2024年04月08日
正直不動産 スペシャルとシーズン2
正直不動産 スペシャルとシーズン2 動画配信サービス
最初のシリーズであった2022年(令和4年)の全10話を観て、いいドラマでした。
今度は、今年(2024年)年明けから放送された分を見てみます。
最終話はすでに終わっています。
自分が観るのは、これからが初めてです。
『まずは、スペシャル版の回を観ました』
『いいえ、わたしは、ウソがつけない人間なんです。』
テーマは、『正直』であることです。
とことん、『正直』で押します。
そういうドラマです。
原野商法にひっかかった人がまた、だまされます。(そういうことが現実にありました。1970年代から80年代(昭和45年から昭和55年、そして昭和64年(平成元年)あたり)だまされやすい人は、何度でもだまされる傾向があるのです。人を信じやすい人は、良くも悪くも、お人よしなのです。(だれにでもやさしいからだまされる人のことです)
『カスタマーファースト』(それは、現実には、ありえない夢です。理想です。どこかで線引きしないと、共倒れの危険性があります。だけど、ドラマの中ではありえます)
『家』はだいじです。家の中をどういうふうにレイアウトして飾るかもだいじです。家を買ったけれど、住宅ローンを返済できない話です。一度は手に入れた家を手ばなさなければなりません。
映像自体は、舞台劇を観ているようでした。
家の中の風景が出ますが、家財道具が新品の部屋であり、こどもさんの身長の成長記録が見えるシーンでは、今、全部つくったというような状態に見えます。映像の中に家族の歴史がありませんでした。
借金とか、お金について考える。
他力本願(たりきほんがん)では、財産はなかなかつくれません。
不動産取引において、信頼関係はだいじです。
友だちだからお金を貸してくれと言う人がいます。そんな人は友だちではありません。
自分が若い頃、お金を貸したら、相手が音沙汰なし(おとさたなし)になったことが何度かありました。ひどいやつらでした。若い頃は失敗ばかりしました。わたしは若いころ、だまされやすい人でした。お人よしでした。助けてくれと言うから、お金を貸したのに、貸したお金を返してくれないような人間は、友だちではありません。
ドラマの主人公が、仕事で疲れ果てて、本人の根気が切れます。
『もうオレにできることはない。』
ストーリーには、父親と息子の対立があります。
人情噺(にんじょうばなし。思いやりの話。今回のドラマの場合は、親子間の思いやり)が続きます。
世帯主は、自分の気持ちだけで、家族全体のことを決めてはなりません。自分の気持ちはおいといて、家族全体のために、結論を導く方向で動くのが、世帯主の役割と責任です。
世帯主が自分ひとりの考えで、家族について、すべてのことを決めてしまうのは、独裁者であり、世帯主であるあなたはまだこどもだということです。
おとなは、みんなの考えを聞いて、その結論が自分の意見に反することでも、みんなのために、やるべきことはやります。そうすれば、尊敬してもらえます。たぶん。
父親から息子への謝罪があります。
現実には、ここまで親子関係がこじれていると、今回の話のようにうまくは運びませんが、これはドラマです。
このドラマは、『物語で人を幸せにする。』作品です。
にぎやかでいい雰囲気です。
善良VS悪党です。
正直不動産は善良で、ウソはつけないのです。
『第一話から第十話』
<エピソード1 嘘がつけなくなった不動産屋>
男はつらいよ。フーテンの寅さん映画の冒頭シーンみたい。寅次郎が夢をみるのです。
不動産が素材ですから、お金持ちの人たちのお話です。
新幹線で東京へ行くときに、品川駅が近づくと新幹線の車窓からタワーマンションがたくさん見えます。
自分は、タワーマンションに住みたいとは思いません。
自分が分譲マンションに住んでいたころは、住宅ローンに加えて、管理費、修繕積立金、駐車場代、固定資産税などの合計額が大きな負担でした。住宅ローンが終わっても諸経費の支払いは続きます。その点、戸建てなら駐車場代もいりません。外壁塗装はしますが、13年間に1回ぐらいの間隔と感覚で、やるもやらぬも自分たちの考え次第です。自由度が高い。
マンションは共同住宅ですから、管理費や修繕積立金等を滞納する人がいます。大規模改修では修繕積立金を原資とした改修費が不足してもめます。諸経費を払ってくれない人は、なにがなんでも払ってくれないので、諸経費を値上げして、ほかの人で負担しなければならないのかというへんな雰囲気になります。
あわせて、高い階は、鳥や空飛ぶ昆虫たちが住む世界です。(夏になると、セミがベランダに飛び込んできて、死骸だらけになったことがあります)。人間が住むのには住みにくかった。
エレベーターの利用もエレベーターが止まればたいへんです。ふだんでも、建物内での上下移動に時間がかかります。エレベーターが、絶対に安全とか完璧に大丈夫とか、そんなことはありえません。
今回のドラマは、そんな話の回でした。
なんだか、へんな新入社員がドラマに複数現れます。困り者たちです。
顧客の家族のこどもさんの言葉に助けられました。
『(タワーマンションへの引っ越しは)本当はイヤ』
歳をとってからの段差とか坂道はとてもつらいです。たいていお年寄りは転んで(ころんで)から具合が大きく悪くなります。
虚栄心は引っ込めよう。プライドのためだけに不動産を手に入れることはやめたほうがいい。家族みんなの暮らしやすさで住居を選択すべきです。
資金がないのに不動産を購入してはいけない。大きな金額です。うまくいかなければ自己破産の危険性をはらんでいます。今の家を売却できてから新しい家を購入するという順番はだいじです。お金があって、無理ではないのなら、買ってから売るという順番はありです。加えて、今も住んでいる状態ではなかなか売れません。空き家にしてからのほうが売れる確率が高いということはあると思います。
勝つとか負けるとか、自分たちとあいつらとか、そういうことが、民主主義の良くないところです。必ずふたつ以上のグループに分かれるのです。民主主義は、競争主義社会です。
『(営業マンは)どこを向いているんだ。お客さまのほうを向こう。』まあ、ドラマです。現実では、顧客のほうが、もし自分たちがここに住んだらどうなるのかを、購入前によく調べて、十分気をつけたほうがいい。
<エピソード2 1位にこだわる理由>
不動産トラブルの話です。
法律のドラマです。勉強になります。
祖父と孫が暮らしている家と土地を、別居している息子(孫の父)が売却しようとします。いろいろわけありです。
その家の所有者でも賃貸借契約者でもない人は、居住権がないのではないか。(あります)
そんな話です。
身内(親族)の問題です。
『それって、不動産屋の仕事ですか?』という声が不動産屋の社員から出ます。
『わたしの仕事のやりかたです!』別の社員が民事に介入していきます。
ドラマを観ていて思ったのは、人生は、長生きした人が勝ちではないか。最後まで生き残って、その家に住み続けることができた人が、一番の勝利者ではないのかということでした。生きている人が所有権を主張できるのです。
もうひとつは、不動産収入で暮らしている人は、不動産収入以外のことで借金がふくらむと、不動産を失います。かなりきつい思いをすることになります。
演者の演技のしかたとして、大きな声をあげて自分の意見を主張するのではなく、静かな声で、気持ちをこめながら、淡々とセリフを言ったほうが、説得力が増すような気がしました。
<エピソード3 信じられるパートナーとは>
狭小住宅(三階建ての戸建て)の売買の話です。
メリットは、安い。駅から近い。
デメリットは、狭い。狭いことで夫婦がケンカになる。売りたいけれど、狭小物件だから、買い手が見つからない。値段を下げるけれど、それでも買い手が見つからない。
さてどうしようです。
5歳児ぐらいの女の子が解決の鍵をにぎっています。
パパとママは、家が狭いことでケンカばかりしている。もうケンカはやめてです。
別居とか、離婚の話まで出てきておおごとになります。
こどもさんは、ピアノを弾きたい。
いろいろあります。
さて解決策は?
不動産屋のメンバーも含めて、みんな一生懸命です。
こどもさんがいいセリフを言います。『この家のせいで、みんながケンカになっちゃうの。本当は、パパもママも仲がいいんだよ。』(泣かせるいいセリフです)
親子の絆(きずな)を大切にしたいいドラマでした。
<エピソード4 いい部屋の定義>
信用調査に落ちた顧客の話でした。
ローンの返済ができなかった過去の履歴があります。
しかたありません。
『信用』はだいじです。
ギャンブルの借金がどうしたこうしたで、どこかで聞いたことがあるような話です。(野球選手の通訳の話)
そんな男でも見捨てない女性がいます。
男と女は理屈通りにはいきません。
どこかひとつでも尊敬できるところが相手にあれば、あとのことは目をつぶれるということはあります。
されど、どこかで線引きをしなければ共倒れになることもあります。
これは、ドラマですから修復がききましたが、現実ではそうはいきません。
無理な運びのあるお話でした。
お金のやりとりに、人情はいれないほうがいい。
解決策の手法が、『手紙』でした。
手紙は大きなトラブルになることがあるので、気をつけたほうがいい。
以前、手紙がきっかけで、複数の殺人事件につながった事件がありました。手紙ではなくて、ちゃんと会って言葉で自分の気持ちを伝えたほうがいい。それでも気持ちが伝わらないのなら、あきらめるしかありません。
<エピソード5 優しい噓>
う~む。つくってあるお話でした。
フラット35(35年固定金利ローン)の不正利用です。
虚偽申請があります。
やってはいけないことです。
不動産業界には、悪徳業者があるという設定です。ウソをついて大金を動かして手に入れて、ばれるまえに計画倒産をして逃げ切る手法があります。
顧客は相当痛い目にあいます。顧客の自己破産もありえます。
主人公は、状況設定として、風が吹いて、ほっぺたがふくらんで、本音を言い始めます。(正直なのです)
おもしろい。
人を信用しすぎてはいけない。
知り合いだからというのは、信用する根拠にはならない。むしろなにかの取引をするときは、知り合いではない人に頼んだ方が無難です。なにかあったときに、断りやすい。
うわべだけの思いやりはいらない。ルールの範囲内にいるようにする。自分側の人間を防衛する気持ちを忘れない。
ドラマに出てくるライバル会社の営業マンが、どうして、ときおり、お馬さんのようにタップ(ダンス)を踏むのだろう。(ヘンです)(その後、交通事故で亡くなった奥さんとこどもさんがらみであることがわかりました)
<エピソード6 仕事をする理由>
家賃を滞納している女優志望の若い女子の話でした。
単純にいえば、家賃を払えないのなら退去です。退去が、女優になる夢をあきらめることになるというつながりの設定です。そこに、Z世代という、必要以上に働かない若い男性社員がからんできます。
主人公が、普通なら言えない本音を言ってしまうのが、このドラマの肝(きも。重要な点)です。
胸がスーッとします。
最後はうまくまとまるというパターンです。
大家が親代わりという時代がありました。
雇い主が親代わりという時代もありました。
独身寮の寮生を、世話をする寮長のような人が親代わりという時代もありました。
あの昭和の時代はどこかへ行ってしまいました。
がんばる人は応援したい。
されど、お金がないということはつらい。
『夢』をあきらめなければならないときもあります。
夢を追うことの決心は、ドラマの中だけということもあります。現実には、あきらめたほうが、賢明なときもあります。
家賃を払えないあなたは、夢をあきらめてください。
まず、家賃を払ってから夢を追ってください。
知恵をふりしぼる。
そもそも、自分で払える家賃のところに住んでください。
仕事人間がいます。
タイパ:タイムパフォーマンス。時間と効果
コスパ:費用対効果
親ガチャ:生まれた家の環境で人生が左右される。(どこの家に生まれてきても、それなりの苦労はあります)
なんというか。効率だけが人生ではありません。
むだだと思える時間に、楽しみがあります。人生は気持ちです。
めんどうくさい作業の中に、やりがいがあります。成果が楽しみです。
効率がいい人生を送っている人を、幸せな人だとは思いません。
人間は、AI(人工知能)ロボットじゃありません。
<エピソード7 過去の自分と今の自分>
ウソをつく話です。
おとなである孫娘が、おばあちゃんにウソのカレシ、ウソの結婚話みたいなことを言います。おばあちゃんは、孫娘にタワーマンションをプレゼントしたいそうです。
さらに、不動産会社の女性社員が、出会い系サイトを利用して、男をだまして、マンションを売りつけたい話もでます。
全体的に結婚詐欺の話です。
主人公の男性は、正直不動産ですから、ウソをつくことができません。
人にだまされないための研修ビデオのようでもあります。
(案外相手をだましているようで、実は相手にだまされていたというパターンもありそうです)
不動産の契約ですから、大きなお金が動きます。
物件はローンで買えるけれど、手付金を払えないから、不動産屋に手付金分のお金を貸してもらう。(違法だそうです)
顧客から、いろいろ不正を申し込まれます。
(小さな声でもいいから、できないことは、できませんと言いましょう。断らないと、あとで深く悩むことになります。そんなふうなら買ってもらわなくていいですと言える心の余裕をもちましょう)
タワーマンションから見える景色の自慢話が出ます。
観光地などで観る展望台からの景色です。
わたしは、そういう景色は、観光地で、たまに見るだけでいいです。
まあ、つくり話ではあります。
ディーンフジオカさんの役が、恨まれ役(うらまれやく)です。ドラマには、悪役が必要です。悪役がいないと、ドラマの中身が引き締まりません(ひきしまりません)。
名言の趣旨として、『夢と人生設計は、本人のもの。たとえ血縁関係のある親族でも、本人の夢を奪うことはできない』
あたりまえのことをあたりまえにやる。(法令は人の暮らしを守るためにある)
『正直不動産は、不動産で、お客さまを不幸にするようなことはしない。』
(従業員のチョンボで(失策で(しっさくで))、500万円がパーになってしまいました)
500万円を貸した社長の言葉として、『(貸した500万円は)いらん。仕事で返せ。』(さすが社長です)
『1番はだれにも譲らない。そう約束した。(だれと?)(交通事故で亡くなった妻子とでした)』
<エピソード8 信じること>
投資用のワンルームマンションを購入する話に、だましたり、だまされたりの話がからんだ回です。
投資の罠(わな)に陥って(おちいって)、人生で転落していく。
だまされやすい人は何度もでもだまされる。
そこを、阻止しなければならないというのが、正直不動産のモットー(目標とするもの。行動指針)です。
NHKのバラエティー番組、『有吉のお金発見突撃!カネオくん』にでているそらちゃんが受験生の役で出ていました。役柄として、将来、弱きものを助ける弁護士になりたいそうです。
課長代理の藤原さんがかっこよかった。自分の顧客名簿が入ったUSBメモリを、そっと、困っている社員に渡します。
登坂不動産(とさかふどうさん)のメンバーはみんな心優しい。応援したくなります。
このドラマは、第3弾があるような気もしました。
<エピソード9 神木という男>
不動産持ち、お金持ちの人たちのお話です。
賃貸借物件のサブリース契約というものが話の素材になっています。
物件の管理を不動産会社にやってもらって、家主が手間賃を不動産会社に払う契約のようです。
貸主(家主)にとって不利だそうです。借主(不動産会社)にとって有利だそうです。家賃の値下げを家主に提案できるとか、家主から違約金をとることもできるという借主有利な借地借家法だそうです。
登坂不動産VSミネルヴァ不動産というライバル関係が、このドラマの屋台骨になっているのですが、ミネルヴァ不動産の神木さん(ディーンフジオカさん)が、悪の根源のような扱いになっています。
神木さんが悪人になった理由が、交通事故で妻子を亡くしたことという事情説明があります。
正直、よくわからない事情でした。精神的にやられて、頭がおかしくなってしまったとしか思えません。ときおりタップダンスをする理由の説明もありました。BGM(バックグラウンドミュージック)が雰囲気を高めます。
妻子の幽霊が出るという暗示の世界です。わたしは、ついていけません。そういうものがみえるはずがありません。見えたら脳みその病気です。受診した方がいい。レビー小体型認知症にありそうです。
つくり手側の心理として、苦しまぎれに幻想の世界へと逃げたという印象があります。
まあ、ドラマです。つくってある話です。
不動産の悪徳業者を退治する内容のドラマです。
正直者が悪者(わるもの)に勝つのです。勧善懲悪(かんぜんちょうあく。善事を勧め、悪事をこらしめる)です。
<エピソード10 最終話 正直不動産、誕生>
9話とこの最終は尻すぼみに感じました。息切れの内容です。
現実味のないマンガのようでした。(おおげさ。極端)
農地転用による倉庫用地としての大規模開発話(プロジェクト)があります。
そこにライバル不動産会社から妨害が入ります。
主人公の結婚話も、相手の彼女がニューヨーク支店に転勤辞令が出て、いますぐは無理になります。(おそらく続編があるのでしょう。だから、今だ、未了設定にしておく。わたしは、とらえず別居での結婚でもいいと思いました)
主人公の大事な手帳を盗む話が出てくるのですが、ふつう、だいじなものは、バックアップ(同じ内容の物をもうひとつ以上)をとっておきます。
あわせて、プロジェクトの話はもう済んだこととしてもいいような内容です。これまでは、大事な手帳でしたが、今はもう手帳は、思い出の品です。
みんな仕事人間なのねと思いましたが、家族がいる人にとっては、家族のための仕事でした。
決めゼリフとしては、『一生幸せでいたかったら、正直(しょうじき)でいろ!』です。
最初のシリーズであった2022年(令和4年)の全10話を観て、いいドラマでした。
今度は、今年(2024年)年明けから放送された分を見てみます。
最終話はすでに終わっています。
自分が観るのは、これからが初めてです。
『まずは、スペシャル版の回を観ました』
『いいえ、わたしは、ウソがつけない人間なんです。』
テーマは、『正直』であることです。
とことん、『正直』で押します。
そういうドラマです。
原野商法にひっかかった人がまた、だまされます。(そういうことが現実にありました。1970年代から80年代(昭和45年から昭和55年、そして昭和64年(平成元年)あたり)だまされやすい人は、何度でもだまされる傾向があるのです。人を信じやすい人は、良くも悪くも、お人よしなのです。(だれにでもやさしいからだまされる人のことです)
『カスタマーファースト』(それは、現実には、ありえない夢です。理想です。どこかで線引きしないと、共倒れの危険性があります。だけど、ドラマの中ではありえます)
『家』はだいじです。家の中をどういうふうにレイアウトして飾るかもだいじです。家を買ったけれど、住宅ローンを返済できない話です。一度は手に入れた家を手ばなさなければなりません。
映像自体は、舞台劇を観ているようでした。
家の中の風景が出ますが、家財道具が新品の部屋であり、こどもさんの身長の成長記録が見えるシーンでは、今、全部つくったというような状態に見えます。映像の中に家族の歴史がありませんでした。
借金とか、お金について考える。
他力本願(たりきほんがん)では、財産はなかなかつくれません。
不動産取引において、信頼関係はだいじです。
友だちだからお金を貸してくれと言う人がいます。そんな人は友だちではありません。
自分が若い頃、お金を貸したら、相手が音沙汰なし(おとさたなし)になったことが何度かありました。ひどいやつらでした。若い頃は失敗ばかりしました。わたしは若いころ、だまされやすい人でした。お人よしでした。助けてくれと言うから、お金を貸したのに、貸したお金を返してくれないような人間は、友だちではありません。
ドラマの主人公が、仕事で疲れ果てて、本人の根気が切れます。
『もうオレにできることはない。』
ストーリーには、父親と息子の対立があります。
人情噺(にんじょうばなし。思いやりの話。今回のドラマの場合は、親子間の思いやり)が続きます。
世帯主は、自分の気持ちだけで、家族全体のことを決めてはなりません。自分の気持ちはおいといて、家族全体のために、結論を導く方向で動くのが、世帯主の役割と責任です。
世帯主が自分ひとりの考えで、家族について、すべてのことを決めてしまうのは、独裁者であり、世帯主であるあなたはまだこどもだということです。
おとなは、みんなの考えを聞いて、その結論が自分の意見に反することでも、みんなのために、やるべきことはやります。そうすれば、尊敬してもらえます。たぶん。
父親から息子への謝罪があります。
現実には、ここまで親子関係がこじれていると、今回の話のようにうまくは運びませんが、これはドラマです。
このドラマは、『物語で人を幸せにする。』作品です。
にぎやかでいい雰囲気です。
善良VS悪党です。
正直不動産は善良で、ウソはつけないのです。
『第一話から第十話』
<エピソード1 嘘がつけなくなった不動産屋>
男はつらいよ。フーテンの寅さん映画の冒頭シーンみたい。寅次郎が夢をみるのです。
不動産が素材ですから、お金持ちの人たちのお話です。
新幹線で東京へ行くときに、品川駅が近づくと新幹線の車窓からタワーマンションがたくさん見えます。
自分は、タワーマンションに住みたいとは思いません。
自分が分譲マンションに住んでいたころは、住宅ローンに加えて、管理費、修繕積立金、駐車場代、固定資産税などの合計額が大きな負担でした。住宅ローンが終わっても諸経費の支払いは続きます。その点、戸建てなら駐車場代もいりません。外壁塗装はしますが、13年間に1回ぐらいの間隔と感覚で、やるもやらぬも自分たちの考え次第です。自由度が高い。
マンションは共同住宅ですから、管理費や修繕積立金等を滞納する人がいます。大規模改修では修繕積立金を原資とした改修費が不足してもめます。諸経費を払ってくれない人は、なにがなんでも払ってくれないので、諸経費を値上げして、ほかの人で負担しなければならないのかというへんな雰囲気になります。
あわせて、高い階は、鳥や空飛ぶ昆虫たちが住む世界です。(夏になると、セミがベランダに飛び込んできて、死骸だらけになったことがあります)。人間が住むのには住みにくかった。
エレベーターの利用もエレベーターが止まればたいへんです。ふだんでも、建物内での上下移動に時間がかかります。エレベーターが、絶対に安全とか完璧に大丈夫とか、そんなことはありえません。
今回のドラマは、そんな話の回でした。
なんだか、へんな新入社員がドラマに複数現れます。困り者たちです。
顧客の家族のこどもさんの言葉に助けられました。
『(タワーマンションへの引っ越しは)本当はイヤ』
歳をとってからの段差とか坂道はとてもつらいです。たいていお年寄りは転んで(ころんで)から具合が大きく悪くなります。
虚栄心は引っ込めよう。プライドのためだけに不動産を手に入れることはやめたほうがいい。家族みんなの暮らしやすさで住居を選択すべきです。
資金がないのに不動産を購入してはいけない。大きな金額です。うまくいかなければ自己破産の危険性をはらんでいます。今の家を売却できてから新しい家を購入するという順番はだいじです。お金があって、無理ではないのなら、買ってから売るという順番はありです。加えて、今も住んでいる状態ではなかなか売れません。空き家にしてからのほうが売れる確率が高いということはあると思います。
勝つとか負けるとか、自分たちとあいつらとか、そういうことが、民主主義の良くないところです。必ずふたつ以上のグループに分かれるのです。民主主義は、競争主義社会です。
『(営業マンは)どこを向いているんだ。お客さまのほうを向こう。』まあ、ドラマです。現実では、顧客のほうが、もし自分たちがここに住んだらどうなるのかを、購入前によく調べて、十分気をつけたほうがいい。
<エピソード2 1位にこだわる理由>
不動産トラブルの話です。
法律のドラマです。勉強になります。
祖父と孫が暮らしている家と土地を、別居している息子(孫の父)が売却しようとします。いろいろわけありです。
その家の所有者でも賃貸借契約者でもない人は、居住権がないのではないか。(あります)
そんな話です。
身内(親族)の問題です。
『それって、不動産屋の仕事ですか?』という声が不動産屋の社員から出ます。
『わたしの仕事のやりかたです!』別の社員が民事に介入していきます。
ドラマを観ていて思ったのは、人生は、長生きした人が勝ちではないか。最後まで生き残って、その家に住み続けることができた人が、一番の勝利者ではないのかということでした。生きている人が所有権を主張できるのです。
もうひとつは、不動産収入で暮らしている人は、不動産収入以外のことで借金がふくらむと、不動産を失います。かなりきつい思いをすることになります。
演者の演技のしかたとして、大きな声をあげて自分の意見を主張するのではなく、静かな声で、気持ちをこめながら、淡々とセリフを言ったほうが、説得力が増すような気がしました。
<エピソード3 信じられるパートナーとは>
狭小住宅(三階建ての戸建て)の売買の話です。
メリットは、安い。駅から近い。
デメリットは、狭い。狭いことで夫婦がケンカになる。売りたいけれど、狭小物件だから、買い手が見つからない。値段を下げるけれど、それでも買い手が見つからない。
さてどうしようです。
5歳児ぐらいの女の子が解決の鍵をにぎっています。
パパとママは、家が狭いことでケンカばかりしている。もうケンカはやめてです。
別居とか、離婚の話まで出てきておおごとになります。
こどもさんは、ピアノを弾きたい。
いろいろあります。
さて解決策は?
不動産屋のメンバーも含めて、みんな一生懸命です。
こどもさんがいいセリフを言います。『この家のせいで、みんながケンカになっちゃうの。本当は、パパもママも仲がいいんだよ。』(泣かせるいいセリフです)
親子の絆(きずな)を大切にしたいいドラマでした。
<エピソード4 いい部屋の定義>
信用調査に落ちた顧客の話でした。
ローンの返済ができなかった過去の履歴があります。
しかたありません。
『信用』はだいじです。
ギャンブルの借金がどうしたこうしたで、どこかで聞いたことがあるような話です。(野球選手の通訳の話)
そんな男でも見捨てない女性がいます。
男と女は理屈通りにはいきません。
どこかひとつでも尊敬できるところが相手にあれば、あとのことは目をつぶれるということはあります。
されど、どこかで線引きをしなければ共倒れになることもあります。
これは、ドラマですから修復がききましたが、現実ではそうはいきません。
無理な運びのあるお話でした。
お金のやりとりに、人情はいれないほうがいい。
解決策の手法が、『手紙』でした。
手紙は大きなトラブルになることがあるので、気をつけたほうがいい。
以前、手紙がきっかけで、複数の殺人事件につながった事件がありました。手紙ではなくて、ちゃんと会って言葉で自分の気持ちを伝えたほうがいい。それでも気持ちが伝わらないのなら、あきらめるしかありません。
<エピソード5 優しい噓>
う~む。つくってあるお話でした。
フラット35(35年固定金利ローン)の不正利用です。
虚偽申請があります。
やってはいけないことです。
不動産業界には、悪徳業者があるという設定です。ウソをついて大金を動かして手に入れて、ばれるまえに計画倒産をして逃げ切る手法があります。
顧客は相当痛い目にあいます。顧客の自己破産もありえます。
主人公は、状況設定として、風が吹いて、ほっぺたがふくらんで、本音を言い始めます。(正直なのです)
おもしろい。
人を信用しすぎてはいけない。
知り合いだからというのは、信用する根拠にはならない。むしろなにかの取引をするときは、知り合いではない人に頼んだ方が無難です。なにかあったときに、断りやすい。
うわべだけの思いやりはいらない。ルールの範囲内にいるようにする。自分側の人間を防衛する気持ちを忘れない。
ドラマに出てくるライバル会社の営業マンが、どうして、ときおり、お馬さんのようにタップ(ダンス)を踏むのだろう。(ヘンです)(その後、交通事故で亡くなった奥さんとこどもさんがらみであることがわかりました)
<エピソード6 仕事をする理由>
家賃を滞納している女優志望の若い女子の話でした。
単純にいえば、家賃を払えないのなら退去です。退去が、女優になる夢をあきらめることになるというつながりの設定です。そこに、Z世代という、必要以上に働かない若い男性社員がからんできます。
主人公が、普通なら言えない本音を言ってしまうのが、このドラマの肝(きも。重要な点)です。
胸がスーッとします。
最後はうまくまとまるというパターンです。
大家が親代わりという時代がありました。
雇い主が親代わりという時代もありました。
独身寮の寮生を、世話をする寮長のような人が親代わりという時代もありました。
あの昭和の時代はどこかへ行ってしまいました。
がんばる人は応援したい。
されど、お金がないということはつらい。
『夢』をあきらめなければならないときもあります。
夢を追うことの決心は、ドラマの中だけということもあります。現実には、あきらめたほうが、賢明なときもあります。
家賃を払えないあなたは、夢をあきらめてください。
まず、家賃を払ってから夢を追ってください。
知恵をふりしぼる。
そもそも、自分で払える家賃のところに住んでください。
仕事人間がいます。
タイパ:タイムパフォーマンス。時間と効果
コスパ:費用対効果
親ガチャ:生まれた家の環境で人生が左右される。(どこの家に生まれてきても、それなりの苦労はあります)
なんというか。効率だけが人生ではありません。
むだだと思える時間に、楽しみがあります。人生は気持ちです。
めんどうくさい作業の中に、やりがいがあります。成果が楽しみです。
効率がいい人生を送っている人を、幸せな人だとは思いません。
人間は、AI(人工知能)ロボットじゃありません。
<エピソード7 過去の自分と今の自分>
ウソをつく話です。
おとなである孫娘が、おばあちゃんにウソのカレシ、ウソの結婚話みたいなことを言います。おばあちゃんは、孫娘にタワーマンションをプレゼントしたいそうです。
さらに、不動産会社の女性社員が、出会い系サイトを利用して、男をだまして、マンションを売りつけたい話もでます。
全体的に結婚詐欺の話です。
主人公の男性は、正直不動産ですから、ウソをつくことができません。
人にだまされないための研修ビデオのようでもあります。
(案外相手をだましているようで、実は相手にだまされていたというパターンもありそうです)
不動産の契約ですから、大きなお金が動きます。
物件はローンで買えるけれど、手付金を払えないから、不動産屋に手付金分のお金を貸してもらう。(違法だそうです)
顧客から、いろいろ不正を申し込まれます。
(小さな声でもいいから、できないことは、できませんと言いましょう。断らないと、あとで深く悩むことになります。そんなふうなら買ってもらわなくていいですと言える心の余裕をもちましょう)
タワーマンションから見える景色の自慢話が出ます。
観光地などで観る展望台からの景色です。
わたしは、そういう景色は、観光地で、たまに見るだけでいいです。
まあ、つくり話ではあります。
ディーンフジオカさんの役が、恨まれ役(うらまれやく)です。ドラマには、悪役が必要です。悪役がいないと、ドラマの中身が引き締まりません(ひきしまりません)。
名言の趣旨として、『夢と人生設計は、本人のもの。たとえ血縁関係のある親族でも、本人の夢を奪うことはできない』
あたりまえのことをあたりまえにやる。(法令は人の暮らしを守るためにある)
『正直不動産は、不動産で、お客さまを不幸にするようなことはしない。』
(従業員のチョンボで(失策で(しっさくで))、500万円がパーになってしまいました)
500万円を貸した社長の言葉として、『(貸した500万円は)いらん。仕事で返せ。』(さすが社長です)
『1番はだれにも譲らない。そう約束した。(だれと?)(交通事故で亡くなった妻子とでした)』
<エピソード8 信じること>
投資用のワンルームマンションを購入する話に、だましたり、だまされたりの話がからんだ回です。
投資の罠(わな)に陥って(おちいって)、人生で転落していく。
だまされやすい人は何度もでもだまされる。
そこを、阻止しなければならないというのが、正直不動産のモットー(目標とするもの。行動指針)です。
NHKのバラエティー番組、『有吉のお金発見突撃!カネオくん』にでているそらちゃんが受験生の役で出ていました。役柄として、将来、弱きものを助ける弁護士になりたいそうです。
課長代理の藤原さんがかっこよかった。自分の顧客名簿が入ったUSBメモリを、そっと、困っている社員に渡します。
登坂不動産(とさかふどうさん)のメンバーはみんな心優しい。応援したくなります。
このドラマは、第3弾があるような気もしました。
<エピソード9 神木という男>
不動産持ち、お金持ちの人たちのお話です。
賃貸借物件のサブリース契約というものが話の素材になっています。
物件の管理を不動産会社にやってもらって、家主が手間賃を不動産会社に払う契約のようです。
貸主(家主)にとって不利だそうです。借主(不動産会社)にとって有利だそうです。家賃の値下げを家主に提案できるとか、家主から違約金をとることもできるという借主有利な借地借家法だそうです。
登坂不動産VSミネルヴァ不動産というライバル関係が、このドラマの屋台骨になっているのですが、ミネルヴァ不動産の神木さん(ディーンフジオカさん)が、悪の根源のような扱いになっています。
神木さんが悪人になった理由が、交通事故で妻子を亡くしたことという事情説明があります。
正直、よくわからない事情でした。精神的にやられて、頭がおかしくなってしまったとしか思えません。ときおりタップダンスをする理由の説明もありました。BGM(バックグラウンドミュージック)が雰囲気を高めます。
妻子の幽霊が出るという暗示の世界です。わたしは、ついていけません。そういうものがみえるはずがありません。見えたら脳みその病気です。受診した方がいい。レビー小体型認知症にありそうです。
つくり手側の心理として、苦しまぎれに幻想の世界へと逃げたという印象があります。
まあ、ドラマです。つくってある話です。
不動産の悪徳業者を退治する内容のドラマです。
正直者が悪者(わるもの)に勝つのです。勧善懲悪(かんぜんちょうあく。善事を勧め、悪事をこらしめる)です。
<エピソード10 最終話 正直不動産、誕生>
9話とこの最終は尻すぼみに感じました。息切れの内容です。
現実味のないマンガのようでした。(おおげさ。極端)
農地転用による倉庫用地としての大規模開発話(プロジェクト)があります。
そこにライバル不動産会社から妨害が入ります。
主人公の結婚話も、相手の彼女がニューヨーク支店に転勤辞令が出て、いますぐは無理になります。(おそらく続編があるのでしょう。だから、今だ、未了設定にしておく。わたしは、とらえず別居での結婚でもいいと思いました)
主人公の大事な手帳を盗む話が出てくるのですが、ふつう、だいじなものは、バックアップ(同じ内容の物をもうひとつ以上)をとっておきます。
あわせて、プロジェクトの話はもう済んだこととしてもいいような内容です。これまでは、大事な手帳でしたが、今はもう手帳は、思い出の品です。
みんな仕事人間なのねと思いましたが、家族がいる人にとっては、家族のための仕事でした。
決めゼリフとしては、『一生幸せでいたかったら、正直(しょうじき)でいろ!』です。
2024年04月05日
財布は踊る 原田ひ香
財布は踊る 原田ひ香 新潮社
『会議は踊る』というタイトルの洋画を思い出しました。1931年(昭和6年)ドイツ製作の映画です。
さて、こちらは、短編6本です。
『第一話 財布は疑う』
ルイ・ヴィトンの財布です:フランスのファッションブランド(葉月みづほが、欲しい物です)
葉月みづほ(はづき・みずほ):母子家庭育ち。埼玉県川越生まれ。母親は川越に住んでいる。高校時代に両親は離婚した。自分自身は既婚で、長男が圭太(10ヶ月)。みづほは、元派遣社員で、派遣先の会社で夫(20代後半。みづほより3歳年上。年収450万円。手取り30万円前後)と知り合って結婚した。みづほは、毎月2万円を貯金している。
みづほは、高校生の時、クラスメイトからハブられていた。(仲間外れ。村八分(むらはちぶ))
みづほは、善財夏美(ぜんざい・なつみ)のコラム『お財布からこんにちは』が好き。主婦の節約雑誌『KATE(ケイト)』が愛読書で、そのコラムが掲載されている。図書館で読む。節約のために雑誌は買わない。
夫が、雄太(生活オンチ。母親に甘やかされた。オタク。システムエンジニア。ヒマな時はゲームをしている)。
母親教室で知り合った彩花(あやか)ちゃんママがみづほの友だち。
名古屋人はケチというようなことが書いてあります。(同感です。人によりけりもありますが、びっくりするぐらい値切ったり、お金を出さなかったりするときがあります。あとは、節約家です)
葉月みづほは主婦で、節約のことがいろいろ書いてあるのですが、お金が欲しかったら、働くべきです。葉月みずほは、結婚して仕事を辞めたことを後悔しています。お金が足りない。夫はお金のやりくりに無頓着(むとんちゃく)です。家賃は、10万8000円。夫が通勤も便利な新築マンションに決めた。(東京は家賃がめちゃ高い……)
(この短編部分を読み終えました)
う~む。かなりリアルな家庭の家計事情です。
あまりにリアルすぎて、身を引く思いがあります。
よその家の金銭管理のしかたは知りませんが、こんなに、いいかげんなものなのか。
正直、あきれました。
葉月みづほファミリーは、念願のハワイ旅行に行って、みづほさんは、これまた念願のルイ・ヴィトンのお財布をハワイで買いますが、(10万円)、ご主人のいいかげんな金銭処理が原因で、家計が破たんしそうになります。ご主人の自覚のないカードローンの借金総額がすごい額です。
みづほの母親から借金をして、ご主人の親からは借金を断られて、カード会社に返済方法の相談にのってもらって返済します。
あやうくご主人は、自己破産しそうでした。
みづほがハワイで買ったルイ・ヴィトンの財布は、メルカリで値切られて、売ってしまいました。そんなふうでは、一般的な若い家庭の夢である、『家』なんか買えません。
読んでいて、書きたいことはたくさんありますが、長くなりそうなので、ポイントだけ落としていきます。
ご主人が、こどもです。スマホゲームばかりしています。だらしない男性です。『離婚』という文字が見えてきます。衣食住の生活能力が低いというか、能力がない。お金のやりくりがたいへんな人は、ビールなんか飲んではいけません。(第三のビールですけど、ご主人は、それでも飲むようなご身分ではありません)
ふと考えました。
たとえば、芸能人同士とか有名人同士で結婚したとき、家計はどのように管理・運用していくのだろうか。
あんがい、双方のふところぐあいは明かさないのではないか。
お金がたくさんあっても、家計の全体像はお互いに見えない。
もしかしたら、相手には、財産だけではなくて、大きな負債があるかもしれない。
一般人でも、たとえば、親子がべったりで、結婚した息子や娘の預金通帳と印鑑を親が保管して管理していたりもするかもしれません。そんなふうに、結婚してもこどものまま夫婦をやっている夫婦がいるのかもしれません。ちょっとこわい。中学生同士が結婚しているようなものです。
いまどきは、自立とか自活から遠い位置にいるおとながいてもおかしくない世の中です。
『クレジットカードのリボ払い』
毎月定額3万円の返済額のうち、元金の返済額は1500円だそうです。あとの2万8500円は、手数料だそうです。恐ろしい。そんなふうでは、いつまでたっても、借りた元金が減っていきません。
紙の通帳ではないから、金銭管理ができない状態です。デジタル通帳というのでしょうか。夫の通帳の中身を、夫の許可がないと妻が見ることができません。夫自身も手元に通帳がないので、なにがどうなっているのか、把握できていません。
ご主人がつくった多額の借金の返済のために、ご主人の親にお金を借りに行ったら、老後はあなたたちの世話になるつもりだったから、貯金はないと言われてしまいました。(それまでは、あいそのいい親だったのに)
こんなことで苦しむ人生はつらい。
『第二話 財布は騙る(かたる。だますという意味)』
第一話とつながります。第一話で葉月みづほがメルカリで売って手離したルイ・ヴィトンの財布が、水野文夫という男に渡ります。メルカリの落札者ですが、この水野文夫は、一筋縄ではいかない曲者(くせもの)で、悪人の類(たぐい)に入る人間です。
第二話を読み終えて、その内容がまた、お金に関する生々しい話で驚きました。現実味があります。人をだまして大金を手に入れるのです。だまされたほうは悲惨(ひさん)な目に遭います。(あいます)
お財布セミナー:参加費4800円。元タレントで今は実業家のお財布アドバイザー善財夏美が講師。財布と財布の中身がきれいな人は金銭管理がしっかりしている。(そのとおりです。財布の持ち主は、財布の中身の金額も把握できています)。いい財布をもちましょうというのが宣伝文句のセミナーです。
ライフハック:アイデア、テクニック
たくさん登場人物が出てきます。たいへんなので、ここには書きません。
わたしは、メルカリというものは知りません。FXというものもわかりません。株式投資はしていますが、株式の用語など詳しい意味は知りません。それでも損はしていません。なんというか、ことこまかく、すべてのことを知らなくてもできるということはあります。以前テレビで、女子サッカーの澤穂希さん(さわ・ほまれさん)が、自分はサッカーのルールを知らないからサッカーチームの監督はできないと言っていました。それから、同様に選手だった丸山桂里奈さんも、自分はサッカーのルールはよくわからない。自分は勢いで、ビューンとやるだけだと言っていました。そういうものなのです。事細かい知識はいりません。仕事は、才能と努力と人間関係でまわっていきます。
たくさん借金をかかえたどうしようもない人たちが、いっぱい出てきます。ひとりあたりの借金が、290万円とか450万円、900万とか、そして、いいかげんな借金のしかたをしているので、だれにいくら借りていて、返済がどうなっているのかもわかりません。メチャクチャです。
舞台は新宿歌舞伎町です。だれから借りていて、だれに返しているのかもわからないホストの世界です。ホストクラブの顧客の三十代後半女性にも売掛金(うりかけきん)という種類の借金が500万円ぐらいのっかっています。
ホストクラブの借金取り立ては、女性の実家がある栃木県まで行くのです。実家で親が追い詰められます。
負債のある人間は、いつだれにいくら借りたかの記録もとっていないので、そんな人にお金を貸したら返済してくれるわけがありません。
顔はきれいな男でも、金銭管理はできない男です。(ホスト)
『…… 自分はもう一生、結婚は無理かもしれない。借金もあるし、今後、安定した職に就ける希望もない。』(されど、人生はまだはるかに長い。どこかで、腹を決めて(決断して)、給料が安くてもいいからちゃんとした仕事についたほうがいい。(ホストのことです)
大学生がだまされていくようすを読むと、なんのために若者は東京に出るのだろうと思ってしまいました。
詐欺師(さぎし)にだまされてお金を奪われるためにわざわざ東京に出てくる。人をだましてお金をせしめたい人間にとって、上京したての若い人は、いいカモ(被害者。だまされる人。だましやすい人)です。笑顔で近づいてくる人間は要注意です。下心があります。(したごころ:悪だくみ)
友だちだからお金を貸してくれという人間も拒否しなければなりません。本当の友だちならお互いにお金の貸し借りなどしません。利用されているだけです。貸したお金は返ってきません。はっきり、わたしは、貸し借りはしませんと断りましょう。お金を貸してくれというような人とは付き合わないほうがいい。
葉月みづほがハワイで買って、メルカリに出した新品のルイ・ヴィトンの財布は、落札した水野文夫の不始末があて、立ち飲み屋で盗まれて、どこかへいってしまいました。
『第三話 財布は盗む』
かなりおもしろい内容です。この本が、いつかテレビドラマになるといいのになあ。
葉月みづほがハワイで買って、メルカリに出したルイ・ヴィトンのお財布が、ぐるぐる回ります。(そしてなんと、葉月みづほがその財布に再会します)
その財布を盗んだ野田裕一郎という若い男の転落話です。一時期は投資で何千万円も儲けたのに、仕手株(してかぶ。株式のだまし)詐欺(サギ)に遭って(あって)、すってんてんになります。野田裕一郎は、複数の窃盗事件を起こして逃避行中です。
ツイッターとかツイートというのは、わたしにはなんのことかわかりませんが、本では、最後のツイートというものが、こう書いてあります。『――やってしまいました。あなたのUはついに退場です。皆様、短い間でしたが、ありがとうございます』
一時期は大金持ちになって、SNSの世界では有名人になられたようですが、一瞬にして貧困に落ちていき、さらにご自身は、どろぼうの犯罪者になられてしまいました。今は、住所不定のホームレスです。
アベノミクス、投資信託、昇給、年金、為替、インデックスファンド、ネット証券、アメリカ株、S&P500、いろいろ出てきます。クレジットカード、ポイント、お金の話ばかりです。
書中で紹介される本、『金持ち父さん 貧乏父さん』は、読んだことがあります。そのときの感想の一部です。
『金持ち父さん貧乏父さん ロバート・キヨサキ 筑摩書房』
金持ち父さんとは、著者の友人の父さんです。実業家です。貧乏父さんとは著者の実父です。教員です。
著者は友人の父さんをほめます。友人の父は不動産投資と株を軸にして、お金儲けをする人です。
著者は、教員で、コツコツまじめに長年働く実父を否定します。人生における時間と労力がむだだと断定します。
その本を読んだときには、違和感をもちました。著者にとっては、(お金のことに関しては)友人の父が理想で、実父はだめな人という評価だったからです。
わたしは、仕事は、給料が安くても辞めてはいけない。仕事があるだけありがたいと思いなさいと教育されてがまんして働き続けました。その本の著者から見れば、否定されるほうの働き方です。
わたしは、年金生活者の老齢期を迎えて、3年ぐらい前から、株式投資を始めてその違和感が消えました。お金でお金を増やすことを知ったからです。株式投資をやっているとわかるのですが、なにかのきっかけで複数の株の株価が急上昇して、1か月半ぐらいで、パートの主婦の年収分ぐらいの利益が生まれることがあります。パートの主婦が知ったらショックを受けると思います。いっぽう、なにかのきっかけで、複数の株の株価が急落して、半日程度のことで、パートの主婦の1か月分の収入が溶けるように消えていくこともあります。ハイリスク・ハイリターンです。されど、じょうずに運用すればお金が増えていきます。『業績がいい』『信用できる』会社を選べば、株価の上下動の幅は小さくても配当金や株主優待が得られます。
デイパック:軽量・コンパクトなリュックサック
野田裕一郎は、まず、マクドナルドの株で儲けます。(もうけます)数週間で5万円の儲けでした。
野田裕一郎は、アラシ池田という詐欺師にひっかります。ツイッターでフォローします。(わたしには意味がわかりません。わからなくてもいいし、わからないほうがいいと思っています。深みにはまると、だまされます)
ひとつの銘柄に全財産(3000万円ぐらい)をつぎこむのは、ギャンブルです。たいてい失敗します。(この人は、いったいいくらお金があれば満足するのだろうか。何かに使うためのお金ではありません。お金のゲームになっています)。なんだか、最近話題になった米国野球選手の通訳だった人みたいです。ギャンブル依存症です。おおきくもうけたら、パっとギャンブルをやめるのが金もうけのコツです。ギャンブルはしょせん損をするものです。中毒になるまでやってはいけません。
野田裕一郎は、罠(わな)にはまったことが自分でわかっているのに、損切り(そんきり)ができません。(損した状態で資金を引き揚(あ)げる。それ以上の損失を止める)
こんな人と結婚したらたいへんな目にあいます。金銭感覚がおかしい。
たとえば、住宅ローンなら、完済すれば、不動産が残ります。財産を築くための借金返済です。借金返済ですが、貯金みたいな面もあります。
株は、資金が消えたら終わりです。精神的には地獄にいるような気分です。だって、もともとはお金があったわけですから、消えたら、成果は、なんにもなしです。
物語は、葉月みづほに戻ります。
お金が欲しかったら共働きは必須です。
葉月みづほは、金銭管理能力がない夫を軽蔑(けいべつ)します。どうして、こんな男と自分は結婚してしまったのだろうか。
葉月みづほに、新しい発想の投資話が舞い込みます。
安い家を買って、リフォームして、貸し出す。不動産収入を得る。これから葉月みづほが自身の名義で購入するボロ家の値段は、210万円ぐらいです。でも住める物件です。
貧困ビジネスみたいな話になります。生活保護をもらっている人に貸せば、家賃は安く設定しても、生活保護で家賃が支給されるので必ず家賃が入ってきます。(話のうしろのほうに、役所が直接大家(おおや)に家賃を払ってくれるやり方を利用するそうです。生活保護をもらっている人の家賃滞納を避けるための役所にとっての手法なのでしょう。生活保護をもらっている本人から、「いいよ。了解します」の承諾書でもとっているのでしょう)
生活保護は役所が支払いを保証してくれるような堅実さがあります。医療費とか、住宅費(家賃)とか、葬儀代とか。なにかトラブルがあれば、連絡すれば、役所の担当者が対応してくれるのでしょう。
さて、これからお話はどうなるのだろう。
おもしろい本です。
『第四話 財布は悩む』
後半で、葉月みづほさんのがんばりが表現されます。応援したい。
詐欺師、善財夏実こと蛇川茉美34歳(へびかわ・まみ。イニシャルM・H。葉月みづほと同じ。ルイ・ヴィトンのお財布に葉月が入れたイニシャルです。めぐり巡って、ルイ・ヴィトンのお財布は、蛇川茉美の手に渡ります)は悪人です。根拠のない迷信で人をだまします。風水です。風水(ふうすい):中国発祥、『気(き)』というものがあるらしい。(わたしは信じません)
スピリチュアル:精神世界ということか。(こちらもわたしは信じません。目に見えないものをわたしは信じません)
いい財布を持てば、お金がたまるそうな。(ふつうの財布でいいと思います)
コンサバ:保守的、無難な服装
保坂:雑誌の編集長
稲盛瞳:蛇川茉美がOL時代の同僚。既婚。こどもが2歳。お金持ち
上質なキャメルのAラインのコートを着ている。(Aの文字のように、末広がりのコート。ラクダの毛でつくった織物)
鉄道の忘れ物市のことが書いてある部分を読んでいた時です。そういえば、もう何十年もむかし、自分が若かったころ、イベント会場で、忘れ物の傘を売る売り子をしたことがあります。何回かやりました。もうひとり若い男性とペアになって、『もうすぐ雨が降りそうですよーー』とゆきかう人に声をかけて、1本250円だったか、300円だったかぐらいで、忘れ物の傘売りの仕事をしました。もう、すっかり忘れていました
雑誌が売れない事情が書いてあります。
エロ記事や写真を載せないと男性向けの雑誌が売れないのです。
あとは、お金に関するコラムで売ります。
女性の裸記事を載せる関係者は、自分たちがお金を得るために働いています。
マネーリテラシー:お金の知識をもってうまく活用する能力。
せどり:転売(違法なときもあるようです。買い占めて高値で転売する。コロナ禍のときのマスクを思い出しました)
セリーヌ:フランス・パリのファッションブランド。
すごい迫力です。葉月みづほが覚醒します。(かくせい。不動産投資に目覚める)
現在のマンションの家賃が10万8000円です。
埼玉のボロ家の値段が210万円です。
銀行からお金を210万円借り、ボロ家に住みながら、ローンを2年間で返済します。
その後、家賃4万5000円で、自分たちが住んでいたリフォーム後の家を人に貸します。
毎月4万5000円、年額54万円がみづほさんの不労所得になります。(単純計算ですが)
自分たち家族は、2年後別の古い家をまた買って転居します。
そうやって借家をふやしていく作戦です。葉月みづほさんは、不動産賃貸収入で資産をつくるつもりです。
金銭管理能力のないだんなさんに対して、その作戦を了解しないなら離婚すると突き放します。大金のカードローンをつくるこんな男といっしょにいてもしかたがない。さよならあなた(わたしの夫)です。
ご主人は了解します。通勤時間が長いと不満が出ますが、片道1時間以内の通勤で済むならいいほうです。サラリーマンの通勤時間が片道1時間半ぐらいは、めずらしくもありません。ありふれています。
葉月みづほには、今はまだ2歳のこども(男児)に将来高等教育を受けさせたいという願いがあります。息子にお金の苦労をさせたくないという強い意思があります。
最近、NHKドラマ、『正直不動産』という番組を動画配信サービスで観ています。最初のシリーズを観終えて、今は、セカンドのシリーズを少しずつ観ています。この短編部分と重なるような意思があります。
すごいなあ。いい本です。今年読んで良かった一冊です。
『第五話 財布は学ぶ』
奨学金の返済ができなくて、危険なめにあいそうになる若い女性の話でした。
う~む。わたしも貧しい母子家庭育ちだったので、日本育英会の奨学金を借りましたが、結婚した時に一括返済をしました。
へんな話ですが、昔は結婚式を挙げると、経費を差し引いてお金が残りました。それを原資にして奨学金を一括返済しました。
昔は、結婚式をめでたいことだとして、親族、友人、職場の人たち、おおぜいで祝ってくださいました。相互扶助の精神がありました。(農耕民族の名残です。いざというとき、農家はお互いに助け合って作業をするのです。田植えの時期とか、稲刈りの時期とか、わらぶき屋根の大きな家のわら屋根のふきかえなど、各戸を順番に、おおぜいで共同作業をして協力するのです。近所に親類縁者が固まって住んでいたということもあります。昔は、先祖をたどると、たいていの人が農家につながりました)
結婚式に出席しない人でもお祝いをくださいました。
いただいたお金のうちの半分をお返しの物として送りました。
残ったお金を結婚式の費用にあてましたが、とくに親族からは、たくさんお祝いをいただいたので、お金が残るのが普通だったと思います。結婚式はそれなりの式で、豪華にはしませんでした。
今はもう、そういうことはないのでしょう。お葬式もそうでした。香典をたくさんいただけたので、葬式代にあてることができました。
さて、短編の内容のほうです。
平原麻衣子(ひらはら・まいこ):大卒。新宿観光案内所の案内員。派遣社員なので、契約を切られそうになっている。(期限を更新しない)。奨学金の借金が300万円ぐらいある。(すごい額です。どうしてそんなに借りたのだろう)
月給手取り15万円。ボーナスなし。アパートの家賃6万円。食費等が1万5000円。携帯代約1万円。母へ仕送り1万円。光熱費1万円。手元に残るのは4万円ぐらい。そのうち3万円が奨学金の返済になる。貯金0円。金なし。カレシなし。他人に奨学金という借金があることを言えない。隠している。結婚がイメージできない。小学生のときに父親が心臓病で急死してお金がなくなった。母は働いたがうつ病になった。兄はバイトをしていたが、家を出て行った。平原麻衣子は、大学進学にあたって、月12万円支給される奨学金を申し込んだ。びっくりするような高額です。とても返済できません。自分で自分の未来をつぶしています。
斉田彩(さいた・あや):新宿カラオケボックス勤務。大卒。奨学金の借金あり。複雑な家庭事情あり。ふたりとも奨学金の返済が、月3万円あります。
お金がすべてという書き方の話が続きます。
大卒なら就職OKというのは幻想です。(円滑に就職できる)
借金は厳禁です。
細く長く働いて、無職の期間をなるべく短くする。基本的に一度始めた仕事はずっと辞めない。
昔は、欲しいものはお金がたまってから買いなさいと教えられました。今は、借金してから返せばいいと180度変化しているようです。
若い女性ですから、男性の変態相手に体を売るような商売へと導かれていきます。
そんなことまでしなければならないのなら、奨学金なんて借りなければいいのに。
若いふたりは、変態おじさんに、ラブホテルで丸裸にされてしまいそうです。
救世主があらわれます。
これまでの話に何度か登場していたファイナンスアドバイザー善財夏美(本名蛇川茉美(へびかわまみ)ルイ・ヴィトンのお財布を持っている)です。
いろいろアドバイスがあって、ルイ・ヴィトンのお財布は、若い二人へと引き継がれました。
『第六話 財布は踊る』
本の全部を読み終えました。
投資の本でした。
葉月みづほは、不動産オーナーのお金持ちになりますが、夫婦関係は冷めました。(さめました)
『そうだ。もう夫も手放そう(てばなそう)。』
ルイ・ヴィトンのお財布をめぐって、いろいろドラマが生まれます。
内見(ないけん):不動産物件の実地見学、調査
自分の来しかた行く末:こしかたいくすえ。過去と未来。
これまでの話で登場した人たちにつながりがでてきます。
かぼちゃの馬車事件:女性専用シェアハウスのこと。経営破たんで、投資家たちが自己破産した。
新宿のルノアール:高級喫茶店。コーヒーの値段は高いが、ゆったりできる。商談とか、大事な打ち合わせで使う場所。
レバレッジ:てこの原理。他人の資本を使って、自己資本の利益率を高める。
ルイ・ヴィトンのお財布が、関係者の間をめぐりました。お話は終わりましたが、これからもめぐるような気がします。
なかなかいい本でした。女性の自立・自活が表現されています。
今月始まったNHK朝ドラの、『虎に翼(鬼に金棒(かなぼう)の意味らしい)』で、女性差別撤廃のメッセージがあるのに似ています。
『会議は踊る』というタイトルの洋画を思い出しました。1931年(昭和6年)ドイツ製作の映画です。
さて、こちらは、短編6本です。
『第一話 財布は疑う』
ルイ・ヴィトンの財布です:フランスのファッションブランド(葉月みづほが、欲しい物です)
葉月みづほ(はづき・みずほ):母子家庭育ち。埼玉県川越生まれ。母親は川越に住んでいる。高校時代に両親は離婚した。自分自身は既婚で、長男が圭太(10ヶ月)。みづほは、元派遣社員で、派遣先の会社で夫(20代後半。みづほより3歳年上。年収450万円。手取り30万円前後)と知り合って結婚した。みづほは、毎月2万円を貯金している。
みづほは、高校生の時、クラスメイトからハブられていた。(仲間外れ。村八分(むらはちぶ))
みづほは、善財夏美(ぜんざい・なつみ)のコラム『お財布からこんにちは』が好き。主婦の節約雑誌『KATE(ケイト)』が愛読書で、そのコラムが掲載されている。図書館で読む。節約のために雑誌は買わない。
夫が、雄太(生活オンチ。母親に甘やかされた。オタク。システムエンジニア。ヒマな時はゲームをしている)。
母親教室で知り合った彩花(あやか)ちゃんママがみづほの友だち。
名古屋人はケチというようなことが書いてあります。(同感です。人によりけりもありますが、びっくりするぐらい値切ったり、お金を出さなかったりするときがあります。あとは、節約家です)
葉月みづほは主婦で、節約のことがいろいろ書いてあるのですが、お金が欲しかったら、働くべきです。葉月みずほは、結婚して仕事を辞めたことを後悔しています。お金が足りない。夫はお金のやりくりに無頓着(むとんちゃく)です。家賃は、10万8000円。夫が通勤も便利な新築マンションに決めた。(東京は家賃がめちゃ高い……)
(この短編部分を読み終えました)
う~む。かなりリアルな家庭の家計事情です。
あまりにリアルすぎて、身を引く思いがあります。
よその家の金銭管理のしかたは知りませんが、こんなに、いいかげんなものなのか。
正直、あきれました。
葉月みづほファミリーは、念願のハワイ旅行に行って、みづほさんは、これまた念願のルイ・ヴィトンのお財布をハワイで買いますが、(10万円)、ご主人のいいかげんな金銭処理が原因で、家計が破たんしそうになります。ご主人の自覚のないカードローンの借金総額がすごい額です。
みづほの母親から借金をして、ご主人の親からは借金を断られて、カード会社に返済方法の相談にのってもらって返済します。
あやうくご主人は、自己破産しそうでした。
みづほがハワイで買ったルイ・ヴィトンの財布は、メルカリで値切られて、売ってしまいました。そんなふうでは、一般的な若い家庭の夢である、『家』なんか買えません。
読んでいて、書きたいことはたくさんありますが、長くなりそうなので、ポイントだけ落としていきます。
ご主人が、こどもです。スマホゲームばかりしています。だらしない男性です。『離婚』という文字が見えてきます。衣食住の生活能力が低いというか、能力がない。お金のやりくりがたいへんな人は、ビールなんか飲んではいけません。(第三のビールですけど、ご主人は、それでも飲むようなご身分ではありません)
ふと考えました。
たとえば、芸能人同士とか有名人同士で結婚したとき、家計はどのように管理・運用していくのだろうか。
あんがい、双方のふところぐあいは明かさないのではないか。
お金がたくさんあっても、家計の全体像はお互いに見えない。
もしかしたら、相手には、財産だけではなくて、大きな負債があるかもしれない。
一般人でも、たとえば、親子がべったりで、結婚した息子や娘の預金通帳と印鑑を親が保管して管理していたりもするかもしれません。そんなふうに、結婚してもこどものまま夫婦をやっている夫婦がいるのかもしれません。ちょっとこわい。中学生同士が結婚しているようなものです。
いまどきは、自立とか自活から遠い位置にいるおとながいてもおかしくない世の中です。
『クレジットカードのリボ払い』
毎月定額3万円の返済額のうち、元金の返済額は1500円だそうです。あとの2万8500円は、手数料だそうです。恐ろしい。そんなふうでは、いつまでたっても、借りた元金が減っていきません。
紙の通帳ではないから、金銭管理ができない状態です。デジタル通帳というのでしょうか。夫の通帳の中身を、夫の許可がないと妻が見ることができません。夫自身も手元に通帳がないので、なにがどうなっているのか、把握できていません。
ご主人がつくった多額の借金の返済のために、ご主人の親にお金を借りに行ったら、老後はあなたたちの世話になるつもりだったから、貯金はないと言われてしまいました。(それまでは、あいそのいい親だったのに)
こんなことで苦しむ人生はつらい。
『第二話 財布は騙る(かたる。だますという意味)』
第一話とつながります。第一話で葉月みづほがメルカリで売って手離したルイ・ヴィトンの財布が、水野文夫という男に渡ります。メルカリの落札者ですが、この水野文夫は、一筋縄ではいかない曲者(くせもの)で、悪人の類(たぐい)に入る人間です。
第二話を読み終えて、その内容がまた、お金に関する生々しい話で驚きました。現実味があります。人をだまして大金を手に入れるのです。だまされたほうは悲惨(ひさん)な目に遭います。(あいます)
お財布セミナー:参加費4800円。元タレントで今は実業家のお財布アドバイザー善財夏美が講師。財布と財布の中身がきれいな人は金銭管理がしっかりしている。(そのとおりです。財布の持ち主は、財布の中身の金額も把握できています)。いい財布をもちましょうというのが宣伝文句のセミナーです。
ライフハック:アイデア、テクニック
たくさん登場人物が出てきます。たいへんなので、ここには書きません。
わたしは、メルカリというものは知りません。FXというものもわかりません。株式投資はしていますが、株式の用語など詳しい意味は知りません。それでも損はしていません。なんというか、ことこまかく、すべてのことを知らなくてもできるということはあります。以前テレビで、女子サッカーの澤穂希さん(さわ・ほまれさん)が、自分はサッカーのルールを知らないからサッカーチームの監督はできないと言っていました。それから、同様に選手だった丸山桂里奈さんも、自分はサッカーのルールはよくわからない。自分は勢いで、ビューンとやるだけだと言っていました。そういうものなのです。事細かい知識はいりません。仕事は、才能と努力と人間関係でまわっていきます。
たくさん借金をかかえたどうしようもない人たちが、いっぱい出てきます。ひとりあたりの借金が、290万円とか450万円、900万とか、そして、いいかげんな借金のしかたをしているので、だれにいくら借りていて、返済がどうなっているのかもわかりません。メチャクチャです。
舞台は新宿歌舞伎町です。だれから借りていて、だれに返しているのかもわからないホストの世界です。ホストクラブの顧客の三十代後半女性にも売掛金(うりかけきん)という種類の借金が500万円ぐらいのっかっています。
ホストクラブの借金取り立ては、女性の実家がある栃木県まで行くのです。実家で親が追い詰められます。
負債のある人間は、いつだれにいくら借りたかの記録もとっていないので、そんな人にお金を貸したら返済してくれるわけがありません。
顔はきれいな男でも、金銭管理はできない男です。(ホスト)
『…… 自分はもう一生、結婚は無理かもしれない。借金もあるし、今後、安定した職に就ける希望もない。』(されど、人生はまだはるかに長い。どこかで、腹を決めて(決断して)、給料が安くてもいいからちゃんとした仕事についたほうがいい。(ホストのことです)
大学生がだまされていくようすを読むと、なんのために若者は東京に出るのだろうと思ってしまいました。
詐欺師(さぎし)にだまされてお金を奪われるためにわざわざ東京に出てくる。人をだましてお金をせしめたい人間にとって、上京したての若い人は、いいカモ(被害者。だまされる人。だましやすい人)です。笑顔で近づいてくる人間は要注意です。下心があります。(したごころ:悪だくみ)
友だちだからお金を貸してくれという人間も拒否しなければなりません。本当の友だちならお互いにお金の貸し借りなどしません。利用されているだけです。貸したお金は返ってきません。はっきり、わたしは、貸し借りはしませんと断りましょう。お金を貸してくれというような人とは付き合わないほうがいい。
葉月みづほがハワイで買って、メルカリに出した新品のルイ・ヴィトンの財布は、落札した水野文夫の不始末があて、立ち飲み屋で盗まれて、どこかへいってしまいました。
『第三話 財布は盗む』
かなりおもしろい内容です。この本が、いつかテレビドラマになるといいのになあ。
葉月みづほがハワイで買って、メルカリに出したルイ・ヴィトンのお財布が、ぐるぐる回ります。(そしてなんと、葉月みづほがその財布に再会します)
その財布を盗んだ野田裕一郎という若い男の転落話です。一時期は投資で何千万円も儲けたのに、仕手株(してかぶ。株式のだまし)詐欺(サギ)に遭って(あって)、すってんてんになります。野田裕一郎は、複数の窃盗事件を起こして逃避行中です。
ツイッターとかツイートというのは、わたしにはなんのことかわかりませんが、本では、最後のツイートというものが、こう書いてあります。『――やってしまいました。あなたのUはついに退場です。皆様、短い間でしたが、ありがとうございます』
一時期は大金持ちになって、SNSの世界では有名人になられたようですが、一瞬にして貧困に落ちていき、さらにご自身は、どろぼうの犯罪者になられてしまいました。今は、住所不定のホームレスです。
アベノミクス、投資信託、昇給、年金、為替、インデックスファンド、ネット証券、アメリカ株、S&P500、いろいろ出てきます。クレジットカード、ポイント、お金の話ばかりです。
書中で紹介される本、『金持ち父さん 貧乏父さん』は、読んだことがあります。そのときの感想の一部です。
『金持ち父さん貧乏父さん ロバート・キヨサキ 筑摩書房』
金持ち父さんとは、著者の友人の父さんです。実業家です。貧乏父さんとは著者の実父です。教員です。
著者は友人の父さんをほめます。友人の父は不動産投資と株を軸にして、お金儲けをする人です。
著者は、教員で、コツコツまじめに長年働く実父を否定します。人生における時間と労力がむだだと断定します。
その本を読んだときには、違和感をもちました。著者にとっては、(お金のことに関しては)友人の父が理想で、実父はだめな人という評価だったからです。
わたしは、仕事は、給料が安くても辞めてはいけない。仕事があるだけありがたいと思いなさいと教育されてがまんして働き続けました。その本の著者から見れば、否定されるほうの働き方です。
わたしは、年金生活者の老齢期を迎えて、3年ぐらい前から、株式投資を始めてその違和感が消えました。お金でお金を増やすことを知ったからです。株式投資をやっているとわかるのですが、なにかのきっかけで複数の株の株価が急上昇して、1か月半ぐらいで、パートの主婦の年収分ぐらいの利益が生まれることがあります。パートの主婦が知ったらショックを受けると思います。いっぽう、なにかのきっかけで、複数の株の株価が急落して、半日程度のことで、パートの主婦の1か月分の収入が溶けるように消えていくこともあります。ハイリスク・ハイリターンです。されど、じょうずに運用すればお金が増えていきます。『業績がいい』『信用できる』会社を選べば、株価の上下動の幅は小さくても配当金や株主優待が得られます。
デイパック:軽量・コンパクトなリュックサック
野田裕一郎は、まず、マクドナルドの株で儲けます。(もうけます)数週間で5万円の儲けでした。
野田裕一郎は、アラシ池田という詐欺師にひっかります。ツイッターでフォローします。(わたしには意味がわかりません。わからなくてもいいし、わからないほうがいいと思っています。深みにはまると、だまされます)
ひとつの銘柄に全財産(3000万円ぐらい)をつぎこむのは、ギャンブルです。たいてい失敗します。(この人は、いったいいくらお金があれば満足するのだろうか。何かに使うためのお金ではありません。お金のゲームになっています)。なんだか、最近話題になった米国野球選手の通訳だった人みたいです。ギャンブル依存症です。おおきくもうけたら、パっとギャンブルをやめるのが金もうけのコツです。ギャンブルはしょせん損をするものです。中毒になるまでやってはいけません。
野田裕一郎は、罠(わな)にはまったことが自分でわかっているのに、損切り(そんきり)ができません。(損した状態で資金を引き揚(あ)げる。それ以上の損失を止める)
こんな人と結婚したらたいへんな目にあいます。金銭感覚がおかしい。
たとえば、住宅ローンなら、完済すれば、不動産が残ります。財産を築くための借金返済です。借金返済ですが、貯金みたいな面もあります。
株は、資金が消えたら終わりです。精神的には地獄にいるような気分です。だって、もともとはお金があったわけですから、消えたら、成果は、なんにもなしです。
物語は、葉月みづほに戻ります。
お金が欲しかったら共働きは必須です。
葉月みづほは、金銭管理能力がない夫を軽蔑(けいべつ)します。どうして、こんな男と自分は結婚してしまったのだろうか。
葉月みづほに、新しい発想の投資話が舞い込みます。
安い家を買って、リフォームして、貸し出す。不動産収入を得る。これから葉月みづほが自身の名義で購入するボロ家の値段は、210万円ぐらいです。でも住める物件です。
貧困ビジネスみたいな話になります。生活保護をもらっている人に貸せば、家賃は安く設定しても、生活保護で家賃が支給されるので必ず家賃が入ってきます。(話のうしろのほうに、役所が直接大家(おおや)に家賃を払ってくれるやり方を利用するそうです。生活保護をもらっている人の家賃滞納を避けるための役所にとっての手法なのでしょう。生活保護をもらっている本人から、「いいよ。了解します」の承諾書でもとっているのでしょう)
生活保護は役所が支払いを保証してくれるような堅実さがあります。医療費とか、住宅費(家賃)とか、葬儀代とか。なにかトラブルがあれば、連絡すれば、役所の担当者が対応してくれるのでしょう。
さて、これからお話はどうなるのだろう。
おもしろい本です。
『第四話 財布は悩む』
後半で、葉月みづほさんのがんばりが表現されます。応援したい。
詐欺師、善財夏実こと蛇川茉美34歳(へびかわ・まみ。イニシャルM・H。葉月みづほと同じ。ルイ・ヴィトンのお財布に葉月が入れたイニシャルです。めぐり巡って、ルイ・ヴィトンのお財布は、蛇川茉美の手に渡ります)は悪人です。根拠のない迷信で人をだまします。風水です。風水(ふうすい):中国発祥、『気(き)』というものがあるらしい。(わたしは信じません)
スピリチュアル:精神世界ということか。(こちらもわたしは信じません。目に見えないものをわたしは信じません)
いい財布を持てば、お金がたまるそうな。(ふつうの財布でいいと思います)
コンサバ:保守的、無難な服装
保坂:雑誌の編集長
稲盛瞳:蛇川茉美がOL時代の同僚。既婚。こどもが2歳。お金持ち
上質なキャメルのAラインのコートを着ている。(Aの文字のように、末広がりのコート。ラクダの毛でつくった織物)
鉄道の忘れ物市のことが書いてある部分を読んでいた時です。そういえば、もう何十年もむかし、自分が若かったころ、イベント会場で、忘れ物の傘を売る売り子をしたことがあります。何回かやりました。もうひとり若い男性とペアになって、『もうすぐ雨が降りそうですよーー』とゆきかう人に声をかけて、1本250円だったか、300円だったかぐらいで、忘れ物の傘売りの仕事をしました。もう、すっかり忘れていました
雑誌が売れない事情が書いてあります。
エロ記事や写真を載せないと男性向けの雑誌が売れないのです。
あとは、お金に関するコラムで売ります。
女性の裸記事を載せる関係者は、自分たちがお金を得るために働いています。
マネーリテラシー:お金の知識をもってうまく活用する能力。
せどり:転売(違法なときもあるようです。買い占めて高値で転売する。コロナ禍のときのマスクを思い出しました)
セリーヌ:フランス・パリのファッションブランド。
すごい迫力です。葉月みづほが覚醒します。(かくせい。不動産投資に目覚める)
現在のマンションの家賃が10万8000円です。
埼玉のボロ家の値段が210万円です。
銀行からお金を210万円借り、ボロ家に住みながら、ローンを2年間で返済します。
その後、家賃4万5000円で、自分たちが住んでいたリフォーム後の家を人に貸します。
毎月4万5000円、年額54万円がみづほさんの不労所得になります。(単純計算ですが)
自分たち家族は、2年後別の古い家をまた買って転居します。
そうやって借家をふやしていく作戦です。葉月みづほさんは、不動産賃貸収入で資産をつくるつもりです。
金銭管理能力のないだんなさんに対して、その作戦を了解しないなら離婚すると突き放します。大金のカードローンをつくるこんな男といっしょにいてもしかたがない。さよならあなた(わたしの夫)です。
ご主人は了解します。通勤時間が長いと不満が出ますが、片道1時間以内の通勤で済むならいいほうです。サラリーマンの通勤時間が片道1時間半ぐらいは、めずらしくもありません。ありふれています。
葉月みづほには、今はまだ2歳のこども(男児)に将来高等教育を受けさせたいという願いがあります。息子にお金の苦労をさせたくないという強い意思があります。
最近、NHKドラマ、『正直不動産』という番組を動画配信サービスで観ています。最初のシリーズを観終えて、今は、セカンドのシリーズを少しずつ観ています。この短編部分と重なるような意思があります。
すごいなあ。いい本です。今年読んで良かった一冊です。
『第五話 財布は学ぶ』
奨学金の返済ができなくて、危険なめにあいそうになる若い女性の話でした。
う~む。わたしも貧しい母子家庭育ちだったので、日本育英会の奨学金を借りましたが、結婚した時に一括返済をしました。
へんな話ですが、昔は結婚式を挙げると、経費を差し引いてお金が残りました。それを原資にして奨学金を一括返済しました。
昔は、結婚式をめでたいことだとして、親族、友人、職場の人たち、おおぜいで祝ってくださいました。相互扶助の精神がありました。(農耕民族の名残です。いざというとき、農家はお互いに助け合って作業をするのです。田植えの時期とか、稲刈りの時期とか、わらぶき屋根の大きな家のわら屋根のふきかえなど、各戸を順番に、おおぜいで共同作業をして協力するのです。近所に親類縁者が固まって住んでいたということもあります。昔は、先祖をたどると、たいていの人が農家につながりました)
結婚式に出席しない人でもお祝いをくださいました。
いただいたお金のうちの半分をお返しの物として送りました。
残ったお金を結婚式の費用にあてましたが、とくに親族からは、たくさんお祝いをいただいたので、お金が残るのが普通だったと思います。結婚式はそれなりの式で、豪華にはしませんでした。
今はもう、そういうことはないのでしょう。お葬式もそうでした。香典をたくさんいただけたので、葬式代にあてることができました。
さて、短編の内容のほうです。
平原麻衣子(ひらはら・まいこ):大卒。新宿観光案内所の案内員。派遣社員なので、契約を切られそうになっている。(期限を更新しない)。奨学金の借金が300万円ぐらいある。(すごい額です。どうしてそんなに借りたのだろう)
月給手取り15万円。ボーナスなし。アパートの家賃6万円。食費等が1万5000円。携帯代約1万円。母へ仕送り1万円。光熱費1万円。手元に残るのは4万円ぐらい。そのうち3万円が奨学金の返済になる。貯金0円。金なし。カレシなし。他人に奨学金という借金があることを言えない。隠している。結婚がイメージできない。小学生のときに父親が心臓病で急死してお金がなくなった。母は働いたがうつ病になった。兄はバイトをしていたが、家を出て行った。平原麻衣子は、大学進学にあたって、月12万円支給される奨学金を申し込んだ。びっくりするような高額です。とても返済できません。自分で自分の未来をつぶしています。
斉田彩(さいた・あや):新宿カラオケボックス勤務。大卒。奨学金の借金あり。複雑な家庭事情あり。ふたりとも奨学金の返済が、月3万円あります。
お金がすべてという書き方の話が続きます。
大卒なら就職OKというのは幻想です。(円滑に就職できる)
借金は厳禁です。
細く長く働いて、無職の期間をなるべく短くする。基本的に一度始めた仕事はずっと辞めない。
昔は、欲しいものはお金がたまってから買いなさいと教えられました。今は、借金してから返せばいいと180度変化しているようです。
若い女性ですから、男性の変態相手に体を売るような商売へと導かれていきます。
そんなことまでしなければならないのなら、奨学金なんて借りなければいいのに。
若いふたりは、変態おじさんに、ラブホテルで丸裸にされてしまいそうです。
救世主があらわれます。
これまでの話に何度か登場していたファイナンスアドバイザー善財夏美(本名蛇川茉美(へびかわまみ)ルイ・ヴィトンのお財布を持っている)です。
いろいろアドバイスがあって、ルイ・ヴィトンのお財布は、若い二人へと引き継がれました。
『第六話 財布は踊る』
本の全部を読み終えました。
投資の本でした。
葉月みづほは、不動産オーナーのお金持ちになりますが、夫婦関係は冷めました。(さめました)
『そうだ。もう夫も手放そう(てばなそう)。』
ルイ・ヴィトンのお財布をめぐって、いろいろドラマが生まれます。
内見(ないけん):不動産物件の実地見学、調査
自分の来しかた行く末:こしかたいくすえ。過去と未来。
これまでの話で登場した人たちにつながりがでてきます。
かぼちゃの馬車事件:女性専用シェアハウスのこと。経営破たんで、投資家たちが自己破産した。
新宿のルノアール:高級喫茶店。コーヒーの値段は高いが、ゆったりできる。商談とか、大事な打ち合わせで使う場所。
レバレッジ:てこの原理。他人の資本を使って、自己資本の利益率を高める。
ルイ・ヴィトンのお財布が、関係者の間をめぐりました。お話は終わりましたが、これからもめぐるような気がします。
なかなかいい本でした。女性の自立・自活が表現されています。
今月始まったNHK朝ドラの、『虎に翼(鬼に金棒(かなぼう)の意味らしい)』で、女性差別撤廃のメッセージがあるのに似ています。
2024年04月04日
月の満ちかけ絵本 大枝史郎・文 佐藤みき・絵
月の満ちかけ絵本 大枝史郎・文 佐藤みき・絵 あすなろ書房
理科・科学の絵本です。
月の見え方について、新月から満月まで、上弦の月(じょうげんのつき)から下弦の月(かげんのつき)まで紹介します。(吉田拓郎さん(よしだたくろうさん)の歌を思い出しました。『上弦(じょうげん)の月だったっけ ひさしぶりだねぇーー 月見るなんて(つきみるなんて)……』というような歌詞でした。たしか、歌のタイトルは、『旅の宿』でした。
夜の星を見上げる絵本でもあります。
以前類似の絵本を見たことがあります。外国の絵本でした。思い出せるかなあ。
『夜をあるく マリー・ドルレアン作 よしいかずみ訳 BL出版』でした。でも夜空の星を見たあと、家族で、夜明けを見る結末でした。月のことは書いてありませんでした。でも、満点の星空の中に、白い月は輝いていたと想像します。
さて、文字数が多い絵本です。
これから文章を指でなぞりながら読んでみます。
月の輝きの部分は、太陽に照らされている部分である。
地球の自転と公転:1日1回自転。1年365日で公転(太陽のまわりを1周する)
月は、地球のまわりを回っている。
新月:地球から月が見えない。
三日月→半月→満月→欠けていく→新月:約29.5日
月が地球を1周する(公転周期):27.3日
文章と絵なので、わかったような、わからないような気分での読書です。
日食:太陽と月、地球が一直線に並ぶ。金環日食(きんかんにっしょく。太陽がはみだしてリングが見える)、皆既日食(かいきにっしょく。太陽が全部隠れる)、部分日食。
1日目の月は見えない。「朔月(さくげつ)」という。朔は、はじめという意味。新月ともいう。
旧暦:月の満ち欠けで1か月とする。日本の古代から明治時代はじめまで使用された。
2日目の月。二日月(ふつかづき)
2日目なのに『ついたち』とあります。
糸のように細い月です。
大昔の日本では、この二日目の月を一日目の月として数えていた。
『ついたち』は、『月立ち(つきたち)』が由来となった。
小説作品を思い出しました。以前読んだことがある本です。『月の立つ林で 青山美智子 ポプラ社』 次は、読んだ時の感想の一部です。
朔ヶ崎怜花(さくがさき・れいか):主人公女性。41年間ずっと同じ一軒家に住んでいる。41歳です。未婚。元看護士。三か月前、総合病院を辞めた。実家暮らし。40歳過ぎの無職の未婚女性に貸してくれる不動産物件なしのため実家で暮らしている。印刷所の事務員の求職に申し込んだ。高校生のとき、うさぎ(小雪という名前)を飼っていたことがある。(そんな設定から始まります)
絵本に戻ります。
3日目の月。三日月(みかづき)
戦国時代、武将は兜に(かぶとに)三日月を付けて戦に臨んだ(のぞんだ)。三日月はだんだん満ちて満月になる。望みがかなえられる。(なるほど)
7日目の月。上弦の月(じょうげんのつき)。半月(はんげつ)。弓矢の弓のつるが、上にある状態で地平線に沈む。武将の弓矢からきている。
15日目の月。満月。ひと晩じゅう見えるのは満月だけだそうです。
春の満月。『菜の花や 月は東に 日は西に』 江戸時代の俳人の与謝蕪村(よさぶそん)作。1716年-1784年。68歳ぐらいで没。
思い出してみれば、こどものころ、月が身近にありました。
さらにさかのぼれば、電灯がゆきわたっていない時代がありました。
停電もよくありました。
停電して、ろうそくをつけて、夜をすごした体験があります。
テレビ放送が始まって、一般家庭にテレビが普及したのは、昭和40年代(1965年代)だったと思います。それまでは、こどもは、テレビがある家に招かれて、近所のみんなとひとつのテレビを囲んで見ていました。夜8時になるとこどもは寝る時間だと言われて、解散して、夜空に月が見える中を家に帰って行きました。
今から60年ぐらい昔は、静かで、暗い夜がありました。
秋になると、秋の虫たちの鳴き声が家のまわりで響いていました。
28日目・29日目の月。細い糸のような三日月型の月です。
明け方に出るので、『明けの三日月(あけのみかづき)』と呼ばれるそうです。
月の大きさは、だいたい地球の4分の1だそうです。
本の最後のほうに、月と宇宙の豆知識、日食、月食の説明があります。
地球の海の潮の満ち引きは、月の引力が関係しているそうです。遠くにあっても影響力ありです。
月のもようが何に見えるかという説明もあります。うさぎとか、カニとか、ライオンとか。
最後に月の満ち欠け一覧表がありました。これを書いている3月27日は、満月を過ぎたあたりです。
(その後)
これまで読んだことがある本で、月にちなんだものをいくつかピックアップしてみました。
『月と散文 又吉直樹 KADOKAWA』
エッセイ集です。どこかに掲載していた文章をまとめてあるようです。
『はじめに』に、小学生の時に書いた作文が笑われたとあります。なぜかというと、ひとつの作文の中に、『はずかしかったです。』という文節が大量に書かれていたからだそうです。なるほど。笑えます。リフレインのように(くりかえし)、『はずかしかったです。』と書かれていれば、読み手には自然と笑いが生まれてきます。
『つきのぼうや イブ・スパング・オルセン やまのうち・きよこ訳 福音館書店』
まず、絵本のサイズが変わっています。縦が、34cmで、横が、12.7cm。細長い本です。この細長さを利用して、空の月から下にある地面、そして、海底までを絵で表現してあります。1975年(昭和50年)初版の絵本です。
『おやすみなさい おつきさま マーガレット・ワイズ・ブラウン作 クラメント・ハート絵 せた・ていじ 訳 評論社』
絵は、反対色の構成です。緑と赤の反対色です。昔懐かしいダイヤル式の黒電話機です。この絵本は、アメリカ合衆国における1947年(日本では昭和22年)の作品で、日本では、1979年(昭和54年)に初版が出版されています。
『きょうはそらにまるいつき 荒井良二 偕成社』
2016年発行の絵本です。月夜ですから、月の姿があります。『あかちゃんがそらをみています』から始まります。風景は、外国、イギリスに見えます。背の高いビルディングを背景にして、樹木が生えた都市公園が見えます。ページをめくると、黄色で大きな満月の絵が目に飛び込んできました。こどもにはいい絵です。月がどかーんと見開き2ページの半分ぐらいを占領しています。
『まんげつのよるに 木村裕一・作 あべ弘士・絵 講談社』
シリーズ「あらしのよるに」の第7話でこれが最終話です。第6話で雪崩に飲み込まれたオオカミのガブはどうなったのか心配です。ガブは物語の主人公ですから必ず生きているはずです。ほら生きていました。よかった。えッ?! なんとそれはヤギのメイの夢でした。
『パパ、お月さまとって! エリック=カール・さく もりひさし・やく 偕成社』
こどもさん向けの絵本です。まずは、全体を1ページずつめくってみました。なんというか、すごい絵本です。しかけがある絵本です。ダイナミックです。1986年が初版です。アメリカの田舎町でしょう。夜空も地上も広い。なんていう長いハシゴなんだ。
『月と珊瑚(るなとさんご) 上條さなえ(かみじょう・さなえ) 講談社』
「月(るな)」も「珊瑚(さんご)」も人の名前です。「月」は、つきとは読まずに、「るな」と読みます。 「月」は英語でいうと、「ムーン」です。「ルナ」は、ラテン語で、「月の女神」です。ローマ神話に出てきます。この物語の舞台は、沖縄で、第二次世界大戦のことが書いてあるのかもしれないと予想しました。
『流浪の月(るろうのつき) 凪良ゆう(なぎら・ゆう) 東京創元社』
流浪:住むところを定めず、さまよい歩くこと。小説の中では、小学校上級生ぐらいの女児である家内更紗(かない・さらさ)が、両親がいなくなって、預けられた叔母の家の居心地が悪くて、公園で見かけた大学生男子のマンションにころがりこんでいます。「月」は、家内更紗をさしているような。
『おつきさまこんばんは 林明子 福音館書店』
絵本です。最初にスリムなネコの黒い影絵があります。アメリカ映画のピンクパンサーみたい。かっこいい。黒い影の一戸建ての家があって、ネコが2匹いて、あたりは、真っ暗。室内に黄色い電灯がついている。屋根の上が少しだけ黄色いだ円になる。ほんの少し明るい。エジプト絵画みたい。明るい。太陽のような月が目を閉じている。おめめをあけてくださーい。金太郎顔のお月さんです。猫2匹がお月さんの顔に見とれています。こんばんは。
『太陽と月の大地 コンチャ・ロペス=ナルバエス作 宇野和美訳 福音館』
スペインの昔の話です。1492年、コロンブスがアメリカ大陸を発見しています。日本は、室町時代です。宗教の対立があります。キリスト教とイスラム教です。100年間ぐらいかけて、イスラム教徒がキリスト教徒に追い出されたような内容と、冒頭付近を読むと、書いてあります。キリスト教が上で、イスラム教が下みたいな雰囲気がただよいます。
『月の満ち欠け 佐藤正午 岩波書店』
かなりおもしろい。こういう話は読んだことがありません。某作家の作品「秘密」に似ていますが違います。佐野洋子さんの「百万回生きたねこ」には通じています。舞台は青森八戸、千葉県稲毛、市原、船橋、福岡、名古屋、そのほか、自分が知っている地名が次々と出てきます。憑依(ひょうい)とか、時間移動、輪廻転生(りんねてんせい)、ホラーの要素もあります。
『月はぼくらの宇宙港 佐伯和人 新日本出版社』
60年ぐらい前、月はまだロマンチックな存在でした。うさぎが、もちつきをしている影絵を見た記憶があります。その後、たくさんのアポロが、何度も月を訪れて、荒涼とした月面風景を画像で観ることが重なり、月がもっていた神秘性は消えていきました。この本では、月学者である作者(ときにおたくっぽい)が、科学的に月のありようを解説しています。そんななかでも、月を港とし、地球を宇宙船とたとえるロマン(夢や冒険へのあこがれ)があります。作者が記しているとおり、もともと宇宙開発は、戦争のためのものでした。宇宙から、相手の国を攻撃するのです。もし、それが、現実となれば、勝者はいません。地球は滅びます。
『みかづき 森絵都(もり・えと) 集英社』
時は、昭和36年です。登場人物は、大島吾郎22歳、赤坂千明27歳、赤坂頼子40代、赤坂蕗子(ふきこ)小学1年生ほかです。それから茶々丸とかブラウニとかいう愛犬が出てきます。この時代に、学習塾をつくろう!とするようです。
『二日月(ふつかづき) いとうみく・作 丸山ゆき・絵 そうえん社』
障害者差別解消をめざした作品です。主人公夏木杏(なつき・あん)小学校4年生に、障害児の妹が生まれます。両親、とくに母親が妹の芽生(めい)にかかりっきりになります。母親に相手にしてもらえなくなった杏は母親の愛情不足のストレスに陥ります。そこを、克服していかねばなりません。同級生の磯部真由が支えになってくれます。
『月と蟹 道尾秀介 文春文庫』
直木賞受賞作品ですが、読み始めは、児童文学を読み始めたような感じがします。小学校5年生の利根慎一、富永春也、葉山鳴海(女子)たちが登場人物で、舞台は神奈川県、地名は書いてありませんが、わたしは、藤沢市あたりだろうと勝手に設定して読み始めました。(読み進めた先で、横須賀線沿線のような記述があったので、はずれでしょう。)慎一と春也が、鎌倉の鶴岡八幡宮、建長寺、十王岩を訪れています。
『チャーシューの月 村中李衣(むらなかりえ) 小峰書店』
児童養護施設で暮らす少年少女たちの暮らしぶりです。最初の数ページを過ぎたあたりから、泣けそうになります。最後は涙がにじみました。子どもを育てる気がない親はいらない。
小学校6年生女子美香の視点から見た世界がつづられています。美香の相方が、小学校1年生新米入所の明希(あき)です。彼女は正確な記憶力をもっています。
『赤い月 なかにし礼 新潮社文庫 上巻・下巻』
スタートは冷酷非情です。戦争において殺人は罪に問われません。簡潔平易な文章であるが実情がよく伝わってきます。「説明」ではないことが不思議なくらいです。情景、状況の表現がわかりやすい。これは自伝なのだろうか。満州での逃亡列車の様子は凄惨(せいさん)です。人の行為は詐欺です。善も悪もありません。植物的で無表情で平らな心が広がります。日本人が第二次世界大戦をとおして、どのように生きてきたのかをたどるいい本です。
けっこうたくさんありました。
理科・科学の絵本です。
月の見え方について、新月から満月まで、上弦の月(じょうげんのつき)から下弦の月(かげんのつき)まで紹介します。(吉田拓郎さん(よしだたくろうさん)の歌を思い出しました。『上弦(じょうげん)の月だったっけ ひさしぶりだねぇーー 月見るなんて(つきみるなんて)……』というような歌詞でした。たしか、歌のタイトルは、『旅の宿』でした。
夜の星を見上げる絵本でもあります。
以前類似の絵本を見たことがあります。外国の絵本でした。思い出せるかなあ。
『夜をあるく マリー・ドルレアン作 よしいかずみ訳 BL出版』でした。でも夜空の星を見たあと、家族で、夜明けを見る結末でした。月のことは書いてありませんでした。でも、満点の星空の中に、白い月は輝いていたと想像します。
さて、文字数が多い絵本です。
これから文章を指でなぞりながら読んでみます。
月の輝きの部分は、太陽に照らされている部分である。
地球の自転と公転:1日1回自転。1年365日で公転(太陽のまわりを1周する)
月は、地球のまわりを回っている。
新月:地球から月が見えない。
三日月→半月→満月→欠けていく→新月:約29.5日
月が地球を1周する(公転周期):27.3日
文章と絵なので、わかったような、わからないような気分での読書です。
日食:太陽と月、地球が一直線に並ぶ。金環日食(きんかんにっしょく。太陽がはみだしてリングが見える)、皆既日食(かいきにっしょく。太陽が全部隠れる)、部分日食。
1日目の月は見えない。「朔月(さくげつ)」という。朔は、はじめという意味。新月ともいう。
旧暦:月の満ち欠けで1か月とする。日本の古代から明治時代はじめまで使用された。
2日目の月。二日月(ふつかづき)
2日目なのに『ついたち』とあります。
糸のように細い月です。
大昔の日本では、この二日目の月を一日目の月として数えていた。
『ついたち』は、『月立ち(つきたち)』が由来となった。
小説作品を思い出しました。以前読んだことがある本です。『月の立つ林で 青山美智子 ポプラ社』 次は、読んだ時の感想の一部です。
朔ヶ崎怜花(さくがさき・れいか):主人公女性。41年間ずっと同じ一軒家に住んでいる。41歳です。未婚。元看護士。三か月前、総合病院を辞めた。実家暮らし。40歳過ぎの無職の未婚女性に貸してくれる不動産物件なしのため実家で暮らしている。印刷所の事務員の求職に申し込んだ。高校生のとき、うさぎ(小雪という名前)を飼っていたことがある。(そんな設定から始まります)
絵本に戻ります。
3日目の月。三日月(みかづき)
戦国時代、武将は兜に(かぶとに)三日月を付けて戦に臨んだ(のぞんだ)。三日月はだんだん満ちて満月になる。望みがかなえられる。(なるほど)
7日目の月。上弦の月(じょうげんのつき)。半月(はんげつ)。弓矢の弓のつるが、上にある状態で地平線に沈む。武将の弓矢からきている。
15日目の月。満月。ひと晩じゅう見えるのは満月だけだそうです。
春の満月。『菜の花や 月は東に 日は西に』 江戸時代の俳人の与謝蕪村(よさぶそん)作。1716年-1784年。68歳ぐらいで没。
思い出してみれば、こどものころ、月が身近にありました。
さらにさかのぼれば、電灯がゆきわたっていない時代がありました。
停電もよくありました。
停電して、ろうそくをつけて、夜をすごした体験があります。
テレビ放送が始まって、一般家庭にテレビが普及したのは、昭和40年代(1965年代)だったと思います。それまでは、こどもは、テレビがある家に招かれて、近所のみんなとひとつのテレビを囲んで見ていました。夜8時になるとこどもは寝る時間だと言われて、解散して、夜空に月が見える中を家に帰って行きました。
今から60年ぐらい昔は、静かで、暗い夜がありました。
秋になると、秋の虫たちの鳴き声が家のまわりで響いていました。
28日目・29日目の月。細い糸のような三日月型の月です。
明け方に出るので、『明けの三日月(あけのみかづき)』と呼ばれるそうです。
月の大きさは、だいたい地球の4分の1だそうです。
本の最後のほうに、月と宇宙の豆知識、日食、月食の説明があります。
地球の海の潮の満ち引きは、月の引力が関係しているそうです。遠くにあっても影響力ありです。
月のもようが何に見えるかという説明もあります。うさぎとか、カニとか、ライオンとか。
最後に月の満ち欠け一覧表がありました。これを書いている3月27日は、満月を過ぎたあたりです。
(その後)
これまで読んだことがある本で、月にちなんだものをいくつかピックアップしてみました。
『月と散文 又吉直樹 KADOKAWA』
エッセイ集です。どこかに掲載していた文章をまとめてあるようです。
『はじめに』に、小学生の時に書いた作文が笑われたとあります。なぜかというと、ひとつの作文の中に、『はずかしかったです。』という文節が大量に書かれていたからだそうです。なるほど。笑えます。リフレインのように(くりかえし)、『はずかしかったです。』と書かれていれば、読み手には自然と笑いが生まれてきます。
『つきのぼうや イブ・スパング・オルセン やまのうち・きよこ訳 福音館書店』
まず、絵本のサイズが変わっています。縦が、34cmで、横が、12.7cm。細長い本です。この細長さを利用して、空の月から下にある地面、そして、海底までを絵で表現してあります。1975年(昭和50年)初版の絵本です。
『おやすみなさい おつきさま マーガレット・ワイズ・ブラウン作 クラメント・ハート絵 せた・ていじ 訳 評論社』
絵は、反対色の構成です。緑と赤の反対色です。昔懐かしいダイヤル式の黒電話機です。この絵本は、アメリカ合衆国における1947年(日本では昭和22年)の作品で、日本では、1979年(昭和54年)に初版が出版されています。
『きょうはそらにまるいつき 荒井良二 偕成社』
2016年発行の絵本です。月夜ですから、月の姿があります。『あかちゃんがそらをみています』から始まります。風景は、外国、イギリスに見えます。背の高いビルディングを背景にして、樹木が生えた都市公園が見えます。ページをめくると、黄色で大きな満月の絵が目に飛び込んできました。こどもにはいい絵です。月がどかーんと見開き2ページの半分ぐらいを占領しています。
『まんげつのよるに 木村裕一・作 あべ弘士・絵 講談社』
シリーズ「あらしのよるに」の第7話でこれが最終話です。第6話で雪崩に飲み込まれたオオカミのガブはどうなったのか心配です。ガブは物語の主人公ですから必ず生きているはずです。ほら生きていました。よかった。えッ?! なんとそれはヤギのメイの夢でした。
『パパ、お月さまとって! エリック=カール・さく もりひさし・やく 偕成社』
こどもさん向けの絵本です。まずは、全体を1ページずつめくってみました。なんというか、すごい絵本です。しかけがある絵本です。ダイナミックです。1986年が初版です。アメリカの田舎町でしょう。夜空も地上も広い。なんていう長いハシゴなんだ。
『月と珊瑚(るなとさんご) 上條さなえ(かみじょう・さなえ) 講談社』
「月(るな)」も「珊瑚(さんご)」も人の名前です。「月」は、つきとは読まずに、「るな」と読みます。 「月」は英語でいうと、「ムーン」です。「ルナ」は、ラテン語で、「月の女神」です。ローマ神話に出てきます。この物語の舞台は、沖縄で、第二次世界大戦のことが書いてあるのかもしれないと予想しました。
『流浪の月(るろうのつき) 凪良ゆう(なぎら・ゆう) 東京創元社』
流浪:住むところを定めず、さまよい歩くこと。小説の中では、小学校上級生ぐらいの女児である家内更紗(かない・さらさ)が、両親がいなくなって、預けられた叔母の家の居心地が悪くて、公園で見かけた大学生男子のマンションにころがりこんでいます。「月」は、家内更紗をさしているような。
『おつきさまこんばんは 林明子 福音館書店』
絵本です。最初にスリムなネコの黒い影絵があります。アメリカ映画のピンクパンサーみたい。かっこいい。黒い影の一戸建ての家があって、ネコが2匹いて、あたりは、真っ暗。室内に黄色い電灯がついている。屋根の上が少しだけ黄色いだ円になる。ほんの少し明るい。エジプト絵画みたい。明るい。太陽のような月が目を閉じている。おめめをあけてくださーい。金太郎顔のお月さんです。猫2匹がお月さんの顔に見とれています。こんばんは。
『太陽と月の大地 コンチャ・ロペス=ナルバエス作 宇野和美訳 福音館』
スペインの昔の話です。1492年、コロンブスがアメリカ大陸を発見しています。日本は、室町時代です。宗教の対立があります。キリスト教とイスラム教です。100年間ぐらいかけて、イスラム教徒がキリスト教徒に追い出されたような内容と、冒頭付近を読むと、書いてあります。キリスト教が上で、イスラム教が下みたいな雰囲気がただよいます。
『月の満ち欠け 佐藤正午 岩波書店』
かなりおもしろい。こういう話は読んだことがありません。某作家の作品「秘密」に似ていますが違います。佐野洋子さんの「百万回生きたねこ」には通じています。舞台は青森八戸、千葉県稲毛、市原、船橋、福岡、名古屋、そのほか、自分が知っている地名が次々と出てきます。憑依(ひょうい)とか、時間移動、輪廻転生(りんねてんせい)、ホラーの要素もあります。
『月はぼくらの宇宙港 佐伯和人 新日本出版社』
60年ぐらい前、月はまだロマンチックな存在でした。うさぎが、もちつきをしている影絵を見た記憶があります。その後、たくさんのアポロが、何度も月を訪れて、荒涼とした月面風景を画像で観ることが重なり、月がもっていた神秘性は消えていきました。この本では、月学者である作者(ときにおたくっぽい)が、科学的に月のありようを解説しています。そんななかでも、月を港とし、地球を宇宙船とたとえるロマン(夢や冒険へのあこがれ)があります。作者が記しているとおり、もともと宇宙開発は、戦争のためのものでした。宇宙から、相手の国を攻撃するのです。もし、それが、現実となれば、勝者はいません。地球は滅びます。
『みかづき 森絵都(もり・えと) 集英社』
時は、昭和36年です。登場人物は、大島吾郎22歳、赤坂千明27歳、赤坂頼子40代、赤坂蕗子(ふきこ)小学1年生ほかです。それから茶々丸とかブラウニとかいう愛犬が出てきます。この時代に、学習塾をつくろう!とするようです。
『二日月(ふつかづき) いとうみく・作 丸山ゆき・絵 そうえん社』
障害者差別解消をめざした作品です。主人公夏木杏(なつき・あん)小学校4年生に、障害児の妹が生まれます。両親、とくに母親が妹の芽生(めい)にかかりっきりになります。母親に相手にしてもらえなくなった杏は母親の愛情不足のストレスに陥ります。そこを、克服していかねばなりません。同級生の磯部真由が支えになってくれます。
『月と蟹 道尾秀介 文春文庫』
直木賞受賞作品ですが、読み始めは、児童文学を読み始めたような感じがします。小学校5年生の利根慎一、富永春也、葉山鳴海(女子)たちが登場人物で、舞台は神奈川県、地名は書いてありませんが、わたしは、藤沢市あたりだろうと勝手に設定して読み始めました。(読み進めた先で、横須賀線沿線のような記述があったので、はずれでしょう。)慎一と春也が、鎌倉の鶴岡八幡宮、建長寺、十王岩を訪れています。
『チャーシューの月 村中李衣(むらなかりえ) 小峰書店』
児童養護施設で暮らす少年少女たちの暮らしぶりです。最初の数ページを過ぎたあたりから、泣けそうになります。最後は涙がにじみました。子どもを育てる気がない親はいらない。
小学校6年生女子美香の視点から見た世界がつづられています。美香の相方が、小学校1年生新米入所の明希(あき)です。彼女は正確な記憶力をもっています。
『赤い月 なかにし礼 新潮社文庫 上巻・下巻』
スタートは冷酷非情です。戦争において殺人は罪に問われません。簡潔平易な文章であるが実情がよく伝わってきます。「説明」ではないことが不思議なくらいです。情景、状況の表現がわかりやすい。これは自伝なのだろうか。満州での逃亡列車の様子は凄惨(せいさん)です。人の行為は詐欺です。善も悪もありません。植物的で無表情で平らな心が広がります。日本人が第二次世界大戦をとおして、どのように生きてきたのかをたどるいい本です。
けっこうたくさんありました。
2024年04月03日
やさいのおしゃべり 泉なお・作 いもとようこ・絵
やさいのおしゃべり 泉なお・作 いもとようこ・絵 金の星社
野菜の擬人化です。
まず、きゅうりが出てきます。
次に、きゅうりがキライな、小学一年生のれいちゃんが出てきます。
(わたしは、きゅうりは、味がしないけれど、腸の中をきれいにそうじしてくれるような気がします)
そのあと、物を乱暴に扱うおかあさんが登場します。
冷蔵庫の中です。野菜が、たくさんあります。
ニンジン、トマト、キャベツ、ピーマン、タマネギ、ナス、アスパラ、ネギ、ダイコン、サツマイモ(サツマイモは、冷蔵庫に入れるようなものではないと思いました。案の定(あんのじょう)、あとからその話が出てきます)
冷蔵庫の2階にあるのが、冷蔵室です。
カマボコ(カビがはえているカマボコです)、ハム
冷蔵庫の3階にあるのが、冷凍室です。
3年前のごはんが凍っています。(こおっています。きたないです。3年前とはえらい古い)
女の人だから、きれい好きとは限りません。お顔はきれいで、スタイルが良くても、家に帰れば、ごみ屋敷ということはあります。
女の人だから、片付けやおそうじができるとは限りません。
料理がじょうずとは限りません。
家計簿をきちんとつけて、お金の管理ができるとは限りません。
世の中は、誤解と錯覚で、できあがっています。
男の人だから、強くてたくましくて、頼りがいがあるとは限りません。
見た目で、中身を判断するのは気が早すぎる判断です。
ぼく:キュウリのことです。
ナス:冷蔵庫の中で、おかあさんから忘れられた存在
みんな早く食べられたい。食べられることが、みんなの役割です。
ダイコン:美人。女の子のダイコンだそうです。買って来た時は若かった。放置された今は老齢でお顔にはブツブツがいっぱいできています。ダイコンさんは、病気にかかっているように見えます。
サツマイモとジャガイモとニンニクの主張があります。自分たちは冷蔵庫に入れるのではなく、冷蔵庫の外で保存してほしいそうです。ごもっともです。
おもしろい。
野菜たちの会話です。
その夜は、マーボナスとサラダの夕食でした。ナスとトマトが冷蔵庫から出て行きました。
くさったカボチャとしょうがは、ごみ箱へポイされました。(悲しいことです)
(この本を親戚のちびっこにプレゼントしよう。来月5月、また親戚にちびっこが生まれます。ここ数年、出産ラッシュです)
おかあさんの声が聞こえます。
キュウリは酢の物にしよう。だいこんはおでんにしよう。
好き嫌いはやめようという雰囲気の呼びかけがありますが、どうしても食べられないものというのはだれしもありそうです。
わたしは、こどものころ、おみそ汁に入っているワカメがにがてでした。口の中でぬるぬるして気持ち悪くてのみこめませんでした。しかたがありません。どうしてもにがてなものは、無理して食べなくてもいいのです。
心優しい内容の絵本でした。
ちびっこにとっては、優しいのが一番です。
野菜の擬人化です。
まず、きゅうりが出てきます。
次に、きゅうりがキライな、小学一年生のれいちゃんが出てきます。
(わたしは、きゅうりは、味がしないけれど、腸の中をきれいにそうじしてくれるような気がします)
そのあと、物を乱暴に扱うおかあさんが登場します。
冷蔵庫の中です。野菜が、たくさんあります。
ニンジン、トマト、キャベツ、ピーマン、タマネギ、ナス、アスパラ、ネギ、ダイコン、サツマイモ(サツマイモは、冷蔵庫に入れるようなものではないと思いました。案の定(あんのじょう)、あとからその話が出てきます)
冷蔵庫の2階にあるのが、冷蔵室です。
カマボコ(カビがはえているカマボコです)、ハム
冷蔵庫の3階にあるのが、冷凍室です。
3年前のごはんが凍っています。(こおっています。きたないです。3年前とはえらい古い)
女の人だから、きれい好きとは限りません。お顔はきれいで、スタイルが良くても、家に帰れば、ごみ屋敷ということはあります。
女の人だから、片付けやおそうじができるとは限りません。
料理がじょうずとは限りません。
家計簿をきちんとつけて、お金の管理ができるとは限りません。
世の中は、誤解と錯覚で、できあがっています。
男の人だから、強くてたくましくて、頼りがいがあるとは限りません。
見た目で、中身を判断するのは気が早すぎる判断です。
ぼく:キュウリのことです。
ナス:冷蔵庫の中で、おかあさんから忘れられた存在
みんな早く食べられたい。食べられることが、みんなの役割です。
ダイコン:美人。女の子のダイコンだそうです。買って来た時は若かった。放置された今は老齢でお顔にはブツブツがいっぱいできています。ダイコンさんは、病気にかかっているように見えます。
サツマイモとジャガイモとニンニクの主張があります。自分たちは冷蔵庫に入れるのではなく、冷蔵庫の外で保存してほしいそうです。ごもっともです。
おもしろい。
野菜たちの会話です。
その夜は、マーボナスとサラダの夕食でした。ナスとトマトが冷蔵庫から出て行きました。
くさったカボチャとしょうがは、ごみ箱へポイされました。(悲しいことです)
(この本を親戚のちびっこにプレゼントしよう。来月5月、また親戚にちびっこが生まれます。ここ数年、出産ラッシュです)
おかあさんの声が聞こえます。
キュウリは酢の物にしよう。だいこんはおでんにしよう。
好き嫌いはやめようという雰囲気の呼びかけがありますが、どうしても食べられないものというのはだれしもありそうです。
わたしは、こどものころ、おみそ汁に入っているワカメがにがてでした。口の中でぬるぬるして気持ち悪くてのみこめませんでした。しかたがありません。どうしてもにがてなものは、無理して食べなくてもいいのです。
心優しい内容の絵本でした。
ちびっこにとっては、優しいのが一番です。
2024年04月02日
愛情物語 洋画 1956年(昭和31年)
愛情物語 洋画 1956年(昭和31年) 2時間2分 字幕 動画配信サービス
テレビ番組をなんとなく見ていたら、『孫に伝えたい映画』みたいな取り上げ方があって、徳光和夫さんが、こちらの、『愛情物語』を提案されて、熱っぽく中身の解説をされていました。
自分は見たことがない映画(タイトルは聞いたことがあります)だったので、観てみることにしました。あわせて、わたしなりに、『孫に伝えたい映画』を付記してみます。
男性ピアニストが出てきます。お金持ちの家の女性と恋をして結婚して、赤ちゃんが生まれますが、出産時に具合が悪くなって奥さんは亡くなってしまいます。
主人公の男性は妻を亡くしてショックです。妊娠させた自分に妻の死があると責任を感じます。生まれてきた息子に対して、おまえが生まれてきたから、最愛の妻を亡くしたと、息子に距離をおくようになります。(不思議な思考ではあります)
父親は、息子を自分の親族に預けて、演奏旅行に出て、長期間息子に会いません。
ほったからしにされた息子は成長して、小学生ぐらいになります。親子が再会しても、息子は自分をほったらかしにした父親になじめません。
そんな話が続きます。
そして、父親は、自分自身が、余命宣告を受けるような病気にかかります。
父親と息子の気持ちの修復話があります。父親の再婚話もあります。
まあ、つらい話です。
途中、第二次世界大戦がからみます。
戦争体験者の世代が見ると、胸にジーンとくるものがあると思います。
以上がおおまかな流れです。
以下、感想です。
きれいな音楽です。(ピアノ曲。ショパンのノクターン)
この映画で何度もピアノ演奏曲が流れます。いろいろな曲です。何度聴いても心地いい。(ここちいい)。
管楽器の音も心地いい。
生演奏で男女のダンスがあります。いい感じです。
風景は、ニューヨーク、エンパイアステートビルディングとセントラルパークです。
赤いパラソル(傘)とか、赤いドレスがいい感じでマッチしています。
男女に恋愛感情が生まれます。
(このあとどうなる)(いいことばかりは続きません)
ヴァイオリン、クラリネット、ピアノなどの音楽を聴きながら、物語はなめらかに流れていきます。ミュージカルのようでもあります。
結婚式という人生のハイライト(輝く時)を迎えました。
お天気が、感情を表現する映画でもあります。
雪が降る日があります。雨の日もあります。大雪の日があります。
音楽がきれいです。
クリスマスの頃、雨の日に、こどもが生まれました。(男の子で、ピーターと名づけられました)
手を尽くしましたが…… 主人公の妻が亡くなりました。
主役の男性は、頭がおかしくなったようです。『メリー・クリスマス』を連呼します。
父親は、妻が産んだあかちゃんを親族に預けて、南米へ演奏旅行に行ってしまいました。長いこと帰ってきません。再会するのは5年後、その後父親は第二次世界大戦の戦地へ行ってしまいます。
主人公は荒廃したおそらくアジアのどこかにある戦地で、自分の息子ぐらいの年齢の東洋人男の子と、戦災でボロになったピアノを連弾します。(れんだん。いっしょに弾く)。
父親は自分の息子を思い出します。後悔します。心を入れ替えることを決心します。(以前NHKの番組、『駅ピアノ ロンドン編』で観た、ダウン症の女の子と男性ミュージシャンの連弾シーンを思い出しました。そのシーンを観たときに、感動がありました)
ジャズです。東洋人の男の子もじょうずに鍵盤をたたきます。音楽は人を救う。みんな、笑顔です。音楽は、世界共通の言葉です。
帰国後、息子が父親になつきません。失意の父親です。ちゃんとめんどうをみてこなかったから、父親に息子がなついていません。
父親は強引です。見ていて、ばかだなあ、このオヤジと思ってしまいます。父親のやりかたを知らない男です。
助けてくれる女性が現れます。彼女はがんこでぶきような少年の父親に負けていません。少年のことを思って、少年の父親に激しくくってかかります。すばらしい。
あなたは、ピアニストとしては優秀ですが、人間としては、ダメ人間です。
強気な女の人がかっこいい。
男が(父親)が折れました。(それでいい)
最初に再会した時の5歳児ぐらいのピーターがとてもかわいい。
洋画『クレイマー、クレイマー』とか、『チャンプ』、『リアル・スティール』を思い出しました。どれも父親と小さなこどもとの心温まる(あたたまる)いい映画でした。
コントラバスの音がいい。ブンブンブンブン。
こどもたちの演奏もいい。
ピアノ、ドラム、クラリネット、トロンボーン、トランペット、合奏がなかなかいい。
マラカス、タンバリン、ボンゴ、ギター、ベース、ヴァイオリン、フルート、ピッコロ、聴いていて、また、ミュージカル劇を観に行きたくなりました。
音楽演奏が中心の映画です。
『平和』であることが大事(だいじ)というメッセージもあります。
父親の性格として、どうしてこの人は、人の言うことをきかないがんこ者だろうと観ていて思うことがあります。
それでも、父親をあんなにきらっていたのに、ほったらかしにされたと怒っていたのに、ピーターは父親になつくようになります。
だけど、父親は病気にかかって余命宣告を受けます。(なんの病気なのかは映画を観ていてもわかりませんでした)
自分が死んだあとのことも考えたのか、父親は息子がなついている女性にプロポーズします。されど、すんなりとは話がまとまりません。
女性『あなたの妻になります』
男性『同情はいらない』
そんなやりとりがあります。
人の暮らしにおいては、健康で、心すこやかに生活できることが一番いいことです。
ピアノの連弾で締めます。
舞台劇のようです。
<明るくいこう! 暗い気持ちのときこそ、明るくいこう!>
生きていることは、ありがたいことなんです。
さて、わたしが孫に伝えたい映画をパラパラと書き出して終わりにします。
『ブタがいた教室』、『武士の一分』、『砂の器(すなのうつわ)』、『プラダを着た悪魔』、『俺たちは天使じゃない』、『フォレスト・ガンプ』、『スウィングガールズ』、『ローマの休日』、『クールランニング』、『シックス・センス』、『幸せの黄色いハンカチ(しあわせのきいろいハンカチ)』、『カサブランカ』、『レインマン』、『素晴らしき哉(かな)、人生!』、『ひまわり』、『リアル・スティール』、『街の灯』、『マイ・フェア・レディ』、『天使のくれた時間』、『蝉(せみ)しぐれ』、『ひまわり』、『椿三十郎』、『ALWAYS 三丁目の夕日シリーズ』、『八甲田山(はっこうださん)』、『ツナグ』、『60歳のラブレター』、『二十四の瞳』、『のど自慢』、『歓喜の歌』、『幼な子われらに生まれ』、『家族はつらいよ』、『男はつらいよシリーズ』、『人魚の眠る家』、『きみはいい子』、『レナードの朝』、『ゴースト ニューヨークの幻(まぼろし)』、『ナイトミュージアムシリーズ』、『スピード』、『チャンプ』、『クレイマー、クレイマー』、『太川&蛭子(えびす)のローカル路線バス乗り継ぎの旅 台湾編 マドンナ 三船美佳』、『ゼロ・グラビティ(無重力)』、『スタンドバイミー』、『ホームアローンシリーズ』、『朝が来る』、『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?』、『トイストーリ3』、『壬生義士伝(みぶぎしでん)』、『シャイロックの子供たち』、『ぼけますから、よろしくお願いします』、『ちいさな哲学者たち』、『ロッキー』、『プライベート・ライアン』、『ジョゼと虎と魚たち』、『百円の恋』、『若おかみは小学生』、『アルキメデスの大戦』、『ヒミズ』、『異人たちとの夏』、『ニュー・シネマパラダイス』、『シンドラーのリスト』、『ダイハード』。いっぱい書いてしまいました。
テレビ番組をなんとなく見ていたら、『孫に伝えたい映画』みたいな取り上げ方があって、徳光和夫さんが、こちらの、『愛情物語』を提案されて、熱っぽく中身の解説をされていました。
自分は見たことがない映画(タイトルは聞いたことがあります)だったので、観てみることにしました。あわせて、わたしなりに、『孫に伝えたい映画』を付記してみます。
男性ピアニストが出てきます。お金持ちの家の女性と恋をして結婚して、赤ちゃんが生まれますが、出産時に具合が悪くなって奥さんは亡くなってしまいます。
主人公の男性は妻を亡くしてショックです。妊娠させた自分に妻の死があると責任を感じます。生まれてきた息子に対して、おまえが生まれてきたから、最愛の妻を亡くしたと、息子に距離をおくようになります。(不思議な思考ではあります)
父親は、息子を自分の親族に預けて、演奏旅行に出て、長期間息子に会いません。
ほったからしにされた息子は成長して、小学生ぐらいになります。親子が再会しても、息子は自分をほったらかしにした父親になじめません。
そんな話が続きます。
そして、父親は、自分自身が、余命宣告を受けるような病気にかかります。
父親と息子の気持ちの修復話があります。父親の再婚話もあります。
まあ、つらい話です。
途中、第二次世界大戦がからみます。
戦争体験者の世代が見ると、胸にジーンとくるものがあると思います。
以上がおおまかな流れです。
以下、感想です。
きれいな音楽です。(ピアノ曲。ショパンのノクターン)
この映画で何度もピアノ演奏曲が流れます。いろいろな曲です。何度聴いても心地いい。(ここちいい)。
管楽器の音も心地いい。
生演奏で男女のダンスがあります。いい感じです。
風景は、ニューヨーク、エンパイアステートビルディングとセントラルパークです。
赤いパラソル(傘)とか、赤いドレスがいい感じでマッチしています。
男女に恋愛感情が生まれます。
(このあとどうなる)(いいことばかりは続きません)
ヴァイオリン、クラリネット、ピアノなどの音楽を聴きながら、物語はなめらかに流れていきます。ミュージカルのようでもあります。
結婚式という人生のハイライト(輝く時)を迎えました。
お天気が、感情を表現する映画でもあります。
雪が降る日があります。雨の日もあります。大雪の日があります。
音楽がきれいです。
クリスマスの頃、雨の日に、こどもが生まれました。(男の子で、ピーターと名づけられました)
手を尽くしましたが…… 主人公の妻が亡くなりました。
主役の男性は、頭がおかしくなったようです。『メリー・クリスマス』を連呼します。
父親は、妻が産んだあかちゃんを親族に預けて、南米へ演奏旅行に行ってしまいました。長いこと帰ってきません。再会するのは5年後、その後父親は第二次世界大戦の戦地へ行ってしまいます。
主人公は荒廃したおそらくアジアのどこかにある戦地で、自分の息子ぐらいの年齢の東洋人男の子と、戦災でボロになったピアノを連弾します。(れんだん。いっしょに弾く)。
父親は自分の息子を思い出します。後悔します。心を入れ替えることを決心します。(以前NHKの番組、『駅ピアノ ロンドン編』で観た、ダウン症の女の子と男性ミュージシャンの連弾シーンを思い出しました。そのシーンを観たときに、感動がありました)
ジャズです。東洋人の男の子もじょうずに鍵盤をたたきます。音楽は人を救う。みんな、笑顔です。音楽は、世界共通の言葉です。
帰国後、息子が父親になつきません。失意の父親です。ちゃんとめんどうをみてこなかったから、父親に息子がなついていません。
父親は強引です。見ていて、ばかだなあ、このオヤジと思ってしまいます。父親のやりかたを知らない男です。
助けてくれる女性が現れます。彼女はがんこでぶきような少年の父親に負けていません。少年のことを思って、少年の父親に激しくくってかかります。すばらしい。
あなたは、ピアニストとしては優秀ですが、人間としては、ダメ人間です。
強気な女の人がかっこいい。
男が(父親)が折れました。(それでいい)
最初に再会した時の5歳児ぐらいのピーターがとてもかわいい。
洋画『クレイマー、クレイマー』とか、『チャンプ』、『リアル・スティール』を思い出しました。どれも父親と小さなこどもとの心温まる(あたたまる)いい映画でした。
コントラバスの音がいい。ブンブンブンブン。
こどもたちの演奏もいい。
ピアノ、ドラム、クラリネット、トロンボーン、トランペット、合奏がなかなかいい。
マラカス、タンバリン、ボンゴ、ギター、ベース、ヴァイオリン、フルート、ピッコロ、聴いていて、また、ミュージカル劇を観に行きたくなりました。
音楽演奏が中心の映画です。
『平和』であることが大事(だいじ)というメッセージもあります。
父親の性格として、どうしてこの人は、人の言うことをきかないがんこ者だろうと観ていて思うことがあります。
それでも、父親をあんなにきらっていたのに、ほったらかしにされたと怒っていたのに、ピーターは父親になつくようになります。
だけど、父親は病気にかかって余命宣告を受けます。(なんの病気なのかは映画を観ていてもわかりませんでした)
自分が死んだあとのことも考えたのか、父親は息子がなついている女性にプロポーズします。されど、すんなりとは話がまとまりません。
女性『あなたの妻になります』
男性『同情はいらない』
そんなやりとりがあります。
人の暮らしにおいては、健康で、心すこやかに生活できることが一番いいことです。
ピアノの連弾で締めます。
舞台劇のようです。
<明るくいこう! 暗い気持ちのときこそ、明るくいこう!>
生きていることは、ありがたいことなんです。
さて、わたしが孫に伝えたい映画をパラパラと書き出して終わりにします。
『ブタがいた教室』、『武士の一分』、『砂の器(すなのうつわ)』、『プラダを着た悪魔』、『俺たちは天使じゃない』、『フォレスト・ガンプ』、『スウィングガールズ』、『ローマの休日』、『クールランニング』、『シックス・センス』、『幸せの黄色いハンカチ(しあわせのきいろいハンカチ)』、『カサブランカ』、『レインマン』、『素晴らしき哉(かな)、人生!』、『ひまわり』、『リアル・スティール』、『街の灯』、『マイ・フェア・レディ』、『天使のくれた時間』、『蝉(せみ)しぐれ』、『ひまわり』、『椿三十郎』、『ALWAYS 三丁目の夕日シリーズ』、『八甲田山(はっこうださん)』、『ツナグ』、『60歳のラブレター』、『二十四の瞳』、『のど自慢』、『歓喜の歌』、『幼な子われらに生まれ』、『家族はつらいよ』、『男はつらいよシリーズ』、『人魚の眠る家』、『きみはいい子』、『レナードの朝』、『ゴースト ニューヨークの幻(まぼろし)』、『ナイトミュージアムシリーズ』、『スピード』、『チャンプ』、『クレイマー、クレイマー』、『太川&蛭子(えびす)のローカル路線バス乗り継ぎの旅 台湾編 マドンナ 三船美佳』、『ゼロ・グラビティ(無重力)』、『スタンドバイミー』、『ホームアローンシリーズ』、『朝が来る』、『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?』、『トイストーリ3』、『壬生義士伝(みぶぎしでん)』、『シャイロックの子供たち』、『ぼけますから、よろしくお願いします』、『ちいさな哲学者たち』、『ロッキー』、『プライベート・ライアン』、『ジョゼと虎と魚たち』、『百円の恋』、『若おかみは小学生』、『アルキメデスの大戦』、『ヒミズ』、『異人たちとの夏』、『ニュー・シネマパラダイス』、『シンドラーのリスト』、『ダイハード』。いっぱい書いてしまいました。
2024年04月01日
東野&岡村の旅猿24 オリックスの宮崎キャンプを満喫しよう!
東野&岡村の旅猿24 オリックスの宮崎キャンプを満喫しよう! hulu(フールー)
小雨パラパラ降る宮崎市です。
宮崎市には行ったことがないのでいつか訪れてみたい。
九州の西海岸は新幹線や高速道路があって行きやすいのですが、東海岸にある宮崎へ行くには、うちの場合だと、中部国際空港セントレアから飛行機で往復になりそうです。(この企画の最終回の番組放送でも、天候が悪くなりそうなので、予定よりも早い飛行機に搭乗して羽田へ帰りましょうという経過になりました)
さて、恒例のオリックスファン岡田圭右さん(ますだおかだのおかだけいすけさん)が登場する回の旅猿です。
スケジュールの都合で、岡田圭右さんは遅れて参加されるそうです。
楽しい旅になりそうです。
わたしも息子が中学で野球をしていたころは、プロ野球観戦で、日本各地にある球場に観戦のため足を運びましたが、その後息子の進路が変わって、野球とは縁遠くなりました。最近の野球選手の名前もわかりません。
キャンプ地の球場を訪れてもりあがる東野幸治さんと岡村隆史さんです。
選手始め関係者のみなさんと談笑が続きます。
なごやかです。
(つづく)
太ももの筋肉が松ノ木の根っこのようにごつい選手がいます。びっくりです。さすがです。
イケメンの選手が多い。
若手も生き生きしています。
昔は、(キャンプ地が沖縄県宮古島のときは)、見学に来るファンは少なかったそうです。ファンは、10人ぐらいしかいなかったそうです。今では、行列ができるぐらい見学に来てくださるのでうれしいそうです。
遅れてきた岡田圭右さんが、自分は暗黒の時代(負け続けていたときのことでしょう)からのファンとして続けてきたのに、自分をさしおいて、東野・岡村のおふたりさんが、気軽に、次々とたくさんの選手と会話をすることがけしからんと怒ります。(おこります)
東野幸治さんは、選手に(たぶん有名な)、『あなたのポジションはどこですか?』と質問します。岡田圭右さんが、そんな失礼な質問をするな!と怒ります。(ごもっともですが、東野幸治さんは野球を知らないし野球のプレイも未経験だそうです)
わきあいあいとしていて、仲がいい。いい感じです。明るいのがいい。
岡田圭右さんは、カメラが回っているときはものすごいおしゃべりですが、そうでないとき、ふだんは、無口で暗い雰囲気だと、以前、旅猿の中で、岡村隆史さんが紹介していたような記憶があります。
無理にスイッチを入れて、仕事をされているのかもしれません。人はいろいろです。(あとから、岡田圭右さんが、東野幸治さんも同様で、ふだんは無口だと話をされていました)
三人でバッティングセンターに行きました。
三人ともおじょうずです。
あんな速い球、バットにあてるだけでもたいしたものですが、ヒット性のあたりも出ていました。感心しました。
(つづく)
一行は(いっこうは)、宮崎で巨人軍の選手が宿泊するホテルの屋上露天風呂に入りに行きました。(入浴だけです)
以前わたしが泊まったことがある愛知県知多半島にあるホテルのように、屋上に設置されている露天風呂から広々とした海をながめることができるところでした。とても気持ちがいいものです。
三人の話は大盛り上がりです。漫才の話です。仕事の話です。まあ、にぎやかでした。
晩御飯は、宮崎地鶏(じどり)のおいしいお店でした。オリックスの若手選手たちも来ていました。
せせり:首回りのお肉
タタキ:生肉の表面を炙り(あぶり)細かく切る。
ぜいたくですなあ。
午後8時45分にお開きで、オリックスの選手が宿泊するホテルに三人も泊まりました。
観ていて、昔の太川さんとえびすさんのローカル路線バス乗り継ぎの旅を思い出しました。
四国を回るルートでした。調べたら感想が残っていました。
『遠藤久美子さんのコメントでおもしろかったところです。太川陽介さんが、高知県の安芸市(あきし)でプロ野球の阪神タイガースの選手がキャンプをしていると話をしたら、遠藤久美子さんが、テントを張って、寝袋で寝ているんですよねと確認の質問を太川陽介さんに返したことです。プロ野球を知らない人にとっては、「キャンプ」の意味が「合同強化練習」のこととはわからないのでしょう。たぶん、選手はキャンプ中、快適なホテル暮らしをしているでしょう。』
プロ野球のキャンプは一度だけ見たことがあります。
もうずいぶん昔のことですが、40年ぐらい前に、グァム島でジャイアンツのキャンプを見たことがあります。
なんというか、プロ選手の場合は、才能が一番で、練習は二番と感じました。レベルが高いので練習しなくてもプレイできそうに見えました。選手には、生まれもったずばぬけた野球の才能が身についているのです。日本人の人口1臆2300万人のなかからプロ野球選手として選ばれた人たちです。練習しなくてもできちゃうのです。そんなふうに見えました。
映像では、なんだか、お忙しい三人さんです。
旅も、仕事のスキマ時間を使ってのようでたいへんです。
今回、プロの選手のインタビューはたくさんできたけれど、選手たちが、投げる、打つの姿を近くで見ることができなかったとのことでした。
宮崎編は今回で終わりです。
次回の旅猿は、ゲストがずん飯尾さんで、場所は北海道函館で、イカ食べまくりの企画だそうです。
ずん飯尾さんは、こないだは、出川哲朗さんの充電バイクの旅で、湘南を走って、横浜での『出川哲朗還暦祭り』に向けての番組で出演されていたわけで、旅好きのタレントさんは、あちこちの旅番組をかけもちされているようです。
小雨パラパラ降る宮崎市です。
宮崎市には行ったことがないのでいつか訪れてみたい。
九州の西海岸は新幹線や高速道路があって行きやすいのですが、東海岸にある宮崎へ行くには、うちの場合だと、中部国際空港セントレアから飛行機で往復になりそうです。(この企画の最終回の番組放送でも、天候が悪くなりそうなので、予定よりも早い飛行機に搭乗して羽田へ帰りましょうという経過になりました)
さて、恒例のオリックスファン岡田圭右さん(ますだおかだのおかだけいすけさん)が登場する回の旅猿です。
スケジュールの都合で、岡田圭右さんは遅れて参加されるそうです。
楽しい旅になりそうです。
わたしも息子が中学で野球をしていたころは、プロ野球観戦で、日本各地にある球場に観戦のため足を運びましたが、その後息子の進路が変わって、野球とは縁遠くなりました。最近の野球選手の名前もわかりません。
キャンプ地の球場を訪れてもりあがる東野幸治さんと岡村隆史さんです。
選手始め関係者のみなさんと談笑が続きます。
なごやかです。
(つづく)
太ももの筋肉が松ノ木の根っこのようにごつい選手がいます。びっくりです。さすがです。
イケメンの選手が多い。
若手も生き生きしています。
昔は、(キャンプ地が沖縄県宮古島のときは)、見学に来るファンは少なかったそうです。ファンは、10人ぐらいしかいなかったそうです。今では、行列ができるぐらい見学に来てくださるのでうれしいそうです。
遅れてきた岡田圭右さんが、自分は暗黒の時代(負け続けていたときのことでしょう)からのファンとして続けてきたのに、自分をさしおいて、東野・岡村のおふたりさんが、気軽に、次々とたくさんの選手と会話をすることがけしからんと怒ります。(おこります)
東野幸治さんは、選手に(たぶん有名な)、『あなたのポジションはどこですか?』と質問します。岡田圭右さんが、そんな失礼な質問をするな!と怒ります。(ごもっともですが、東野幸治さんは野球を知らないし野球のプレイも未経験だそうです)
わきあいあいとしていて、仲がいい。いい感じです。明るいのがいい。
岡田圭右さんは、カメラが回っているときはものすごいおしゃべりですが、そうでないとき、ふだんは、無口で暗い雰囲気だと、以前、旅猿の中で、岡村隆史さんが紹介していたような記憶があります。
無理にスイッチを入れて、仕事をされているのかもしれません。人はいろいろです。(あとから、岡田圭右さんが、東野幸治さんも同様で、ふだんは無口だと話をされていました)
三人でバッティングセンターに行きました。
三人ともおじょうずです。
あんな速い球、バットにあてるだけでもたいしたものですが、ヒット性のあたりも出ていました。感心しました。
(つづく)
一行は(いっこうは)、宮崎で巨人軍の選手が宿泊するホテルの屋上露天風呂に入りに行きました。(入浴だけです)
以前わたしが泊まったことがある愛知県知多半島にあるホテルのように、屋上に設置されている露天風呂から広々とした海をながめることができるところでした。とても気持ちがいいものです。
三人の話は大盛り上がりです。漫才の話です。仕事の話です。まあ、にぎやかでした。
晩御飯は、宮崎地鶏(じどり)のおいしいお店でした。オリックスの若手選手たちも来ていました。
せせり:首回りのお肉
タタキ:生肉の表面を炙り(あぶり)細かく切る。
ぜいたくですなあ。
午後8時45分にお開きで、オリックスの選手が宿泊するホテルに三人も泊まりました。
観ていて、昔の太川さんとえびすさんのローカル路線バス乗り継ぎの旅を思い出しました。
四国を回るルートでした。調べたら感想が残っていました。
『遠藤久美子さんのコメントでおもしろかったところです。太川陽介さんが、高知県の安芸市(あきし)でプロ野球の阪神タイガースの選手がキャンプをしていると話をしたら、遠藤久美子さんが、テントを張って、寝袋で寝ているんですよねと確認の質問を太川陽介さんに返したことです。プロ野球を知らない人にとっては、「キャンプ」の意味が「合同強化練習」のこととはわからないのでしょう。たぶん、選手はキャンプ中、快適なホテル暮らしをしているでしょう。』
プロ野球のキャンプは一度だけ見たことがあります。
もうずいぶん昔のことですが、40年ぐらい前に、グァム島でジャイアンツのキャンプを見たことがあります。
なんというか、プロ選手の場合は、才能が一番で、練習は二番と感じました。レベルが高いので練習しなくてもプレイできそうに見えました。選手には、生まれもったずばぬけた野球の才能が身についているのです。日本人の人口1臆2300万人のなかからプロ野球選手として選ばれた人たちです。練習しなくてもできちゃうのです。そんなふうに見えました。
映像では、なんだか、お忙しい三人さんです。
旅も、仕事のスキマ時間を使ってのようでたいへんです。
今回、プロの選手のインタビューはたくさんできたけれど、選手たちが、投げる、打つの姿を近くで見ることができなかったとのことでした。
宮崎編は今回で終わりです。
次回の旅猿は、ゲストがずん飯尾さんで、場所は北海道函館で、イカ食べまくりの企画だそうです。
ずん飯尾さんは、こないだは、出川哲朗さんの充電バイクの旅で、湘南を走って、横浜での『出川哲朗還暦祭り』に向けての番組で出演されていたわけで、旅好きのタレントさんは、あちこちの旅番組をかけもちされているようです。