2024年04月18日

大河への道 邦画 2022年

大河への道 邦画 2022年(令和4年) 1時間51分 動画配信サービス

 いい映画でした。
 日本国の測量をした千葉県香取市出身伊能忠敬(いのうただたか。地元では『ちゅうけいさん』と親しみを込めて呼ぶそうです)を題材にして、内容は、名も亡き測量隊の人たちの苦労と努力が描かれていました。みなさん熱演でした。

 伊能忠敬氏が亡くなるのですが、彼の死を公表すると、江戸幕府から測量調査等のための予算が配分されなくなって、日本地図の製作が中途半端で終わってしまうのです。
 だから、伊能忠敬氏が死んだことを伏せて、事業を継続するのですが、それなりに苦労が伴います。

 先月終わった金曜夜のテレビドラマ、『不適切にもほどがある』のタイムトラベルみたいに、現代の千葉県知事や千葉県香取市役所の職員が、江戸時代である西暦1821年頃を行ったり来たりするのです。現代のメンバーと江戸時代のメンバーが重なるのです。

 なんのために地図をつくるのか。
 日本国を他国(ロシアやイギリスなど)から守るためにつくるのです。諸外国の植民地にされることを防ぐのです。軍事目的です。
 のちの世の人たちのために日本地図を完成させる。日本が欧米諸国の植民地にならないようにする。
 日本地図づくりは、開始から17年間かかっているそうです。
 『志(こころざし。目標・目的)』を貫く(つらぬく)。
 だれしも終わりの時が来る(死)。自分の志(こころざし)を継いでくれる者を育ててこの世に遺して(のこして)おきたいと思う。

 歴史上の事実として、伊能忠敬氏の死後三年たってから、地図が完成して、同時に、彼の死を公表した。
 言い出しっぺの人物が死んだことを隠して、残ったメンバーで地図づくりを続ける。幕府にばれたら死罪もありえます。(今でいうところの税金を原資にした予算の不正使用です。されど、不正をしなければ、国防という大きな組織目標を達成することができないという事情があります)。緊張感がありました。
 以前読んだ本に、ペリーが来航したとき、江戸幕府は、そのときはじめて開国を迫られたわけではなくて、何年も前から、複数の国に開国を迫られて断っていたと書いてありました。外国はまずは、日本と貿易をしてお金を稼ぎたかった。

 勘定奉行(かんじょうぶぎょう):江戸幕府の役職。財政担当。指揮監督権あり。

 クライマックス付近の話のつくり方がうまい。
 伊能忠敬氏のはいていた草鞋(わらじ):草鞋には、「忠」の文字が埋め込まれている。
 
 江戸時代の日本は、江戸幕府の独裁国家です。
 
 名ゼリフとして、江戸幕府の要職者から、『伊能はどこだ』と問われて、『伊能は、次の間に控えております。(次の間に、大きな日本地図が広げてある)』
 美しい地図です。立派な地図です。巨大です。
 すごいなあ。いい脚本です。
 いい映画でした。
 『まこと、大儀であった。あとはゆるりと休むがよい。(ごくろうさん)』
 『恐悦至極に存じます。きょうえつしごくにぞんじます。(気を使っていただき、たいへんおそれ多いことでございます)』

 考えながらコツコツと、まずは歩きだし、歩きながら考えだす。みんなで力を合わせて、大河への道を歩いて行きましょうという呼びかけも良かった。

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