2020年04月11日
店長がバカすぎて 早見和真
店長がバカすぎて 早見和真(はやみ・かずまさ) 角川春樹事務所
タイトルに嫌悪感があって敬遠していましたが読み始めました。正社員ならだれしも最初はヒラで勤めて、いずれは役付きのポジションにつくものなので、店長ポストの攻撃はしたくない。ずっとヒラでいることはなかなかむずかしいのがサラリーマンの世界です。教えてもらったら、今度は教える立場にならねばなりません。
第一話を読み終えたところです。短編の連続もののようです。「バカ」と名指しされるのは順番に、書店の店長、小説家、社長、出版社の営業担当、神様、私です。
「第一話 店長がバカすぎて」
舞台は、武蔵野書店吉祥寺本店です。
主人公女子が、契約社員の谷原京子28才 彼女の実家が神楽坂の小料理屋
店長は、山本猛(やまもと・たける)40才
お店の先輩が、小柳真理35才
お店のアルバイトが、若い女子の磯田、それからまだ身元不明の存在が、石野恵奈子
短いページ数の中に次から次へといろんなことが出てきます。把握がたいへん。たくさんの情報が落としてあるのでメモしながらの読書です。
女性が読む本のような気がします。生理の話が長い。なんとなく、女の世界、異質な人を疎外するいじめの世界の気配もあります。
天中殺:天が味方をしてくれない時
一方的な評価とはいえ、どうして、ろくでもない人が店長をしているのだろう。
ビジネス小説だろうか。
短編中の後半に向かってが、理屈っぽい。
「第二話 小説家がバカすぎて」
主人公谷原京子28才は、「朝礼」を否定しますが、当日の連絡調整、目標設定の確認など、朝礼は必要で大事な儀式です。否定する性質の元として書中では、「体育会系の環境をくぐってこなかった」というのがあるようです。
陰湿で暗いものを感じる内容です。負の中の正を描く作品群です。これは、喜劇、笑い話小説という位置づけに感じました。
心に残った文節として、「小説家というのはきっと孤独な生き物なのだろう」、「我々(書店員)の仕事は、作家のみなさんを気持ちよくさせることではありません。出版不況の荒波と対峙(たいじ。向き合う)することです」
「第三話 弊社の社長がバカすぎて」
万引き被害が身近な人にとっては、「あの人は万引きをする人だろうか」という目で人をみるようになるのだろうか。
テレサ・テンはもう遠い過去の人のような。
ラストの光景は狂っていました。
「第四話 営業がバカすぎて」
出版社の営業担当社員をさします。
この部分を読み終えて、愛着と愛情をこめて相手をよぶ「ばかちん」という言葉を思い出しました。博多弁です。
かばんの中に退職届をひそませて毎日本屋で働いている主人公の谷原京子です。誕生日を迎えて29才になりました。給料が安いので、給料日前は一日300円で生活しています。ひとり暮らしです。これは、書店員の気持ちをくみとるために書かれた小説です。
給料の多い少ないで人間の価値が決まるものなのだろうか。
良かった文節として、「本の評価に正しいも正しくないもない」、「絶望にあった自分を救ってくれた1冊の本」
「第五話 神さまがバカすぎて」
三波春夫もレッツゴー三匹も今となっては古い。
クレーマー複数名のお話です。神さまというのは、「クレーマー」のことです。クレーマーを上手に扱いこなせるようになるとお金になるということはあります。
「最終話 結局、私がバカすぎて」
怨嗟:えんさ。うらみ嘆くこと。
そういうしかけか。
うーん。最後は、なんともいえない気持ちになりました。
タイトルに嫌悪感があって敬遠していましたが読み始めました。正社員ならだれしも最初はヒラで勤めて、いずれは役付きのポジションにつくものなので、店長ポストの攻撃はしたくない。ずっとヒラでいることはなかなかむずかしいのがサラリーマンの世界です。教えてもらったら、今度は教える立場にならねばなりません。
第一話を読み終えたところです。短編の連続もののようです。「バカ」と名指しされるのは順番に、書店の店長、小説家、社長、出版社の営業担当、神様、私です。
「第一話 店長がバカすぎて」
舞台は、武蔵野書店吉祥寺本店です。
主人公女子が、契約社員の谷原京子28才 彼女の実家が神楽坂の小料理屋
店長は、山本猛(やまもと・たける)40才
お店の先輩が、小柳真理35才
お店のアルバイトが、若い女子の磯田、それからまだ身元不明の存在が、石野恵奈子
短いページ数の中に次から次へといろんなことが出てきます。把握がたいへん。たくさんの情報が落としてあるのでメモしながらの読書です。
女性が読む本のような気がします。生理の話が長い。なんとなく、女の世界、異質な人を疎外するいじめの世界の気配もあります。
天中殺:天が味方をしてくれない時
一方的な評価とはいえ、どうして、ろくでもない人が店長をしているのだろう。
ビジネス小説だろうか。
短編中の後半に向かってが、理屈っぽい。
「第二話 小説家がバカすぎて」
主人公谷原京子28才は、「朝礼」を否定しますが、当日の連絡調整、目標設定の確認など、朝礼は必要で大事な儀式です。否定する性質の元として書中では、「体育会系の環境をくぐってこなかった」というのがあるようです。
陰湿で暗いものを感じる内容です。負の中の正を描く作品群です。これは、喜劇、笑い話小説という位置づけに感じました。
心に残った文節として、「小説家というのはきっと孤独な生き物なのだろう」、「我々(書店員)の仕事は、作家のみなさんを気持ちよくさせることではありません。出版不況の荒波と対峙(たいじ。向き合う)することです」
「第三話 弊社の社長がバカすぎて」
万引き被害が身近な人にとっては、「あの人は万引きをする人だろうか」という目で人をみるようになるのだろうか。
テレサ・テンはもう遠い過去の人のような。
ラストの光景は狂っていました。
「第四話 営業がバカすぎて」
出版社の営業担当社員をさします。
この部分を読み終えて、愛着と愛情をこめて相手をよぶ「ばかちん」という言葉を思い出しました。博多弁です。
かばんの中に退職届をひそませて毎日本屋で働いている主人公の谷原京子です。誕生日を迎えて29才になりました。給料が安いので、給料日前は一日300円で生活しています。ひとり暮らしです。これは、書店員の気持ちをくみとるために書かれた小説です。
給料の多い少ないで人間の価値が決まるものなのだろうか。
良かった文節として、「本の評価に正しいも正しくないもない」、「絶望にあった自分を救ってくれた1冊の本」
「第五話 神さまがバカすぎて」
三波春夫もレッツゴー三匹も今となっては古い。
クレーマー複数名のお話です。神さまというのは、「クレーマー」のことです。クレーマーを上手に扱いこなせるようになるとお金になるということはあります。
「最終話 結局、私がバカすぎて」
怨嗟:えんさ。うらみ嘆くこと。
そういうしかけか。
うーん。最後は、なんともいえない気持ちになりました。
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