2024年02月28日
シャイロックの子供たち 邦画 2023年
シャイロックの子供たち 邦画 2023年(令和5年) 2時間2分 動画配信サービス
阿部サダヲさんの出ているタイムトラベルドラマ、『不適切にもほどがある』を毎週金曜日の夜に楽しみに観ていますが、今回は、阿部サダヲさんが主演されているこの映画を観てみました。なかなかいい。おもしろかった。いい映画です。今年観て良かった1本になりました。
シェークスピアの舞台劇、『ベニスの商人』のシーンから始まります。
アントーニオ:お金を借りて、返せないほうの人。
シャイロック:お金を貸して、返してもらえないほうの人。タイトルはこちらの人たちです。こどもたちはというのは、銀行マンの人たちのことです。ご苦労があります。
お金を返さない人が悪い。
お金を返せばいいということでもない。
いろいろあります。
銀行ATMにお札を詰める仕事をする銀行員が、お札をネコババ(自分のポケットに入れる)します。(ふつう、現金を扱うそういう仕事は、複数でやるのではないか? たとえば、ふたりでやる。人間は信用できませんから)
競馬ほかのギャンブルが好きな銀行員っているんだろうなあ。(映画の中だけかもしれませんが……)
余談になりますが、シーンを観ていてふと思い出したことがあるので書いてみます。
わたしが就職したころの半世紀ぐらい昔は、給料は現金払いでした。銀行への口座振替という手法は、ずいぶんあとになってから実施されました。
給料日の朝になると、複数の経理事務担当者で銀行に行き、給料分のお札や硬貨を受け取って、(前もって、銀行に金種票(きんしゅひょう。お札、硬貨の種類の枚数を書いたもの)を出しておいて)、仕事場にもちかえった現金のかたまりを出して、中身を確認しながら複数の人数で給料袋に入れる作業をしていました。
バブル経済の好景気で盛り上がっていたボーナスのときには、多額の紙幣中心の現金でボーナスが支給されて、ボーナス袋が、紙幣が横に寝るのではなく、お札を縦にして、給料袋が、机の上に立った時代がありました。今、日経平均の株価がバブル期のように上がっていますが、給料等の支払いは口座振替なので、給料袋がテーブルに立つようなシーンは見られません。帰宅したパパが家の食卓テーブルの上に、ボーナスの入った袋を立てると、家族が大喜びして、家庭円満になるのに…… 便利になるってなんなんだろう。効率が良くなった代わりに、人間同士の心がふれあうシーンが減り、気持ちのあったかみが薄れました。
(ゆえに、日経平均株価が記録的に上がっても、市中では盛り上がりに欠けています。儲かった人(もうかった人)は密かに(ひそかに)儲かって、物価高ばかりが表面に目立つ現在の世の中のありようです)
映画では、いろいろ、伏線が落とし込まれていきます。(のちのち回収されます。伏線:仕掛け。あとで感動やスリルを生む種)
阿部サダヲさんが演じる西木課長代理は元気がいい。『さあて、今日も一日、がんばるぞーー』のかけ声があります。
上戸彩さんの銀行員もいい感じです。
みなさん芸達者です。柄本明さん、柳葉敏郎さん、杉本哲太さん、佐藤隆太さん、佐々木蔵之介さん、橋爪功さん、重厚な雰囲気が続きます。
サラリーマンの勤務状況がリアルです。重苦しい。ノルマを達成できないとパワハラシーンも現実にあります。
お金がからむ世界は、どろどろです。お金持ちが善人とは限りません。
詐欺、だまし、着服、恐喝、脅迫、共犯、複雑な出来事がたくさん起こります。
ささやかな家族の幸せを守るために男は仕事をします。
若い奥さんが、若い旦那(だんな)さんのコップに缶ビールをつぐシーンがあります。(なかなかそういうシーンは、現実にはありません)いい奥さんです。小学校高学年のこどもさんがいます。男の子です。お父さんを尊敬しているいい息子です。涙が出そうです。
八方ふさがりの銀行業です。(現実社会では、最近銀行の株価が上がってきました。近いうちに爆上げになると思います。日銀の金融緩和がきっかけになると予想しています)
だましの芝居がうまい。すばらしい。上手です。(ウソの芝居ですけど)。だれもがだまされます。役者たちのバイトでしょう。ほんとうの会社みたいです。
柄本明さんと阿部サダヲさんがからんでのコメディです。
映画だから安心して見ていられます。現実だったら恐ろしい(おそろしい)状況です。
「あねは」という人だった記憶です。ビルの耐震設計の偽造をした設計士がモデルになった人物が出てきます。役者さんは、引っ越し屋のコマーシャルに出ていた人です。
詐欺行為ではありますが、おもしろい会話が続きます。
予想通り、銀行が貸したお金は返ってきません。貸した相手は行方不明になります。億単位のお金が持ち逃げされました。
いっぽう銀行内では、小さな嫌がらせ事件が起きます。女子行員間のいやがらせです。醜い。(みにくい)です。
完全に純白な人間はいません。家族や親族をからめながら、多少でも汚れた行為はあるのが現実のありようです。
阿部サダヲさんは、上司としていい人です。
上戸彩さんの、『わたしはやっていません』というセリフに気持ちが救われました。
阿部サダヲさんが、上戸彩さんをかばいます。
そんな、阿部サダヲさんにも人には知られたくない影があります。
ややこしい話が次々と提示されます。
サラリーマンは、薄給(はっきゅう。給料は見た目ほど多くない)です。税金や保険料や住宅ローンを引かれていたりもします。大企業で勤めていて、もらいは多く見えても、引かれるものも多いです。収入(税金・諸経費込み)と所得(手取り)の違いがあります。
世の中は、理不尽でできている。
だんだん真実が明らかになっていきます。
おもしろい。ユーモアがあります。
外資系の銀行へ転職するという若い人がいます。(彼の夢はかないません。現実は厳しいのです。こんな会社は、自分には合わないと思っても、そんなあなたを欲しがる会社は、たいてい、ないのです)
関係者全員が処分対象ですが、そうはならないのが、映画であり、現実でもそうでしょう。
まあ、お金で済む話なら、いいほうかも。
生きるか死ぬかの命がかかると、話は深刻になります。
カネは、返せばいいってもんじゃないんです。
どこかの政治家のパーティ券収入みたいです。
いろいろな取引があります。
みんなが、自分の地位と身分を守りたい。
印鑑証明書の偽物(にせもの。コピーすると、「複写」というような文字が浮かび上がることは知っています。本物の印鑑証明書なら、コピーすると「複写」の文字が浮かび出るから、原本は本物です)
けっこう、印鑑証明書とか実印の重要さを自覚していない人は多い。財産やお金が、右から左へと動きます。
悪人がいます。
大きな組織の上層部にいる幹部に、いい人はいません。
ライバルグループを踏んづけて、上に上がってきた人です。
国会における政治家の派閥の話がありますが、政治家だけではなくて、日本中どこでもみられる組織のありようです。
ボスがいて子分がいて、人事権やお金の権利を巡ってポスト争い(あらそい。役職争奪戦(そうだつせん))があります。いいとも悪いとも言えません。集団の中にいる人間は、自然とそうなるものなのです。
こういうつくりの話なのか。
組織が異なっていても、上層部の人間同士は、グル(仲間)ということはあるでしょう。(見た目では、敵対する組織にいても、当人同士は案外大学の同窓生だったりもします。また、親族関係があったりもします)
それが、行政と立法と司法だと、権力を行使する人たちなので、怖いもの(こわいもの)なしになるでしょう。独裁政権が生まれてしまいます。
『自分のことは、自分で決めるんだ。(人に相談して決めるものじゃないこともある)』
『基本は、性善説。やられたら、倍返しだ。』
モノというものは、相場(適正価格)で買うものです。
相場よりも安いということは、何かあるということです。
不動産売買契約シーンがあります。長いこと生きてきたので、自分も何度か売主・買い主の立場で、体験したことがあります。銀行の小部屋を借ります。司法書士が進行役をします。映像では、リアルなシーンで、研修ビデオでも見ているような感じがしました。
売主・買い主のお互いが契約書に署名・押印(実印)をして、通帳への入金を確認して、お疲れさまでした、で終了です。
お金って、なんだろうなあ……
社会の舞台裏は、どろどろとしているものです。
少年の言葉、『ヒーローの一日』が、とても良かった。パパを讃える(たたえる)言葉です。
いいなあ。
良心があります。
『人間に戻るチャンスをもらった。』
『後悔はしない。』
奥さんとこどもたちが、待っていてくれました。
パパは、ヒーローです。
今年観て良かった映画でした。「思い切り(あきらめること)」がいい内容でした。
阿部サダヲさんの出ているタイムトラベルドラマ、『不適切にもほどがある』を毎週金曜日の夜に楽しみに観ていますが、今回は、阿部サダヲさんが主演されているこの映画を観てみました。なかなかいい。おもしろかった。いい映画です。今年観て良かった1本になりました。
シェークスピアの舞台劇、『ベニスの商人』のシーンから始まります。
アントーニオ:お金を借りて、返せないほうの人。
シャイロック:お金を貸して、返してもらえないほうの人。タイトルはこちらの人たちです。こどもたちはというのは、銀行マンの人たちのことです。ご苦労があります。
お金を返さない人が悪い。
お金を返せばいいということでもない。
いろいろあります。
銀行ATMにお札を詰める仕事をする銀行員が、お札をネコババ(自分のポケットに入れる)します。(ふつう、現金を扱うそういう仕事は、複数でやるのではないか? たとえば、ふたりでやる。人間は信用できませんから)
競馬ほかのギャンブルが好きな銀行員っているんだろうなあ。(映画の中だけかもしれませんが……)
余談になりますが、シーンを観ていてふと思い出したことがあるので書いてみます。
わたしが就職したころの半世紀ぐらい昔は、給料は現金払いでした。銀行への口座振替という手法は、ずいぶんあとになってから実施されました。
給料日の朝になると、複数の経理事務担当者で銀行に行き、給料分のお札や硬貨を受け取って、(前もって、銀行に金種票(きんしゅひょう。お札、硬貨の種類の枚数を書いたもの)を出しておいて)、仕事場にもちかえった現金のかたまりを出して、中身を確認しながら複数の人数で給料袋に入れる作業をしていました。
バブル経済の好景気で盛り上がっていたボーナスのときには、多額の紙幣中心の現金でボーナスが支給されて、ボーナス袋が、紙幣が横に寝るのではなく、お札を縦にして、給料袋が、机の上に立った時代がありました。今、日経平均の株価がバブル期のように上がっていますが、給料等の支払いは口座振替なので、給料袋がテーブルに立つようなシーンは見られません。帰宅したパパが家の食卓テーブルの上に、ボーナスの入った袋を立てると、家族が大喜びして、家庭円満になるのに…… 便利になるってなんなんだろう。効率が良くなった代わりに、人間同士の心がふれあうシーンが減り、気持ちのあったかみが薄れました。
(ゆえに、日経平均株価が記録的に上がっても、市中では盛り上がりに欠けています。儲かった人(もうかった人)は密かに(ひそかに)儲かって、物価高ばかりが表面に目立つ現在の世の中のありようです)
映画では、いろいろ、伏線が落とし込まれていきます。(のちのち回収されます。伏線:仕掛け。あとで感動やスリルを生む種)
阿部サダヲさんが演じる西木課長代理は元気がいい。『さあて、今日も一日、がんばるぞーー』のかけ声があります。
上戸彩さんの銀行員もいい感じです。
みなさん芸達者です。柄本明さん、柳葉敏郎さん、杉本哲太さん、佐藤隆太さん、佐々木蔵之介さん、橋爪功さん、重厚な雰囲気が続きます。
サラリーマンの勤務状況がリアルです。重苦しい。ノルマを達成できないとパワハラシーンも現実にあります。
お金がからむ世界は、どろどろです。お金持ちが善人とは限りません。
詐欺、だまし、着服、恐喝、脅迫、共犯、複雑な出来事がたくさん起こります。
ささやかな家族の幸せを守るために男は仕事をします。
若い奥さんが、若い旦那(だんな)さんのコップに缶ビールをつぐシーンがあります。(なかなかそういうシーンは、現実にはありません)いい奥さんです。小学校高学年のこどもさんがいます。男の子です。お父さんを尊敬しているいい息子です。涙が出そうです。
八方ふさがりの銀行業です。(現実社会では、最近銀行の株価が上がってきました。近いうちに爆上げになると思います。日銀の金融緩和がきっかけになると予想しています)
だましの芝居がうまい。すばらしい。上手です。(ウソの芝居ですけど)。だれもがだまされます。役者たちのバイトでしょう。ほんとうの会社みたいです。
柄本明さんと阿部サダヲさんがからんでのコメディです。
映画だから安心して見ていられます。現実だったら恐ろしい(おそろしい)状況です。
「あねは」という人だった記憶です。ビルの耐震設計の偽造をした設計士がモデルになった人物が出てきます。役者さんは、引っ越し屋のコマーシャルに出ていた人です。
詐欺行為ではありますが、おもしろい会話が続きます。
予想通り、銀行が貸したお金は返ってきません。貸した相手は行方不明になります。億単位のお金が持ち逃げされました。
いっぽう銀行内では、小さな嫌がらせ事件が起きます。女子行員間のいやがらせです。醜い。(みにくい)です。
完全に純白な人間はいません。家族や親族をからめながら、多少でも汚れた行為はあるのが現実のありようです。
阿部サダヲさんは、上司としていい人です。
上戸彩さんの、『わたしはやっていません』というセリフに気持ちが救われました。
阿部サダヲさんが、上戸彩さんをかばいます。
そんな、阿部サダヲさんにも人には知られたくない影があります。
ややこしい話が次々と提示されます。
サラリーマンは、薄給(はっきゅう。給料は見た目ほど多くない)です。税金や保険料や住宅ローンを引かれていたりもします。大企業で勤めていて、もらいは多く見えても、引かれるものも多いです。収入(税金・諸経費込み)と所得(手取り)の違いがあります。
世の中は、理不尽でできている。
だんだん真実が明らかになっていきます。
おもしろい。ユーモアがあります。
外資系の銀行へ転職するという若い人がいます。(彼の夢はかないません。現実は厳しいのです。こんな会社は、自分には合わないと思っても、そんなあなたを欲しがる会社は、たいてい、ないのです)
関係者全員が処分対象ですが、そうはならないのが、映画であり、現実でもそうでしょう。
まあ、お金で済む話なら、いいほうかも。
生きるか死ぬかの命がかかると、話は深刻になります。
カネは、返せばいいってもんじゃないんです。
どこかの政治家のパーティ券収入みたいです。
いろいろな取引があります。
みんなが、自分の地位と身分を守りたい。
印鑑証明書の偽物(にせもの。コピーすると、「複写」というような文字が浮かび上がることは知っています。本物の印鑑証明書なら、コピーすると「複写」の文字が浮かび出るから、原本は本物です)
けっこう、印鑑証明書とか実印の重要さを自覚していない人は多い。財産やお金が、右から左へと動きます。
悪人がいます。
大きな組織の上層部にいる幹部に、いい人はいません。
ライバルグループを踏んづけて、上に上がってきた人です。
国会における政治家の派閥の話がありますが、政治家だけではなくて、日本中どこでもみられる組織のありようです。
ボスがいて子分がいて、人事権やお金の権利を巡ってポスト争い(あらそい。役職争奪戦(そうだつせん))があります。いいとも悪いとも言えません。集団の中にいる人間は、自然とそうなるものなのです。
こういうつくりの話なのか。
組織が異なっていても、上層部の人間同士は、グル(仲間)ということはあるでしょう。(見た目では、敵対する組織にいても、当人同士は案外大学の同窓生だったりもします。また、親族関係があったりもします)
それが、行政と立法と司法だと、権力を行使する人たちなので、怖いもの(こわいもの)なしになるでしょう。独裁政権が生まれてしまいます。
『自分のことは、自分で決めるんだ。(人に相談して決めるものじゃないこともある)』
『基本は、性善説。やられたら、倍返しだ。』
モノというものは、相場(適正価格)で買うものです。
相場よりも安いということは、何かあるということです。
不動産売買契約シーンがあります。長いこと生きてきたので、自分も何度か売主・買い主の立場で、体験したことがあります。銀行の小部屋を借ります。司法書士が進行役をします。映像では、リアルなシーンで、研修ビデオでも見ているような感じがしました。
売主・買い主のお互いが契約書に署名・押印(実印)をして、通帳への入金を確認して、お疲れさまでした、で終了です。
お金って、なんだろうなあ……
社会の舞台裏は、どろどろとしているものです。
少年の言葉、『ヒーローの一日』が、とても良かった。パパを讃える(たたえる)言葉です。
いいなあ。
良心があります。
『人間に戻るチャンスをもらった。』
『後悔はしない。』
奥さんとこどもたちが、待っていてくれました。
パパは、ヒーローです。
今年観て良かった映画でした。「思い切り(あきらめること)」がいい内容でした。
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