2020年04月12日

誰も知らない 邦画DVD

誰も知らない 邦画DVD 2004年公開

 邦画「万引き家族」同様疑似家族かと思いましたが、父親違いの異父きょうだいである小学生と幼児たちの母親が子どもたちの育児を放棄する内容でした。
 現実社会ならば、まわりにいるおとなの通報で、児童相談所とか社会福祉事務所、民生・児童委員が関与していくのでしょうが、これは映画とわりきって鑑賞しました。ただ、映画の冒頭で紹介されたとおり、素材となる事件は実際にあったそうです。たぶん、戸籍のないこどもたちのお話のような気がします。通常は、保険証がないので、病気になったときに困ります。あるいは発見されます。

 明(12才、学校に行っていない)
 京子(11才ぐらい、学校に行っていない)
 茂(8才か9才ぐらい。同じく学校に行っていない)
 ゆき(5才か6才ぐらい)
 途中から関わりをもってくる登校拒否の女子学生(映像の中で、どうしていつも制服を着用しているのか不思議でした)

 明と女子中学生は、ゆきに羽田空港を離着陸する航空機をみせてあげたかった。

 暗い映画でした。
 白い穴あきのボロシャツを着た少年が電車に乗っているシーンから始まります。
 引っ越しのあいさつは、母親と少年のふたりだけ。父親は海外勤務といううそ話です。こどもが多いということがわかるとアパートを貸してもらえないし、それ以前にこどもたちは学校に行っていない。こどもたちは、戸籍がないのかもしれません。
 
 長男が主張します。学校に行きたいと。そう抗議する明に母親は、「悪いのはわたしじゃない。父親である男のほうだ。学校なんか行かなくていい」と主張します。男が悪いのは、そのとおりなのですが、母親も生活能力が低い人なのでしょう。子どもよりも、新しい彼氏のほうが大事です。

 「おとうさんはいません。おかあさんは仕事で帰ってきません」おかあさんは、どこかの男とどこかで暮らしています。そこまでわかると、それ以上、おとなは関わりあいになろうとしません。
 そして、死体遺棄事件が起こりました。いや、明にとっての気持ちは、遺棄はしていないのでしょう。

 おとなたちに対する憎しみがこめられている映画だと感じました。
  

2020年04月11日

店長がバカすぎて 早見和真

店長がバカすぎて 早見和真(はやみ・かずまさ) 角川春樹事務所

 タイトルに嫌悪感があって敬遠していましたが読み始めました。正社員ならだれしも最初はヒラで勤めて、いずれは役付きのポジションにつくものなので、店長ポストの攻撃はしたくない。ずっとヒラでいることはなかなかむずかしいのがサラリーマンの世界です。教えてもらったら、今度は教える立場にならねばなりません。

 第一話を読み終えたところです。短編の連続もののようです。「バカ」と名指しされるのは順番に、書店の店長、小説家、社長、出版社の営業担当、神様、私です。

「第一話 店長がバカすぎて」
 舞台は、武蔵野書店吉祥寺本店です。
 主人公女子が、契約社員の谷原京子28才 彼女の実家が神楽坂の小料理屋
 店長は、山本猛(やまもと・たける)40才
 お店の先輩が、小柳真理35才
 お店のアルバイトが、若い女子の磯田、それからまだ身元不明の存在が、石野恵奈子
 短いページ数の中に次から次へといろんなことが出てきます。把握がたいへん。たくさんの情報が落としてあるのでメモしながらの読書です。
 女性が読む本のような気がします。生理の話が長い。なんとなく、女の世界、異質な人を疎外するいじめの世界の気配もあります。

 天中殺:天が味方をしてくれない時
 
 一方的な評価とはいえ、どうして、ろくでもない人が店長をしているのだろう。

 ビジネス小説だろうか。

 短編中の後半に向かってが、理屈っぽい。

 「第二話 小説家がバカすぎて」
 主人公谷原京子28才は、「朝礼」を否定しますが、当日の連絡調整、目標設定の確認など、朝礼は必要で大事な儀式です。否定する性質の元として書中では、「体育会系の環境をくぐってこなかった」というのがあるようです。
 陰湿で暗いものを感じる内容です。負の中の正を描く作品群です。これは、喜劇、笑い話小説という位置づけに感じました。
 心に残った文節として、「小説家というのはきっと孤独な生き物なのだろう」、「我々(書店員)の仕事は、作家のみなさんを気持ちよくさせることではありません。出版不況の荒波と対峙(たいじ。向き合う)することです」

「第三話 弊社の社長がバカすぎて」
 万引き被害が身近な人にとっては、「あの人は万引きをする人だろうか」という目で人をみるようになるのだろうか。
 テレサ・テンはもう遠い過去の人のような。

 ラストの光景は狂っていました。

「第四話 営業がバカすぎて」
 出版社の営業担当社員をさします。
 この部分を読み終えて、愛着と愛情をこめて相手をよぶ「ばかちん」という言葉を思い出しました。博多弁です。
 かばんの中に退職届をひそませて毎日本屋で働いている主人公の谷原京子です。誕生日を迎えて29才になりました。給料が安いので、給料日前は一日300円で生活しています。ひとり暮らしです。これは、書店員の気持ちをくみとるために書かれた小説です。
 給料の多い少ないで人間の価値が決まるものなのだろうか。
 良かった文節として、「本の評価に正しいも正しくないもない」、「絶望にあった自分を救ってくれた1冊の本」

「第五話 神さまがバカすぎて」
 三波春夫もレッツゴー三匹も今となっては古い。
 クレーマー複数名のお話です。神さまというのは、「クレーマー」のことです。クレーマーを上手に扱いこなせるようになるとお金になるということはあります。
  
「最終話 結局、私がバカすぎて」
 怨嗟:えんさ。うらみ嘆くこと。
 そういうしかけか。
 うーん。最後は、なんともいえない気持ちになりました。
  

Posted by 熊太郎 at 06:41Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2020年04月10日

ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル 洋画DVD

ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル 洋画DVD 2018年公開

 続編であることは知りませんでした。(後日、三作品あることを知りました)
 ジュマンジの意味は、「夢追い人のゲーム」と説明がありました。
 質実剛健な特撮冒険物語を想像していましたが違っていました。気弱な学生さんたちが役割を演じる冒険コメディでした。意外性がありました。
 現実の世界とゲームの中の世界があって、現実世界は男子2名、女子2名、ゲームの世界では、太ったメガネの男性(もとは、スマホ大好き女子)、頭がつるりんのごつい男性(もとは、気弱なゲームオタクの男子学生)、小柄な黒人で運動音痴。背中にしょったリュックから武器を出す(もとは、黒人運動能力抜群選手の学生)、お人形みたいな格闘技女子(もとは、ガリ勉女子)でした。
 緑色の巨大な宝石を、もとあった場所に戻して、「ジュマンジ」と大きな声で唱えることが目標で、ゲームが始まります。各自のスキル(個性、技術)を活用し、スキルをチームとして統合して、目標を達成します。
 ゲームの映像化です。バイクに追いかけられるのがおもしろい。ブーメラン、それから、ライフという三本線の命、サイ、ゾウ、ヘビ、ヒョウ、いろいろ出てきます。ヒョウは怖い。バイクに乗りながらの火炎放射器発射は熱そう。
 映像とユーモアを楽しむ映画でした。
  

2020年04月09日

スターウォーズ エピソード1 ファントム・メナス DVD

スターウォーズ エピソード1 ファントム・メナス DVD 1999年公開

 テレビ番組「アメトーク」で観た内容を参考にして、エピソード4、5、6を観て、このエピソード1にきました。ファントム・メナスの意味がわからないのですが、調べたところ、「見えざる脅威」でした。
 映像が美しい。なにもかもが新品に見えます。これまでの4、5、6とは画像がだいぶ違います。

 筋立ては、税金の課税でもめているというような内容で、税の是非で、対立構図があって二者がぶつかるのです。

 少年がかっこいい。だけど、彼が、ダースベイダーになるそうです。アナキン・スカイウォーカーという名前の少年です。少年が参加した空中をすべる車のレースは車のスピードがものすごく速い。勢いがありました。

 良かったセリフとして、(どうにもならないことをたとえて)「夕陽が沈むのを止められないのと同じ」

 宇宙船は、空中をあんなにたくさん飛行したらぶつかりそうです。
 戦いは壮絶で、命がいくつあっても足りなさそう。

 細いアリみたいな兵隊ロボットとカエル顔をしたカンガルーみたいな宇宙人との戦いがどんなふうになるのだろうかと楽しみました。
 
 BGMの音楽はオペラの大合唱です。

 宇宙空間内での移動は、映画館の大スクリーンを観ながらだと楽しそう。
 ライトセーバーを用いた対決は、棒術のような、踊りのような感じでした。
 人が下に落ちるような場所で争うのがこのシリーズの特徴だと感じました。

 結局、コントロール室をぶっこわすとすべての力が失せる(うせる)

 最後は、「フォースの力(念力)」
  

2020年04月08日

あん 邦画DVD

あん 邦画DVD 2015年公開

 「あん」は小豆(あずき)からつくるあんこのことで、樹木希林さん、それから、希林さんのお孫さんの内田伽羅さん、俳優の永瀬正敏さんが出てくる映画です。ライ病(ハンセン病)を扱った作品だということは知りませんでした。
 映画では、どら焼き店の雇われ店長役の永瀬正敏さんが後悔します。ライ病患者であることを理由に差別を受けた樹木希林さんの権利を守ってあげられなかったことを後悔するのです。
 日本的で落ち着く映像です。筋立てとして、ハンセン病の人の就労とか、飼い鳥のカナリアを自由に放つことがどうなのかというような、無理なつながりづくりも感じられますが、許容範囲内です。

 調べた言葉として、「さわり:あんを練るときに使用する鍋」

 あん、おいしそうでした。
 
 映画のなかの目印として、桜の花、桜の花の上で輝く白い三日月、樹木希林さんは自然界にあるものと会話をします。あるいは、自然界にあるものから発せられている心の声を聴きます。

 劇中に出てきた絵本「よるくま」は、そのうち読んでみます。

 樹木希林さんと永瀬正敏さんのふたり芝居に、内田伽羅さんと浅田美代子さんと市原悦子さんがからんできます。樹木希林さんの言葉は優しい。永瀬正敏店長さんも優しい。人間愛があります。

 間違った判断で、病気が伝染するからと隔離されて、対象者はそこで一生を送らざるをえなかった。心に残ったセリフの趣旨などとして、「わたしたちも陽のあたる社会で生きたい」、「こちらに非がないのに責められるから、自分たちは工夫して生きていかねばならない」

 映像を観ていて、小学校低学年の頃に、農家を営む祖父母と一緒に暮らしていて、お天気の良い日に、広い庭だったか、縁側だったかに敷いたござの上に、びっしりと小豆(あずき)がならべてあったことを、半世紀ぶりに突如として思い出しました。

 黄色いイチョウの葉が輝く秋の並木道の映像がきれいでした。

 幸せは案外身近なところにあります。
  

2020年04月07日

ハリーポッターと炎のゴブレット 洋画DVD

ハリーポッターと炎のゴブレット 洋画DVD 2005年公開

 これまでの作品と比較すると映像がきれいです。「ゴブレット」は、足と台付きの大きなコップです。
 ストーリーは、三大魔法学校対抗試合で、代表者個人を出しての闘いですが、どういうわけか、年齢要件で参加資格のない14才のハリーポッターが参加することになります。
 特殊撮影の映像を楽しむ作品なので、ストーリーの内容と進行はあまり気にせずに観ました。
 課題1で、ドラゴンをやっつけます。ドラゴンの口から出る火が熱そうです。
 課題2で、水中に潜ります。不自由な状態をつくって、努力して克服して、達成感を得る。ここでは、「道徳」が説かれました。たこちゃんたちがいっぱい体に吸い付いてきました。
 課題3が、迷路で迷います。闇の帝王ヴォルデモートが気持ち悪い。

 毎回ですが、生徒がずらりと並んだテーブル映像が出ます。食事をとる風景もときおりあります。イギリスという国の学校はあんなふうになっているのか。壮観です。