫が排泄した甘い露(つゆ)の結晶で、名称は『マナコナカイガラムシ』ではないか。
エコな健康食。昆虫は栄養価が高いそうです。牛肉に負けないたんぱく質がある。脂肪は少ない。コオロギの粉末は、牛乳よりカルシウムが多い。鉄分はホウレンソウの二倍ある。昆虫食は体によく、環境にもやさしい。世界の人口増加による食糧不足を救うのが昆虫食と読み取れます。
先日読んだ『中村哲物語(なかむらてつものがたり) 大地をうるおし平和につくした医師 松島恵利子 汐文社(ちょうぶんしゃ)』では、中村哲さんがアフガニスタンの乾燥した土地で食べ物を育てるために乾燥に強い作物を選んだ経過が書いてありました。『乾燥に強い農作物を植える。なんでも研究です。サツマイモ、ソルゴー(イネ科の一年草。モロコシ)、お茶、蚊を退治するための除虫菊(じょちゅうぎく)など』それが、こちらの本では、昆虫食という方向性です。
昆虫食の普及について書いてあります。(ふきゅう:一般社会に広くゆきわたること)
昆虫の姿が丸見えのまま昆虫料理として出すのは抵抗感が強い人が多い。(ああ、飲み屋さんでゲテモノ料理という位置づけで出している料理を思い出しました)
読んでいて、ガソリン車→電気自動車、肉料理(牛)→バッタ、寿司→ムシ(虫)というようなイメージで先々(さきざき)食生活の一部に変化がありそうです。
虫を家畜としてとらえる。人間が食べるための動物として扱う。
1885年頃に、ホールトという人が『昆虫食はいかが?』という本を出しているそうです。未来は本当にそうなりそうです。昆虫食は気持ち悪いと否定できない世の中が訪れるのでしょう。なにせ食べなければ死んじゃうのですから。そして、食べてみると、あんがいおいしかったりもするのです。
134ページ、なんとなく理解できる項目です。『第6章 自然界の“掃除人” -死骸と糞の分解 』です。
蜜蝋(みつろう):ミツバチが巣をつくるための材料として使用するロウ。ミツバチの腹部の分泌腺(ぶんぴつせん)から分泌する。保湿性と光沢がある。化粧品に使われる。
カイコ以外にも糸を出す昆虫はいる。
没食子インク(もっしょくしインク):タマバチという昆虫から生まれるインク。タマバチは『虫こぶ』という突起を植物につくる。
虫は色をつくる:赤い色は、カイガラムシの仲間「コチニールカイガラムシ」からとる。
マジックテープ:植物がヒント
ドローン:トンボがヒント
都市部でも昆虫は生きている。
ゴキブリは人よりも放射能に強い。
プラスチックを食べる虫がいる。ミールワーム(チャイロゴミムシダマシの幼虫)
この部分を読んでいて思いついたのが、認知症の薬で『レカネマブ』です。自分は、製薬会社への株式投資をしているので知ったのですが、アルツハイマー型認知症の原因となっているアミロイドβ(べーたー)というたんぱく質を取り除く性質がその薬にあるそうです。
虫がプラスチックを食べるように、認知症の原因になっているたんぱく質を薬が食べていくようすが重なるイメージがわきました。
203ページあたりの記述内容は不思議で奇妙です。虫が逆に戻っていくのです。おとながあかちゃんに戻っていくのです。なんというか種の生存への執念が強い。
209ページに『この100年ほどのあいだに、地球の生態系はかつてないほど急激な変化を遂げた……』とあります。同感です。100年前ですから、わたしが生まれたころに近くなります。たしかにわたしがこどものころには、身近にたくさんの虫がいました。
『昆虫がダメージを受ければ、ヒトもダメージを受ける……』とあります。同感です。生態系を壊したら最終的にはヒトも滅びます。
昆虫をおびやかすものです。
1 土地開発
2 気候変動
3 農薬使用、遺伝子操作
住み家を守る。
夜も明るい街は昆虫には生きにくい環境にある。
昆虫たちは快適な環境を求めて移動している。
昆虫の保護が、地球の保護につながる。
236ページある『おわりに』の部分を読みました。
日曜日の午前中に放送されるNHKラジオ番組『こども科学電話相談』を思い出しました。昆虫を好きなこどもたちがいます。昆虫を大切にすることは、ヒトを大切にすることにつながるというような文脈で文章が書いてあります。
238ページに謝辞があります。(しゃじ:お礼(おれい))
ここで初めてわたしは、著者が女性であることを知りました。著者には、夫とこどもたちがいます。
『……やさしい夫チェーティルはすばらしい忍耐心の持ち主で、夜遅く励むわたしにお茶とバターつきのパンを持ってきてくれた……』とあります。いいご主人です。
240ページ、監修者のあとがきでは、森の中に虫がいなくなったと嘆いておられます。(なげいて:悲しみ、怒り(いかり)、満たされない思い)
どうしたらいいのだろう……
むずかしい。
(この本を読んでいたとき、朝早くのテレビニュースで聴いたことです)
福島県の田村市役所に『昆虫課』という部署ができたそうです。
観光交流課というところの所属で『ムシムシランド』への誘客を指導するそうです。
バーチャル組織だそうです。(バーチャル:仮想的な空間)
いろいろな取り組みがあります。
職員はいませんが『カブトン課長』がいるそうです。
田村市は、カブトムシが有名らしい。