2024年05月31日

東野・岡村の旅猿25 ランジャタイと富山県満喫の旅

東野・岡村の旅猿25 プライベートでごめんなさい ランジャタイと富山県満喫の旅 Hulu(フールー)

 以前三重テレビで、再放送ですが、千葉テレビの『白黒アンジャッシュ』という番組を観ていました。
 今回の旅猿のゲストであるお笑いコンビのランジャタイが出演したことがありました。
 『白黒アンジャッシュ』は、アンジャッシュのひとりについて不祥事のニュースが流れたあとしばらくして、三重テレビでの放送が中止されました。残念ですがしかたがありません。スポンサーがつかないのでしょう。

 ランジャタイのおかっぱ頭の人は、最初女性だと思いました。男性でした。

 伊藤幸司:鳥取県出身。おかっぱ頭の人。(あとでかつらだとわかりました。かつらをとると若い。大学生に見えます。ちょっと女の子っぽい)

 国崎和也:富山県氷見市(ひみし)出身。なんというか、映像を観ていて、変な芸風を売りにしている人です。なにかを選択するときに、躊躇(ちゅうちょ。ためらう)するのです。そして、結局何も選択しないか、選択してもたいしたものは選ばないのです。
 東野幸治さんいわく、彼の芸風だそうです。
 本人の言う出だしは、『いや~どうしよう(わざとです)』
 めんどくさい人です。
 食事場所で、ノンアルコールビールだけを頼んだり、ハト麦茶だけを頼んだりしました。
 お店にとっては、迷惑な客です。店に入ったなら、ちゃんと料理を一人前頼んでください。芸はステージの上だけにしてくださいな。(まあ、この旅も仕事か。(企画として)つまんないなーー。わざとらしい旅です)
 
 旅猿という番組自体は、今回の富山県訪問で、日本全国47都道府県すべてを訪問したことになるそうです。たいしたものです。
 初期のインド旅行のときから、ぽつりぽつりと見ていますが、長い歳月が流れました。
 2008年1月(平成20年)ころから放送されています。

 今回の企画での1回目の放送は、富山駅前からスタートです。
 まだ半世紀ぐらい前、自分が18歳だったころ、ひとり旅で富山へ行きました。富山市内に住んでいた友だちを訪ねて行きました。
 夜行列車で行って、朝方富山駅に着いて、歩いて富山城跡のそばを通って、友だちのアパートへ行きました。そんなことも遠い昔のことになりました。
 今回映像で見る富山駅前は、自分の記憶にあるものとは風景が変わっていました。

 意味がよくわからなかったのですが、たぶんランジャタイの国崎さんのギャグなのでしょうが、ロケバスのステップ(階段・段差)をのぼれないようすで、みんなが、国崎さんの手足をもって車内に運び入れました。そのあと今度は、シートベルトの着脱ができないと言い出しドタバタシーンがありました。わざとです。芸風だそうです。めんどくさい人です。
 
 そのあとメンバーの訪問先で、『世界一美しいスターバックス』というのも意味がわからなかったのですが、突然の訪問だったためお店の撮影許可がおりませんでした。珍しい。

 特段の山場もなく一回目の放送が終わりました。
 次回は、国崎さんの郷里である氷見市(ひみし)を訪問するそうです。
 能登半島の付け根で、半島の東側にある市です。

(つづく)

 正直、なんだかつまらない番組の内容です。
 内輪(うちわ)で盛り上がるけれど、見ているほうはしらけます。
 国崎さんは、地元氷見市(ひみし)を訪問したわりに、氷見市のことを知らない様子です。芸風として、わざとそういう冷たい態度をとっているとしたら、見るほうもまじめに見る気が失せます。(うせます)
 いちおう18年間、氷見市で過ごしたそうですが、覚えていることはあまりないというような話でした。
 ロケをしている場所が、能登半島地震の被災地あたりである話は何も出ませんでした。

 見学場所としては、昭和時代が感じられる展示館がありました。
 展示館の男性が似顔絵を描くのがじょうずでした。
 東野さんと岡村さんの似顔絵がよく似ていました。

 藤子不二雄Aさんの展示館の展示がきれいでした。

(つづく)
 
 お寺さんに行って鐘をつきます。
 ひもでぶらさがっている棒で鐘をつくのではなく、1本の太い木の棒を右肩にのせて、体を横にふって、木の棒を鐘にあてて、音を出すのです。かなり力がいります。
 じっさいお祭りでやるときは、ひとりひとりの競争で、1分間に何回つけるかを競います。多い人で100回、今回お手本を見せてくださった地元の力持ちの男性で90回ぐらいつけるそうです。
 旅猿のメンバーは、1回もつけていませんでした。太い木の棒の前後を地元の人に持ってもらって、かすかに1回、東野さんがつきましたが、それはインチキです。
 国崎さんは、かすかにちっちゃい音がしました。
 伊藤さんは、だめで、このときに、伊藤さんは、かつらをかぶっていることがわかりました。かつらを脱いでも頭髪はふさふさでたくさんでした。
 伊藤さんは、力がなさそうな人です。
 岡村さんは、背の高さが足りないので、最初からリタイアでした。

 次は、富山県住みます芸人吉田サラダさんと奥さんが営むお店訪問です。フルーツサンドのお店を訪れてお食事タイムです。
 桜が咲いている風景です。
 パフェがおいしそうでした。見ていて、わたしも食べたいという気持ちになりました。
 迷うふりをする国崎さんです。ボケだそうです。見ていて不愉快になります。国崎さんはメニューを見て迷うふりをしてまた注文を後回しにします。つまらないギャグです。もうこの人はこの番組に呼ばないでほしい。不快です。
 それでも、店内での雰囲気はにぎやかで楽しそうでした。仲間内(なかまうち)の盛り上がりです。
 吉田サラダさんが、自分は芸人だから気にしないが、自分の奥さんが国崎さんの言動に困っていると伝えます。国崎さんは、結局またお茶だけ頼まれました。

 日本のベニスという川と桜の木があるところへ行きましたが、日曜日だというのに、観光客はだれもいません。地元の人たちもだれひとりいません。静かです。
 旅猿らしい。からぶりの訪問シーンです。いつだったか、中国へ海外旅行に行ったときに、大きくて広い池で、小舟にのって長時間ぼーっとしていたシーンを思い出しました。意味のないようなむだな時間ができるのが、この番組、『旅猿』の特徴です。
 
 アニメマンガと子ども時代のクラブ活動の話が出ました。
 国崎さんは、バスケのアニメマンガを見て、バスケットボール部に入る。
 サッカーのアニメマンガを見て、サッカー部に入る。
 テニスのアニメマンガを見て、テニス部に入る。
 囲碁のアニメマンガを見て、囲碁部に入る。
 伊藤さんは水泳部だったそうです。
 東野さんがクロールで100mをどれぐらいの時間で泳いだのか?とたずねたら、20秒ぐらいと返事がありました。へんです。100m陸上でも10秒で走ればかなり速いほうです。クロールで100mを20秒ぐらいで泳げるはずがありません。
 なんだか、頼りないランジャタイのふたりです。
 ランジャタイの意味:奈良市にある正倉院(しょうそういん)に収められていた香木(こうぼく)のこと。
 
(つづく)

 このあと気づいたのですが、大相撲五月場所で優勝した力士の出身地の町がこの番組の訪問地のお隣に位置していました。
 小さな町のようです。やはり、才能ある人は、どこで生まれても世に出てくるものだと納得しました。地方のいなか町とか、離島でも世に出てきます。

 晩御飯でカニ料理を食べます。
 白エビのソーメンが出ます。白エビと白エビが練りこんである麺(めん)です。珍しい。
 カニは身が太い。おいしいでしょう。
 国崎さんがまた拒否的です。『カニみそ』がガチでNGだと言って食べません。地元富山の名物だと思うのですが、場の雰囲気が冷たくなります。食べろよと東野さんが怒ります(おこります)。東野さんから、一日中ツッコミ役をやっていたから疲れたという言葉が出ます。(国崎さんがボケまくるので)
 カニ料理は豪華です。見ていて、働いて苦労体験をした人が食べる食事だと思いました。
 ランジャタイが漫才ネタを披露するという流れになりますが、東野さんと岡村さんは食事中でもあり、もうやらなくていいよという雰囲気です。
 
 宿泊するお宿は、絶景の露天風呂なのですが、夜なので暗くて映像では景色は見えませんでした。だけど、入浴しているメンバーたちに言わせると、サイコーだそうです。
 ランジャタイの漫才のネタは、ほかの漫才師さんがやるパターンに似ていました。なにかを提示したあと、それではない。『なになにじゃない』というパターンでした。
 たしか、そのパターンは、ミルクボーイという漫才コンビの芸風でした。
 ランジャタイの漫才は、ばかばかしいけれど笑える中身でした。

 最後の撮影シーンとして訪問した幼稚園で、ようやくまともな人間だとわかりました。国崎さんのことです。国崎さんが卒園した幼稚園です。担任の先生との久しぶりの再会シーンでした。なかなか良かった。
 国崎さんは、ちゃんとした人間なのにどうして変な人間を演じるのかわかりません。
 以前太川陽介さんと村井美樹さんの、『バスVS鉄道対決旅』に出た、『お見送り芸人しんいち』さんという方と個性が重なりました。しんいちさんも素(す)は好青年なのに、わざと人から嫌われるような言動をされるのがキャラみたいですが、見ていて、いい気持ちがしませんでした。

 次回の旅先は福島で、ゲストはロバート秋山さんです。
 ロバート秋山さんはいま日曜日の大河ドラマの映像でたくさん出ています。
 楽しみです。  

2024年05月30日

中高年のアイドル綾小路きみまろ爆笑スーパーライブショーを見る

『中高年のアイドル綾小路きみまろ爆笑スーパーライブショー』を見に行く。愛知県半田市雁宿ホール(かりやどホール)

 これまでに、本は3冊読んだことがあります。

 『老婆は一日にして成らず 綾小路きみまろ PHP研究所』、以下は感想メモの一部です。
 書店で思わず手にしてしまいました。文章読みと実際の漫談を聞くのとは違います。文章だと笑いにくいものですが、文章にリズム感があります。半分ほど読んでからYou Tubeを見ました。笑いました。文章どおりの語りが続きます。楽しい。
 情熱に圧倒されます。ずば抜けた記憶力と体力、そして努力はたいしたものです。若い人たちには実感がないだろうけれど 老境にさしかかった身としては、話の内容に共感することばかりです。
 文章を読みながらでも思わず笑ってしまいます。学習の上積みがあります。歴史、地理、文学などです。芸は完成の域に達しています。
 観客は平和な夫婦です。やさしい連れ合いがいます。耐えてきたからこそ今、笑うことができるという人生の経過があります。

『一つ覚えて三つ忘れる中高年 綾小路きみまろ PHP研究所』
 真実だから笑うことができます。そして、平和です。
 韻(いん)を踏むことが作者の特徴で、たて続けに類似語を並べていき、オチでポンと転換させます。非常にリズミカルです。 作者の身近には、音楽とか川柳があったのでしょう。
 長い間夫婦とか家族をやっていると、過去を思い出して、連れ合いとかこどもたちに迷惑をかけてしまってごめんなさいと後悔することが多いのですが、この本は、みんな一緒の行動をしているのだから安堵(あんど)しなさいと慰めてくれます。

 『しょせん幸せなんて、自己申告 綾小路きみまろ 朝日新聞出版』
 まじめな本でした。今年読んで良かった1冊です。語り口調の文章です。笑いが漏れます。めげないで! という励ましがあります。
 作者と類似体験があるので共感できます。
 最終学歴は、『自動車学校』だそうです。笑いました。

 いつかご本人を観てみたいと思っていました。本読みとか映像ではなく、実際のご本人によるショーを観てみたい。笑えて楽しいだろうなあ。
 先日、『徹子の部屋』にゲストで出演されました。鹿児島から出てこられて苦労されています。
 自分が住んでいる愛知県内でショーがあることを知りました。
 申し込んでチケットを手に入れて観に行ってきました。
 愛知県半田市は、『ごん狐(ごんぎつね)』の童話で有名な、児童文学作家である新美南吉さん(にいみ・なんきちさん。1913年(大正2年)-1943年(昭和18年)29歳没)の故郷(ふるさと)でもあります。新美南吉記念館へは、家の車を運転して二度行ったことがあります。

 先日の日曜日に、今回は赤い名鉄電車に乗って、夫婦で、『中高年のアイドル綾小路きみまろ爆笑スーパーライブショー』を観に行きました。楽しかったです。とてもおもしろい。笑いました。元気になりました。 行ってよかった。この日はこのあと帰宅して、大相撲の千秋楽をテレビで観戦しました。そちらも良かった。いい日曜日でした。












 思い出すままに毒舌漫談(どくぜつまんだん)の感想を並べてみます。

 はじめに、綾小路きみまろさんから、このホールでは6年ぶりの公演だと紹介がありました。ふと思ったのは、次回が6年後なら、綾小路きみまろさんは79歳になられる予定です。79歳で全国回りのこの仕事をやれているだろうかと考えると、ちょっと無理かもしれないと思いました。

 1時間15分間ぐらい、赤いえんび服(燕尾服。ツバメの尾をしたような上着の正装(せいそう)。格式が高い服装)を着た綾小路きみまろさんが、ステージ上を右に動いたり、左に戻ったりされて、いっときの休憩もなくひとり語りの熱演でした。

 綾小路きみまろさんが、ステージ前の座席で1列目から3列目あたりのお客さんたちを徹底的に毒舌(どくぜつ。厳しい悪口。毒をはくような言葉)でいじるのですが、どうもお客さんたちはそのパターンを知っておられるようで、どんなにひどいことを言われても、けしてお怒り(おいかり)にはなりません。むしろ、自分がけなされるようにいじられることを、楽しんでおられるようすでした。お客さんも綾小路きみまろさんも、心が広く、たいしたものです。うしろで見ている大多数の中高年層のお客さんたちは大爆笑でした。

 漫談の始まりで、中高年は、おしっこが近いという話をけっこう長い時間帯でされたのですが、漫談が始まって1時間ぐらいして、本当におしっこに立ったステージまんなか近くの座席にいたお客さんがいたのでびっくりしました。それはそれで笑いにつながりました。まあ、なんでもありですな。

 腰が曲がった、歩行が不自由な年配女性を何人もお見かけしました。おそらく、娘さんやお嫁さんでしょう、手を引かれてゆっくりと指定席に向かっておられました。漫談の内容と現実が一致するステージなのです。

 綾小路きみまろさんは、ステージ上で、中高年の女性の歩き方をマネされます。手をうしろにまわして、バッグを手に下げて、体は前に傾くようにして前方へと歩かれます。おじょうずです。よく観察されています。観客にとても、うけていました。

 まあ、下ネタも多い。
 頻尿に(ひんにょう)に始まって、おしめ(オムツ)で終わる話の流れでした。老衰で死ぬ寸前には、みな生まれてきた状態に戻るのです。
 
 お客さんを観ての顔いじりは、かなり激しい。
 若い時は、若いというだけで、ぴちぴちしてきれいです。歳をとってくると劣化してきます。
 その話を聞いていて、人前では口に出せませんが、若い時に見た細くて美しかった女優さんたちが、今はもうすっかり変わって、(体型も太くなって)同じ人とは思えない人もおられます。
 年寄りを老害扱いする若い人もいますが、だれもがそうなるのです。年寄りに対して文句を言っているあなたも歳をとるのです。歳をとってみるとわかります。それまではできていたのに、これからはできないことが増えるのです。認知症になったら別人格の人に変わったりもするのです。
 綾小路きみまろさんの年寄り責めとも思える口の攻撃はとどまるところを知りません。

 話を聞いていてみんなが、『そうそう』、『あるある』とうなずいているのがわかります。
 夫婦ふたりの毎日のお決まりの会話です。
 妻、『あなた何食べる?』、これが一日三食、朝昼晩と続くのです。この部分のくだり(話)がとても面白かった。実感があります。実際そんな感じで毎日が過ぎていきます。奥さんは最後に、もう自分で自分の食事をつくってくれと夫に怒ります。(おこります)
 綾小路きみまろさんが要所で使う言葉の単語は少なく、そのかわりインパクト(衝撃)は強く、同じ言葉を何度も繰り返す手法です。うまい。
 ち密です。言葉選び、言葉遊びが続きます。何度も練習して体で覚えた芸です。感服しました。

 ご自身の苦労話もあります。
 鹿児島県から東京に出て来て、キャバレーの司会がイヤだったとか、刑務所の慰問がイヤだったとか、本当の感情だと思います。
 同郷の森進一さんに声をかけられたことが転機になって、森進一さんのショーの司会を10年間やって、ほかの有名な歌手の方たちの司会も頼まれて、ここまでやってきましたというようなお話がありました。
 わたしは、仕事というのは、才能と努力と人間関係だと思っています。自分を支えてくれるいい人がいないとつらい仕事はなかなか長続きしません。人に恵まれるためには、人に奉仕することで、自分に願いが返ってくるということはあります。

 綾小路きみまろさんが、後半で何度も繰り返す言葉がありました。
 前席のお客さんたちに何度も声をかけます。『いろいろあったんでしょ?』、そして、『けっきょくそういうことです』、人は生きて、人は死んでいくのです。
 どこの夫婦にも山あり谷ありの人生波乱があります。思いがけない病気や事故、自然災害もあります。夫婦ゲンカも親子ゲンカもあります。こどもが生まれて育てて、進学させて就職させて、結婚させて孫ができて、老いた親の介護をして看取って(みとって)、その間に家も手に入れてという長い旅路のような人生を送ります。
 このショーを夫婦で鑑賞に来ている人たちは、今は平和な日々を送ることができるようになった中高年夫婦だと思うのです。みなさんお疲れさまでしたなのです。

 綾小路きみまろさんから、あの世へ旅立つ前にすべきことのアドバイスがあります。
 お金の話です。体の部分にたとえて、お金の話をされました。けっこう長い話でした。
 『けっきょくそういうことです。貯めたお金をあの世へ持って行くことはできないのです』
 なにかしら有益なことに使って、残り少なくなってきた人生の一日、一日を楽しみましょうということです。貯めたお金で、綾小路きみまろさんのショーを観て笑いましょう。娯楽を楽しみましょうなのです。いい一日でした。  

Posted by 熊太郎 at 07:26Comments(0)TrackBack(0)愛知県

2024年05月29日

恋愛脳 男心と女心は、なぜこうもすれ違うのか 黒川伊保子

恋愛脳 男心と女心は、なぜこうもすれ違うのか 黒川伊保子 新潮文庫

 男と女の本です。
 読むと、男と女の心もちは、正反対というぐらい違います。
 どうやって折り合いをつけていくのかが、永遠の課題です。
 著者は、男女の心理を観察して分析することが得意そうな方なので、書かれた本を読んでみることにしました。

 結婚しない人が増えました。
 結婚しない人は、この本を読んでも有益とは言えないのだろうか。
 自分の身のまわりを見渡すと、知り合いは、未婚が多い。結婚していても、子どもなし、孫なしが多い。
 いっぽう自分の親族は、子だくさん、孫だくさんです。
 どうしてそうなるのかわかりませんが、両極端な世の中になりました。

 女性は飴玉タイプ(あめだまタイプ)だそうです。
 女性は何回でも同じ話題を繰り返して盛り上がることができる。
 いっぽう男性は、効率優先で、機械的、ロボットのように動く。男には、『気持ち』というものがない。
 女性は長電話、男性は短い電話と例示があります。男の電話は、情報伝達だけ。

 この本を書いた当時(2003年です。もうずいぶん前です)、著者にはご主人はいないようです。(男関係に関して、よくわからない文章表現がしてあります)。11歳小学5年生の息子さんがいます。(本人は、作文はにがて。165cm、75kg、足のサイズが、26.5cmです。小学5年生にしては、かなり大きい体格です)
 ご主人はいないようですが、カレシはおられるようです。
 よくわからない家族構成です。

 文章にリズムがあるので読みやすい。

 『(三十歳までは)恋は、発情すればできる。』
 誤解を伴って恋をして、事実を知って恋が冷めて、そこから湧いてくる愛情はあると思います。
 女も男もお互いさまです。相手に不満が多くても、相手になにかひとつでも尊敬できるところがあれば、関係は継続できるということもあります。

 男性脳と女性脳の違い:脳梁(のうりょう)の太さが、男性より女性のほうが太い。男性のほうが細い。脳梁とは、右脳と左脳をつなぐ場所のこと。

 男性脳:キーワードは、『空間』。仕事の時は、家庭を忘れることができる。脳内に複数の、『空間』をもっている。浮気をしているときは、妻のことを忘れられる。
 男は、正しいか、正しくないかを基準にして物事を判定して行動する。
 男たちは、予算に応じて、形式が整うように物事を計画し構築する。

 女性脳:情緒は、時間がたつごとに、ゆったりと蓄積されていく。キーワードは、『時間』。仕事のときも家庭のことを考えている。女性は、『空間』をひとつしかもっていない。浮気をしているときもご主人のことは忘れていない。
 女は、好きか嫌いかで物事を判定して行動する。
 女子たちは、何が大切かを基準にして、優先順位をつけ、創造的なものをつくりあげる。男子のように、最初から形を整えることにはこだわらない。

 文章を読んでいて、これほど男性と女性の違いにこだわることはなかろうにという感想に達します。
 男性も女性も歳をとってしまえば、最後は、男性でも女性でもない中性になる感覚があります。
 人格もおぼろげになってきます。
 三十代から五十代は、しっかり者で、リーダーシップがあって、人に愛されていた人でも、歳をとればだれしも、ぼんやりとした人格に変化していきます。
 ときには、しっかり者だった人が、認知症になって、乱暴でへんな感じの人格に変化して、施設でないと対応ができなくなることもあります。人間とか人生の悲しみがあります。

 まずは、心身ともに健康でありたい。次に、男女に関係なく仲良しであるように努力は続けたい。文章を読んでいて思うに、男性は女性に頼り過ぎてはいけない。自分の身の回りのことを女性にやってもらおうと思ってはいけない。自分のことは自分でやる。衣食住についてです。
 さらに、女性のことも考えて、女性にサービスを提供していく気持ちを持ち続けなければならない。提供したサービスはいずれ自分に戻ってきます。
 そんなことを思いながら、こちらの本に書いてある文章を読んでいます。
 男性ならだれしも、熟年離婚は避けたい。
 男性は女性に、『(あなたに)おまかせします』と言えるようになったほうがいい。そう思いました。女性の言うことをきくのです。だまってやるのではなく、やる前に前もって女性に相談するのです。女性から断られたらあきらめるのです。
 女性が男性にかけるいい言葉が紹介されています。
 『しょうがないわねぇ』。男性も女性も満足できる女性の返答だそうです。
 男性のだめな部分を女性に受け入れてもらうのです。

 この本は2003年(平成15年)に単行本で出したそうです。
 もう21年も前になりました。今回わたしが読んだのは、文庫本です。
 なにかしらの縁があって結婚をして、どこのうちでも、他人同士がいっしょになれば衝突があって、それでもなんとか折り合いをつけて、子育てをして、働いて、夫婦の歴史を刻んでいきます。
 歳をとって、仲がいい夫婦というのはあまり見かけませんが、腐れ縁となってもいっしょにいられるのは、こどもたちや孫たちや、とりまく親族たちや友人のおかげということもあります。
 男脳でも女脳でもどちらでもいいから、就労能力も衰えてきて、生きていける時間の限りが見えてきた老齢期に入ってきたら、夫婦としてなんとか最後までお付き合い願いたいと思うのです。

(以上の文章を書いたその後のこと:先週の日曜日に愛知県半田市にある雁宿ホール(かりやどホール)で、『中高年のアイドル、綾小路きみまろ爆笑スーパーライブショー』を夫婦で観てきました)
 綾小路きみまろさんの毒舌(どくぜつ。厳しい悪口。毒をはくような言葉)がかなりきついのですが、大爆笑の館内でした。おもしろい。行ってよかったです。
 夫婦にもいろいろありますが、少なくとも、そのとき館内におられた中高年ご夫婦のみなさんは、山あり谷ありの長い人生を経て、今は、平和な位置にいて、いずれくるお迎えの日まで、これから先、一日一日を楽しんでいかれるのだろうと理解した次第です。  

Posted by 熊太郎 at 07:11Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2024年05月28日

いとみち 邦画 2021年(令和3年)

いとみち 邦画 2021年(令和3年) 1時間56分 動画配信サービス

 小説は読んだことがあります。
 『いとみち 越谷オサム 新潮文庫』以下は、感想メモの一部です。
 「いとみち」とは、津軽三味線を弾くと左指にできる三味線の糸の跡(溝)です。主人公相馬いと16歳高校1年生女子の名前の由来でもあります。昔、三味線の糸が絹だった頃、糸が切れないようにと願いながら強く弾いていたという伝えばなしが紹介されます。
 青森県には旅行で2度行ったことがあります。小説に登場する岩木山、八甲田山、青森市、五所川原市、浅虫温泉、三内丸山遺跡(さんないまるやまいせき。縄文時代)などに立ち寄ったので、物語を身近に感じながら読み進めました。
 津軽育ちで津軽弁がきつい主人公のいとは、人見知りを克服するために青森市内のメイド喫茶でアルバイトを始めました。『いらっしゃいませ、ご主人さま』、あるいは、『いらっしゃいませ、お嬢さま』、という世界です。なかなか面白い設定です。
 メイド喫茶だからといって、お色気路線ではありません。喫茶店のウェイトレスがコスプレでメイド服を着ているだけです。ふつうのカフェというぐあいです。
 小説ですが、登場人物たちがまるで生きているようでした。昨年この作家さんの映画「陽だまりの彼女」を観たことがこの小説を読むきっかけでした。映画もなかなか良かった。
 この小説は、お涙ちょうだいの物語です。そこに魅力があります。後半が読み手の予想通りに運ぶので、ゆるさを感じるのですが、締めが良かった。

 さて次は映画を観ての感想です。
 津軽弁がわからなかった。観ていて、だんだんわかるようになりましたが、それでも津軽弁の言葉は、ほとんどわかりませんでした。青森県人以外の人で見た人はみなそうだったと想像します。

 映像で、加工されていない(美化されていない)生身の(なまみの)人間の暮らしを観ました。とかくドラマとか映画では、きれいな人間が出てきますが、現実の人間はそんなふうではないのです。人工知能ロボット人形みたいな人はほとんどいません。生身の人間は、きつい感情と動作をもっています。

 元気がない主人公です。引っ込み思案で、人慣れしていなくて、言葉で気持ちを表現することがにがてな16歳の女子高生です。ごく親しい友だちもいなさそうです。(ゆえにメイド喫茶でできた手厚い人間関係から抜けることがイヤだと主人公は主張します)
 いなかの高校生の日常があります。
 お母さんが病気で亡くなっていて父子家庭に母方の祖母がいての三人家族です。明るい家庭の雰囲気はありません。

 青森にある岩木山が、心を支えるシンボルになっているようです。
 主人公は、東京に行きたいというけれど、見ていて、主人公は、東京ではやれそうもありません。
 あんなふうでは、都市部での生活に、順応できそうにありません。ひとりぼっちの引きこもりになりそうです。

 主人公は、言葉で会話をすることがにがてだから、津軽三味線の音で、自分の気持ちを人に伝える。
 ダサイ女子高生が、メイド喫茶でアルバイトを始めて、おしゃれな女子高生に変わっていきます。

 余談ですが、青森駅とか、バスの車内のようすが映像で出ると、路線バス乗り継ぎ人情旅で青森を何度か訪れていた太川陽介さんとえびすよしかずさんの姿を思い出します。
 バス旅は、人生に似ていました。先が読めない。嬉しいこともあるし、悲しいこともある。

 『働く』ということを考える映画です。
 自分のすべてを出し切って働いてお金をもらうのです。
 映像では現金支給です。給料を現金でもらう嬉しさがあります。
 お札を渡す現金支給のほうが、労働のありがたみが大きい。
 デジタルマネーという効率優先の社会システムは、人間の気持ちを小さくしてしまいました。

 津軽弁での、『ごすずんさま(ご主人さま。おもしろい)』、『もえもえ~~(萌え萌え)』です。

 『ありがとう、いとちゃん(主人公の女子高生の名前)』
 お客さんから、『ありがとう』の言葉があるから働けるということはあります。

 青森空襲、戦時中の悲劇の話がありました。
 疎開地から戻ってきた夜に青森空襲があって、たくさんの人が亡くなったそうです。
 
 相馬いとを見守るおとなたちの気持ちがしっかりしています。
 それぞれみんなが、おとなです。

 いとのセリフとして、『(人から)かわいそうと思われたくない』

 健全に遊ぶ。
 健全に生活していく。
 与えられている寿命という時間を楽しむ。
 青春映画です。

 メイド喫茶はやめない。
 なぜか。
 メイド喫茶で、人として認めてもらえたから。
 メイド喫茶は、風営法の店ではない。くつろぐための場所です。性的趣向を求める人は入場禁止です。そんな話が出ます。

 衝突しても、親は子の応援をするしかありません。
 豊川悦司さんが父親役を厳しく演じます。
 『言いたいことがあるのなら、言葉使え!』
 『とっちゃには(父さんには)聞こえねべ。差別好きのインチキ教授!(父の職業です)』
 感情と感情のぶつかりあいがあります。

 静かでおとなしい映画ではありました。

 父が娘に声をかけます。『けっぱれ!(がんばれ!)』

 舞台劇のようでもありました。
 相馬いとのうしろに亡くなったおかあさんがいるようでした。

 メイドのかっこうで、津軽三味線を弾くのには違和感がありました。
 やはり、津軽三味線を弾く時は、着物姿が似合います。

 岩木山の頂上でしょう。
 眼下の地上には、なんにもありません。
 原野が広がっています。
 人間はちっぽけな存在だと、映像を観ながら実感しました。  

2024年05月27日

私の職場はサバンナです! 太田ゆか

私の職場はサバンナです! 南アフリカ政府公認サファリガイド 太田ゆか 河出書房新社

 前回読み終えた本が、『アフリカで、バッグの会社はじめました 寄り道多め仲本千津の進んできた道 江口絵里 さ・え・ら書房』でした。アフリカつながりで、今度はこの本を読んでみます。

 こちらの本には、アフリカの写真が何枚かあるのですが、著者がどの写真でもカメラ目線です。モデルさんかアイドルさんのようだという印象をもちました。
 あとの写真は、ライオン、リカオン、ハイエナ、ゾウ、クロサイ、キリン、ミナミベニハチクイ、ムナオビオナガゴシキドリ、ブレスボック(鹿みたい)、昆虫もいます。フンコロガシ、シロアリなど、動物園と違って、動物は原野にいます。

 著者は何をしている人なのだろうか。これから読み始めます。読みながら、感想をつぎたしていきます。
 この本の出版社である河出書房新社の建物は、今年一月、東京見物に行ったときに、国立競技場の敷地から見ることができました。

 本の構成です。
 第1章から第6章まであります。
 目次に目を通します。
 書いてあることを読むと、毎週日曜日午前10時過ぎから流れているNHKラジオ番組、『こども科学電話相談』を思い出します。
 こども科学電話相談のジャンルとして、『昆虫』、『動物』、『科学』、『天文・宇宙』、『鳥』、『心と体』、『岩石・鉱物』、『植物』、『水中の生物』、『恐竜』、『コンピューター・ロボット』、『天気・気象』、『鉄道』などがあり、多岐(たき。たくさん)にわたっています。
 これから読む本は、『動物』とか、『鳥』、『昆虫』、『水中の生物』などが該当しそうです。

 この本で、動物の生態ほかを紹介してもらえそうです。
 サバンナ:熱帯・亜熱帯の草原地帯。夏に雨季、そのほかに、乾季がある。
 著者である太田ゆかさんの職業は、『サファリガイド』だそうです。南アフリカ共和国で働いておられます。
 サファリガイド:自然の中で野生動物を観察しに行くアクティビティ(体験型の遊び)の世話人。
 サファリ:スワヒリ語で、『旅』という意味だそうです。

 アフリカ諸国は、西洋の(ヨーロッパ諸国)の植民地だった歴史がある。
 
 人間も自然の一部とあります。
 地球の自然を人間が壊している。地球温暖化、大気汚染、森林破壊などです。

 この本では、自分がサファリガイドになった理由、サバンナの動物たちの生態、現地での環境問題について語ってくださるそうです。
 本の読み方として、サファリツアーに参加するような気分で読んでくださいというようなメッセージがありました。

(つづく)

『第1章 どうしてもアフリカで働きたい!』
 どうしてアフリカで働きたいのだろう? そう思いました。ふつう、アフリカで働きたいとは思いつきません。
 著者は、14歳のころ獣医になりたかった。動物が大好きだった。
 自分がもつ獣医のイメージは、ペットの治療ではなく、たとえば、北海道の牧場で牛の出産の処置をするとか、肉牛やヒツジ、ニワトリの対応をするというような産業動物・経済動物の管理で収入を得て生活をしていくというものです。楽な仕事ではありません。(著者は、理系がにがてで獣医になることをあきらめています。人間相手でも動物でも、医療は理系です。また、血を見る仕事です。ほのぼのとした仕事ではありません)

 オーストラリアの山林火災からコアラを救出する:そういうことがありました。2019年(令和元年)にそういうことがありました。

 著者は、動物を守る仕事、動物に携わる仕事を選択した。
 大学の観光学部に所属して、モンゴルやマレーシアを訪れた。野生動物の保護、自然環境保護について学んだ。
 野生動物の王国は、『アフリカ』であると悟った。(さとった。はっきりと理解した)
 大学2年生の時、アフリカ大陸南部のボツワナ共和国でのサバンナ保全ボランティアプロジェクトに参加した。そこで、将来への進路が決まった。

 サファリガイド:フランス出身の若い女性がガイドだった。彼女にいろいろ教えてもらった。仕事を学ぶ時には、師弟関係が必要です。自分ひとりだけでは、仕事はなかなか覚えられません。自分が覚えたら今度は自分が師匠になるのです。

 2015年(平成27年)、南アフリカ共和国にあるサファリガイド訓練学校の1年間コースに入学した。日本の大学は1年間の休学です。(休学中の授業料は払わなくていいと聞いたことがあります)
 現地で勉強して、サファリガイドの資格を取得されています。
 イギリス人やインド人の人たちが仲間です。
 
 著者は、アメリカ合衆国ロスアンゼルス生まれですから、世界を移動することに抵抗感がないのでしょう。(でも、英語はにがてだったらしい。努力と勤勉で、克服されています)

 ご両親は娘さんがアフリカで働くことに反対だったそうです。ご両親からみれば、なんでそんなことを言い出すのかと驚いて、たいへん心配されたことでしょう。
 親は、ゆくなと説得はするけれど、最後はあきらめるしかありません。こどもの人生はこどものものです。

 サファリガイドとしての就職活動は簡単ではありませんでした。
 日本人が現地で働くにはハードルが高い。
 救命救急の資格、特別な運転免許証の取得、観光局への登録などが必要だったそうです。
 現地の人にとっては簡単でも、日本人にはむずかしい。大変です。
 男社会なので、日本人女性を受け入れてくれない。就職のための面接も設定してもらえない。
 ようやく見つかったのは、観光客相手の仕事ではなく、世界各地からボランティアでやってくる人たち相手のサファリガイドの仕事だったそうです。著者は、サファリロッジで働きます。
 車にボランティアの人たちを乗せながら、毎日サバンナの草原に出ます。ヒョウやライオン、ゾウなどの生態を調べます。
 
 言語のことが書いてあります。
 南アフリカ現地のこどもは、小学二年生までは地域の言葉で学習するが、三年生からはすべて英語で授業をするそうです。たいへんですが、習得すればなかなかいい技術です。日本人の英会話教育の遅れを感じます。某アメリカプロ野球選手も自分で英会話ができれば、通訳トラブルに巻き込まれずに済んだのかもしれません。(このあと読んだ投資家の本にも日本人の英会話能力が低すぎるというような文章が書いてありました。『わが投資術 市場は誰に微笑むのか 清原達郎 講談社』)

 新型コロナウィルス禍があります。
 お客さんが来ません。
 生配信するオンラインツアーの開始です。
 
 40ページにある一日の日程はなかなかハードです。
 午前3時45分起床、4時15分出勤、5時から車で出発です。
 3~4時間回るそうです。
 午後は、16時から2回目のツアーです。
 20時に仕事は終了です。
 好きでないとできない仕事だと思いました。

『第2章 想像を超えたサバイバル リアルな肉食ライフ』
 本は、各動物を個別に紹介するパターンになるようです。
 本の中のサファリツアーです。
 (まず、ライオン)
 好きな動物はライオンだそうです。
 百獣の王ライオンには魅力があります。
 野生のライオンは、大きなネコだそうです。かわいいところもある。
 プライド:ライオンの群れのこと。1頭から数頭のオスと10頭前後のメスとこどもによる構成です。血族が中心です。
 狩りはメスがします。チームワークがいいそうです。
 ライオンの敵はライオンだそうです。
 オスはリーダーです。リーダーの地位を維持するために、ライオンのオスと戦います。
 もうひとつ、ライオンの敵は人間です。密猟者がいます。罠(わな)もあります。

 (ハイエナ)
 世間で思われているほど悪い奴ではないそうです。むしろサバンナにとってはいなくてはならない存在だそうです。
 賢い。(かしこい)。思考が、人間と似ている。頭がとてもいい。意思決定をする脳の部分が発達している。
 複数でコミュニケーションをつくっている。
 弱肉強食の野生動物の世界について説明があります。
 生態系のバランスをとってくれているのが、ハイエナだそうです。

(チーター)
 見かけることは、珍しいそうです。頭数が少ない。
 足は速いけれど、力はそれほどない。
 1歳半で自立ですが、なかなか1歳半まで育たないそうです。

(リカオン)
 生態が人間みたいです。
 社会性が高い。手塚治虫アニメの、『ジャングル大帝』を思い出します。
 ライオンとの接触をさけるために広範囲で行動するそうです。
 人間と接触する機会が多いので、家畜を襲うこともある。ゆえに人間に殺されてしまう。日本でいうところのクマとかイノシシを思い浮かべました。
 リカオンが狂犬病になって、いっぱい死んでしまったと書いてあります。
 そして、密猟者がいます。

 モニタリング:野生動物を継続的に観察し、記録すること。

 チーターとライオンは、ネコ科で、リカオンは、イヌ科だそうです。

 南アフリカについて書いてあります。
 人口が、5939万人。日本は、1臆2300万人ぐらいです。
 南アフリカで暮らしている日本人は、1505人しかいません。
 南半球だから、11月~3月が夏で、冬は、4月から10月だそうです。

『第3章 生き抜くために手を取り合う サバンナの草食動物たち』
 肉食動物から命を狙われている草食動物の話です。
 (インパラ)
 シカのように見えるけれど、ウシ科だそうです。肉食動物のおもな食糧源になっているそうです。人間にとっての産業動物・経済動物(ニワトリ、ブタ、ウシなど)みたいです。
 インパラは、500万年前から地球上にいるそうです。姿かたちもほとんど変わっていないそうです。(大昔はもう少し小型だった)
  500万年前というのは、日本の縄文時代は1万年前ぐらいですから、かなり前です。恐竜時代が、BC(紀元前)2億年~BC6600万年前です。
 インパラがいるサバンナにはたくさんのダニがいるけれど、毛づくろいでダニを退治している。ダニをとりやすい前歯をもっている。そんなことが書いてあります。

 (キリン)
 背が高い。オスだと5m以上の個体もいる。
 草食動物は、草食動物同士で固まってエサをとる。敵が来たらお互いに教え合って逃げる。キリンは背が高いから遠くが見える。助け合いがあります。
 名古屋東山動植物園のキリンのあかちゃんを見たときを思い出しました。あかちゃんでも、身長が165センチぐらいありました。名前は、『カンナ』です。
 キリンのあかちゃんは、サバンナではライオンに狙われるそうです。
 
 (アフリカゾウ)
 体重は6トンです。一日中食べているというように書いてあります。
 東山動物園のアフリカゾウ、『ケニーさん(メス)』は、午前11時ごろに飼育員さんから木の葉っぱとか枝をもらってむしゃむしゃ食べていました。ケニーさんは歳をとって、2020年8月10日に老衰で亡くなりました。
 ゾウのフンのことが書いてあります。消化が下手なので、ゾウのフンには栄養素が残っており、たくさんの虫がフンにむらがるそうです。その虫を食べる動物がやってきて、良好な食物連鎖につながっているそうです。
 ゾウは嗅覚がいいので、地下水のありかを、においをかぐことによって見つける能力があるそうです。
 2種類のゾウがいる。
 アフリカゾウ:東アフリカ、南部アフリカのサバンナにいる。危機(今後の個体数の減少について)。
 マルミミゾウ:中央アフリカ、西アフリカの森林地帯にいる。個体の減少が深刻な危機にある。

 ゾウの好物となる樹木:マルーラ、ノブソーン、バオバブ

 保護しすぎて、数が増えて、ゾウが保護区から出て、人間のエリアに入ってくるようになったとあります。数のバランスをとることがむずかしい。

 (サイ)
 シロサイ:口の形が違う。主に草を食べる。口の位置が低くて横長。生息していた場所の土が石灰質で、白い泥が体についていた。
 クロサイ:葉っぱや枝を食べる。おちょぼ口。名前は、シロの反対でクロにした。

 サイの天敵は、ツノを売るためにサイを捕る密猟者たちです。
 ひどいことをするものです。
 いろいろ課題があります。
 密猟者が密猟をしなくても食べていけるように雇用を確保するとか、保護する立場の人間たちで、先にツノだけをとって生かすとか、いろいろ考えられて実行されています。
 
『第4章 見た目も能力も陸とは一味違う! 空駆ける鳥の世界』
 サバンナにいる鳥たちの紹介です。
 (ダチョウ)
 身長2m以上、卵の大きさは、ニワトリの卵の24個分。ビッグです。
 鳥だけど飛べない。

 (ハヤブサ)
 地球上でもっとも飛ぶのが速い鳥だそうです。急降下の時のスピードは、時速389km、日本で一番速い新幹線『はやぶさ』の最高時速が、320kmだそうです。
 
 (ハゲワシ)
 最初、「ハゲタカ」のことかと思いましたが、「ハゲワシ」です。
 地球上でもっとも高い位置を飛ぶ鳥だそうです。
 「マダラハゲワシ」は、高度1万1000mの上空を飛べるそうです。マイナス50℃の世界です。寒さに強い体をしているそうな。気圧は陸上の4分の1です。すごいなあ。宇宙まで届きそうです。(調べたら、高度100kmから宇宙だそうです。マダラハゲワシでもまだ遠い)
 
 ハゲワシの主食は死肉です。ハゲワシは、生態系にとって、必要な存在です。
 ハゲワシには知恵がある。カラスみたいです。
 鳥類は、恐竜の子孫と聞いたこともあります。
 視力も優れている。
 上空1kmから6cm角のお肉が見える。
 ハイエナ:サバンナのお掃除屋さん。
 ハゲワシ:同じく、サバンナのお掃除屋さんです。
 ハゲワシの敵は人間です。お金に目がくらんだ人間が、化学製品の薬をいろいろな手段に使って、ハゲワシが間接的に毒薬を口にしてどんどん死んでいきます。そんなことが書いてあります。
 思うに、ライオンの敵はライオンで、人間の敵は人間です。遠い未来に人間は自分たちの手で滅びる危機を迎えるかもしれません。核戦争です。そうならないように人間はがんばらなければなりません。
 アフリカにいる9種類のハゲワシです。たくさんいるのね。日本の和牛のブランドみたいです。
 1 コシジロハゲワシ
 2 ズインハゲワシ
 見た目で、お名前が付いているみたいです。
 3 カオジロハゲワシ
 4 ミミヒダハゲワシ
 5 ケープハゲワシ
 6 エジプトハゲワシ
 7 ヤシハゲワシ
 8 マダラハゲワシ
 9 ヒゲワシ
 このうち7種類が絶滅危惧種に指定されているそうです。そのうち4種類が、さらに深刻な近絶滅種だそうです。なんともはや。手遅れではなかろうか。
 
 アフリカというところは、密猟が多いところのようです。
 ちゃんとした仕事があれば、密猟なんぞしなくても済むのでしょうに。
 詐欺行為もあります。
 ハゲワシの体から薬(伝統薬(ムティ)をつくって、目が良くなるとか、祖先と話ができるようになるとか、そんなはずないでしょと、それがウソだとわからない人がいます。『信仰療法』です。だまされてはいけません。
 ハゲワシにとっては、人間の行動範囲が広がることで災難ばかりです。人間が電柱をつくったから、電線に触れて感電死するハゲワシが出てきます。

 (ミナミジサイチョウ)
 わたしにとっては、聞いたことがない鳥です。
 体長1m、翼を広げると幅が1.8mにもなるそうです。かなりでかい。
 70年近く生きる長寿の鳥だそうです。
 ハゲワシと同じように伝統薬(ムティ)にされるそうです。
 人間の行動範囲が広がって、生息域が狭くなったそうです。
 
 アフリカの野鳥を日本でペットにしないでほしいそうです。
 人間の『欲』は、ときに『悪』です。
 野生動物がお金もうけに利用されています。
 野生動物にとっては残酷な仕打ちです。
 人間のわがままは尽きません。
 人間の仕業(しわざ。行為)で、自然の生態系が崩れます。
 
 『フクロウカフェ』を素材にして問題提起がなされています。
 お金もうけのためなら、もっともらしい口実(こうじつ。言い逃れの理由)をつくって、しれっと(なにごともないように平気な顔で)商売をするのが人間です。

 (コサイチョウ)
 ライオンキングに出てくるザズーというキャラクターのモデルとなった鳥だそうです。
 コビトマングースとの協力関係があるそうです。コビトマングースのエサのおこぼれをいただくかわりに、コビトマングースの天敵となるワシが来たときは教えてあげる。

 (ノドグロミツオシエ)
 ハチの巣の場所を教えてくれる。
 ハニーガイド:ハチミツの案内人

『第5章 縁の下の力持ち サバンナを支える小さなヒーローたち』
 分解者:生態家のバランスを支えてくれている小さな生き物たち(昆虫、カビ・キノコ(菌類)、微生物、ミミズ、ダンゴムシなど)
 分解するもの:動物の死骸(しがい)、フン、枯れて腐った植物、落ち葉、有機物(炭素を含む物質)を取り入れて分解して、栄養分を土に還す(かえす)役割を果たす。

 (シロアリ)
 54ページにあるアリ塚の白黒写真には驚かされます。とても背が高いアリ塚です。
 そういえば先日、我が家の建物に沿って、大量の小さなアリが行列をつくって通り過ぎていきました。引っ越しだったようです。女王アリが移動したのかもしれません。そんなことがこちらの本に書いてあります。
 アフリカのサバンナには、シロアリ帝国があるそうです。かなり文化が発達した社会が形成されているそうです。
 シロアリは食糧源になるそうです。センザンコウという動物とか(鎧(よろい)のような体をしている)、ツチブタ、カエル、トカゲ、鳥などがシロアリを食べるそうです。
 東山動植物園に、アリクイという動物が展示してあるのを思い出しました。
 
 (フンコロガシ)
 なかなか詳しく書いてあります。おもしろい。
 動物のフンを丸めてころがすのです。2~3cmぐらいの体だそうです。
 体重の50倍の重さのボールをつくって、ときには、200mぐらい移動するそうです。途中で、お嫁さんも見つけるそうです。
 フンコロガシには、方角を見定める能力が備わっている。フンコロガシは、太陽や月の位置を使って方角がわかる。風、太陽の偏向パターンで判断できる。すごいなあ。(レイリー散乱)
 先日読んだ本に書いてあったことと同じようなことが書いてあります。
 『宙わたる教室(そらわたるきょうしつ) 伊予原新(いよはら・しん) 文藝春秋』
 レイリー散乱(さんらん):地球の空は青い。夕焼けは赤いという理由の説明があります。昼間は、波長の長い青色の光が散乱する。日没時は、太陽光が大気を通る距離が長くなり、散乱されにくい赤い光が生き残って夕焼けになる。火星ではその逆になるそうです。火星の昼間は赤色の空で、日没のころは青い夕焼けだそうです。空気が薄い、塵(ちり)が多いことが理由だそうです。
(フンコロガシは、レイリー散乱を利用して方向を判断する能力があるそうです)
 
 (アフリカマイマイ)
 おおきなカタツムリです。人間のげんこつぐらいあります。

 (サソリ)
 サソリは、靴の中に入るので、靴をはく前に必ず靴の中にサソリがいないか確認してから靴をはくそうです。
 サソリは、人間が死ぬほどの毒はもっていないそうです。昔の日本映画ではときどき出てきて、人間が死ぬようなふうでした。

 (ヘビ)
 毒蛇がいて、かなりの猛毒だから気をつけるそうです。
 自分の命を守るためには、『めんどくさい』と思ってはダメなようです。ゆっくりていねいに、いつも危機感をもって、もしかしたら、そこに毒をもった生き物がいるかもしれないと常に注意をはらいながら行動するのです。
 好きでないとやれない仕事です。

『第6章 夢は死ぬまでサバンナ 動物と共に生きる未来のために』
 たった100年間の間に、アフリカにいたライオンが20万頭から2万頭に減ってしまったそうです。
 たった100年間です。日本では90歳以上の人がけっこうたくさんいます。ネットで調べたら206万人もいます。100歳以上の人は、9万2000人ぐらいいます。ライオンよりはるかに多い数です。
 そう考えていたら、日本人という人種も少子化で、やがて、絶滅の危機を迎えそうです。

 人類の暮らし方が大きな変化を遂げる中で、これまでの地球環境のバランスがくずれてきていることは事実です。
 著者は、野生動物と人間の共存できる地域づくりをしましょうとメッセージを出しておられます。
 南アフリカにある著者が担当してサバンナ、『クルーガーエリア(国立公園)』は、四国ぐらいの広さがありますが、だんだん土地開発の手が入って来てトラブルがあるそうです。
 なんだか、日本でいうところの、熊の出没にも似ています。野生動物が食べ物を求めて家畜や果樹を狙います。
 
 お金もうけのために野生動物が殺されていくそうです。
 なかなかむずかしい課題に取り組まれています。
 特殊な仕事だと思いました。
 ベースは、野生動物たちへの愛情です。  

Posted by 熊太郎 at 06:54Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2024年05月24日

しぜんにタッチ! どうやって できるの? チョコレート 

しぜんにタッチ! どうやって できるの? チョコレート ひさかたチャイルド

 しかけ絵本です。軽いしかけ絵本でした。(ところどころ折れ曲がっている。ページが小さくなっている)。
 写真絵本でもあります。

 チョコレートがきらいなこどもはいないと予想します。
 ちびっこは、甘いものが好きです。
 
 2・3ページをめくって、チョコレートができあがるまでのことを写真絵本にしてある本だろうと予想ができます。
 『おいしい チョコレート なにから どうやって できるのかな?』と書いてあります。

 カカオ豆:チョコレートの原料です。
 産地は、西アフリカ、中南米、アジアの各熱帯地域とあります。
 詳しく調べて見ました。
 西アフリカ:ガーナ、コートジボワール、ナイジェリア、カメルーン、シェラレオネ
 中南米:エクアドル、ブラジル、ペルー、ドミニカ共和国
 アジア:インドネシア
 こどものころ、『お口の恋人ロッテガーナチョコレート』というコマーシャルはよく耳にしました。

 カカオの実の写真があります。けっこう大きい。予想していたものと違っていました。長さ15cm~25cm、直径10cm~15cmです。その大きな実の中に、小さなカカオ豆がいっぱい入っています。白いねばねばに包まれて、日本でいうところの、『あけび』みたいです。そういう構造だということは知りませんでした。初めて知りました。

 白いねばねばをとって、茶色の実が顔を出す。
 見たことがあるアーモンドの形です。(アーモンド状の形をしているけれど、アーモンドではないことが調べてわかりました)
 
 日本に輸入されてきたカカオ豆の写真がでてきました。
 ウェルカムトゥジャパン(日本へようこそ)です。

 使える豆を選ぶ→熱い火であぶる→機械で皮をむく(昔は手作業だったのでしょう。ふと思う、チョコレートの中に入っているアーモンドと、この写真にあるカカオ豆は違うみたいです。そうか、カカオ豆とアーモンドは違うのか)→むいたあとのものがチョコレートの原料になります。すりつぶす→粘ってくる→ねっとりしてくる→5時間たった→なめらかになってきた→(しかし、最初に作り方を考えた人はたいしたものです)→砂糖を入れて、三日間もすりつぶす(72時間。そういうタイトルのNHKのドキュメンタリー番組があります。いい番組です)→この工程を、『メランジング』というそうな→とろとろのチョコレート原液に見えます→ていねいな温度管理があります→あっためたり冷やしたりです→板状に加工します→とりあえずここでおしまい。

 次は、自分たちでお好みのチョコレートをつくります。
 スプーン、シリコンカップ、アルミカップを使います。
 小さくしたチョコをお湯で温めて、スプーンやカップに入れます。
 どろどろになったチョコレートを、くだものやマシュマロにくっつけるそうです。
 デザートやおやつにいいですな。
 飲み物のジュースもほしいですな。
 くつろぐくつろぐ。
 いいものをつくるためには、時間がかかる。時間をかける。
 ごちそうさまでした。

(その後:ニュース番組でカカオ豆のことが放送されていました。今年はガーナでのカカオ豆の収穫がかんばしくないそうです)
 干ばつ(雨が少ない)くて、カカオ豆の木が枯れたり、実が乾燥してしなびたり、小さいな実しかできないそうです。
 だから、カカオ豆の値段があがって、チョコレートも値上げされる可能性があるそうです。
 去年から今年にかけて、値上げラッシュです。
 きゅうりもトマトも高くなって、なおかつ質が落ちました。
 なんでもない普通の気候が待ち遠しい。
 今年も異常に暑い夏になるのかなあ。  

Posted by 熊太郎 at 06:48Comments(0)TrackBack(0)読書感想文