2024年08月10日
きみのお金は誰のため 田内学
きみのお金は誰のため ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」 田内学 東洋経済新報社
お金の話です。
こどもさんにも向けて書いてある本のようです。
とりあえず、全ページをゆっくりめくってみます。
『プロローグ(始まりの部分) 社会も愛も知らない子どもたち』
佐久間優斗(ゆうと)という中学生2年生の男子が出てくる。自営のとんかつ屋である『トンカツさくま』の息子。父と母が店を営んでいる。佐久間優斗には、高校三年生大学受験生の兄がいる。
その男:という男が出てくる。大きなお屋敷に住んでいる。錬金術師(れんきんじゅつし。投資でばく大な富を築いた)と呼ばれている。手下(てした)がいて、ボスと呼ばれている。ボスは、小動物のような初老の男性。『お金の向こう研究所』の所長というポジションらしい。名前は、神宮寺(じんぐうじ)という。
彼女(久能七海くのう・ななみという名前):ボスが住む屋敷の近くで優斗が出会った女性。グレーのパンツスーツ、すらりとした若い女性。茶色の髪は肩まである。アメリカの投資銀行の東京支店で働いている。上司の名前が、フィリップ。
ボスが語るようです。
お金もうけの話ではない。お金自体の話をするそうです。
1億円の札束は、しょせん10kgの紙の塊(かたまり)に過ぎないそうです。
お金の奴隷になってはいけない。
1 お金自体には価値がない。
2 お金で解決できる問題はない。
3 みんなでお金を貯めても意味がない。
以上の3点を、『謎(なぞ)』とする。
第1章から第5章、そして、最終章があります。
そして、エピローグです。(終わりの部分)
『第1章 お金の謎1 「お金自体には価値がない」』
ボスは、お金もうけの話はしない。
お金というものはどういうものなのかを話す。
お金は、紙である。
(読んでいて、ちょっとわかりにくい理屈です)
1000円札がある。
クッキーが1枚100円だと、1000円札でクッキーを10枚買える。
そのクッキーが200円に値上がりすると、クッキーは5枚しか買えなくなる。
1000円札の価値は下がった。
だから、1000円札を焼却処分して、1000円札の発行数を減らす。(それで、1000円札の価値が戻るのか?)
人々が、お札をため込むとお札の発行数が増えて、インフレ(物価上昇)になる。
古い日本銀行券は、毎年30兆円が焼却処分されている。
鉱物としての金(きん):昔から価値がある。
兌換紙幣(だかんしへい):昔の紙幣。銀行へ、その紙幣を持って行けば、金と交換してもらえた。ゆえに、銀行に金(きん)を置いておく必要があった。
不換紙幣(ふかんしへい):金(きん)とは交換できない紙幣だが、紙幣に、『信用』がある。紙幣の価値を日本の場合は、日本銀行と日本政府が保証している。
税金を紙幣で納付させるようにした:以前は、米で納付だった。江戸時代の銅銭や小判を明治時代になってなくした。
1873年(明治6年):地租改正、徴兵令。国立銀行が円の紙幣を発行した。紙幣で税金を納めないと、土地が差し押さえられて国に奪われてしまう。
納税と紙幣の流通で、『みんながお互いのために働く社会に変わる』
第一章を読んで思ったことです。
趣旨からはずれるかもしれませんが、『労働は、世のため人のために働く』という倫理・道徳的な動機付けがあってこそ成立するものです。『仕事は楽で、給料は高くて、休みが多いほうがいい』とだけ思って働いていると、不祥事が起きます。内部の人間が、顧客や会社のお金を自分のポケットに入れたらなかなか見つけきれません。『信用』は、大事です。
『第2章 お金の謎2 「お金で解決できる問題はない」』
お金と労働の関連について書いてあります。お金が流通することで、労働が成立する。
『どんな問題もお金では解決でけへん』
『学校や塾で勉強できるのは、(お金のおかげではない)両親のおかげだ……』
お金は、お金が使える環境にあるときだけしか使えない。(無人島では使えない)
お金の向こう側にはたくさんの人がいる。(労働がある)
お金があっても、パンがなければ、人は死んでしまう。
エッセンシャル・ワーカー:ライフライン(生活に必要不可欠)維持のために現場で働く職種、人のこと。健康、医療、福祉、教育、政府、自治体、交通、食品、警察、電気・ガス・水道など。
物価上昇に対応するために、発行する紙幣の数を増やしても、生活状況は改善しない。
お金があっても、売り買いするパンがなければ、パンを買うことはできない。
パンの生産が必要。
物をつくる状況をつくる。
GDP:国内総生産。
経済とは:経世済民の略。けいせいさいみん。世をおさめて民(たみ)を救う。
お金があっても、パンや米がなければ、人は飢え死にしてしまう。パンや米を分かち合うためにお金がある。
『第3章 お金の謎3 「みんなでお金を貯めても意味がない」』
本とは離れる話ですが、日本の株式市場は、8月1日木曜日から不安定になり、日銀の金利引き上げの決定を経て翌日2日金曜日に株価が大暴落しました。翌週5日火曜日も株価の下落は続き、歴史的な大暴落となりました。その後株価は、元に戻ろうともがいています。
自分はそうなることを4月ごろに予想していましたが、ここまで下げるとは思いませんでした。びっくりです。わたしが保有する株の株価が取得時よりもマイナスになってしまいました。(2024年8月18日追記:8月5日(月)に100万円以上の含み損に転落しましたが、8月16日(金)にプラスに転じました。わずかな期間に大きなお金が上下に動きました。これが株です。大金を損することもありますが、同じ額ぐらいを得することもあります。付け加えると、各種の株価未来予想はあたりません。わたしは信じないようにしています)。
幸いだったのは、円高になると株価が下がる銘柄は春先から順次売却して、一定の利益は株式市場から引き揚げてありました。
円高になっても強い銘柄として、銀行株ほかを残しておきましたが、大丈夫だろうと予想していた商社株は下がりました。商社株は円高に弱いようです。まだまだわたしは素人投資家のレベルです。
3年前ぐらいから株式投資を始めて、これまでの株価上昇で利益もあったので総合的にはマイナスにはなっておらず安心しています。株価は上がったら下がるし、下がったら上がります。長い目で見ていきます。
3年前は日経平均株価が、2万6000円から2万8000円ぐらいでした。今年は4万円を超えました。その経過の中で、かなりの利益(不労所得)を得た方も多いと思います。
ことしは春先から、選挙がらみで日米の政権交代の話があり、ウクライナやパレスチナガザ地区では戦争状態もあって世相が不安定でした。
まだまだ波乱がありそうです。わたしの予想だと9月の与党総裁選挙で株価が動きそうだと踏んでいます。(踏む:前もって見当(けんとう。見込み)をつける)
本に戻ります。
だれかが得をするということは、だれかが損をするということです。
お金の総量は変わりません。複数の人間や組織で取り合いをするだけです。なんでもそうです。ギャンブルでも宝くじでも同様の仕組みです。
多数決が正しいわけでもありません。
本では、昔は天動説が常識だったと解説があります。(地球のまわりを太陽が回っている)
年金問題は、年寄りを養うお金が足りないということではない。
年寄りを養うための労働力が少子化で足りないことが問題点である。
労働力があれば、年金問題は解決する。
112ページあたりに書いてあるアフリカガーナでつくった衣料品を堂本という男性が日本で売るお話は、しばらく前にわたしが読んだ本、『アフリカで、バッグの会社はじめました 寄り道多め仲本千津の進んできた道 江口絵里 さ・え・ら書房』と類似していて縁を感じました。そちらは、アフリカウガンダのお話でした。
『恵む(めぐむ)』だけでは、相手にとっての自立・自活にはつながらない。お金の援助だけでは相手は、自立・自活はできない。永遠に援助をしていかねばならない。
相手を自立・自活できるように導くことが大事なのです。
金銭の寄付だけでは、人の未来は開かれないのです。
未来のために人を育てる。
『第4章 格差の謎 「退治する悪党は存在しない」』
優斗は、高校2年生に成長しています。第3章までは、中学2年生だったそうです。
ボスはいなくなっています。その理由はまだ明かされません。
時は戻って、優斗が中学2年の3学期のことです。
エンジェル投資:エンジェルと呼ばれる投資家が、株をもらうかわりに資金を提供してあげる。
若い人は、時間(これから生きる生涯の時間)を投資する。
若い人たちがもっている『時間』が未来をつくる。
若い人に投資する。
お金を稼ぐことはむずかしいけれど、お金を使うこともむずかしい。
『社会が悪い』という理屈は成立しない。
『社会』に悪も善も存在しないというような理論展開です。
『税金』は、必要なお金である。
税金は、世の中にあるお金を循環させる役割を果たしている。
(お金を、『水』として、税金が蒸発して雨となって地表に降りそそぐものとして、たとえてあります)
だれかが税金をため込んでいるわけではない。
(なるほど)
『第5章 社会の謎 「未来には贈与しかできない」』
このあとボスの神宮寺は病気で亡くなってという流れで話が進みます。
本全体のラストあたりは、ドラマチックな展開になります。
『とにかく、学ぶのを止めたらあかん……』
『過去の蓄積の上に僕らは生活している』(だから、高齢者を攻撃することは的外れ(まとはずれ))
未来のために、若い世代に贈与する。(投資する)
『お金』が贈与の役割を果たしている。
見も知らぬ人に贈与でものが渡る。
宿題として、『誰のために働くのか』
国民が働かないと、その国は亡びる。
『最終章 最後の謎 「ぼくたちはひとりじゃない」』
病気で亡くなったボス(神宮寺)から七海と優斗へ残した手紙が披露されます。
誰のために働くのか。
お金は関係ない。
みんなのために働く。
働くことで、なにかで不便な思いをしている人の役に立っている。
お互いが助け合うことで、社会は成り立っている。
ぼくたち=貨幣経済が成立するまでは、ぼくたちの範囲が広かった。仲間意識が強かった。お金が流通するようになって、ぼくたちの範囲は狭くなった。仲間意識が薄れた。
高齢者であるボスの体験談が続きます。読んでいて共感する部分が多々あります。
社会の役に立つ会社が事業を継続していける。
人にとって大事なことは、心から人を愛すること。
ウクライナのゼレンスキー大統領のようです。
『愛する人を守ろうと思うと、社会が他人事ではなくなる』
仕事がつらかったときに、妻やこどものために踏ん張ろうと思うことは何度もありました。
鉛筆の話が出ます。
1本の鉛筆をつくるためにたくさんの人たちが関与している。
されど、お互いの顔も名前も知らない。
『お金』が、知らない者同士をつないで、ひとつの完成品が生まれている。
『エピローグ』
種明かし部分です。
なかなか良かった。
いいオチが隠されていました。オチ:話の締め。
お金の話です。
こどもさんにも向けて書いてある本のようです。
とりあえず、全ページをゆっくりめくってみます。
『プロローグ(始まりの部分) 社会も愛も知らない子どもたち』
佐久間優斗(ゆうと)という中学生2年生の男子が出てくる。自営のとんかつ屋である『トンカツさくま』の息子。父と母が店を営んでいる。佐久間優斗には、高校三年生大学受験生の兄がいる。
その男:という男が出てくる。大きなお屋敷に住んでいる。錬金術師(れんきんじゅつし。投資でばく大な富を築いた)と呼ばれている。手下(てした)がいて、ボスと呼ばれている。ボスは、小動物のような初老の男性。『お金の向こう研究所』の所長というポジションらしい。名前は、神宮寺(じんぐうじ)という。
彼女(久能七海くのう・ななみという名前):ボスが住む屋敷の近くで優斗が出会った女性。グレーのパンツスーツ、すらりとした若い女性。茶色の髪は肩まである。アメリカの投資銀行の東京支店で働いている。上司の名前が、フィリップ。
ボスが語るようです。
お金もうけの話ではない。お金自体の話をするそうです。
1億円の札束は、しょせん10kgの紙の塊(かたまり)に過ぎないそうです。
お金の奴隷になってはいけない。
1 お金自体には価値がない。
2 お金で解決できる問題はない。
3 みんなでお金を貯めても意味がない。
以上の3点を、『謎(なぞ)』とする。
第1章から第5章、そして、最終章があります。
そして、エピローグです。(終わりの部分)
『第1章 お金の謎1 「お金自体には価値がない」』
ボスは、お金もうけの話はしない。
お金というものはどういうものなのかを話す。
お金は、紙である。
(読んでいて、ちょっとわかりにくい理屈です)
1000円札がある。
クッキーが1枚100円だと、1000円札でクッキーを10枚買える。
そのクッキーが200円に値上がりすると、クッキーは5枚しか買えなくなる。
1000円札の価値は下がった。
だから、1000円札を焼却処分して、1000円札の発行数を減らす。(それで、1000円札の価値が戻るのか?)
人々が、お札をため込むとお札の発行数が増えて、インフレ(物価上昇)になる。
古い日本銀行券は、毎年30兆円が焼却処分されている。
鉱物としての金(きん):昔から価値がある。
兌換紙幣(だかんしへい):昔の紙幣。銀行へ、その紙幣を持って行けば、金と交換してもらえた。ゆえに、銀行に金(きん)を置いておく必要があった。
不換紙幣(ふかんしへい):金(きん)とは交換できない紙幣だが、紙幣に、『信用』がある。紙幣の価値を日本の場合は、日本銀行と日本政府が保証している。
税金を紙幣で納付させるようにした:以前は、米で納付だった。江戸時代の銅銭や小判を明治時代になってなくした。
1873年(明治6年):地租改正、徴兵令。国立銀行が円の紙幣を発行した。紙幣で税金を納めないと、土地が差し押さえられて国に奪われてしまう。
納税と紙幣の流通で、『みんながお互いのために働く社会に変わる』
第一章を読んで思ったことです。
趣旨からはずれるかもしれませんが、『労働は、世のため人のために働く』という倫理・道徳的な動機付けがあってこそ成立するものです。『仕事は楽で、給料は高くて、休みが多いほうがいい』とだけ思って働いていると、不祥事が起きます。内部の人間が、顧客や会社のお金を自分のポケットに入れたらなかなか見つけきれません。『信用』は、大事です。
『第2章 お金の謎2 「お金で解決できる問題はない」』
お金と労働の関連について書いてあります。お金が流通することで、労働が成立する。
『どんな問題もお金では解決でけへん』
『学校や塾で勉強できるのは、(お金のおかげではない)両親のおかげだ……』
お金は、お金が使える環境にあるときだけしか使えない。(無人島では使えない)
お金の向こう側にはたくさんの人がいる。(労働がある)
お金があっても、パンがなければ、人は死んでしまう。
エッセンシャル・ワーカー:ライフライン(生活に必要不可欠)維持のために現場で働く職種、人のこと。健康、医療、福祉、教育、政府、自治体、交通、食品、警察、電気・ガス・水道など。
物価上昇に対応するために、発行する紙幣の数を増やしても、生活状況は改善しない。
お金があっても、売り買いするパンがなければ、パンを買うことはできない。
パンの生産が必要。
物をつくる状況をつくる。
GDP:国内総生産。
経済とは:経世済民の略。けいせいさいみん。世をおさめて民(たみ)を救う。
お金があっても、パンや米がなければ、人は飢え死にしてしまう。パンや米を分かち合うためにお金がある。
『第3章 お金の謎3 「みんなでお金を貯めても意味がない」』
本とは離れる話ですが、日本の株式市場は、8月1日木曜日から不安定になり、日銀の金利引き上げの決定を経て翌日2日金曜日に株価が大暴落しました。翌週5日火曜日も株価の下落は続き、歴史的な大暴落となりました。その後株価は、元に戻ろうともがいています。
自分はそうなることを4月ごろに予想していましたが、ここまで下げるとは思いませんでした。びっくりです。わたしが保有する株の株価が取得時よりもマイナスになってしまいました。(2024年8月18日追記:8月5日(月)に100万円以上の含み損に転落しましたが、8月16日(金)にプラスに転じました。わずかな期間に大きなお金が上下に動きました。これが株です。大金を損することもありますが、同じ額ぐらいを得することもあります。付け加えると、各種の株価未来予想はあたりません。わたしは信じないようにしています)。
幸いだったのは、円高になると株価が下がる銘柄は春先から順次売却して、一定の利益は株式市場から引き揚げてありました。
円高になっても強い銘柄として、銀行株ほかを残しておきましたが、大丈夫だろうと予想していた商社株は下がりました。商社株は円高に弱いようです。まだまだわたしは素人投資家のレベルです。
3年前ぐらいから株式投資を始めて、これまでの株価上昇で利益もあったので総合的にはマイナスにはなっておらず安心しています。株価は上がったら下がるし、下がったら上がります。長い目で見ていきます。
3年前は日経平均株価が、2万6000円から2万8000円ぐらいでした。今年は4万円を超えました。その経過の中で、かなりの利益(不労所得)を得た方も多いと思います。
ことしは春先から、選挙がらみで日米の政権交代の話があり、ウクライナやパレスチナガザ地区では戦争状態もあって世相が不安定でした。
まだまだ波乱がありそうです。わたしの予想だと9月の与党総裁選挙で株価が動きそうだと踏んでいます。(踏む:前もって見当(けんとう。見込み)をつける)
本に戻ります。
だれかが得をするということは、だれかが損をするということです。
お金の総量は変わりません。複数の人間や組織で取り合いをするだけです。なんでもそうです。ギャンブルでも宝くじでも同様の仕組みです。
多数決が正しいわけでもありません。
本では、昔は天動説が常識だったと解説があります。(地球のまわりを太陽が回っている)
年金問題は、年寄りを養うお金が足りないということではない。
年寄りを養うための労働力が少子化で足りないことが問題点である。
労働力があれば、年金問題は解決する。
112ページあたりに書いてあるアフリカガーナでつくった衣料品を堂本という男性が日本で売るお話は、しばらく前にわたしが読んだ本、『アフリカで、バッグの会社はじめました 寄り道多め仲本千津の進んできた道 江口絵里 さ・え・ら書房』と類似していて縁を感じました。そちらは、アフリカウガンダのお話でした。
『恵む(めぐむ)』だけでは、相手にとっての自立・自活にはつながらない。お金の援助だけでは相手は、自立・自活はできない。永遠に援助をしていかねばならない。
相手を自立・自活できるように導くことが大事なのです。
金銭の寄付だけでは、人の未来は開かれないのです。
未来のために人を育てる。
『第4章 格差の謎 「退治する悪党は存在しない」』
優斗は、高校2年生に成長しています。第3章までは、中学2年生だったそうです。
ボスはいなくなっています。その理由はまだ明かされません。
時は戻って、優斗が中学2年の3学期のことです。
エンジェル投資:エンジェルと呼ばれる投資家が、株をもらうかわりに資金を提供してあげる。
若い人は、時間(これから生きる生涯の時間)を投資する。
若い人たちがもっている『時間』が未来をつくる。
若い人に投資する。
お金を稼ぐことはむずかしいけれど、お金を使うこともむずかしい。
『社会が悪い』という理屈は成立しない。
『社会』に悪も善も存在しないというような理論展開です。
『税金』は、必要なお金である。
税金は、世の中にあるお金を循環させる役割を果たしている。
(お金を、『水』として、税金が蒸発して雨となって地表に降りそそぐものとして、たとえてあります)
だれかが税金をため込んでいるわけではない。
(なるほど)
『第5章 社会の謎 「未来には贈与しかできない」』
このあとボスの神宮寺は病気で亡くなってという流れで話が進みます。
本全体のラストあたりは、ドラマチックな展開になります。
『とにかく、学ぶのを止めたらあかん……』
『過去の蓄積の上に僕らは生活している』(だから、高齢者を攻撃することは的外れ(まとはずれ))
未来のために、若い世代に贈与する。(投資する)
『お金』が贈与の役割を果たしている。
見も知らぬ人に贈与でものが渡る。
宿題として、『誰のために働くのか』
国民が働かないと、その国は亡びる。
『最終章 最後の謎 「ぼくたちはひとりじゃない」』
病気で亡くなったボス(神宮寺)から七海と優斗へ残した手紙が披露されます。
誰のために働くのか。
お金は関係ない。
みんなのために働く。
働くことで、なにかで不便な思いをしている人の役に立っている。
お互いが助け合うことで、社会は成り立っている。
ぼくたち=貨幣経済が成立するまでは、ぼくたちの範囲が広かった。仲間意識が強かった。お金が流通するようになって、ぼくたちの範囲は狭くなった。仲間意識が薄れた。
高齢者であるボスの体験談が続きます。読んでいて共感する部分が多々あります。
社会の役に立つ会社が事業を継続していける。
人にとって大事なことは、心から人を愛すること。
ウクライナのゼレンスキー大統領のようです。
『愛する人を守ろうと思うと、社会が他人事ではなくなる』
仕事がつらかったときに、妻やこどものために踏ん張ろうと思うことは何度もありました。
鉛筆の話が出ます。
1本の鉛筆をつくるためにたくさんの人たちが関与している。
されど、お互いの顔も名前も知らない。
『お金』が、知らない者同士をつないで、ひとつの完成品が生まれている。
『エピローグ』
種明かし部分です。
なかなか良かった。
いいオチが隠されていました。オチ:話の締め。