2024年03月08日

正直不動産 NHKドラマ 2022年放送分 全10話

正直不動産 NHKドラマ 2022年放送分(令和4年) 全10話 動画配信サービス

 いつも長い感想を書いていますが、今回は、短く書くよう、挑戦してみます。
 全部で10話ですが、だいたい毎日1本のペースで、ほかごとをしながら視聴をしていました。
 家族からおもしろいドラマがあると聞いて観てみました。
 今は、シーズン2が放送されているようです。

 まじめなドラマだと思いました。
 固い信念があります。
 長いこと生きてきたので、不動産取引(売買・賃貸借)の体験が何度かあり、ドラマの内容は、だいたい理解できます。
 土地家屋という財産ですから、大きなお金が動きます。
 きちんとやるように心がけていても、取引内容で、思うようにならないことが多々あることでしょう。

 神さま仏さまのバチがあたったのか、主人公の不動産仲介マン長瀬財地(ながせ・さいち)が、(顧客(こきゃく)にウソをつくべき、あるいは、ついたほうが契約をとりやすいとき)かんじんなところで、顔に強い風が吹いてきて、完璧な正直者になって、口が勝手に、本当のことをしゃべってしまいます。なかなかいいことをしゃべります。ときおり、見ている自分の胸にじんと響くセリフがあります。誠実なのです。相手のことを思いやる気持ちがあります。こうありたいと思うのです。だから正直な不動産会社の正直な担当者なのです。

 主人公をまわりにいる人間たちが支えます。支えてくれるのは、顧客であったりもします。
 なんだか、なつかしい昭和時代の雰囲気もあります。
 先輩・後輩とか、師匠と弟子(でし)という関係で、仕事のしかたを学んで未来に引き継いでいきます。人間の成長があります。部下の育成です。

 一般的に、自分の家をもつことは、人生における大きな夢です。
 夢を実現するためにがんばります。
 それは、家族のためでもあります。
 ドラマでは、いろいろな家族構成のパターンが出てきます。
 みんな、ひとりぼっちにはなりたくない。家族一同、親族一同が仲良しでいたい。
 だから、みんなが集う(つどう)楽しき場所である『家』がほしいのです。

 なかなかいいドラマでした。
 取引で、汚いことをしようとする悪人もいますが、この世にいる大部分の人たちは、善人なのです。  

2024年03月07日

路線バス乗り継ぎ対決旅 岩手県盛岡駅~青森八戸櫛引八幡宮

ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 陣取り合戦in岩手盛岡駅~青森八戸櫛引八幡宮(くしびきはちまんぐう)。朝ドラ女優VS金メダリストの頂上対決 陣取り合戦in金メダリストの頂上決戦

太川陽介チーム:紺野まひる(元宝塚歌劇団所属。NHK朝ドラ『てるてる家族』に出演) (Wエンジン)チャンカワイ
河合郁人(かわい・ふみと)チーム:髙木菜那(平昌ピョンチャンオリンピックスピードスケートの金メダリスト) 宮本和知(元プロ野球選手。みやもとかずともさん。ロサンゼルスオリンピック野球の金メダリスト。もう何十年も前のことになりますが、伊豆の旅館で、新聞を読んでおられたのをお見かけしたことがあります)

 河合郁人チームが勝つといいなと思いながら観ていました。河合郁人チームが勝ちました。良かった。おめでとうございます。
 太川陽介チームが、6勝5敗2分けでしたので、これで、同じく6勝になりました。
 最後のほうで、河合郁人チームの髙木菜那さんが、負けたくないから、引き分けでもいいと発言されて、さすが勝負師と感心しました。最低限、負けることは避けたいのです。
 お互いに情報を集めて、作戦を立てて、実行していくわけですが、思いどおりにことは運びません。その中で、負けるのだけは、どうしてもイヤだという強い気持ちが伝わってきました。

 昨年青森の恐山(おそれざん)とか、岩手の三陸鉄道沿線あたりへ旅に行こうかとプランを立てたのですが、(結局クマが出るようだったので、行き先を鹿児島市内に変更しました)、そのときのプランにあった訪れたい観光地の場所が、今回の放送の映像で観ることができました。なかなか良かった。

 さきほど書いた自分の旅プランで、宿泊するつもりだった岩手県盛岡駅あたりの風景からスタートします。駐車場が広くて、周囲に高層ビルは見当たらない映像でした。

 番組内容は、路線バスで回りながら、市町村のチェックポイントを訪問して、ポイントを貯めていく方式です。一泊二日なので、それほど広範囲の移動は無理だろうと観ていて思いました。
 太川陽介さんは、えびすさんたちとの思い出の地、野辺地町(のへじまち。『松浦食堂』の人たちにたいへんお世話になりました)を訪れたい様子でしたが、なにしろ距離があります。本数が少ないいなかの路線バスではなかなかむずかしかったようです。岩手と青森の県境あたりをウロウロするのがせいいっぱいでした。

 太川陽介チームが訪れた、『龍泉洞(りゅうせんどう)』は、自分がつくった旅プランでも訪れたい場所でした。鍾乳洞(しょうにゅうどう)の地底にある泉で、濃いブルーの色をした水です。ドラゴンブルーの地底湖と紹介がありました。水深35mだそうです。映像で観ることができました。ありがとう。

 河合郁人チームは、岩手山が見える道路をバスで北上して行きました。わたしも、レンタカーで高速道路を走りながら岩手山を見ようとしたことがありますが、そのときは、あいにくの天気で見ることができませんでした。今回の映像でも山頂付近は雲に隠れていました。残念です。

 雪がすごい。さすが東北地方です。
 
 地元の人がおもしろい。バスの時刻をたずねたら、各戸に配布されたバス時刻表を捨てたというような返答で笑いました。(自分たちは自家用車で移動するから、バスには乗らないということでしょう)
 さらに、バスは原則平日だけの運行で、例外として土日は、事前に電話連絡の予約があれば運行されるというものでした。なるほど。
 
 両チームとも二日で一万円までのタクシー代を有効活用されました。だいぶ、タクシーの使いどころに慣れてこられたようです。
 
 太川陽介さんは加齢の気配がただよっています。まず、顔色が悪い。お顔が、お年寄りの顔つきに変化してきています。それから、ぼーっとしていて、バスの発車時刻に対する集中力が衰えています。(おとろえています)。また、歩き続けていて、チェックポイントの食堂を通り過ぎるところでした。同行のゲストさんたちは、太川陽介さんについていくだけではいけません。補助者としての役割を果たさなければ勝負に負けてしまいます。

 なんとか村にあるとうふでんがくのお店が良かった。なつかしい昭和の光景がありました。
 あかちゃんをおんぶしているお母さんがおられました。
 やはり、あかちゃんは、おんぶがいい。あかちゃんも安心したお顔をしていました。見ているほうも気持ちが落ち着きます。
 村の人口は、2400人ぐらいだそうです。都会だと、背の高いマンションがあるので、500m四方に、何千人もが住んでいたりもします。

 甘茶(あまちゃ)というお茶を初めて見ました。
 演者の皆さんは疲れもあってか、甘茶を飲んで、心身共に元気を回復されていました。

 ときおりガラ系の携帯電話から流れ出てくるえびすよしかずさんの、『陣とられましたよ(じんとられましたよ)』の呼びかけがいい。えびすさんのとぼけた顔が頭に浮かんで気持ちが和みます(なごみます)。

 朝6時37分発の久慈駅行バス(くじえき)に太川陽介さんチームの三人が乗車されました。(番組の中で、ゲストさんが、「くじ」を時刻の「9時」と勘違いされたシーンがあって笑いました)
 海辺の道を北上します。海は、朝早い路線バスに乗ると景色がとてもいいです。きれいです。NHK朝ドラのロケ地になった海岸の滝や海の岩が次々に出てきます。昨年の前半は、『あまちゃん』の再放送をNHKBSで楽しみました。今回の路線バスの車窓からドラマで観たことがある場所を観ることができて良かったです。『あまちゃん』のロケ地巡りです。
 太川陽介さんは、『あまちゃん』を観ていなかったようで、反応が薄かったように見えました。チャンカワイさんは、『あまちゃん』の大ファンのようで、たいへん感激されていました。

 河合郁人チームは、路線バスでいっしょになった地元の女子高生から、バスターミナルやバス路線、ゴールの櫛引神社の位置など、貴重で重要な情報をたくさん仕入れました。そこが、今回の勝利につながっていると思います。地元の、とくに学生さんからの情報は有益です。

 ラピアバスセンターの案内所で鉢合わせになった両チームのようすは緊張感がただよっていました。お互いに自分たちの作戦を知られないように、案内所の職員さんと筆談をしていました。このバス対決旅では、メモ帳は必携(ひつけい。必ず手にもっておく)です。
 宮本和知さんが、すぐ隣にいる太川さんと河合さんが、ひとことも言葉をかわさなかったと驚いておられました。本気の勝負なのです。

 いなかの昼間の飲食店は閉店時刻が都会よりもかなり早い。
 しかたがありません。お客さんが来ないのですから、お店を開けていても、人件費や水光熱費がかかります。
 太川陽介チームがたどりついたチェックポイントのラーメン店は、15時オーダーストップ。15時半閉店でした。
 でも、わたしは、河合郁人チームを応援していたので、うれしかったです。次回は、太川陽介チーム応援するかもしれません。がんばってねーー  

2024年03月05日

ローカル路線バス乗り継ぎの旅W! 第2弾 山形県→青森県

ローカル路線バス乗り継ぎの旅W! 第2弾 山形県湯野浜温泉→青森県龍飛岬(たっぴざき) テレビ愛知

 何か月か前にテレビ東京で、関東地区で放送された番組です。
 愛知県では、ようやく年が明けた2月下旬土曜日のお昼に、テレビ愛知で放送がありました。見たのは初めてです。

 今回、映像を観ていていろいろ思ったことがあるので書いてみます。
 自分は、毎週火曜日夜にBSテレ東で再放送されている太川陽介さんと蛭子収能(えびす・よしかず)さんの昔のバス旅の番組を観ているのですが、その数日後の土曜日お昼に地上波テレビ愛知で放送されたこちらの番組は、ルートが似通っています。(にかよっています)。
 太川陽介さんたちのほうは、『2010年放送 宮城県松島から青森県龍飛崎 ゲスト 山田まりあさんで、龍飛崎まで到着して成功されています』が、こちらの女性三人組での番組では龍飛崎に到着できず失敗しています。
 似ていた部分として、とくに、最終部の青森駅から龍飛崎(たっぴざき)のルートは、太川陽介さんたちのときと同じですからルートも同じです。
 今回の演者女性三人が、青森駅のバス案内所で太川陽介さんたちと同じことを質問するシーンがあって不思議でした。(演者たちは、過去の太川陽介さんたちのバス旅番組は観ていないんだ。もしかしたら、番組製作スタッフも観ていないんだ。同じテレビ東京の製作番組なのに……)
 
 演者の三人さんはお気の毒でした。これで良かったのだろうかと疑問が残るロケ番組でした。
 赤江珠緒さん、三船美佳さん、たけうちほのかさんの出演でした。
 残念ながらチャレンジは失敗でした。ほんとうに、お気の毒でした。
 いろいろと問題点が浮かぶ映像になってしまいました。

 まず、ルート選択、地域選択が適切ではなかったと思います。
 観ていて、最初は、宮城県仙台市に出て北上するのかと思いましたが、急がば回れの選択は行われませんでした。さきほども書きましたが、最後のルートは過去に太川陽介さんたちが試しているので、同じことをまたやることもなかったと思います。(青森駅がゴールでもよかった)
 
 日本海側というのは、太平洋側にある都市部の人間から見ると、人口が少ない地域です。日本海側にある県内の主要な市でも、太平洋側にある政令指定都市の行政区ぐらいか、それよりも少ない人口しかありません。自治体として組織を維持していかれていることに感心します。
 人口が少ない地域内の公共交通網というのは、必要最低限だと思います。
 人口が多いところに、充実した公共交通機関網があります。
 ロケ地として居住者が少ない地域を選択することは、演者にとって、とても厳しい環境におかれることを意味します。ロケをするほうとしては、タレント以外の一般人が少ないので撮影がしやすいということはあるでしょう。
 今回、バスの待ち時間や、徒歩で長距離を歩く時間がとても長かった。バス旅の番組ですから、バスの乗車時間が一番長くなることが基本です。

 いなかの人たちの人情に助けられた内容でした。
 いなかの人たちの暮らしは、都会の人たちのように、法令とか、金銭のやりとりで他人と関わる日常生活を形成しているわけではなくて、そこに、地縁・血縁がからんだグループの義理と人情の関係がからんで成立しているものです。
 初日も二日目も泊るところがなくて、地元の人たちに助けられていますが、冷静に見ると、番組関係者たちが、テレビカメラ等を持って、夜中にいきなり店に押し寄せて来て、泊るところが見つからないと、お店の人にはなんの責任もないのに、大迷惑をかけています。あとで、お世話してくれた人たちには、謝罪をして、金銭で対価を渡さないといけないような内容でした。
 太川陽介さんたちの昔の路線バス乗り継ぎ旅番組で、えびすよしかずさんと、いとうまい子さんが宿探しのために、ふたりで肩を並べてホテルの受付に入って行ったあと、えびすさんが出てきて太川陽介さんに、『てへへ、ラブホテルだったよ』と笑いを誘ったシーンがありました。
 太川陽介さんたちは、当然ラブホテルには泊まりませんでしたが、今回の三人の女性タレントさんたちは泊るところがなくて、ラブホテルに泊まりました。ちょっと考えられません。企画自体に問題ありです。
 翌日も泊るところがなくて、三人の女性演者は、居酒屋のお酒を酌み交わす(くみかわす)座敷に、お店の人におふとんをしいてもらって泊まられました。ラブホテルも居酒屋も、場所を貸してくださった方には感謝しつつも、ロケの企画・運営内容は、演者の基本的人権を侵害しているのではなかろうかとさえ思えました。ひどい。演者は、出演料とは別に賠償金をもらってもいい。

 とにかく過酷なロケでした。天候も悪かった。
 
 観ていて、う~むと思う番組でした。
 ナレーションのコメントの文章に魅力がありません。
 接続詞の『そして』は、ナレーションには使わないほうがいいし、体言止め(たいげんどめ。名詞でプツンと文章を切る)もやめたほうがいい。体言止めは、映像を観ている人に何がいいたいのかを考えさせる負担を与えます。聞いていて、文章をつくった人が自己満足をする文章になっていました。自分自身向けに書かれた文章であり、視聴者向けに書かれた文章ではありませんでした。映像を観ていてわかることを、ナレーションで重ねて説明するようなコメントが多かった。
 くわえて、ナレーターの声質が映像とマッチ(合致)していませんでした。太川陽介さんたちのときの、キートン山田さんのナレーションがなつかしい。今回の方は、ニュースキャスターが文章を読んでいるような感じがしました。個性がありません。
 さらに、BGM(バック・グランド・ミュージック)が、素人が(しろうとが)発想したような曲の選択でした。ふつー(普通)なのです。おもしろみがありませんでした。曲の選択も個性がないのです。たとえば、出川哲朗さんの充電バイク旅の番組では、なつかしい曲のフレーズが次々と流れてきて、もの思いにふけることができます。
 結局、ナレーションもBGMもないほうがいいと思いました。
 三人の女性演者たちによるにぎやかな会話と、東北地方の美しい風景映像で十分楽しめた内容でした。

 辛口(からくち)の感想は続きますが、『せっぱつまった雰囲気をだそうとしすぎ』の映像が続きます。観ていて疲れました。2時間半の番組です。娯楽からは離れた内容です。なにかしら、マニュアル(教科書的な手引き)があって、それに従ってつくったような映像でした。ふつー(普通)で、個性がないのです。見た目とか、うわべはきれいでも、魅力はないのです。

 東北の人たちはみんな優しい。
 人が少ないから、助け合って生きていくのでしょう。
 クマが出るから夜は歩かないほうがいいというアドバイスも東北地方らしいと思いました。
 青森空港は複数回行ったことがあるので、なつかしかったです。
 なんだかんだといっても、三人の演者のがんばりはすばらしくて、観て良かった番組でした。たけうちほのかさんの、秋田県に住むご自身のおばあちゃんのお話が良かった。しみじみして、ほんわかできました。  

2024年03月04日

ジャンゴ 繋がれざる者 アメリカ映画 2012年

ジャンゴ 繋がれざる者(つながれざるもの) アメリカ映画 2012年(平成24年) 2時間45分 動画配信サービス

 西部劇です。
 なにかで、いい映画だという紹介を観ましたが、そのなにかを思い出せません。

 見終えて、爽快な(そうかいな)ドンパチいっぱいの西部劇映画でした。
 奴隷解放が素材ですが、理屈っぽいメッセージよりも、アクションの娯楽性が高い。

 1858年(日本だと明治維新が1868年です)。アメリカ合衆国テキサス州のどこかで始まります。奴隷解放でもめた南北戦争はこの2年後ぐらいに始まるそうです。

 ジャンゴ:黒人奴隷(ジェイミー・フォックス)
 シュルツ:ドイツ人賞金稼ぎ。(手配中の殺人犯を殺して償金をもらう)(クリストフ・ヴァルツ)
 カルヴィン・キャンディ:農場主(レオナルド・ディカプリオ)
 ヒルディ:ジャンゴの妻。黒人。キャンディの農場で奴隷となっている。(ケリー・ワシントン)

 黒人奴隷のジャンゴが、賞金稼ぎのドイツ人シュルツと組んで、奴隷になっている妻を農場から救い出すのです。

 問答無用に近い状態で人殺しをする西部劇です。
 まあ、アメリカ映画は非情です。
 復讐劇ですな。奴隷の反乱です。黒人から自由を奪った白人たちをやっつけるのです。
 主役は、黒人のジャンゴです。差別言葉が出てきます。『ニグロ』です。ニグロが馬に乗ってはいけないのです。白人から見ると、黒人の乗馬は、考えられない行為だそうです。黒人は人間ではない。家畜以下の扱いです。
 白人の映画かと思って見始めましたが、終わってみれば、黒人はじめ、有色人種の映画でした。

 残虐なようで、喜劇でもある。
 西部劇の心意気です。力(ちから)と知恵があります。
 ドイツ人と黒人奴隷が手を組みます。ドイツ人はお金が欲しい。黒人は自由が欲しい。黒人の妻を裕福な白人農場主から奪い返します。
 
 えらく射撃がうまい人たちです。現実にはあのように的中しません。ドンパチが続きます。
 なんだか、日本映画が参考になっているのではないかと思うシーンもあります。
 キタノタケシさんの映画とか、黒澤明さんとか三船敏郎さんの映画とか、忍者の映画とか……
 
 ロッキー山脈の雪景色がきれいです。
 
 まあ、この映画もタバコ映画ですな。

 お金でなんでも買える場所ですな。
 人(奴隷どれい)を売り買いします。
 米国の奴隷時代です。
 カネ・カネ・カネ、アメリカらしい。なんだかよくわからない混乱があります。アメリカ白人は野蛮です。(やばん。荒っぽい。粗野そや)

 黒人なのに権力をもっている太った黒人がいます。白人のアドバイザーになっています。不思議でした。(農場主の亡くなった父親に仕えていた(つかえていた)人物だそうです)

 白人優位の世界です。
 ひどいことをするもんだというシーンが続きます。
 特殊な世界です。箱の中にある世界。白いスクリーンの上にある世界です。
 人間を人間扱いしない金もうけの世界です。

 後半は展開が読めません。
 頭がイカレた人がいっぱいいます。
 憎しみのかたまりが大きくなっていきます。
 人格を否定されると、人は、復讐心の塊(かたまり)になります。
 
 わざとスリリングなシーンをつくる。
 (つくるほうの立場で映像を観ています)

 なんでも金で解決できる世界でもあります。

 握手をするかしないかで、かなりもめます。

 最後のほうは、連携がすばらしい。
 すごいなあ。クライマックスか。
 メチャクチャです。
 
 どうもっていくのだろうか。
 男女の愛情でまとめるのか。(夫婦愛です)

 仮面ライダーのようでもある。

 西部劇の真骨頂ですな。(真価しんか。見せ場)

 (捕まっている妻に向かって)『オレだ。ベイビー』(かっこいい)

 警察なんて、あってない時代です。
 プライドを示す映画でした。
 ねちっこい復讐劇ではありません。ドカーン、ドカーンの勢いで、悪を倒します。
 
 黒人が観て喜ぶ映画だったのだろうか。
 いや、すべての人が観て喜ぶ映画だったのでしょう。  

2024年02月28日

シャイロックの子供たち 邦画 2023年

シャイロックの子供たち 邦画 2023年(令和5年) 2時間2分 動画配信サービス

 阿部サダヲさんの出ているタイムトラベルドラマ、『不適切にもほどがある』を毎週金曜日の夜に楽しみに観ていますが、今回は、阿部サダヲさんが主演されているこの映画を観てみました。なかなかいい。おもしろかった。いい映画です。今年観て良かった1本になりました。

 シェークスピアの舞台劇、『ベニスの商人』のシーンから始まります。
 アントーニオ:お金を借りて、返せないほうの人。
 シャイロック:お金を貸して、返してもらえないほうの人。タイトルはこちらの人たちです。こどもたちはというのは、銀行マンの人たちのことです。ご苦労があります。

 お金を返さない人が悪い。
 お金を返せばいいということでもない。
 いろいろあります。

 銀行ATMにお札を詰める仕事をする銀行員が、お札をネコババ(自分のポケットに入れる)します。(ふつう、現金を扱うそういう仕事は、複数でやるのではないか? たとえば、ふたりでやる。人間は信用できませんから)
 競馬ほかのギャンブルが好きな銀行員っているんだろうなあ。(映画の中だけかもしれませんが……)
 
 余談になりますが、シーンを観ていてふと思い出したことがあるので書いてみます。
 わたしが就職したころの半世紀ぐらい昔は、給料は現金払いでした。銀行への口座振替という手法は、ずいぶんあとになってから実施されました。
 給料日の朝になると、複数の経理事務担当者で銀行に行き、給料分のお札や硬貨を受け取って、(前もって、銀行に金種票(きんしゅひょう。お札、硬貨の種類の枚数を書いたもの)を出しておいて)、仕事場にもちかえった現金のかたまりを出して、中身を確認しながら複数の人数で給料袋に入れる作業をしていました。
 バブル経済の好景気で盛り上がっていたボーナスのときには、多額の紙幣中心の現金でボーナスが支給されて、ボーナス袋が、紙幣が横に寝るのではなく、お札を縦にして、給料袋が、机の上に立った時代がありました。今、日経平均の株価がバブル期のように上がっていますが、給料等の支払いは口座振替なので、給料袋がテーブルに立つようなシーンは見られません。帰宅したパパが家の食卓テーブルの上に、ボーナスの入った袋を立てると、家族が大喜びして、家庭円満になるのに…… 便利になるってなんなんだろう。効率が良くなった代わりに、人間同士の心がふれあうシーンが減り、気持ちのあったかみが薄れました。
 (ゆえに、日経平均株価が記録的に上がっても、市中では盛り上がりに欠けています。儲かった人(もうかった人)は密かに(ひそかに)儲かって、物価高ばかりが表面に目立つ現在の世の中のありようです)

 映画では、いろいろ、伏線が落とし込まれていきます。(のちのち回収されます。伏線:仕掛け。あとで感動やスリルを生む種)

 阿部サダヲさんが演じる西木課長代理は元気がいい。『さあて、今日も一日、がんばるぞーー』のかけ声があります。

 上戸彩さんの銀行員もいい感じです。

 みなさん芸達者です。柄本明さん、柳葉敏郎さん、杉本哲太さん、佐藤隆太さん、佐々木蔵之介さん、橋爪功さん、重厚な雰囲気が続きます。

 サラリーマンの勤務状況がリアルです。重苦しい。ノルマを達成できないとパワハラシーンも現実にあります。
 お金がからむ世界は、どろどろです。お金持ちが善人とは限りません。
 詐欺、だまし、着服、恐喝、脅迫、共犯、複雑な出来事がたくさん起こります。

 ささやかな家族の幸せを守るために男は仕事をします。
 若い奥さんが、若い旦那(だんな)さんのコップに缶ビールをつぐシーンがあります。(なかなかそういうシーンは、現実にはありません)いい奥さんです。小学校高学年のこどもさんがいます。男の子です。お父さんを尊敬しているいい息子です。涙が出そうです。

 八方ふさがりの銀行業です。(現実社会では、最近銀行の株価が上がってきました。近いうちに爆上げになると思います。日銀の金融緩和がきっかけになると予想しています)

 だましの芝居がうまい。すばらしい。上手です。(ウソの芝居ですけど)。だれもがだまされます。役者たちのバイトでしょう。ほんとうの会社みたいです。

 柄本明さんと阿部サダヲさんがからんでのコメディです。
 映画だから安心して見ていられます。現実だったら恐ろしい(おそろしい)状況です。
 
 「あねは」という人だった記憶です。ビルの耐震設計の偽造をした設計士がモデルになった人物が出てきます。役者さんは、引っ越し屋のコマーシャルに出ていた人です。

 詐欺行為ではありますが、おもしろい会話が続きます。

 予想通り、銀行が貸したお金は返ってきません。貸した相手は行方不明になります。億単位のお金が持ち逃げされました。

 いっぽう銀行内では、小さな嫌がらせ事件が起きます。女子行員間のいやがらせです。醜い。(みにくい)です。
 完全に純白な人間はいません。家族や親族をからめながら、多少でも汚れた行為はあるのが現実のありようです。

 阿部サダヲさんは、上司としていい人です。
 上戸彩さんの、『わたしはやっていません』というセリフに気持ちが救われました。
 阿部サダヲさんが、上戸彩さんをかばいます。
 そんな、阿部サダヲさんにも人には知られたくない影があります。

 ややこしい話が次々と提示されます。
 
 サラリーマンは、薄給(はっきゅう。給料は見た目ほど多くない)です。税金や保険料や住宅ローンを引かれていたりもします。大企業で勤めていて、もらいは多く見えても、引かれるものも多いです。収入(税金・諸経費込み)と所得(手取り)の違いがあります。

 世の中は、理不尽でできている。

 だんだん真実が明らかになっていきます。
 おもしろい。ユーモアがあります。

 外資系の銀行へ転職するという若い人がいます。(彼の夢はかないません。現実は厳しいのです。こんな会社は、自分には合わないと思っても、そんなあなたを欲しがる会社は、たいてい、ないのです)

 関係者全員が処分対象ですが、そうはならないのが、映画であり、現実でもそうでしょう。
 まあ、お金で済む話なら、いいほうかも。
 生きるか死ぬかの命がかかると、話は深刻になります。

 カネは、返せばいいってもんじゃないんです。
 どこかの政治家のパーティ券収入みたいです。

 いろいろな取引があります。
 みんなが、自分の地位と身分を守りたい。

 印鑑証明書の偽物(にせもの。コピーすると、「複写」というような文字が浮かび上がることは知っています。本物の印鑑証明書なら、コピーすると「複写」の文字が浮かび出るから、原本は本物です)
 けっこう、印鑑証明書とか実印の重要さを自覚していない人は多い。財産やお金が、右から左へと動きます。

 悪人がいます。
 大きな組織の上層部にいる幹部に、いい人はいません。
 ライバルグループを踏んづけて、上に上がってきた人です。
 国会における政治家の派閥の話がありますが、政治家だけではなくて、日本中どこでもみられる組織のありようです。
 ボスがいて子分がいて、人事権やお金の権利を巡ってポスト争い(あらそい。役職争奪戦(そうだつせん))があります。いいとも悪いとも言えません。集団の中にいる人間は、自然とそうなるものなのです。

 こういうつくりの話なのか。
 組織が異なっていても、上層部の人間同士は、グル(仲間)ということはあるでしょう。(見た目では、敵対する組織にいても、当人同士は案外大学の同窓生だったりもします。また、親族関係があったりもします)
 それが、行政と立法と司法だと、権力を行使する人たちなので、怖いもの(こわいもの)なしになるでしょう。独裁政権が生まれてしまいます。

 『自分のことは、自分で決めるんだ。(人に相談して決めるものじゃないこともある)』

 『基本は、性善説。やられたら、倍返しだ。』

 モノというものは、相場(適正価格)で買うものです。
 相場よりも安いということは、何かあるということです。

 不動産売買契約シーンがあります。長いこと生きてきたので、自分も何度か売主・買い主の立場で、体験したことがあります。銀行の小部屋を借ります。司法書士が進行役をします。映像では、リアルなシーンで、研修ビデオでも見ているような感じがしました。
 売主・買い主のお互いが契約書に署名・押印(実印)をして、通帳への入金を確認して、お疲れさまでした、で終了です。

 お金って、なんだろうなあ……

 社会の舞台裏は、どろどろとしているものです。

 少年の言葉、『ヒーローの一日』が、とても良かった。パパを讃える(たたえる)言葉です。

 いいなあ。
 良心があります。
 『人間に戻るチャンスをもらった。』
 『後悔はしない。』
 奥さんとこどもたちが、待っていてくれました。
 パパは、ヒーローです。
 今年観て良かった映画でした。「思い切り(あきらめること)」がいい内容でした。  

2024年02月27日

沈黙のパレード 邦画 2022年

沈黙のパレード 邦画 2022年(令和4年) 2時間9分 動画配信サービス

 出川哲朗さんの充電バイクの番組に、ずん飯尾和樹さんが出ていて、その後、飯尾さんがこの映画に出演されているのを知って、さっそく映画を観てみました。
 付け加えると、家にこれから読む本を入れてあるダンボール箱があって、何冊も入れてあるのですが、そのなかにこの原作本がありました。『沈黙のパレード 東野圭吾 文春文庫』です。自分なりに読む本の順番がなんとはなしに決めてあって、映像のほうが先になってしまいましたが、本を読んだら、また感想を書いてみます。
 飯尾和樹さんの演技はなかなか良かったです。犯罪被害者になった娘さん19歳の父親役でした。娘さんは殺害されています。飯尾和樹さんは親心をじょうずに表情や言動で表現されていました。

 湯川学:天才物理学者。犯罪を推理で説いて、真実を明らかにします。福山雅治さんです。
 内海薫(うつみ・かおる):女性です。柴崎コウさんでした。警視庁捜査一課の刑事
 草薙俊平(くさなぎ・しゅんぺい):内海薫の先輩刑事。湯川学の相棒。親友。北村一輝さんです。

 へんな見方(みかた)ですが、ずん飯尾和樹さんの娘さんは、ずん飯尾和樹さんの娘には見えませんでした。なんだか、親子には見えない見た目の組み合わせなのです。あわせて、娘さんが歌手を目指しておられる役なのですが、歌声は普通で、歌手になるというのは、どうかなあという気分で見ていました。(話の最後で、やっぱり娘さんは歌手になる気はなかったことがわかりました。変な感想ですが、やっぱりなと思いました)

 時をへだててのふたつの殺人事件が並べられています。
 殺されたのは、12歳の少女と19歳の女性です。
 
 タイトルの『沈黙』について、何度も語られます。容疑者の黙秘権(もくひけん)ということもあるし、まわりの人たちが事件の内容や真相を知っているけれど、言えないとか言わないという意味あいがこめられていました。
 新たに起きた事件について、秘密を守るのです。関係者多数です。それぞれの意思があって、だれかを、あるいは、なにものかを守るために沈黙を貫くのです。(つらぬく)。

 商店街のパレードがあります。
 民舞のようなものがあります。
 仮装大会です。
 変な雰囲気のパレードです。
 それを見ていいての感想ですが、機械的なのです。
 劇団のステージを観ているようです。
 パレードの時間帯が、けっこう長い。
 海賊。少年少女向けの物語『宝島』にちなんでいます。
 音楽とダンス。ラップミュージックもあるようです。
 (推理はなかなか動き出さない。音楽はにぎやかに流れていますが、事件の進行は静かです。この中で、犯罪行為が見えないところで進行しています。殺人の企て(くわだて)です)
 
(創作者の立場に立って観察してみます)
 『怨み(うらみ)』という種を植えて、芽生えさせて、育てていく。(どう回収していくのかが楽しみです)

 ポイントとして、まず、『ハスヌマ(蓮沼寛一)が、本当に犯人なのか?』という疑問が自分に湧きました。(観終えて、それは、なかなかいい視点でした)

 パトカー集合です。
 睡眠薬。絞殺のように見える。閉所恐怖症ではない。物置。外から鍵をかけることができる。
 推理、推理、推理が続きます。
 密室内の酸素を外に出す方法を考える。
 (みんなにとっての憎悪の対象になる相手が死んでしまいました)

 どうして、被害者家族を犯人扱いするのだろうか。
 液体窒素。(自分は、皮膚科で、これを使って、小さなイボをいくつか焼いてもらったことが何度かあります。熱くて痛い。皮膚がはがれます。何回か通います(かよいます))

 視点を変えてみる。

 警察に対する糾弾があります。(きゅうだん。非難。責める)
 わたしが長いこと生きてきて思うのは、警察というのは、警察職員と警察組織のために働いているということです。それが現実です。
 映画の中では、警察は市民を守ってくれなかったじゃないかというメッセージがあります。
 矛盾を突く作品です。(むじゅん。理屈に合わない)

 なにがあろうと(殺人事件の被害者家族になっても)、淡々と毎日を過ごしていくことが大事です。
 
 『わたしには何も言えません(沈黙を続けてくれている人たちに顔向けできないから)』
 ずん飯尾和樹さんは好演されています。あたりまえの演技がいい。静かな演技です。

 市民からの抗議があります。『おまえら警察は何をやっていたんだ』
 入り組んだ誤りがある冤罪事件(えんざいじけん)です。
 そういえば、最近も夜に、NHKの報道番組で冤罪事件を扱った報道番組の放送がありました。ひどいものです。途中で、まわりにいる役所の人間たちからこれは違うんじゃないかという発想(無実)と意見が出ているのに、検察庁の担当者は、自分たちを守るためなのか、手柄をあげて昇進したいためなのか、犯人をでっちあげることのために、形式を整えることに熱心でした。
 内容は、中国に輸出後、軍事転用できるのではないかという機械のことでした。(実際は、機械は、軍事転用はできない構造になっていた)検察庁に在籍する職員個人の強引な犯罪立証への誘導がありました。

 『これしかないと……』
 『もうしゃべるな!』
 (このままでは終われないでしょ。映画鑑賞者であるわたしの意見です)
 『事件は解決した。あとは裁判にまかせる』
 (そんなことはないでしょ。まだ、真相は明らかになっていない)
 『疑わないのか?』
 (やっぱり)
 まだまだ奥行きがある事件です。
 『沈黙するかもしれない』(ややこしい)
 
 あたりまえのことをあたりまえにやるだけです。
 どう決着をつけるのだろう。
 役者さんにとっては、見せ場の演技です。

 いい作品でした。
 
 『(彼は今)仕事してます』
 『親友に感謝していると思います』
 『そうか』

 本当にいい作品でした。