2020年10月19日

ユー・ガット・メール アメリカ映画DVD 

ユー・ガット・メール アメリカ映画DVD 1999年日本公開

 ラブコメディです。途中経過はおもしろかったのですが、わたしには合わない映画でした。
 最後のシーンは苦しい。

 男尊女卑で、男性優位の映画でした。また、わたしの意識が過剰反応を示してしまうのですが、白人の白人による白人社会のための映画だという印象が残りました。

 この映画の始まりでは、ウィンドウズ95とか、ウィンドウズ97を思い出すパソコンマシンの通信音が流れます。なつかしい。
 昔、はやった本・ドラマ・映画の「電車男」を思い出しました。この映画と似たような雰囲気があります。

 映画の内容は、メール友達のお話です。
 現実社会では商売で対立する男女が、お互いの素性を知らず、ネットの中では親友です。(昔このパターンで親子の設定のドラマを見たことがあります)
 お互いに同棲相手がいるらしく、パートナーを一人に限らないという自由な男女関係が日本人には理解しがたい。
 そのほかにも、親子関係がややこしい。アメリカ社会では、簡単に離婚して再婚するので、叔父と叔母の年齢関係が逆転したりしています。劇中では、そういうことを、「アメリカンファミリー」というのだというような言葉で出ていました。自慢するようなことではないと思うのです。

 ストーリーは、ネット上でお互いに本名を知らない相手が、現実に会う状況にもっていきます。
 男性のほうがことの真実に気づきます。女性はラストシーンまで気づけません。

 男性は大型安売りチェーン書店の経営者です。女性は、個人書店で絵本を専門に販売しています。
 男性の会社が女性の個人書店の前に開店して、女性の小さな絵本専門書店は経営不振になります。
 このあとの展開として考えられるのは、①男性の大型書店出店の中止②けんか別れ③吸収合併でした。
 結局女性が深く愛する絵本専門書店はつぶれてしまいました。
 日本人の感覚では、男性がいくら女性の心を開放できたからといっても、愛着のある自分の店をつぶされた女性は、攻撃してきた男性に対する憎しみは芽生えても男性との愛情を育む気にはなれません。
 それでも女性が男性に近づくのであれば、その理由は、男性の持っている「金目当て」です。
 話を発展させて、復讐のために男性を毒殺にもっていくというサスペンス・ストーリーさえ計画できます。

 わからなかったこととして、映画ゴッドファーザーでの「マットで組む」というたとえが出ます。敵と闘うらしい。
 それからもうひとつ、「彼女って共和党なのかも」というセリフも意味が不明でした。
 気に入ったセリフとして、「(離婚した女性が)うそつきと結婚したワタシが悪いの」  

2020年10月18日

チャレンジ ミッケ! 1 おもちゃばこ ウォルター・ウィッ

チャレンジ ミッケ! 1 おもちゃばこ ウォルター・ウィック作 糸井重里(いといしげさと)訳 小学館

 ものをさがす写真絵本です。
 この写真絵本はわたしには難儀(なんぎ。困難。苦悩)です。
 老眼がすすんで、指定されたものが見えません。なかなか、見つけきれません。また、答えも書いてありませんので、探すしかないのです。
 おもちゃばこのなかにあるたくさんのもののなかから見つけだすのは、たとえば、「ぎんいろのたいよう」「ぽちぽちもようのいぬ」「きらりとひかるねこ」などです。
 孫たちがどんな反応を示すかわかりませんが、それぞれの個性で、人によって、この本にはまる人とすぐにほおりだす人がいそうです。

(追記 2020年11月4日)
 最初は、ちびっことふたりで挑戦しました。さっぱり見つかりません。
 おとなふたりを追加して、四人で挑戦して、全ページをめくり、ようやくほぼ全部を見つけました。なかには正解がどうかあやしいものもありますが。たぶん、合っていると思います。
 時間がかかりましたが、なかなか楽しい。早く、早くと気持ちがあせっているとできません。何分かかってもいい。一時間ぐらいかかってもいいと落ち着いて、平面の絵を見つめながら、立体の映像を脳にイメージすると、いままで見えていなかったものが見える不思議さを体験できます。
 やっぱり問題解決はチームで取り組むと効果的だし、やりがいも増すし、雰囲気も盛り上がります。  

Posted by 熊太郎 at 07:34Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2020年10月17日

ちょっとだけ 瀧村有子・作 鈴木永子・絵

ちょっとだけ 瀧村有子(たきむらゆうこ)・作 鈴木永子(すずきながこ)・絵 福音館書店

 絵本です。良書です。

 表紙の絵を見て、上の子が下の子を、「ちょとだけ」お世話させてという趣旨の絵本だと思って読み始めましたが違っていました。
 上の子がママに、「ちょっとだけ」わたしを抱いてとお願いする物語です。

 主人公は、「なっちゃん」で、うちにあかちゃんが生まれて、なっちゃんはお姉ちゃんになりました。
 実体験がないと書けない内容です。
 なっちゃんは、赤ちゃんにママをとられてしまいました。
 だから、じぶんのことはじぶんでするようになりました。
 手をつないでもらえないから、ママのスカートのはしっこをにぎって歩きます。
 大きなパックの牛乳をこぼしながらコップに入れます。じぶんのことはじぶんでやらないと、ママは赤ちゃんの世話でよゆうがないのです。
 ボタンをかけちがいしながらパジャマを着ます。
 誠実な絵本です。今年読んで良かった一冊になりました。
 髪の毛もじぶんでゴムを使ってしばります。可愛い。でもうまくむすべていません。
 公園へひとりで遊びに行きます。ひとりでブランコをこぎます。23ページのブランコで片方の靴が脱げたシーンの絵はグッドです。
 ひとりぼっちの公園から帰ってきたなっちゃんはママにお願いします。「ちょっとだけだっこして」
 ママはなっちゃんを、ちょっとだけでなくて、いっぱいだっこしてあげます。
 人は、人に優しくされると、人に優しい人間になれます。  

Posted by 熊太郎 at 07:42Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2020年10月16日

世界で一番の贈り物 マイケル・モーパーゴ作

世界で一番の贈り物 マイケル・モーパーゴ作 マイケル・フォアマン画 佐藤見果夢(さとう・みかむ)訳 評論社

 第一次世界大戦中に対戦していたフランス軍兵士とドイツ軍兵士のお話です。いわゆるクリスマス休戦で、本の原題は、「ザ・ベスト・クリスマス・プレゼント・イン・ザ・ワールド」です。

 マイケル・モーパーゴの本は、たまたまですがこれまでに、。『時をつなぐおもちゃの犬』『希望の海へ』『最後のオオカミ』『フラミンゴボーイ』と読んできました。戦争を通じて平和を望むテーマには共感、賛同します。『平和』があってこそ『幸せ』が訪れます。

 このお話は三段階に分かれています。
 まず、きっかけとなる現在があって、次に第一次世界大戦の過去の出来事があって、最後に時を隔てて年老いた主人公の妻が登場します。101歳の女性です。

 1914年のことです。日本では大正3年です。もう106年も前のことになりました。
 主人公の男性が古道具屋で購入した骨董品の机の引き出しから手紙が見つかります。
 手紙には戦争中の出来事が記されています。

 絵がないと文章の内容を想像しにくい。絵があるのでわかりやすい。たとえば、机の巻き上げ式のふた。
 半世紀ぐらい前には、日本でも質屋のような小さな古道具屋が街中にありました。古物商です。ときどき訪れて野球道具やら楽器を手に入れていました。安価でした。

 机にあった隠された秘密用の引き出しの中から見つかった手紙は、ジムからジムの妻であるジム・マクファーソン(愛称コニー)にあてたものでした。受領日は、1915年1月25日です。鉛筆書きの手紙です。書かれたのは、1914年12月26日です。
 
 宗教についても考えさせられます。国籍とか対立を超えてクリスマスを祝うことができるのは宗教のおかげなのでしょう。戦地にいた互いの国の戦士たちは武器を置いて、飲食をともにして地理や文学の話をしたり、サッカーをして楽しみます。文化とスポーツに国境はありません。まるで夢をみているようなお話です。早く戦争を終えて家族のもとへ帰りたいということが両国兵士の望みです。
 戦争ってなんだろうと考えます。国家の上層部同士の対立に庶民が巻き込まれています。あるいは、利用されています。その場で戦っていたのは、職業軍人ではない音楽家であったり、学校教師だったとあります。お互いに妻や幼い子どもがいる家族があります。庶民同士にはけんかをする理由がありません。国家権力に翻弄(ほんろう。ふりまわされる)される両国国民がいます。

 対立の解決の手段として、「戦争」を選択してはならないのです。

 最後は、時間を超えて、遠い過去からご主人が奥さんに会いに来てくれます。夫婦愛があります。

 調べた単語などとして、
 ブリッドポート:イギリスの南部、イギリス海峡の近く
 オーク材:コナラ。落葉樹
 ロールトップデスク:シャッターが付いた机
 トーマス・ハーディ:イギリスの小説家。1840年-1928年 87歳没  

Posted by 熊太郎 at 07:33Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2020年10月15日

嘘八百 京町ロワイヤル 邦画DVD

嘘八百 京町ロワイヤル 邦画DVD 2020年公開

 映画のはじまり部分で、偽物の骨董品を高値で売って金もうけをする話だろうという推測で観ていました。前作があるようですが知りません。
 対象となるのが、陶磁器である織部の「はたかけ」、その後、「はしかけ」といわれる安土桃山時代ぐらいの古いお茶碗です。
 
 まずは、中井貴一さんが、広末涼子さんにだまされるのだろうなと推測しながら観ていたらストーリーはやっぱりそのように流れていきました。

 あまり、出来がいい映画ではないような。

 気に入ったセリフとして、広末涼子さんの
「お尻のひとつでもさわらせれば、なんでも話してくれますから」

 詐欺師メンバーが集合してきます。

 骨董品に詳しい人が見たらどのような感想をもつのだろう。わたしはしろうとなので、映像を見ていてもピンとくるものがありません。

 映画の中にテレビ番組があります。
 ここでいくつか、ラストに向けて、映画鑑賞者に対して、からくりがしかけてあるのだろうと推測しました。(映画が終わって、推測が当たりました)

 なんだろうこのつまらなさは。自分が考えすぎるのもあるのでしょう。もっと気楽に楽しまねば。

 広末涼子さんは、ばれる前から、とてもシングルマザーには見えませんでした。母親のにおいをさせないのは、ある意味、意図的な演技だったのでしょう。

 坂田利夫さんはおもしろかった。笑いました。

 新型コロナウィルス感染拡大のはじめの頃に話題になった豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス号」の船上がロケ地として出てきたのでびっくりしました。

 動機は、「復讐」で、建前は、「人助け」という柱でした。

 テレビ番組中のビデオの部分がおもしろかった。(出演者のセリフを吹き替えた部分)

 調べた言葉として、有名税:有名になることで、儲ける代わりにプライバシーが侵害されること。  

2020年10月14日

くっついた 三浦太郎

くっついた 三浦太郎 こぐま社

 2才、3才あたり向けの絵本でしょう。
 よくできています。
 楽しい。
 愛情があふれています。
 内容はシンプルです。ふたつのおなじものがくっつきます。スキンシップです。
 くっつくことで、相手に自分は危険ではないことを伝えて、敵ではないことを知らせて、安心感を共有して、平和な状態の世界をつくります。
 金魚→あひる→ぞう→おさる→おかあさんとわたし→そこにおとうさん
 最小の社会である、「かぞく」ができあがりました。
 平和です。  

Posted by 熊太郎 at 07:03Comments(0)TrackBack(0)読書感想文