2025年04月20日

九十歳。何がめでたい 邦画 2024年

九十歳。何がめでたい 邦画 2024年(令和6年) 1時間39分 動画配信サービス

監督:前田哲
俳優:作家佐藤愛子(草笛光子)、娘響子(真矢ミキ)、孫娘桃子(藤間爽子(ふじま・そうこ))、編集者吉川(唐沢寿明)、吉川の妻(木村多江)、ほかに、オダギリジョー、三谷幸喜、石田ひかり、清水ミチコ、LiLiCo

 先日読んだ本が、『老いはヤケクソ 佐藤愛子 リベラル社』でした。
 その本の中にこちらの映画の話が出てくるので、映画を観てみることにしました。
 自分の読書メモをふりかえってみると、『九十歳。 何がめでたい 佐藤愛子 小学館』は、2016年(平成28年)の秋に読んでいます。その本では、過去の記述はありますが、未来の記述はありません。昭和時代はよかった。そんなことが書かれてありました。いろいろありますが、本が出された当時も今も日本は平和なのです。(著者は戦争体験者です)

 『人生相談』が、キーワード、ラストにつながる伏線となっています。
 新聞の人生相談を読むことが好きだと、『老いはヤケクソ』の本にも書いてありました。
 映画でも、『人生相談』です。
 映画に出てくる相談者である一般人の妻は、仕事人間で家庭のことをまったく考えてくれない夫と別れたい。高校生である娘も、現実の両親の実情を知っていて、母親の味方で、離婚の応援者です。

 劇中の佐藤愛子さん(草笛光子さんが演じる)は、思い切りがいい。物事の結論をズバンズバンと言い放っていきます。(はなっていきます)

 パワハラ上司、セクハラ上司が出てきます。どこの世界でもパワハラ上司がいるのですが、それなりに高い成果を出すので、地位を奪われることはなかなかありません。困ったものです。
 
 佐藤愛子さんを演じる草笛光子さんは、撮影当時の年齢が90歳です。
 お元気です。90歳には見えません。車いす姿でもありません。ちゃんとご自分の足で歩いておられます。
 まあ、頑固者(がんこもの)の主人公です。
 以前観た洋画、『オットーという男 トム・ハンクス主演』を思い出しました。アメリカ合衆国の頑固なじいさんでしたが、心あるいい人でした。

 昔は井戸を使っていた。水道はなかったというお話に共感しました。
 わたしがちびっこだったころは、いなかには、まだ水道がきていませんでした。井戸を使っていました。
 草笛光子さんが、洗濯は川でしていたと話すのですが、じっさい、集落の奥さんたちが集まって、桶や洗濯板をかかえて、川まで洗濯にいっていました。ちびのわたしもついて行って、竹の葉っぱで笹船なんかをつくって川に流して遊んでいました。

 なんでもかんでも便利になりました。
 新幹線は、最初から今のように全国に整備されていたわけではないのです。少しずつ線路が伸びていって、今の状態があるのです。
 たまに、日本における進歩の歴史を知らない世代の頭の中はどうなっているのだろうかと思うことがあります。脳みその中には、どんな世界が広がっているのだろう。自分たち年寄りにはわかりません。

 話題になったタイムトラベルのドラマ、『不適切にもほどがある』と類似する精神があるこちらの映画です。

 佐藤愛子さんは、原稿を書くことで元気になります。
 声が大きい、血の気(ちのけ。おこりっぽい気性(きしょう。性格))が多い佐藤さんです。

 昔のぶあついアルバムが出てきました。
 家族写真がついた年賀状が出てきました。(今どきは、年賀状も出さない慣例になりました)

 捨て犬を拾って育てた話があります。

 男についてです。
 父親は父親の役割を果たさねばならない。(果たせていない男がいます)
 夫は、夫の役割を果たさなければならない。(果たせていない男がいます)
 男は、心を入れ替えたほうがいい。(もう手遅れだけれど…… 人生相談をした妻子は、こっそり家を出ていきました)

 長生きしてもいいことばかりではありません。
 映画では、暗い話が続くのですが、ドタバタ騒ぎがおもしろい。
 結局、いっしょに暮していなくても、お互いに、『どこかで生きていればそれでいい』と思えればいいのです。

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