2024年05月27日
私の職場はサバンナです! 太田ゆか
私の職場はサバンナです! 南アフリカ政府公認サファリガイド 太田ゆか 河出書房新社
前回読み終えた本が、『アフリカで、バッグの会社はじめました 寄り道多め仲本千津の進んできた道 江口絵里 さ・え・ら書房』でした。アフリカつながりで、今度はこの本を読んでみます。
こちらの本には、アフリカの写真が何枚かあるのですが、著者がどの写真でもカメラ目線です。モデルさんかアイドルさんのようだという印象をもちました。
あとの写真は、ライオン、リカオン、ハイエナ、ゾウ、クロサイ、キリン、ミナミベニハチクイ、ムナオビオナガゴシキドリ、ブレスボック(鹿みたい)、昆虫もいます。フンコロガシ、シロアリなど、動物園と違って、動物は原野にいます。
著者は何をしている人なのだろうか。これから読み始めます。読みながら、感想をつぎたしていきます。
この本の出版社である河出書房新社の建物は、今年一月、東京見物に行ったときに、国立競技場の敷地から見ることができました。
本の構成です。
第1章から第6章まであります。
目次に目を通します。
書いてあることを読むと、毎週日曜日午前10時過ぎから流れているNHKラジオ番組、『こども科学電話相談』を思い出します。
こども科学電話相談のジャンルとして、『昆虫』、『動物』、『科学』、『天文・宇宙』、『鳥』、『心と体』、『岩石・鉱物』、『植物』、『水中の生物』、『恐竜』、『コンピューター・ロボット』、『天気・気象』、『鉄道』などがあり、多岐(たき。たくさん)にわたっています。
これから読む本は、『動物』とか、『鳥』、『昆虫』、『水中の生物』などが該当しそうです。
この本で、動物の生態ほかを紹介してもらえそうです。
サバンナ:熱帯・亜熱帯の草原地帯。夏に雨季、そのほかに、乾季がある。
著者である太田ゆかさんの職業は、『サファリガイド』だそうです。南アフリカ共和国で働いておられます。
サファリガイド:自然の中で野生動物を観察しに行くアクティビティ(体験型の遊び)の世話人。
サファリ:スワヒリ語で、『旅』という意味だそうです。
アフリカ諸国は、西洋の(ヨーロッパ諸国)の植民地だった歴史がある。
人間も自然の一部とあります。
地球の自然を人間が壊している。地球温暖化、大気汚染、森林破壊などです。
この本では、自分がサファリガイドになった理由、サバンナの動物たちの生態、現地での環境問題について語ってくださるそうです。
本の読み方として、サファリツアーに参加するような気分で読んでくださいというようなメッセージがありました。
(つづく)
『第1章 どうしてもアフリカで働きたい!』
どうしてアフリカで働きたいのだろう? そう思いました。ふつう、アフリカで働きたいとは思いつきません。
著者は、14歳のころ獣医になりたかった。動物が大好きだった。
自分がもつ獣医のイメージは、ペットの治療ではなく、たとえば、北海道の牧場で牛の出産の処置をするとか、肉牛やヒツジ、ニワトリの対応をするというような産業動物・経済動物の管理で収入を得て生活をしていくというものです。楽な仕事ではありません。(著者は、理系がにがてで獣医になることをあきらめています。人間相手でも動物でも、医療は理系です。また、血を見る仕事です。ほのぼのとした仕事ではありません)
オーストラリアの山林火災からコアラを救出する:そういうことがありました。2019年(令和元年)にそういうことがありました。
著者は、動物を守る仕事、動物に携わる仕事を選択した。
大学の観光学部に所属して、モンゴルやマレーシアを訪れた。野生動物の保護、自然環境保護について学んだ。
野生動物の王国は、『アフリカ』であると悟った。(さとった。はっきりと理解した)
大学2年生の時、アフリカ大陸南部のボツワナ共和国でのサバンナ保全ボランティアプロジェクトに参加した。そこで、将来への進路が決まった。
サファリガイド:フランス出身の若い女性がガイドだった。彼女にいろいろ教えてもらった。仕事を学ぶ時には、師弟関係が必要です。自分ひとりだけでは、仕事はなかなか覚えられません。自分が覚えたら今度は自分が師匠になるのです。
2015年(平成27年)、南アフリカ共和国にあるサファリガイド訓練学校の1年間コースに入学した。日本の大学は1年間の休学です。(休学中の授業料は払わなくていいと聞いたことがあります)
現地で勉強して、サファリガイドの資格を取得されています。
イギリス人やインド人の人たちが仲間です。
著者は、アメリカ合衆国ロスアンゼルス生まれですから、世界を移動することに抵抗感がないのでしょう。(でも、英語はにがてだったらしい。努力と勤勉で、克服されています)
ご両親は娘さんがアフリカで働くことに反対だったそうです。ご両親からみれば、なんでそんなことを言い出すのかと驚いて、たいへん心配されたことでしょう。
親は、ゆくなと説得はするけれど、最後はあきらめるしかありません。こどもの人生はこどものものです。
サファリガイドとしての就職活動は簡単ではありませんでした。
日本人が現地で働くにはハードルが高い。
救命救急の資格、特別な運転免許証の取得、観光局への登録などが必要だったそうです。
現地の人にとっては簡単でも、日本人にはむずかしい。大変です。
男社会なので、日本人女性を受け入れてくれない。就職のための面接も設定してもらえない。
ようやく見つかったのは、観光客相手の仕事ではなく、世界各地からボランティアでやってくる人たち相手のサファリガイドの仕事だったそうです。著者は、サファリロッジで働きます。
車にボランティアの人たちを乗せながら、毎日サバンナの草原に出ます。ヒョウやライオン、ゾウなどの生態を調べます。
言語のことが書いてあります。
南アフリカ現地のこどもは、小学二年生までは地域の言葉で学習するが、三年生からはすべて英語で授業をするそうです。たいへんですが、習得すればなかなかいい技術です。日本人の英会話教育の遅れを感じます。某アメリカプロ野球選手も自分で英会話ができれば、通訳トラブルに巻き込まれずに済んだのかもしれません。(このあと読んだ投資家の本にも日本人の英会話能力が低すぎるというような文章が書いてありました。『わが投資術 市場は誰に微笑むのか 清原達郎 講談社』)
新型コロナウィルス禍があります。
お客さんが来ません。
生配信するオンラインツアーの開始です。
40ページにある一日の日程はなかなかハードです。
午前3時45分起床、4時15分出勤、5時から車で出発です。
3~4時間回るそうです。
午後は、16時から2回目のツアーです。
20時に仕事は終了です。
好きでないとできない仕事だと思いました。
『第2章 想像を超えたサバイバル リアルな肉食ライフ』
本は、各動物を個別に紹介するパターンになるようです。
本の中のサファリツアーです。
(まず、ライオン)
好きな動物はライオンだそうです。
百獣の王ライオンには魅力があります。
野生のライオンは、大きなネコだそうです。かわいいところもある。
プライド:ライオンの群れのこと。1頭から数頭のオスと10頭前後のメスとこどもによる構成です。血族が中心です。
狩りはメスがします。チームワークがいいそうです。
ライオンの敵はライオンだそうです。
オスはリーダーです。リーダーの地位を維持するために、ライオンのオスと戦います。
もうひとつ、ライオンの敵は人間です。密猟者がいます。罠(わな)もあります。
(ハイエナ)
世間で思われているほど悪い奴ではないそうです。むしろサバンナにとってはいなくてはならない存在だそうです。
賢い。(かしこい)。思考が、人間と似ている。頭がとてもいい。意思決定をする脳の部分が発達している。
複数でコミュニケーションをつくっている。
弱肉強食の野生動物の世界について説明があります。
生態系のバランスをとってくれているのが、ハイエナだそうです。
(チーター)
見かけることは、珍しいそうです。頭数が少ない。
足は速いけれど、力はそれほどない。
1歳半で自立ですが、なかなか1歳半まで育たないそうです。
(リカオン)
生態が人間みたいです。
社会性が高い。手塚治虫アニメの、『ジャングル大帝』を思い出します。
ライオンとの接触をさけるために広範囲で行動するそうです。
人間と接触する機会が多いので、家畜を襲うこともある。ゆえに人間に殺されてしまう。日本でいうところのクマとかイノシシを思い浮かべました。
リカオンが狂犬病になって、いっぱい死んでしまったと書いてあります。
そして、密猟者がいます。
モニタリング:野生動物を継続的に観察し、記録すること。
チーターとライオンは、ネコ科で、リカオンは、イヌ科だそうです。
南アフリカについて書いてあります。
人口が、5939万人。日本は、1臆2300万人ぐらいです。
南アフリカで暮らしている日本人は、1505人しかいません。
南半球だから、11月~3月が夏で、冬は、4月から10月だそうです。
『第3章 生き抜くために手を取り合う サバンナの草食動物たち』
肉食動物から命を狙われている草食動物の話です。
(インパラ)
シカのように見えるけれど、ウシ科だそうです。肉食動物のおもな食糧源になっているそうです。人間にとっての産業動物・経済動物(ニワトリ、ブタ、ウシなど)みたいです。
インパラは、500万年前から地球上にいるそうです。姿かたちもほとんど変わっていないそうです。(大昔はもう少し小型だった)
500万年前というのは、日本の縄文時代は1万年前ぐらいですから、かなり前です。恐竜時代が、BC(紀元前)2億年~BC6600万年前です。
インパラがいるサバンナにはたくさんのダニがいるけれど、毛づくろいでダニを退治している。ダニをとりやすい前歯をもっている。そんなことが書いてあります。
(キリン)
背が高い。オスだと5m以上の個体もいる。
草食動物は、草食動物同士で固まってエサをとる。敵が来たらお互いに教え合って逃げる。キリンは背が高いから遠くが見える。助け合いがあります。
名古屋東山動植物園のキリンのあかちゃんを見たときを思い出しました。あかちゃんでも、身長が165センチぐらいありました。名前は、『カンナ』です。
キリンのあかちゃんは、サバンナではライオンに狙われるそうです。
(アフリカゾウ)
体重は6トンです。一日中食べているというように書いてあります。
東山動物園のアフリカゾウ、『ケニーさん(メス)』は、午前11時ごろに飼育員さんから木の葉っぱとか枝をもらってむしゃむしゃ食べていました。ケニーさんは歳をとって、2020年8月10日に老衰で亡くなりました。
ゾウのフンのことが書いてあります。消化が下手なので、ゾウのフンには栄養素が残っており、たくさんの虫がフンにむらがるそうです。その虫を食べる動物がやってきて、良好な食物連鎖につながっているそうです。
ゾウは嗅覚がいいので、地下水のありかを、においをかぐことによって見つける能力があるそうです。
2種類のゾウがいる。
アフリカゾウ:東アフリカ、南部アフリカのサバンナにいる。危機(今後の個体数の減少について)。
マルミミゾウ:中央アフリカ、西アフリカの森林地帯にいる。個体の減少が深刻な危機にある。
ゾウの好物となる樹木:マルーラ、ノブソーン、バオバブ
保護しすぎて、数が増えて、ゾウが保護区から出て、人間のエリアに入ってくるようになったとあります。数のバランスをとることがむずかしい。
(サイ)
シロサイ:口の形が違う。主に草を食べる。口の位置が低くて横長。生息していた場所の土が石灰質で、白い泥が体についていた。
クロサイ:葉っぱや枝を食べる。おちょぼ口。名前は、シロの反対でクロにした。
サイの天敵は、ツノを売るためにサイを捕る密猟者たちです。
ひどいことをするものです。
いろいろ課題があります。
密猟者が密猟をしなくても食べていけるように雇用を確保するとか、保護する立場の人間たちで、先にツノだけをとって生かすとか、いろいろ考えられて実行されています。
『第4章 見た目も能力も陸とは一味違う! 空駆ける鳥の世界』
サバンナにいる鳥たちの紹介です。
(ダチョウ)
身長2m以上、卵の大きさは、ニワトリの卵の24個分。ビッグです。
鳥だけど飛べない。
(ハヤブサ)
地球上でもっとも飛ぶのが速い鳥だそうです。急降下の時のスピードは、時速389km、日本で一番速い新幹線『はやぶさ』の最高時速が、320kmだそうです。
(ハゲワシ)
最初、「ハゲタカ」のことかと思いましたが、「ハゲワシ」です。
地球上でもっとも高い位置を飛ぶ鳥だそうです。
「マダラハゲワシ」は、高度1万1000mの上空を飛べるそうです。マイナス50℃の世界です。寒さに強い体をしているそうな。気圧は陸上の4分の1です。すごいなあ。宇宙まで届きそうです。(調べたら、高度100kmから宇宙だそうです。マダラハゲワシでもまだ遠い)
ハゲワシの主食は死肉です。ハゲワシは、生態系にとって、必要な存在です。
ハゲワシには知恵がある。カラスみたいです。
鳥類は、恐竜の子孫と聞いたこともあります。
視力も優れている。
上空1kmから6cm角のお肉が見える。
ハイエナ:サバンナのお掃除屋さん。
ハゲワシ:同じく、サバンナのお掃除屋さんです。
ハゲワシの敵は人間です。お金に目がくらんだ人間が、化学製品の薬をいろいろな手段に使って、ハゲワシが間接的に毒薬を口にしてどんどん死んでいきます。そんなことが書いてあります。
思うに、ライオンの敵はライオンで、人間の敵は人間です。遠い未来に人間は自分たちの手で滅びる危機を迎えるかもしれません。核戦争です。そうならないように人間はがんばらなければなりません。
アフリカにいる9種類のハゲワシです。たくさんいるのね。日本の和牛のブランドみたいです。
1 コシジロハゲワシ
2 ズインハゲワシ
見た目で、お名前が付いているみたいです。
3 カオジロハゲワシ
4 ミミヒダハゲワシ
5 ケープハゲワシ
6 エジプトハゲワシ
7 ヤシハゲワシ
8 マダラハゲワシ
9 ヒゲワシ
このうち7種類が絶滅危惧種に指定されているそうです。そのうち4種類が、さらに深刻な近絶滅種だそうです。なんともはや。手遅れではなかろうか。
アフリカというところは、密猟が多いところのようです。
ちゃんとした仕事があれば、密猟なんぞしなくても済むのでしょうに。
詐欺行為もあります。
ハゲワシの体から薬(伝統薬(ムティ)をつくって、目が良くなるとか、祖先と話ができるようになるとか、そんなはずないでしょと、それがウソだとわからない人がいます。『信仰療法』です。だまされてはいけません。
ハゲワシにとっては、人間の行動範囲が広がることで災難ばかりです。人間が電柱をつくったから、電線に触れて感電死するハゲワシが出てきます。
(ミナミジサイチョウ)
わたしにとっては、聞いたことがない鳥です。
体長1m、翼を広げると幅が1.8mにもなるそうです。かなりでかい。
70年近く生きる長寿の鳥だそうです。
ハゲワシと同じように伝統薬(ムティ)にされるそうです。
人間の行動範囲が広がって、生息域が狭くなったそうです。
アフリカの野鳥を日本でペットにしないでほしいそうです。
人間の『欲』は、ときに『悪』です。
野生動物がお金もうけに利用されています。
野生動物にとっては残酷な仕打ちです。
人間のわがままは尽きません。
人間の仕業(しわざ。行為)で、自然の生態系が崩れます。
『フクロウカフェ』を素材にして問題提起がなされています。
お金もうけのためなら、もっともらしい口実(こうじつ。言い逃れの理由)をつくって、しれっと(なにごともないように平気な顔で)商売をするのが人間です。
(コサイチョウ)
ライオンキングに出てくるザズーというキャラクターのモデルとなった鳥だそうです。
コビトマングースとの協力関係があるそうです。コビトマングースのエサのおこぼれをいただくかわりに、コビトマングースの天敵となるワシが来たときは教えてあげる。
(ノドグロミツオシエ)
ハチの巣の場所を教えてくれる。
ハニーガイド:ハチミツの案内人
『第5章 縁の下の力持ち サバンナを支える小さなヒーローたち』
分解者:生態家のバランスを支えてくれている小さな生き物たち(昆虫、カビ・キノコ(菌類)、微生物、ミミズ、ダンゴムシなど)
分解するもの:動物の死骸(しがい)、フン、枯れて腐った植物、落ち葉、有機物(炭素を含む物質)を取り入れて分解して、栄養分を土に還す(かえす)役割を果たす。
(シロアリ)
54ページにあるアリ塚の白黒写真には驚かされます。とても背が高いアリ塚です。
そういえば先日、我が家の建物に沿って、大量の小さなアリが行列をつくって通り過ぎていきました。引っ越しだったようです。女王アリが移動したのかもしれません。そんなことがこちらの本に書いてあります。
アフリカのサバンナには、シロアリ帝国があるそうです。かなり文化が発達した社会が形成されているそうです。
シロアリは食糧源になるそうです。センザンコウという動物とか(鎧(よろい)のような体をしている)、ツチブタ、カエル、トカゲ、鳥などがシロアリを食べるそうです。
東山動植物園に、アリクイという動物が展示してあるのを思い出しました。
(フンコロガシ)
なかなか詳しく書いてあります。おもしろい。
動物のフンを丸めてころがすのです。2~3cmぐらいの体だそうです。
体重の50倍の重さのボールをつくって、ときには、200mぐらい移動するそうです。途中で、お嫁さんも見つけるそうです。
フンコロガシには、方角を見定める能力が備わっている。フンコロガシは、太陽や月の位置を使って方角がわかる。風、太陽の偏向パターンで判断できる。すごいなあ。(レイリー散乱)
先日読んだ本に書いてあったことと同じようなことが書いてあります。
『宙わたる教室(そらわたるきょうしつ) 伊予原新(いよはら・しん) 文藝春秋』
レイリー散乱(さんらん):地球の空は青い。夕焼けは赤いという理由の説明があります。昼間は、波長の長い青色の光が散乱する。日没時は、太陽光が大気を通る距離が長くなり、散乱されにくい赤い光が生き残って夕焼けになる。火星ではその逆になるそうです。火星の昼間は赤色の空で、日没のころは青い夕焼けだそうです。空気が薄い、塵(ちり)が多いことが理由だそうです。
(フンコロガシは、レイリー散乱を利用して方向を判断する能力があるそうです)
(アフリカマイマイ)
おおきなカタツムリです。人間のげんこつぐらいあります。
(サソリ)
サソリは、靴の中に入るので、靴をはく前に必ず靴の中にサソリがいないか確認してから靴をはくそうです。
サソリは、人間が死ぬほどの毒はもっていないそうです。昔の日本映画ではときどき出てきて、人間が死ぬようなふうでした。
(ヘビ)
毒蛇がいて、かなりの猛毒だから気をつけるそうです。
自分の命を守るためには、『めんどくさい』と思ってはダメなようです。ゆっくりていねいに、いつも危機感をもって、もしかしたら、そこに毒をもった生き物がいるかもしれないと常に注意をはらいながら行動するのです。
好きでないとやれない仕事です。
『第6章 夢は死ぬまでサバンナ 動物と共に生きる未来のために』
たった100年間の間に、アフリカにいたライオンが20万頭から2万頭に減ってしまったそうです。
たった100年間です。日本では90歳以上の人がけっこうたくさんいます。ネットで調べたら206万人もいます。100歳以上の人は、9万2000人ぐらいいます。ライオンよりはるかに多い数です。
そう考えていたら、日本人という人種も少子化で、やがて、絶滅の危機を迎えそうです。
人類の暮らし方が大きな変化を遂げる中で、これまでの地球環境のバランスがくずれてきていることは事実です。
著者は、野生動物と人間の共存できる地域づくりをしましょうとメッセージを出しておられます。
南アフリカにある著者が担当してサバンナ、『クルーガーエリア(国立公園)』は、四国ぐらいの広さがありますが、だんだん土地開発の手が入って来てトラブルがあるそうです。
なんだか、日本でいうところの、熊の出没にも似ています。野生動物が食べ物を求めて家畜や果樹を狙います。
お金もうけのために野生動物が殺されていくそうです。
なかなかむずかしい課題に取り組まれています。
特殊な仕事だと思いました。
ベースは、野生動物たちへの愛情です。
前回読み終えた本が、『アフリカで、バッグの会社はじめました 寄り道多め仲本千津の進んできた道 江口絵里 さ・え・ら書房』でした。アフリカつながりで、今度はこの本を読んでみます。
こちらの本には、アフリカの写真が何枚かあるのですが、著者がどの写真でもカメラ目線です。モデルさんかアイドルさんのようだという印象をもちました。
あとの写真は、ライオン、リカオン、ハイエナ、ゾウ、クロサイ、キリン、ミナミベニハチクイ、ムナオビオナガゴシキドリ、ブレスボック(鹿みたい)、昆虫もいます。フンコロガシ、シロアリなど、動物園と違って、動物は原野にいます。
著者は何をしている人なのだろうか。これから読み始めます。読みながら、感想をつぎたしていきます。
この本の出版社である河出書房新社の建物は、今年一月、東京見物に行ったときに、国立競技場の敷地から見ることができました。
本の構成です。
第1章から第6章まであります。
目次に目を通します。
書いてあることを読むと、毎週日曜日午前10時過ぎから流れているNHKラジオ番組、『こども科学電話相談』を思い出します。
こども科学電話相談のジャンルとして、『昆虫』、『動物』、『科学』、『天文・宇宙』、『鳥』、『心と体』、『岩石・鉱物』、『植物』、『水中の生物』、『恐竜』、『コンピューター・ロボット』、『天気・気象』、『鉄道』などがあり、多岐(たき。たくさん)にわたっています。
これから読む本は、『動物』とか、『鳥』、『昆虫』、『水中の生物』などが該当しそうです。
この本で、動物の生態ほかを紹介してもらえそうです。
サバンナ:熱帯・亜熱帯の草原地帯。夏に雨季、そのほかに、乾季がある。
著者である太田ゆかさんの職業は、『サファリガイド』だそうです。南アフリカ共和国で働いておられます。
サファリガイド:自然の中で野生動物を観察しに行くアクティビティ(体験型の遊び)の世話人。
サファリ:スワヒリ語で、『旅』という意味だそうです。
アフリカ諸国は、西洋の(ヨーロッパ諸国)の植民地だった歴史がある。
人間も自然の一部とあります。
地球の自然を人間が壊している。地球温暖化、大気汚染、森林破壊などです。
この本では、自分がサファリガイドになった理由、サバンナの動物たちの生態、現地での環境問題について語ってくださるそうです。
本の読み方として、サファリツアーに参加するような気分で読んでくださいというようなメッセージがありました。
(つづく)
『第1章 どうしてもアフリカで働きたい!』
どうしてアフリカで働きたいのだろう? そう思いました。ふつう、アフリカで働きたいとは思いつきません。
著者は、14歳のころ獣医になりたかった。動物が大好きだった。
自分がもつ獣医のイメージは、ペットの治療ではなく、たとえば、北海道の牧場で牛の出産の処置をするとか、肉牛やヒツジ、ニワトリの対応をするというような産業動物・経済動物の管理で収入を得て生活をしていくというものです。楽な仕事ではありません。(著者は、理系がにがてで獣医になることをあきらめています。人間相手でも動物でも、医療は理系です。また、血を見る仕事です。ほのぼのとした仕事ではありません)
オーストラリアの山林火災からコアラを救出する:そういうことがありました。2019年(令和元年)にそういうことがありました。
著者は、動物を守る仕事、動物に携わる仕事を選択した。
大学の観光学部に所属して、モンゴルやマレーシアを訪れた。野生動物の保護、自然環境保護について学んだ。
野生動物の王国は、『アフリカ』であると悟った。(さとった。はっきりと理解した)
大学2年生の時、アフリカ大陸南部のボツワナ共和国でのサバンナ保全ボランティアプロジェクトに参加した。そこで、将来への進路が決まった。
サファリガイド:フランス出身の若い女性がガイドだった。彼女にいろいろ教えてもらった。仕事を学ぶ時には、師弟関係が必要です。自分ひとりだけでは、仕事はなかなか覚えられません。自分が覚えたら今度は自分が師匠になるのです。
2015年(平成27年)、南アフリカ共和国にあるサファリガイド訓練学校の1年間コースに入学した。日本の大学は1年間の休学です。(休学中の授業料は払わなくていいと聞いたことがあります)
現地で勉強して、サファリガイドの資格を取得されています。
イギリス人やインド人の人たちが仲間です。
著者は、アメリカ合衆国ロスアンゼルス生まれですから、世界を移動することに抵抗感がないのでしょう。(でも、英語はにがてだったらしい。努力と勤勉で、克服されています)
ご両親は娘さんがアフリカで働くことに反対だったそうです。ご両親からみれば、なんでそんなことを言い出すのかと驚いて、たいへん心配されたことでしょう。
親は、ゆくなと説得はするけれど、最後はあきらめるしかありません。こどもの人生はこどものものです。
サファリガイドとしての就職活動は簡単ではありませんでした。
日本人が現地で働くにはハードルが高い。
救命救急の資格、特別な運転免許証の取得、観光局への登録などが必要だったそうです。
現地の人にとっては簡単でも、日本人にはむずかしい。大変です。
男社会なので、日本人女性を受け入れてくれない。就職のための面接も設定してもらえない。
ようやく見つかったのは、観光客相手の仕事ではなく、世界各地からボランティアでやってくる人たち相手のサファリガイドの仕事だったそうです。著者は、サファリロッジで働きます。
車にボランティアの人たちを乗せながら、毎日サバンナの草原に出ます。ヒョウやライオン、ゾウなどの生態を調べます。
言語のことが書いてあります。
南アフリカ現地のこどもは、小学二年生までは地域の言葉で学習するが、三年生からはすべて英語で授業をするそうです。たいへんですが、習得すればなかなかいい技術です。日本人の英会話教育の遅れを感じます。某アメリカプロ野球選手も自分で英会話ができれば、通訳トラブルに巻き込まれずに済んだのかもしれません。(このあと読んだ投資家の本にも日本人の英会話能力が低すぎるというような文章が書いてありました。『わが投資術 市場は誰に微笑むのか 清原達郎 講談社』)
新型コロナウィルス禍があります。
お客さんが来ません。
生配信するオンラインツアーの開始です。
40ページにある一日の日程はなかなかハードです。
午前3時45分起床、4時15分出勤、5時から車で出発です。
3~4時間回るそうです。
午後は、16時から2回目のツアーです。
20時に仕事は終了です。
好きでないとできない仕事だと思いました。
『第2章 想像を超えたサバイバル リアルな肉食ライフ』
本は、各動物を個別に紹介するパターンになるようです。
本の中のサファリツアーです。
(まず、ライオン)
好きな動物はライオンだそうです。
百獣の王ライオンには魅力があります。
野生のライオンは、大きなネコだそうです。かわいいところもある。
プライド:ライオンの群れのこと。1頭から数頭のオスと10頭前後のメスとこどもによる構成です。血族が中心です。
狩りはメスがします。チームワークがいいそうです。
ライオンの敵はライオンだそうです。
オスはリーダーです。リーダーの地位を維持するために、ライオンのオスと戦います。
もうひとつ、ライオンの敵は人間です。密猟者がいます。罠(わな)もあります。
(ハイエナ)
世間で思われているほど悪い奴ではないそうです。むしろサバンナにとってはいなくてはならない存在だそうです。
賢い。(かしこい)。思考が、人間と似ている。頭がとてもいい。意思決定をする脳の部分が発達している。
複数でコミュニケーションをつくっている。
弱肉強食の野生動物の世界について説明があります。
生態系のバランスをとってくれているのが、ハイエナだそうです。
(チーター)
見かけることは、珍しいそうです。頭数が少ない。
足は速いけれど、力はそれほどない。
1歳半で自立ですが、なかなか1歳半まで育たないそうです。
(リカオン)
生態が人間みたいです。
社会性が高い。手塚治虫アニメの、『ジャングル大帝』を思い出します。
ライオンとの接触をさけるために広範囲で行動するそうです。
人間と接触する機会が多いので、家畜を襲うこともある。ゆえに人間に殺されてしまう。日本でいうところのクマとかイノシシを思い浮かべました。
リカオンが狂犬病になって、いっぱい死んでしまったと書いてあります。
そして、密猟者がいます。
モニタリング:野生動物を継続的に観察し、記録すること。
チーターとライオンは、ネコ科で、リカオンは、イヌ科だそうです。
南アフリカについて書いてあります。
人口が、5939万人。日本は、1臆2300万人ぐらいです。
南アフリカで暮らしている日本人は、1505人しかいません。
南半球だから、11月~3月が夏で、冬は、4月から10月だそうです。
『第3章 生き抜くために手を取り合う サバンナの草食動物たち』
肉食動物から命を狙われている草食動物の話です。
(インパラ)
シカのように見えるけれど、ウシ科だそうです。肉食動物のおもな食糧源になっているそうです。人間にとっての産業動物・経済動物(ニワトリ、ブタ、ウシなど)みたいです。
インパラは、500万年前から地球上にいるそうです。姿かたちもほとんど変わっていないそうです。(大昔はもう少し小型だった)
500万年前というのは、日本の縄文時代は1万年前ぐらいですから、かなり前です。恐竜時代が、BC(紀元前)2億年~BC6600万年前です。
インパラがいるサバンナにはたくさんのダニがいるけれど、毛づくろいでダニを退治している。ダニをとりやすい前歯をもっている。そんなことが書いてあります。
(キリン)
背が高い。オスだと5m以上の個体もいる。
草食動物は、草食動物同士で固まってエサをとる。敵が来たらお互いに教え合って逃げる。キリンは背が高いから遠くが見える。助け合いがあります。
名古屋東山動植物園のキリンのあかちゃんを見たときを思い出しました。あかちゃんでも、身長が165センチぐらいありました。名前は、『カンナ』です。
キリンのあかちゃんは、サバンナではライオンに狙われるそうです。
(アフリカゾウ)
体重は6トンです。一日中食べているというように書いてあります。
東山動物園のアフリカゾウ、『ケニーさん(メス)』は、午前11時ごろに飼育員さんから木の葉っぱとか枝をもらってむしゃむしゃ食べていました。ケニーさんは歳をとって、2020年8月10日に老衰で亡くなりました。
ゾウのフンのことが書いてあります。消化が下手なので、ゾウのフンには栄養素が残っており、たくさんの虫がフンにむらがるそうです。その虫を食べる動物がやってきて、良好な食物連鎖につながっているそうです。
ゾウは嗅覚がいいので、地下水のありかを、においをかぐことによって見つける能力があるそうです。
2種類のゾウがいる。
アフリカゾウ:東アフリカ、南部アフリカのサバンナにいる。危機(今後の個体数の減少について)。
マルミミゾウ:中央アフリカ、西アフリカの森林地帯にいる。個体の減少が深刻な危機にある。
ゾウの好物となる樹木:マルーラ、ノブソーン、バオバブ
保護しすぎて、数が増えて、ゾウが保護区から出て、人間のエリアに入ってくるようになったとあります。数のバランスをとることがむずかしい。
(サイ)
シロサイ:口の形が違う。主に草を食べる。口の位置が低くて横長。生息していた場所の土が石灰質で、白い泥が体についていた。
クロサイ:葉っぱや枝を食べる。おちょぼ口。名前は、シロの反対でクロにした。
サイの天敵は、ツノを売るためにサイを捕る密猟者たちです。
ひどいことをするものです。
いろいろ課題があります。
密猟者が密猟をしなくても食べていけるように雇用を確保するとか、保護する立場の人間たちで、先にツノだけをとって生かすとか、いろいろ考えられて実行されています。
『第4章 見た目も能力も陸とは一味違う! 空駆ける鳥の世界』
サバンナにいる鳥たちの紹介です。
(ダチョウ)
身長2m以上、卵の大きさは、ニワトリの卵の24個分。ビッグです。
鳥だけど飛べない。
(ハヤブサ)
地球上でもっとも飛ぶのが速い鳥だそうです。急降下の時のスピードは、時速389km、日本で一番速い新幹線『はやぶさ』の最高時速が、320kmだそうです。
(ハゲワシ)
最初、「ハゲタカ」のことかと思いましたが、「ハゲワシ」です。
地球上でもっとも高い位置を飛ぶ鳥だそうです。
「マダラハゲワシ」は、高度1万1000mの上空を飛べるそうです。マイナス50℃の世界です。寒さに強い体をしているそうな。気圧は陸上の4分の1です。すごいなあ。宇宙まで届きそうです。(調べたら、高度100kmから宇宙だそうです。マダラハゲワシでもまだ遠い)
ハゲワシの主食は死肉です。ハゲワシは、生態系にとって、必要な存在です。
ハゲワシには知恵がある。カラスみたいです。
鳥類は、恐竜の子孫と聞いたこともあります。
視力も優れている。
上空1kmから6cm角のお肉が見える。
ハイエナ:サバンナのお掃除屋さん。
ハゲワシ:同じく、サバンナのお掃除屋さんです。
ハゲワシの敵は人間です。お金に目がくらんだ人間が、化学製品の薬をいろいろな手段に使って、ハゲワシが間接的に毒薬を口にしてどんどん死んでいきます。そんなことが書いてあります。
思うに、ライオンの敵はライオンで、人間の敵は人間です。遠い未来に人間は自分たちの手で滅びる危機を迎えるかもしれません。核戦争です。そうならないように人間はがんばらなければなりません。
アフリカにいる9種類のハゲワシです。たくさんいるのね。日本の和牛のブランドみたいです。
1 コシジロハゲワシ
2 ズインハゲワシ
見た目で、お名前が付いているみたいです。
3 カオジロハゲワシ
4 ミミヒダハゲワシ
5 ケープハゲワシ
6 エジプトハゲワシ
7 ヤシハゲワシ
8 マダラハゲワシ
9 ヒゲワシ
このうち7種類が絶滅危惧種に指定されているそうです。そのうち4種類が、さらに深刻な近絶滅種だそうです。なんともはや。手遅れではなかろうか。
アフリカというところは、密猟が多いところのようです。
ちゃんとした仕事があれば、密猟なんぞしなくても済むのでしょうに。
詐欺行為もあります。
ハゲワシの体から薬(伝統薬(ムティ)をつくって、目が良くなるとか、祖先と話ができるようになるとか、そんなはずないでしょと、それがウソだとわからない人がいます。『信仰療法』です。だまされてはいけません。
ハゲワシにとっては、人間の行動範囲が広がることで災難ばかりです。人間が電柱をつくったから、電線に触れて感電死するハゲワシが出てきます。
(ミナミジサイチョウ)
わたしにとっては、聞いたことがない鳥です。
体長1m、翼を広げると幅が1.8mにもなるそうです。かなりでかい。
70年近く生きる長寿の鳥だそうです。
ハゲワシと同じように伝統薬(ムティ)にされるそうです。
人間の行動範囲が広がって、生息域が狭くなったそうです。
アフリカの野鳥を日本でペットにしないでほしいそうです。
人間の『欲』は、ときに『悪』です。
野生動物がお金もうけに利用されています。
野生動物にとっては残酷な仕打ちです。
人間のわがままは尽きません。
人間の仕業(しわざ。行為)で、自然の生態系が崩れます。
『フクロウカフェ』を素材にして問題提起がなされています。
お金もうけのためなら、もっともらしい口実(こうじつ。言い逃れの理由)をつくって、しれっと(なにごともないように平気な顔で)商売をするのが人間です。
(コサイチョウ)
ライオンキングに出てくるザズーというキャラクターのモデルとなった鳥だそうです。
コビトマングースとの協力関係があるそうです。コビトマングースのエサのおこぼれをいただくかわりに、コビトマングースの天敵となるワシが来たときは教えてあげる。
(ノドグロミツオシエ)
ハチの巣の場所を教えてくれる。
ハニーガイド:ハチミツの案内人
『第5章 縁の下の力持ち サバンナを支える小さなヒーローたち』
分解者:生態家のバランスを支えてくれている小さな生き物たち(昆虫、カビ・キノコ(菌類)、微生物、ミミズ、ダンゴムシなど)
分解するもの:動物の死骸(しがい)、フン、枯れて腐った植物、落ち葉、有機物(炭素を含む物質)を取り入れて分解して、栄養分を土に還す(かえす)役割を果たす。
(シロアリ)
54ページにあるアリ塚の白黒写真には驚かされます。とても背が高いアリ塚です。
そういえば先日、我が家の建物に沿って、大量の小さなアリが行列をつくって通り過ぎていきました。引っ越しだったようです。女王アリが移動したのかもしれません。そんなことがこちらの本に書いてあります。
アフリカのサバンナには、シロアリ帝国があるそうです。かなり文化が発達した社会が形成されているそうです。
シロアリは食糧源になるそうです。センザンコウという動物とか(鎧(よろい)のような体をしている)、ツチブタ、カエル、トカゲ、鳥などがシロアリを食べるそうです。
東山動植物園に、アリクイという動物が展示してあるのを思い出しました。
(フンコロガシ)
なかなか詳しく書いてあります。おもしろい。
動物のフンを丸めてころがすのです。2~3cmぐらいの体だそうです。
体重の50倍の重さのボールをつくって、ときには、200mぐらい移動するそうです。途中で、お嫁さんも見つけるそうです。
フンコロガシには、方角を見定める能力が備わっている。フンコロガシは、太陽や月の位置を使って方角がわかる。風、太陽の偏向パターンで判断できる。すごいなあ。(レイリー散乱)
先日読んだ本に書いてあったことと同じようなことが書いてあります。
『宙わたる教室(そらわたるきょうしつ) 伊予原新(いよはら・しん) 文藝春秋』
レイリー散乱(さんらん):地球の空は青い。夕焼けは赤いという理由の説明があります。昼間は、波長の長い青色の光が散乱する。日没時は、太陽光が大気を通る距離が長くなり、散乱されにくい赤い光が生き残って夕焼けになる。火星ではその逆になるそうです。火星の昼間は赤色の空で、日没のころは青い夕焼けだそうです。空気が薄い、塵(ちり)が多いことが理由だそうです。
(フンコロガシは、レイリー散乱を利用して方向を判断する能力があるそうです)
(アフリカマイマイ)
おおきなカタツムリです。人間のげんこつぐらいあります。
(サソリ)
サソリは、靴の中に入るので、靴をはく前に必ず靴の中にサソリがいないか確認してから靴をはくそうです。
サソリは、人間が死ぬほどの毒はもっていないそうです。昔の日本映画ではときどき出てきて、人間が死ぬようなふうでした。
(ヘビ)
毒蛇がいて、かなりの猛毒だから気をつけるそうです。
自分の命を守るためには、『めんどくさい』と思ってはダメなようです。ゆっくりていねいに、いつも危機感をもって、もしかしたら、そこに毒をもった生き物がいるかもしれないと常に注意をはらいながら行動するのです。
好きでないとやれない仕事です。
『第6章 夢は死ぬまでサバンナ 動物と共に生きる未来のために』
たった100年間の間に、アフリカにいたライオンが20万頭から2万頭に減ってしまったそうです。
たった100年間です。日本では90歳以上の人がけっこうたくさんいます。ネットで調べたら206万人もいます。100歳以上の人は、9万2000人ぐらいいます。ライオンよりはるかに多い数です。
そう考えていたら、日本人という人種も少子化で、やがて、絶滅の危機を迎えそうです。
人類の暮らし方が大きな変化を遂げる中で、これまでの地球環境のバランスがくずれてきていることは事実です。
著者は、野生動物と人間の共存できる地域づくりをしましょうとメッセージを出しておられます。
南アフリカにある著者が担当してサバンナ、『クルーガーエリア(国立公園)』は、四国ぐらいの広さがありますが、だんだん土地開発の手が入って来てトラブルがあるそうです。
なんだか、日本でいうところの、熊の出没にも似ています。野生動物が食べ物を求めて家畜や果樹を狙います。
お金もうけのために野生動物が殺されていくそうです。
なかなかむずかしい課題に取り組まれています。
特殊な仕事だと思いました。
ベースは、野生動物たちへの愛情です。