2024年12月14日
宙わたる教室(そらわたるきょうしつ) NHKドラマ10
宙わたる教室(そらわたるきょうしつ) NHKドラマ10 毎週火曜日午後10時放送 全10話
『第8話 メテオライトの憂鬱(ゆううつ)』(メテオライトは、宇宙から地球に飛来した隕石(いんせき)の総称。大学教育者から定時制高校教師になった藤竹先生のお悩みということでしょう)
『第9話 恐竜少年の仮説』
『第10話最終話 消えない星』
『第8話 メテオライトの憂鬱(ゆううつ)』
がっくんの昔のワル仲間が定時制高校に押しかけて、がっくんたち科学部の活動を邪魔するのです。
(柳田岳人は、本を読んだ時は、たしか読み方が、「やなぎだ・たけと」でしたが、愛称は、がっくんなのでしょう)
言いがかりをつけてくる若者男子は、がっくんがまともになることがうらやましい。研究設備を壊すことで人が不幸になることがうれしい。心意気が屈折しています。
『おいがっくんどこだよ!』
がっくんにいいがかりをつける演者の方の演技がうまくない。一生懸命なのはわかるのですが、この物語の雰囲気に合っていない。
物語全体の流れをつかんで演じるのがいい。もっと静かに演じたほうがいい。力が入り過ぎています。とがり過ぎです。がんばりすぎなのです。
本を読んだ時は、自分なりに頭の中で、登場人物たちの顔や姿、スタイルなどを想像して、ストーリーの進行を楽しみました。
そうやって自分の脳みそにできたこの小説のイメージとドラマの映像は違います。みなさん、かっこ良すぎるのです。お顔もきれいな人が多い。自分の想像の中の登場人物たちは、ふつうの顔と姿、どこにでもいる人間のスタイルをしています。話し方も、ぼそぼそっとしたものです。ドラマのように、はっきり強く言い切る形ではありません。
イッセー尾形さんのお話がとてもいい。
社会の現実を語っておられます。
きれいごとを言っていては、生活していけません。
世の中では、不公平、不条理、不合理、理不尽があたりまえなのです。
そういうものだと、心の中で、気持ちに折り合いをつけながら生きていくのです。
(藤竹先生がイッセー尾形さん(役名は、長嶺省造)にかけた言葉)『空中分解寸前ですわ』
イッセー尾形さんの言葉の趣旨です。
身の丈(みのたけ。生まれ、境遇、才能など)に合わない理想はいずれあきらめることになる。
私はそれなりに世の中のことは知っているつもりですけれど……
想像以上に甘くないよ。
エリートは、「蹴落とす人たち(けおとすひとたち)」である。
夢が破れたときの心の傷は深い。どこまで落ちていくかわからん。(柳田岳人を心配しての言葉)
本当にいいのかね。
彼にこれ以上期待させていいのかね。(自分がもしかしたら研究者になれるかもしれないという未来への夢(かなうはずがないという断定があります))
(柳田岳人)『オレ、タバコやめたんだよね』(いいことです)
『金貯めて(大学へ行きたい)』
『(でもいろいろ無理そうなことがわかって)がんばったことをあきらめるのはつらい』
学ぶ(知らなかったことを知るようになった。読めなかった文字を読めるようになった。(識字障害ディスレクシアであったことがわかって改善された))。
柳田岳人のセリフからは、気持ちがよく伝わってきました。
『第9話 恐竜少年の仮説』
失意に沈む藤竹先生です。定時制高校科学部がうまくいきません。
思い出話です。
藤竹先生は、アメリカ合衆国アリゾナへ研究のために行ったことがある。出世ではありません。むしろ左遷(させん。地位が落ちる)です。上司にさからったのです。(ドラマでは、高島礼子さんが演じる研究者のボスに、はむかっていった)
藤竹先生を演じる窪田正孝さんの演技がうまい。
名取佳純を演じる伊藤蒼さんの演技もうまい。伊藤さんはさきざきNHKの朝ドラの主役を演じるのではないかと期待しています。静かな演技が光っています。大声をあげて感情表現をする演技はむずかしくはありません。静かに淡々と自分の気持ちを整理して話す演技が観ている者の気持ちを豊かにさせてくれます。
イッセー尾形さんもうまい。さすが高齢者の言葉と、納得させられます。
『人間は、「気持ち」で生きている』
『人はそれぞれ、「夢」をもっている』
藤竹先生は、日本での研究者の世界に失望した。
学歴差別があった。
藤竹先生が支持していた高専(高等専門学校)の生徒が、団体のトップに差別された。研究に貢献してくれたのに、学歴が格下だからという理由で、発表の場で存在を排除された。
他者の成果を自分の手柄にする上司っています。みんなから嫌われます。でも、反発はしません。人事とお金の権力をもっている上司にはさからえません。頭のいい人たちは、知ってて知らん顔をします。心の冷たい人たちです。
組織のトップとそのとりまきたちは、『形を整える』ことにこだわります。中身はありません。形があれば、中身にはこだわりません。かっこうがつけばいいのです。
藤竹先生が上司に抗議します。『科学の前では、だれであろうとみんな平等のはずです!』
差別された人は、今回はあきらめて引き下がりましたが、現実社会では、差別やえいひいきをされて、引き下がらない人もいます。恐ろしいこと(おそろしいこと)が起きる原因にもなります。
がっくん(柳田岳人。小林虎之助さんが演じる)の友は、がっくんがねたましい。(自分もがっくんのようになりたいけれどなれない)。
やりたいことがある。やりたいことをしているということは、ステキなことなのです。
『科学(研究)の世界は開かれている。だれも拒んではいない。(こばんではいない)。科学はいつだって、きみを受け入れてくれる』、シンプルです。舞台劇のようなドラマです。
貧乏人のこどもだから頭が悪いということはありません。貧乏人の家にも、学力や能力が高いこどもは生まれます。
『育てる(そだてる)とか、育む(はぐくむ)』を主題にしたドラマです。
藤竹先生も、ひよわなひとりの人間です。
『勝手に終わらせてんじゃねぇよ!』(そのあとみんなに謝る(あやまる)柳田岳人(やなぎだ・たけと)です。
『ここは(定時制高校科学部)は、あきらめたものをとりもどす場所なんじゃないのか!』
『「科学」は楽しいものなんだ』
『第10話最終話 消えない星』
名取佳純(なとり・かすみ)を演じる伊藤蒼(いとう・あおい)さんの演技がうまい。
朝ドラ、『虎に翼』の主役を演じた伊藤沙莉(いとう・さいり)さんもうまいけれど、同じぐらい伊藤蒼さんもうまい。
静かな状態での演技が絶妙です。何も言わなくても気持ちがじわーっと伝わってきます。
仕事を見つけるときには人間関係が大事です。
だれかの推薦で仕事が見つかることが多い。
雇うほうは、『保証』が欲しいのです。推薦人が保証人のようなものです。
藤竹先生の次の仕事が見つかりました。(この部分は原作にはなかったような)
ほかにも小説にはなかったような部分が出てきますがかまいません。
ちょっと自分の記憶に自信がありませんが、名取佳純の姉の支援、過剰に薬を摂取する松谷真耶の立ち直ったその後、科学部チームが、JAXA(ジャクサ。宇宙航空研究開発機構)の研究に誘われる。同研究に、科学部チームがつくった、『重力可変装置』が使われる。
みなさんいい作品に出られました。
上品で上質な学園モノに仕上がったドラマでした。
柳田岳人(やなぎだ・たけと)を演じられた小林虎之助さんの自然な演技が光っていました。
イッセー尾形さんの藤竹先生に対する言葉です。
『あんたーー 食えん男だな(ずるがしこい男、狡猾(こうかつ)な男、悪賢い(わるがしこい)男』
なかなか良かった。
『第8話 メテオライトの憂鬱(ゆううつ)』(メテオライトは、宇宙から地球に飛来した隕石(いんせき)の総称。大学教育者から定時制高校教師になった藤竹先生のお悩みということでしょう)
『第9話 恐竜少年の仮説』
『第10話最終話 消えない星』
『第8話 メテオライトの憂鬱(ゆううつ)』
がっくんの昔のワル仲間が定時制高校に押しかけて、がっくんたち科学部の活動を邪魔するのです。
(柳田岳人は、本を読んだ時は、たしか読み方が、「やなぎだ・たけと」でしたが、愛称は、がっくんなのでしょう)
言いがかりをつけてくる若者男子は、がっくんがまともになることがうらやましい。研究設備を壊すことで人が不幸になることがうれしい。心意気が屈折しています。
『おいがっくんどこだよ!』
がっくんにいいがかりをつける演者の方の演技がうまくない。一生懸命なのはわかるのですが、この物語の雰囲気に合っていない。
物語全体の流れをつかんで演じるのがいい。もっと静かに演じたほうがいい。力が入り過ぎています。とがり過ぎです。がんばりすぎなのです。
本を読んだ時は、自分なりに頭の中で、登場人物たちの顔や姿、スタイルなどを想像して、ストーリーの進行を楽しみました。
そうやって自分の脳みそにできたこの小説のイメージとドラマの映像は違います。みなさん、かっこ良すぎるのです。お顔もきれいな人が多い。自分の想像の中の登場人物たちは、ふつうの顔と姿、どこにでもいる人間のスタイルをしています。話し方も、ぼそぼそっとしたものです。ドラマのように、はっきり強く言い切る形ではありません。
イッセー尾形さんのお話がとてもいい。
社会の現実を語っておられます。
きれいごとを言っていては、生活していけません。
世の中では、不公平、不条理、不合理、理不尽があたりまえなのです。
そういうものだと、心の中で、気持ちに折り合いをつけながら生きていくのです。
(藤竹先生がイッセー尾形さん(役名は、長嶺省造)にかけた言葉)『空中分解寸前ですわ』
イッセー尾形さんの言葉の趣旨です。
身の丈(みのたけ。生まれ、境遇、才能など)に合わない理想はいずれあきらめることになる。
私はそれなりに世の中のことは知っているつもりですけれど……
想像以上に甘くないよ。
エリートは、「蹴落とす人たち(けおとすひとたち)」である。
夢が破れたときの心の傷は深い。どこまで落ちていくかわからん。(柳田岳人を心配しての言葉)
本当にいいのかね。
彼にこれ以上期待させていいのかね。(自分がもしかしたら研究者になれるかもしれないという未来への夢(かなうはずがないという断定があります))
(柳田岳人)『オレ、タバコやめたんだよね』(いいことです)
『金貯めて(大学へ行きたい)』
『(でもいろいろ無理そうなことがわかって)がんばったことをあきらめるのはつらい』
学ぶ(知らなかったことを知るようになった。読めなかった文字を読めるようになった。(識字障害ディスレクシアであったことがわかって改善された))。
柳田岳人のセリフからは、気持ちがよく伝わってきました。
『第9話 恐竜少年の仮説』
失意に沈む藤竹先生です。定時制高校科学部がうまくいきません。
思い出話です。
藤竹先生は、アメリカ合衆国アリゾナへ研究のために行ったことがある。出世ではありません。むしろ左遷(させん。地位が落ちる)です。上司にさからったのです。(ドラマでは、高島礼子さんが演じる研究者のボスに、はむかっていった)
藤竹先生を演じる窪田正孝さんの演技がうまい。
名取佳純を演じる伊藤蒼さんの演技もうまい。伊藤さんはさきざきNHKの朝ドラの主役を演じるのではないかと期待しています。静かな演技が光っています。大声をあげて感情表現をする演技はむずかしくはありません。静かに淡々と自分の気持ちを整理して話す演技が観ている者の気持ちを豊かにさせてくれます。
イッセー尾形さんもうまい。さすが高齢者の言葉と、納得させられます。
『人間は、「気持ち」で生きている』
『人はそれぞれ、「夢」をもっている』
藤竹先生は、日本での研究者の世界に失望した。
学歴差別があった。
藤竹先生が支持していた高専(高等専門学校)の生徒が、団体のトップに差別された。研究に貢献してくれたのに、学歴が格下だからという理由で、発表の場で存在を排除された。
他者の成果を自分の手柄にする上司っています。みんなから嫌われます。でも、反発はしません。人事とお金の権力をもっている上司にはさからえません。頭のいい人たちは、知ってて知らん顔をします。心の冷たい人たちです。
組織のトップとそのとりまきたちは、『形を整える』ことにこだわります。中身はありません。形があれば、中身にはこだわりません。かっこうがつけばいいのです。
藤竹先生が上司に抗議します。『科学の前では、だれであろうとみんな平等のはずです!』
差別された人は、今回はあきらめて引き下がりましたが、現実社会では、差別やえいひいきをされて、引き下がらない人もいます。恐ろしいこと(おそろしいこと)が起きる原因にもなります。
がっくん(柳田岳人。小林虎之助さんが演じる)の友は、がっくんがねたましい。(自分もがっくんのようになりたいけれどなれない)。
やりたいことがある。やりたいことをしているということは、ステキなことなのです。
『科学(研究)の世界は開かれている。だれも拒んではいない。(こばんではいない)。科学はいつだって、きみを受け入れてくれる』、シンプルです。舞台劇のようなドラマです。
貧乏人のこどもだから頭が悪いということはありません。貧乏人の家にも、学力や能力が高いこどもは生まれます。
『育てる(そだてる)とか、育む(はぐくむ)』を主題にしたドラマです。
藤竹先生も、ひよわなひとりの人間です。
『勝手に終わらせてんじゃねぇよ!』(そのあとみんなに謝る(あやまる)柳田岳人(やなぎだ・たけと)です。
『ここは(定時制高校科学部)は、あきらめたものをとりもどす場所なんじゃないのか!』
『「科学」は楽しいものなんだ』
『第10話最終話 消えない星』
名取佳純(なとり・かすみ)を演じる伊藤蒼(いとう・あおい)さんの演技がうまい。
朝ドラ、『虎に翼』の主役を演じた伊藤沙莉(いとう・さいり)さんもうまいけれど、同じぐらい伊藤蒼さんもうまい。
静かな状態での演技が絶妙です。何も言わなくても気持ちがじわーっと伝わってきます。
仕事を見つけるときには人間関係が大事です。
だれかの推薦で仕事が見つかることが多い。
雇うほうは、『保証』が欲しいのです。推薦人が保証人のようなものです。
藤竹先生の次の仕事が見つかりました。(この部分は原作にはなかったような)
ほかにも小説にはなかったような部分が出てきますがかまいません。
ちょっと自分の記憶に自信がありませんが、名取佳純の姉の支援、過剰に薬を摂取する松谷真耶の立ち直ったその後、科学部チームが、JAXA(ジャクサ。宇宙航空研究開発機構)の研究に誘われる。同研究に、科学部チームがつくった、『重力可変装置』が使われる。
みなさんいい作品に出られました。
上品で上質な学園モノに仕上がったドラマでした。
柳田岳人(やなぎだ・たけと)を演じられた小林虎之助さんの自然な演技が光っていました。
イッセー尾形さんの藤竹先生に対する言葉です。
『あんたーー 食えん男だな(ずるがしこい男、狡猾(こうかつ)な男、悪賢い(わるがしこい)男』
なかなか良かった。