2023年01月14日
東京ロンダリング 原田ひ香
東京ロンダリング 原田ひ香(はらだ・ひか) 集英社文庫
共同住宅の事故物件(変死など)を洗浄(せんじょう。ロンダリング)するために、仕事として、事故物件に住む人のことが書いてあるのだと思います。
以前、邦画を観たことがありますが、この本が原作かどうかはわかりません。(調べたらやはり原作ではありませんでした。同趣旨の違う映画でした)
内田りさ子:主人公。31歳。髪がきれい。スタイルもいい。162cm。48kg。後記の佐伯との浮気がばれて、離婚、家を追い出された。金なし。
榊原健夫(さかきばら・たけお):3週間前、自室で病死していた。
加藤孝子:榊原健夫を好きだった女。榊原の死を知らなかった。
相場(あいば):相場不動産の経営者。娘が東京吉祥寺(きちじょうじ)にいる。孫が3人いる。
菅(すが):変死部屋に住む同業者50代男性。ルームロンダリングを職としている。頼まれると断れない気の弱さで、友人からの借金を断れなかったり保証人になったりして、お金に苦労した。借金の返済はしてもらえなかったようです。
佐伯(さえき): 建築会社の営業マン。内田りさ子の浮気相手だった。内田りさ子と彼女の夫から逃げるために行方(ゆくえ)をくらませたらしい。
事故物件といういわくつきの部屋ゆえに、夜中に変な訪問者が来るところから始まります。
午前1時半のドアノックは不気味です。
数ページを読んで、この本は、女性向けだと悟る(さとる)。
事故物件というのは、いっぱいあるらしい。いったん一定期間住んで、事故物件であることを消去する。売れないお笑い芸人や舞台女優がやりたがる仕事らしい。
幽霊よりも訪ねてくる人が怖い。(自分は、現実には、この世には、幽霊はいないと思う。ただし、人生における不吉な物事の流れは存在すると思う)
デルフト焼:陶器。オランダ産。
テレビ番組『家、ついていって、イイですか?』を見ていると、東京の家賃の高さにびっくりします。
部屋が、狭くて高い。地方の常識(相場:そうば)からは考えられない。
この物語の物件は、家賃6万8000円。6畳ワンルーム。ユニットバス。東向きです。ただし、ロンダリング目的の居住ですから、家賃無料、日当5000円です。月15万円ぐらいの収入です。その部屋で暮らしながら仕事にも行けるという条件です。
ただ、ずっと同じところに住むわけではないので、なにかしら生活に不都合が発生しそうです。
ひとり暮らし高齢者の孤独死部屋。
いっぽう、一生(いっしょう)に一度も、住居を借りることがない人もいます。
人生には、いろんなパターンがあります。
人が変死した部屋を転々とする生活は、感受性が強い人には耐えられそうにもありません。
変死者が居たという部屋に住みたいという人は変死者の関係者(思い出がある人)だったりもする。これもまた、人生いろいろです。
木造アパート、トイレと台所はあるが6畳ひと間でフロなし。目の前に銭湯あり。されど、やっかいな家主のおばあさんがいる(70代真鍋夫人)。
地方出身25歳の女性が男がらみで刃物沙汰(はものざた)のトラブルあり。
さみしい雰囲気がただよう部屋に、うっとうしそうな人間関係がありそうです。
(つづく)
居酒屋「富士屋」:藤本親子である70代の父(小柄で太っている)と30代の息子(180cmぐらいでやせている。藤本亮)が経営している。
真鍋夫人がらみで、無理やりな展開に発展していくのですが、文章がじょうずです。おもしろい。
お風呂屋の悦子ちゃん。
元夫の父:池内義男 元夫:池内泰弘
元義父からのさみしい話があります。(ここには書けません)
じょうずにつくってあります。(ただ事故物件のロンダリングという仕事は成立しにくいと読み始めから考えながら読んでいます。わざわざ経費を使わなくても関係者がそこに住んで仕事に行けば目的を達成できます。なんというか、たとえば、病院であれば、大部屋でも個室でも病死者が出て不思議はないのです。そのときそのときの人間が、その場での世界を個々につくっていくのです。そして、人がどこかで死ぬのは当たり前のことであり不思議なことではありません)
この話に出てくる人たちは、食べ物をしっかりと食べています。
先日読んだ『おいしいごはんが食べられますように 高瀬準子(たかせ・じゅんこ) 講談社』を思い出します。おいしいごはんを食べれば、愛情のある人間になれるのです。その本に書いてあったことが『ちゃんとしたごはんを食べるのは自分を大切にすることだって……』ちゃんとした食生活から、ちゃんとした暮らしが始まります。
ジャパン地所。女優の自殺。
高級マンションは刑務所と同じようです。あるいは、病院の入院病棟と同じです。監視されての自由です。
わずらわしい人間関係がある場所のほうが、生き心地が良かったりもします。いいこと半分、いやなこと半分です。人間関係がなくなったら、静かな孤独だけになって、人間は死んでしまいます。
この本では『交感神経と副交感神経』という言葉でメッセージを表現しています。雨の日もあれば、晴れの日もあります。
2011年(平成23年)に刊行された作品でした。
これからこの作者の本を何冊か読む予定です。
共同住宅の事故物件(変死など)を洗浄(せんじょう。ロンダリング)するために、仕事として、事故物件に住む人のことが書いてあるのだと思います。
以前、邦画を観たことがありますが、この本が原作かどうかはわかりません。(調べたらやはり原作ではありませんでした。同趣旨の違う映画でした)
内田りさ子:主人公。31歳。髪がきれい。スタイルもいい。162cm。48kg。後記の佐伯との浮気がばれて、離婚、家を追い出された。金なし。
榊原健夫(さかきばら・たけお):3週間前、自室で病死していた。
加藤孝子:榊原健夫を好きだった女。榊原の死を知らなかった。
相場(あいば):相場不動産の経営者。娘が東京吉祥寺(きちじょうじ)にいる。孫が3人いる。
菅(すが):変死部屋に住む同業者50代男性。ルームロンダリングを職としている。頼まれると断れない気の弱さで、友人からの借金を断れなかったり保証人になったりして、お金に苦労した。借金の返済はしてもらえなかったようです。
佐伯(さえき): 建築会社の営業マン。内田りさ子の浮気相手だった。内田りさ子と彼女の夫から逃げるために行方(ゆくえ)をくらませたらしい。
事故物件といういわくつきの部屋ゆえに、夜中に変な訪問者が来るところから始まります。
午前1時半のドアノックは不気味です。
数ページを読んで、この本は、女性向けだと悟る(さとる)。
事故物件というのは、いっぱいあるらしい。いったん一定期間住んで、事故物件であることを消去する。売れないお笑い芸人や舞台女優がやりたがる仕事らしい。
幽霊よりも訪ねてくる人が怖い。(自分は、現実には、この世には、幽霊はいないと思う。ただし、人生における不吉な物事の流れは存在すると思う)
デルフト焼:陶器。オランダ産。
テレビ番組『家、ついていって、イイですか?』を見ていると、東京の家賃の高さにびっくりします。
部屋が、狭くて高い。地方の常識(相場:そうば)からは考えられない。
この物語の物件は、家賃6万8000円。6畳ワンルーム。ユニットバス。東向きです。ただし、ロンダリング目的の居住ですから、家賃無料、日当5000円です。月15万円ぐらいの収入です。その部屋で暮らしながら仕事にも行けるという条件です。
ただ、ずっと同じところに住むわけではないので、なにかしら生活に不都合が発生しそうです。
ひとり暮らし高齢者の孤独死部屋。
いっぽう、一生(いっしょう)に一度も、住居を借りることがない人もいます。
人生には、いろんなパターンがあります。
人が変死した部屋を転々とする生活は、感受性が強い人には耐えられそうにもありません。
変死者が居たという部屋に住みたいという人は変死者の関係者(思い出がある人)だったりもする。これもまた、人生いろいろです。
木造アパート、トイレと台所はあるが6畳ひと間でフロなし。目の前に銭湯あり。されど、やっかいな家主のおばあさんがいる(70代真鍋夫人)。
地方出身25歳の女性が男がらみで刃物沙汰(はものざた)のトラブルあり。
さみしい雰囲気がただよう部屋に、うっとうしそうな人間関係がありそうです。
(つづく)
居酒屋「富士屋」:藤本親子である70代の父(小柄で太っている)と30代の息子(180cmぐらいでやせている。藤本亮)が経営している。
真鍋夫人がらみで、無理やりな展開に発展していくのですが、文章がじょうずです。おもしろい。
お風呂屋の悦子ちゃん。
元夫の父:池内義男 元夫:池内泰弘
元義父からのさみしい話があります。(ここには書けません)
じょうずにつくってあります。(ただ事故物件のロンダリングという仕事は成立しにくいと読み始めから考えながら読んでいます。わざわざ経費を使わなくても関係者がそこに住んで仕事に行けば目的を達成できます。なんというか、たとえば、病院であれば、大部屋でも個室でも病死者が出て不思議はないのです。そのときそのときの人間が、その場での世界を個々につくっていくのです。そして、人がどこかで死ぬのは当たり前のことであり不思議なことではありません)
この話に出てくる人たちは、食べ物をしっかりと食べています。
先日読んだ『おいしいごはんが食べられますように 高瀬準子(たかせ・じゅんこ) 講談社』を思い出します。おいしいごはんを食べれば、愛情のある人間になれるのです。その本に書いてあったことが『ちゃんとしたごはんを食べるのは自分を大切にすることだって……』ちゃんとした食生活から、ちゃんとした暮らしが始まります。
ジャパン地所。女優の自殺。
高級マンションは刑務所と同じようです。あるいは、病院の入院病棟と同じです。監視されての自由です。
わずらわしい人間関係がある場所のほうが、生き心地が良かったりもします。いいこと半分、いやなこと半分です。人間関係がなくなったら、静かな孤独だけになって、人間は死んでしまいます。
この本では『交感神経と副交感神経』という言葉でメッセージを表現しています。雨の日もあれば、晴れの日もあります。
2011年(平成23年)に刊行された作品でした。
これからこの作者の本を何冊か読む予定です。