2023年01月13日

トラのじゅうたんになりたかったトラ

トラのじゅうたんになりたかったトラ ジェラルド・ローズ(香港生まれ、イギリス育ち)/文と絵 ふしみ・みさを/訳 岩波書店

 タイトルを見て?
 トラはトラではないのか。
 トラはトラであるからして、わざわざじゅうたんになる必要はなかろうに。

 『インドのジャングルにトラがおったそうな』から始まります。
 歳をとってやせこけて、骨川筋衛門(ほねかわすじえもん)になっていたそうな。
 だから、サルがバカにしてトラに木の実をぶつけていたそうな。(うーー そのトラは、わしらあのような高齢者のトラか)

 インドの宮殿(きゅうでん)にトラが行くそうな。
 インドの宮殿といえば、タージ・マハルじゃな。
 (調べたらタージ・マハルは、宮殿ではなく、お墓じゃった(霊廟れいびょう)。絵本の絵は、タージ・マハルの絵です。まっ、いいか)

 発想がおもしろい。

 孤独でいることがイヤなトラです。
 王さまの一族の中に入りたい。
 そして、ぜいたくが好きです。
 お気楽なじいさんトラですね。
 そのようにありたいとは思う。

 じゅうたんに化けているから、洗濯されるのはしかたがない。
 トラの洗濯がおもしろい。
 こどもさんは、ここのページで、大笑いするかもしれません。

 どろぼう三人組の登場です。
 物語の『起承転結(きしょうてんけつ)』の流れの『転』の部分です。
 
 番犬代わり(ばんけんがわり)の番トラです。
 トラが、じゅうたんではなく、本物のトラであることがばれました。
 (わたしは、トラが、城の警備員に鉄砲で撃ち殺されると予想しました)

 わたしの予想は、ハズレーー
 さて、どうなったでしょう?
 知りたい方は、この絵本を買って読んでください。

 トラじいさんは、王族にとって、命の恩人です。
 いいお話でした。今年読んで良かった一冊です。
 この絵本を、こんど自分のきょうだいの孫たちに会ったときの、プレゼントにする候補の一冊にしようと思いました。  

Posted by 熊太郎 at 07:17Comments(0)TrackBack(0)読書感想文