2025年04月15日

対岸の家事 TBS火曜ドラマ

対岸の家事 ~これが、私の生きる道!~ TBS火曜ドラマ 22:00~22:57 動画配信サービス

第1話:専業主婦は絶滅危惧種…!?
第2話:専業主婦は贅沢…? エリートパパとの出会い

原作:『対岸の家事 朱野帰子(あけの・かえるこ) 講談社』

俳優:
多部未華子(専業主婦。村上詩穂。娘が、苺(いちご)2歳半ぐらいに見えます)

一ノ瀬ワタル(村上虎朗むらかみ・とらお 多部未華子さんのだんなさん役。かなり優しい性格です)

江口のりこ(長野礼子。こどもふたりを保育園に預けて働いている。だんなの長野量平(川西賢志郎)は仕事で多忙なようす。実質ひとりで子育てと家庭のきりもり(物事をとりさばく)をしているように見えます。江口のり子さんのイメージからすると、未婚で、こどもなし、子育てママを攻撃するタイプの人物像が似合っているような気がしますが、今回のドラマでは逆の立場にある女性を演じています。気持ちがこもっていてなかなかの好演です。息子が、篤正(あつまさ。4歳か5歳ぐらいに見えます)で、娘が、星香(ほしか。まだ1歳半ぐらいに見えます)
 
ディーン・フジオカ(中谷達也。妻はアラブ首長国連邦都市型国家であるドバイで働くキャリアウーマン。中谷達也本人は、厚生労働省の職員)。なかなかおもしろいキャラクター設定で、ディーン・フジオカさんの風貌にぴったりです。理論的に物事を運ぼうとします。中谷達也は男子で夫ですが、2年間の育児休業中です。娘は1歳ぐらいの佳恋(かれん)です。

 子役さんたちが、なかなか芸達者で感心しました。とくに、第2話の多部未華子さんの娘で、2歳ぐらいに見える苺ちゃんが良かった。苺ちゃんがディーン・フジオカさんに立ち向かっていきます。ディーン・フジオカさんの娘佳恋(かれんちゃん)を守るために、苺ちゃんがディーン・フジオカさんと正面から闘う姿勢を見せてくれました。きっぱりとした態度が良かった。

 保育園にこどもを預けて働く女性と専業主婦をしながら子育てをする女性の対比で、『対岸の火事ならぬ、対岸の家事です』。賃貸マンションの隣同士にその女性ファミリー同士が住むことになったのです。
 我が家は、共働きの子育てをしたので、つらかった時代を思い出すことになるので、ドラマが始まっても見なかったのですが、わたしが、江口のりこさんのファンで、まあ、ちょととだけでも見てみるかという動機で観始めたところ、内容が、うちの家族にうけたので、継続して見ることにしました。
 第1話を見て家族でけっこう話が盛り上がりました。とくに、江口のりこさんが、働きながら保育園通いをする子育て生活に疲れ果てて、感情のない無表情になり、自宅玄関ドアの前で、下のこどもさんを胸に前抱きしながら手に荷物を持ち、ぼそりと、『ゲームオーバー』と力なくつぶやいたシーンで、うちの家族も同じような体験を何度かしたことがあるので、とても共感しました。いいドラマです。
 江口のりこさんが演じる長野礼子は、まじめだから、『ゲームオーバー』とため息をつくぐらいに力尽きるのです。手を抜けば続けていけます。ふまじめでもいいのです。これは、ディーン・フジオカさんにもいえます。まじめすぎると、心の平穏を保てないのです。(たもてない)。しかたがないのです。あきらめることで前に進めるときもあります。

 江口のりこさんを最初にテレビで観たのは、『鶴瓶のチマタの噺(ちまたのはなし)』という対談番組で、江口のりこさんが鶴瓶さんに、わたしは敵が多いと言われたところで、なんかいい感じの女優さんだなあと感じました。江口さんがまだ売れていない時の貧困話も良かった。師匠は、柄本明さんだそうです。劇団東京乾電池の所属です。
 その後、ご本人をじかに見たいと思い、東京渋谷パルコ劇場で、『ワタシタチはモノガタリ』という劇を鑑賞しました。けっこう舞台に近い席だったので、江口のりこさんがよく見えました。江口さんは、テレビで見るのといっしょだなと思いました。最近は、NHK朝ドラ、『あんぱん』で、まるで、アニメ、『アンパンマン』に出てくるバタコさんみたいな位置づけで活躍されています。漫画家やなせたかしさんご夫婦のお話です。

 さて、こちらのドラマです。
 共働きをしながら子育てをするのは大変です。
 我が家が体験したのは、もう40年ぐらい前の遠い昔のことですが、わたしたちよりも上の世代の人たちは、もっと苦労されていました。
 当時は、まだ週休二日制ではなかったし、育児休業などの制度はないし、こども向けの手当てなどもありませんでした。
 今では聞かなくなりましが、こどもが保育園に、はいれないと、『ベビーホテル』というところに預けて、それなりにトラブルがありました。
 今は、保育園がたくさんできて子育て環境がずいぶん良くなりました。喜ばしいことです。教育目的の幼稚園も、福祉目的の保育園のような役割を果たすようになっているようです。

 半世紀前ぐらいは、日本には、専業主婦がたくさんいました。子育ては、専業主婦の仕事でした。
 こどもを保育園とか学童保育所に預けると、世間の冷たい目が待っていました。こどもがかわいそう…… とか、なんてひどい親なんだ。そんな対応や反応は何度も受けました。イヤな思いを何度も体験しました。
 ところが、長い年月が流れて、時代が180度変わりました。
 こちらのドラマの冒頭では、『専業主婦=絶滅危惧種』と、昔とは逆で、働かずに家にいる専業主婦について、バカにするように紹介されています。

 いろいろなことを含めて、まずは、生活していくためには、お金がいります。こどもに関して言えば、大学の費用はかなりかかります。100万円単位でかかります。できれば、奨学金という大きな借金は背負いたくない。大学生がアルバイトに追われて勉強ができなければ本末転倒です。
 もうひとつは、こどもは母親だけが育てるのではなく、両親と親族一同、そして、地域社会で育てていくものです。ちびっこのうちから人にもまれていたほうが、さきざき精神力の強い人間として集団の中で生きていけます。
 とりあえず、ここに書くのはそれだけにしておきます。
 ふりかえってみれば、親として、『若い』からやれたということはあります。体力もスピードもありました。

 こどもがちびっこの期間、保育園とか、幼稚園とか、たいへんですが、その期間はあっという間に過ぎて終わってしまいます。
 親として、こどもには、とりあえず、食べさせる。それから、こどもはすぐ病気になるので、病院へ連れて行く。
 それだけやれれば、合格点です。とにかく、こどもが生きてくれていればいいのです。

 なにかしら、『あじさい』にこだわりがあるようなドラマにみえました。
 
 第2話では、父子家庭みたいな状態でディーン・フジオカさんが登場します。ドラマでは、子育てをしているだれしもが、『孤独』です。一日生活していても、おとなの話し相手がいません。

 子育てにおいて、ディーン・フジオカさんは、こどもに攻撃的です。
 わたしは、先日ラジオでお昼の人生相談を聞いていてびっくりしました。こどものころから親から暴力の虐待を受けてきて成人したという人の相談が、連続してありました。そのうちのおひとりは、父親に暴力で仕返しをしたいと強く訴えておられました。
 お気の毒です。
 わたしが思うに、こどもに暴力をふるう親は、自分自身も、こどものころに、親から暴力を振るわれていたと思うのです。暴力の連鎖です。
 子育てというものは、自分が育てられたようにしか、自分のこどもを育てられないという一面(いちめん)があります。

 厚生労働省職員で、2年間の育児休業中のディーン・フジオカさんが、つぶやきます。
 『働いているほうが楽だった』
 たしかに、職場には、上下関係とか、仕事をするための根拠とかルールに基づく、『秩序』があります。そりゃ、働いているほうが楽です。
 子育てはただひたすら、こどもを生かすことに集中です。気が遠くなるほどの忍耐の積み重ねです。
 ちびっこの事故は、あっという間に起こります。防ぐことはたいへんだし、事故が起きた時の対応もあらかじめ考えておかねばなりません。生きるか死ぬかの話です。いっぽう仕事は、業種にもよりますが、損か得かの話で済みます。人の生き死にまでいくことは、たいていありません。

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