2024年12月04日

エルム街の悪夢 ホラー洋画 1984年

エルム街の悪夢 ホラー洋画 1984年(昭和59年) 91分 動画配信サービス

 先日読んだ本が、小泉今日子さんが書いた、『黄色いマンション 黒い猫 新潮文庫』でした。
 若い頃、ホラー映画にはまって、よく観ていたそうです。
 キョンキョンのお勧めホラー映画です。
 1978年(昭和53年) ハロウィン
 1979年(昭和54年) 悪魔の棲む家(あくまのすむいえ)
 1980年(昭和55年) 13日の金曜日
 1981年(昭和56年) 死霊のはらわた(しりょうのはらわた)
 1984年(昭和59年) エルム街の悪夢
 キョンキョンが、いちばん怖かったという、『死霊のはらわた』を先日観ました。
 次に、こちらの『13日の金曜日』を観てみました。やはり、『死霊のはらわた』のほうが怖かった。
 そして今回は、『エルム街の悪夢』を観てみました。ちょっとこどもっぽかったかな。

 女子高校生ふたり、男子高校生ふたりの合計4人が犠牲者になります。
 夢の中に鉄の爪(刃物)をもった気持ちの悪い、は虫類みたいなおじさんが出てきて攻撃してくるのです。おじさんのお名前が、『フレディ』です。フレディがやって来るのです。
 女子高校生の名前が、『ナンシー』と『ティナ』、男子高校生の名前が、『ロッド』と『グレン』で、ナンシーのパパは警察官です。

 では、時系列の順番に感想です。
 危険な爪をもつおじさんは、さいしょは、わたしにとっては、プロレスラーのイメージでした。
 たしか、そういうプロレスラーがじっさいにいました。
 『フリッツ・フォン・エリック 1997年(平成9年)68歳没 アメリカ人 身長193cm』
 だけど、映画を観たら、化け物は、エリックさんには似ていませんでした。

 わたしは、ホラー映画を始め、各種映画をつくり手の立場になって観ます。
 だから、残虐シーンがあっても気持ちが悪いなあとは思いますが、怖くはありません。
 なぜなら、撮影中、監督が、『カーット』と声をかけると、死んだはずの役者さんが生き返って、『さあ、休憩休憩、おやつは、何食べる?』とか話していると想像するのです。
 だから、怖くないのです。

 映画の映像のほうは、恐怖感を演出します。
 映像が暗い。影があって、光があります。赤い血も出てきます。
 恐怖を強調する。
 観ている人を怖がらせるために、不安をあおる音と音楽が流れます。

 眠っているときに殺人行為があるそうです。
 たまたま今わたしが読んでいる本が、『儚い羊たちの祝宴(はかないひつじたちのしゅくえん) 米澤穂信(よねざわ・ほのぶ) 新潮文庫』で、最初の短編、『身内に不幸がありまして』で、眠っているときに夢見るように殺人行為をする人物が出てきます。縁がありました。本と映画の内容が重なりました。

 刃物の爪で、布を引き裂く。
 叫び声が響きます。女の人の叫び声なのか、あかちゃんか、ネコが鳴く声にも聞こえます。
 まあ、夢の中のことなんですけどね。目が覚めると、体の一部が切られて、出血があったりもするのです。

 まあ、若い男女ですから、エロい話もあります。盛りがついた高校生男女です。元気がいい。

 黒電話(加入電話)の時代です。
 ファッションもなつかしい服装です。
 いつでも、怖いものを見に行くときは、男が先頭にさせられます。(女子はうしろです)でも、女子よりも気が弱い男子はいます。
 しょせん夢の中のことか…… そのへんが、表現として、中途半端でした。現実と夢が交錯するのですが、いまいち明瞭な線引きがありませんでした。

 舞台は、つくったセットであることがわかります。
 
 化け物のフレディおじさんがですね、弱そうなのです。
 こちらが、武器を持って、闘えば勝てそうなヨロヨロのおじさんなのです。フレディおじさんは、ムダに、両手が長かったりもするのです。まあ、おじさんは、おばけです。

 そんなふうにフレディおじさんをばかにしながら観ていたら、女子の体がベッドの上に浮いて回り出しました。うわー、エクソシストみたい。
 たいへんだーーー

 どこまでが夢なのかよくわかりません。
 現実と空想が入り混じっています。
 ナンシーの母親が、母親に見えません。(若い)。母親はどうもアル中のようです。
 『見えない力』が強調されますが、そんなものはこの世にはありません。

 こどもじみている。こどもっぽい。

 キモイ。は虫類のようなバケモノフレディおじさんです。
 爪がとんがっているというか、刃物を指にくくりつけている。
 刃物は、親指には付いていない。ほかの4本の指に付いている。
 あの程度の武器なら怖くない。
 どうしてこうなっているのか(夢の中のバケモノの行為で体が傷つく)原因を突き止めて、フレディおじさんと闘わねばなりません。
 まあ、シンプルな台本ではある。

 緩急(かんきゅう。強く弱く)を繰り返す進行が続きます。

 やりたい放題の構図です。
 ドリフターズか、志村けんさんのギャクコントのようでもあります。

 女の幽霊は、こっけいで、笑えました。
 逃げてばかりではダメだ。
 闘うのだ。
 あんがい勝てそうです。
 あんがい、相手は弱いに違いない。

 母と娘が対立するのですが、理由がわかりませんでした。
 母親はフレディを知っていたというのが種明かしでした。
 昔実在した殺人鬼だったそうです。町の人たちでやっつけて死んじゃったそうです。
 厚みがない話です。
 
 まあ、すごいシーンもあります。映画です。
 だれかのセリフです。『(けが人を運ぶ)担架(たんか)よりも、(血の海を掃除するための)モップが必要だ』。

 最後は、じょうずな終わりかたでした。
 恐怖度指数はそれほど高くはありませんでした。