2018年01月04日

くちなし 彩瀬まる

くちなし 彩瀬まる(あやせ・まる) 文藝春秋

 短編7本のうち、2本を読んだところで感想を書き始めます。
 正直、何が書いてあるのか理解できません。
 ほかの人には、訴えるものが伝わってくるのだろうか。
 それから、カバーの絵は、何の絵だろう。くちなしには見えない。

「くちなし」
 書き手は心の病ではなかろうかというような内容です。
 未来小説を目指したとは思えない。
 好き嫌いが別れる作品です。わたしには合わない。
 不倫の別れ話です。
 別れる条件として、相手の左腕をもらいます。
 無理。わからない。
 詩の世界なら、こういう素材の扱い方があると思いますが、小説には向かない。

「花虫」
 若い夫婦の出会いから始まります。
 彼の体に虫がいるのです。彼女の顔には紫色の花が咲いている。
 わけがわからない。
 葬儀と結婚式は似ているとあります。(似ていないと思う。)
 虫が人間を操る。
 「偽物」の意味をとれない。
 わからなかった単語として、「蠱惑的:こわくてき。惹きつけ惑わす」
 ちんぷんかんぷん。

「愛のスカート」
 美しい文章です。
 ようやく、少しだけ慣れました。
 美容師のミネさんが、鎌倉に住むトキワ社長(ミネと同い年)の髪をカットしに行きます。
 社長は人嫌いとい設定ですが、人嫌いの人は、社長職を、ふつうはしません。
 前作が美大生、本作も美術系の設定ですから、芸術関係会社ではそういうこともあるのでしょう。
 調べた言葉として、「スウェット:汗を吸い取りやすい生地で、裏がタオル地」、「シュシュ:ドーナツ状の装身具。髪飾り、腕輪」
 男を追いかける女のお話。これまでの2作が奇抜だったので、ここで気持ちが落ち着きました。

「けだものたち」
 化身。心が不安定な思春期、高校生ぐらいの時期の発想です。
 独特な世界です。
 うーむ。女性向きの小説なのでしょう。
 読み終えて、「わからない」

「薄布」
 読み終えたけれど、なんだかなあ。
 “北の子”は、北朝鮮の子としか発想できない。

「茄子とゴーヤ」
 作中によく蛇が出てきます。蛇と言えば、この作家さんというぐらいイメージが強くなります。
 この短編は秀逸です。出色の出来です。(目立って優れている。)
 本のタイトルは、「くちなし」ではなく、「茄子とゴーヤ」のほうがいい。
 それから、奇抜な設定・記述の作品数は減らして、この「茄子とゴーヤ」パターンの作品数を増加させたほうがいい。

 床屋と美容院の設定も多い。ひとり経営美容師は、だれに自分の髪をやってもらうのだろう。自分でやれるのかもしれない。

 結婚生活、子育て生活が重荷だったことがよく伝わってきました。

 一人称での語りがとてもいい。

「山の同窓会」
 気に入った表現として、「なんで産まないの?」
 かなり独特です。ついていけない。産卵=出産?
 ウシかヤギの話だろうか。
 途中で読むことに挫折しました。斜め読みをして終わりました。


〇収録全編をとおして、登場人物の名前が、下の名前だけの表記で、カタカナです。なんらかの効果と対策のためでしょう。ただ、それだと、世界が狭くなってしまう。もっとも、狭い世界を表現したい意図がありそうです。

調べた言葉として、「未開梱:みかいこん。荷物が開いてない」、「獰猛:どうもう」、「シニヨン:ポニーテールを丸くまとめたもの」

気に入った表現として、「熟年離婚」、「いつからかわたしは家を鳥かごでかこんでいた…」、「濡れた桃(果実単体)の肌」、「いい妻ごっこ」


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