2024年02月27日

沈黙のパレード 邦画 2022年

沈黙のパレード 邦画 2022年(令和4年) 2時間9分 動画配信サービス

 出川哲朗さんの充電バイクの番組に、ずん飯尾和樹さんが出ていて、その後、飯尾さんがこの映画に出演されているのを知って、さっそく映画を観てみました。
 付け加えると、家にこれから読む本を入れてあるダンボール箱があって、何冊も入れてあるのですが、そのなかにこの原作本がありました。『沈黙のパレード 東野圭吾 文春文庫』です。自分なりに読む本の順番がなんとはなしに決めてあって、映像のほうが先になってしまいましたが、本を読んだら、また感想を書いてみます。
 飯尾和樹さんの演技はなかなか良かったです。犯罪被害者になった娘さん19歳の父親役でした。娘さんは殺害されています。飯尾和樹さんは親心をじょうずに表情や言動で表現されていました。

 湯川学:天才物理学者。犯罪を推理で説いて、真実を明らかにします。福山雅治さんです。
 内海薫(うつみ・かおる):女性です。柴崎コウさんでした。警視庁捜査一課の刑事
 草薙俊平(くさなぎ・しゅんぺい):内海薫の先輩刑事。湯川学の相棒。親友。北村一輝さんです。

 へんな見方(みかた)ですが、ずん飯尾和樹さんの娘さんは、ずん飯尾和樹さんの娘には見えませんでした。なんだか、親子には見えない見た目の組み合わせなのです。あわせて、娘さんが歌手を目指しておられる役なのですが、歌声は普通で、歌手になるというのは、どうかなあという気分で見ていました。(話の最後で、やっぱり娘さんは歌手になる気はなかったことがわかりました。変な感想ですが、やっぱりなと思いました)

 時をへだててのふたつの殺人事件が並べられています。
 殺されたのは、12歳の少女と19歳の女性です。
 
 タイトルの『沈黙』について、何度も語られます。容疑者の黙秘権(もくひけん)ということもあるし、まわりの人たちが事件の内容や真相を知っているけれど、言えないとか言わないという意味あいがこめられていました。
 新たに起きた事件について、秘密を守るのです。関係者多数です。それぞれの意思があって、だれかを、あるいは、なにものかを守るために沈黙を貫くのです。(つらぬく)。

 商店街のパレードがあります。
 民舞のようなものがあります。
 仮装大会です。
 変な雰囲気のパレードです。
 それを見ていいての感想ですが、機械的なのです。
 劇団のステージを観ているようです。
 パレードの時間帯が、けっこう長い。
 海賊。少年少女向けの物語『宝島』にちなんでいます。
 音楽とダンス。ラップミュージックもあるようです。
 (推理はなかなか動き出さない。音楽はにぎやかに流れていますが、事件の進行は静かです。この中で、犯罪行為が見えないところで進行しています。殺人の企て(くわだて)です)
 
(創作者の立場に立って観察してみます)
 『怨み(うらみ)』という種を植えて、芽生えさせて、育てていく。(どう回収していくのかが楽しみです)

 ポイントとして、まず、『ハスヌマ(蓮沼寛一)が、本当に犯人なのか?』という疑問が自分に湧きました。(観終えて、それは、なかなかいい視点でした)

 パトカー集合です。
 睡眠薬。絞殺のように見える。閉所恐怖症ではない。物置。外から鍵をかけることができる。
 推理、推理、推理が続きます。
 密室内の酸素を外に出す方法を考える。
 (みんなにとっての憎悪の対象になる相手が死んでしまいました)

 どうして、被害者家族を犯人扱いするのだろうか。
 液体窒素。(自分は、皮膚科で、これを使って、小さなイボをいくつか焼いてもらったことが何度かあります。熱くて痛い。皮膚がはがれます。何回か通います(かよいます))

 視点を変えてみる。

 警察に対する糾弾があります。(きゅうだん。非難。責める)
 わたしが長いこと生きてきて思うのは、警察というのは、警察職員と警察組織のために働いているということです。それが現実です。
 映画の中では、警察は市民を守ってくれなかったじゃないかというメッセージがあります。
 矛盾を突く作品です。(むじゅん。理屈に合わない)

 なにがあろうと(殺人事件の被害者家族になっても)、淡々と毎日を過ごしていくことが大事です。
 
 『わたしには何も言えません(沈黙を続けてくれている人たちに顔向けできないから)』
 ずん飯尾和樹さんは好演されています。あたりまえの演技がいい。静かな演技です。

 市民からの抗議があります。『おまえら警察は何をやっていたんだ』
 入り組んだ誤りがある冤罪事件(えんざいじけん)です。
 そういえば、最近も夜に、NHKの報道番組で冤罪事件を扱った報道番組の放送がありました。ひどいものです。途中で、まわりにいる役所の人間たちからこれは違うんじゃないかという発想(無実)と意見が出ているのに、検察庁の担当者は、自分たちを守るためなのか、手柄をあげて昇進したいためなのか、犯人をでっちあげることのために、形式を整えることに熱心でした。
 内容は、中国に輸出後、軍事転用できるのではないかという機械のことでした。(実際は、機械は、軍事転用はできない構造になっていた)検察庁に在籍する職員個人の強引な犯罪立証への誘導がありました。

 『これしかないと……』
 『もうしゃべるな!』
 (このままでは終われないでしょ。映画鑑賞者であるわたしの意見です)
 『事件は解決した。あとは裁判にまかせる』
 (そんなことはないでしょ。まだ、真相は明らかになっていない)
 『疑わないのか?』
 (やっぱり)
 まだまだ奥行きがある事件です。
 『沈黙するかもしれない』(ややこしい)
 
 あたりまえのことをあたりまえにやるだけです。
 どう決着をつけるのだろう。
 役者さんにとっては、見せ場の演技です。

 いい作品でした。
 
 『(彼は今)仕事してます』
 『親友に感謝していると思います』
 『そうか』

 本当にいい作品でした。

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