2024年08月21日

そそそそ たなかひかる 

そそそそ たなかひかる ポプラ社

 絵本の表紙には、コアラが8頭重なっています。
 最初のコアラだけが木につかまって、あとの7匹が背中に順番にのっかっています。

 ナンセンス絵本でしょう。ナンセンス:意味がない。ばかげている。だけど、味わいがある。おもしろい。
 わたしが好きな絵本作家で、長新太(ちょう・しんた)さんという方がいらっしゃいます。ナンセンス絵本の大家(たいか。ベテランで優れて(すぐれて)いる人)だと思います。
 たくさんの作品を読みました。『へんてこ へんてこ』、『みみずのオッサン』、『ゴムあたまポンたろう』、『おなら』、『ぼくのくれよん』、『キャベツくん』などを読みました。そのほかに、原作者は別の方で、絵が長新太さんというパターンの絵本も何冊か読みました。
 自分なりに分類すると、こちらのたなかひかるさんの本もナンセンス絵本です。
 比較すると、長新太さんほどのパワーはありません。たなかひかるさんの絵本の内容は、おとなしい。

 ページをめくると、コアラが9頭います。
 絵本の表紙に描いてある絵よりも1頭多い。
 
 9頭のコアラの足が、にゅーっと伸びました。
 その絵は、うちの小学生の孫のひとりが大好きな、『ニャンコ大戦争』というマンガの絵のようでもあります。ニャンコですから、ネコの足がにゅーっと伸びたような絵のマンガです。足のすぐ上に顔がある変な絵です。

 絵本のページをさらにめくります。
 ふふふふふ…なにか変だけれど笑えます。
 コアラ+パンダです。
 コアラは、そそそそと歩き、パンダは、ころころと背中を左右に動かします。
 パンダの背が伸びて、モデルさんみたいな姿になりました。かっこいい! いかしてる! クールです。

 ワニが来た。ワニは2頭います。
 なにかと伸びる絵本です。
 ワニのあごが伸びました。

 今度はラクダと鳥が出てきました。鳥は、オウムのようなインコのような、ヨウムという鳥かもしれません。
 ラクダのこぶがにゅーんと伸びました。
 こぶとこぶの間にヨウム鳥がはさまれました。ヨウムは2羽います。
 
 あれ? ヨウムの話は終わって、今度はキリンが登場しました。
 キリンは、体のどこが伸びるのだろうか?
 ……
 キリンじゃなくて、コアラの鼻が伸びました。
 意表をつかれました。いひょう:予想外のこと、考えてもいなかったことでびっくりする。
 キリンの鼻息が荒い。何かが起こりそうだ。
 なんじゃこりゃ? コアラの鼻から大量の、『ふんす』が放出されました。
 えッ? 伸びるんじゃなくて、キリンの首がちぢみました。
 首が短い生き物は、見た目はもうキリンじゃありません。

 足の長いペリカンが飛んできます。
 ぞそぞぞ、ぞぞぞそが続いて、コアラの長かった足も手も元どおりです。
 おもしろかった。  

Posted by 熊太郎 at 06:11Comments(0)TrackBack(0)読書感想文