2024年08月19日

おばけのかわをむいたら たなかひかる

おばけのかわをむいたら たなかひかる 文響社

 全体が黄色い絵本です。
 バナナの皮をむくイメージでできあがっています。

 本の帯にあるキャッチコピーです。
 『もう1回読んで!が止まらない』(そうかなあ)
 1回読みましたが、好みが分かれる内容です。
 不気味でもあります。
 シュールレアリスム(超現実主義。じっさいには、目には見えない世界である思考、意識、夢などを絵にする)
 なにこれ? という人もいることでしょう。

 おばけは、バナナみたいな形をしていて、バナナの皮をむくように、むくことができます。
 皮をむくと、何かが出てくるパターンが続きます。

 おすもうさんが3人、肩車をした状態で(3人が縦に重なる)で現れました。(ちょっときもい(気持ち悪い))

 ページをめくると、こんどは、おばけの皮をむいたら、電車が縦に現れました。(まあ、ありえない設定の話です)

 次のページでは、おばけの皮をむいたら、ホットドックが出てきました。(おいしそう)
 
 くりかえしのリズムがあります。

 本のまんなかあたりで、とつぜん、バナナの形状がボールの形状に変化しました。
 みかんの皮をむくイメージです。

 ふむ。ブタたちが出てきました。(わたしは、おもしろい)
 
 今度は豆の形状をしたものが出てきました。
 それを割ると、ライオンが出てきました。
 
 次は、そら豆みたいな形状のおばけが出てきました。
 皮を押すと、どろぼうとおまわりさんが出てきました。
 次は、海にいるウニの形です。
 イガイガおばけだそうです。
 ウニの形を割ると、車が出てきました。
 さらに車の皮をむくと、またおすもうさんたちが出てきました。(作者はおすもうさんが好きなようです。わたしも相撲ファンです。宇良(うら)と熱海富士と翔猿(とびざる)と遠藤と若隆景(わかたかかげ)、翠富士(みどりふじ)、炎鵬(えんほう)、大の里(おおのさと)、尊富士(たけるふじ)のファンです)
 
 最後は、ロシア人形マトリョーシカ状態です。たまねぎみたいに、むいてもむいてもおばけです。
 最後のオチは意味をとれません。
 『だれかが そらを むこうとしている』
 巨人の存在があります。地球より大きな巨人です。

 わたしが高校生だった時につくった詩を思い出しました。
 ちょっとここに落としてみます。


 『路(みち)』

 ぼんやり 空虚のむこうにある世界を眺める(ながめる)
 週刊誌のページが
 テレビ画像のような気がしてくる

 頭に圧力が
 (それも均等な)
 視界は破壊につながる

 いつの間にか
 おれは原始人だと自覚する
 ダンプカーは毛むくじゃらのマンモスだ
 横断歩道を歩くのは人間の化石?
 それとも異次元人?

 球形をした地球の一点は
 めくりあがる風に
 塵(ちり)となって過去の空気に紛れる(まぎれる)
 黙った時間は
 太陽の真近で乾ききる
 炎の中で無数の影が討論会をする

 宇宙をかかえた男がみつめていた
 その男も
 何者かの胃袋の中にいるのかもしれない  

Posted by 熊太郎 at 06:20Comments(0)TrackBack(0)読書感想文