2020年03月19日

スターウォーズ エピソード4 新たなる希望 DVD

スターウォーズ エピソード4 新たなる希望 DVD 1977年公開

 このシリーズは観たことがありません。ハリーポッターとあわせて、いまさらですが観てみます。
 昨年テレビ番組「アメトーク」で紹介されていたのを観たことがきっかけです。エピソードは、数値の順番に観るのではなく、4、5、6、1、2、3、7、8、9の順番で観るそうです(映画公開順)

 もう43年ぐらい前の映像です。観終わって、筋立てが意外とおおまかな印象が残りました。
 
 遠い昔、遥かかなたの銀河系で、凶悪な銀河帝国がつくった「デス・スター(死の星)」という宇宙要塞基地(宇宙ステーション)を反乱軍のメンバーが破壊することが映画の経過です。
 銀河帝国にいるのが、ダースベイダーで、反乱軍にいるのが、ルーク・スカイウォーカー(若者)、ベン・ケノービー(老人、ジュダイの戦士)、C-3PO(シースリーピーオー、人型ロボット)、R2-D2(貯金箱みたいなロボット)、それから、レイア姫がいます。あと、ゴリラみたいな宇宙船操縦担当のチューバッカと宇宙船所有者操縦士のハン・ソロなど。
 エピソード4とあるように、映画の始まりはなんとなく、この作品の前に別のお話があったというような雰囲気がただよっています。

 破壊されたレイア姫の故郷である星オルデラーンの破壊される映像が花火のようで美しかった。

 精神論的な「フォース(エネルギー)」が、物語の鍵を握っています。

 砂漠のような土地、そこに住むサンド・ピープル、続いて、宇宙港の様子があります。奇妙な容貌の宇宙人たちです。
 戦闘機による戦闘シーンは、昭和40年代に観た日本アニメのようでした。昭和52年公開の作品ですから、外国と日本でお互いに影響し合ったのでしょう。
  

2020年03月18日

ハリー・ポッター 賢者の石DVD 

ハリー・ポッター 賢者の石DVD 2001年公開

 今さらなのですが初めて観ました。何事を考えるときでも1億2300万人のなかの何人というふうに考えます。意外に、ヒット作を知っている人、見た人、読んだ人というのは、そこを分母にすると実数は少ないと思っています。

 恵まれない環境下にあるこどもたちを励ます作品と受け取りました。最初の30分ぐらい、ヘビと会話をするあたりまでは、おもしろく観て、そのあとの途中経過は、中休みみたいな時間帯を感じましたが、透明人間になれるマントの装着あたりから、またおもしろくなりました。上映時間が150分ぐらいで、ちいさなこどもさんには長すぎるかも。

 DVDでこの映画を観たときに、イギリスの学校制度のことや階級差別のことが書かれた本「ぼくはイエローで、ホワイトで、ちょっとブルー」ブレイディみかこ著を読んでいて、本映画作品と重なる内容の部分もあったので参考になりました。

 「賢者の石」というのは、その石があると不老不死の命を手に入れることができるそうです。

 特撮が上手で、どうやって撮影してあるのだろうかと感嘆しました。とくに体の小さい人物の扱い。それからフクロウによる大量のお手紙郵便配達風景など。

 映画では、寄宿舎付き魔法学校で学ぶ三人のこどもたちが物語を引っ張ります。
ハリー・ポッター:孤児。おじおばに育てられる。11歳。日本でいうところの中学1年生。本人は、魔法使い
ハーマイオニー・グレンジャー:同級生の女の子。勉強ができる。同じく魔法使い
ロン・ウィズリー:同級生の男の子。のんびりしている感じ。魔法使い

校長 ダンブルドア先生:白くて長いひげの老人
マクゴナガル先生:猫に化ける女性の先生
ハグリッド:ハリー・ポッターの世話役。バイクに乗る長髪髭面の男性。鍵と領地の番人
スネイプ先生:寮監。闇の魔術師。魔法薬の教科担当
フィンチさん:管理人
ヴォルデモート:悪い魔法使い

グリーンフィールド寮:ハリー・ポッターたちの寮
ハッフパフ寮
レイブンクロー寮
スリザリン寮:ハリー・ポッターたちのライバル寮。ハリー・ポッターの敵役となるドラコ・マルフォイが所属している寮

 引き続きシリーズに続くあとの作品を観てみます。
  

2020年03月17日

ジョジョの奇妙な冒険 荒木飛呂彦

ジョジョの奇妙な冒険 荒木飛呂彦 集英社

 これからしばらくは、有名な漫画で、これまでに読んだことのない作品をさわりの部分だけでも読んでみるつもりです。
 ジョジョの奇妙な冒険は、テレビ番組アメトークで、おもしろいという内容で放送されていたので興味をもちました。

第1巻
 1987年から始まっています。
 大きな位置づけの登場人物がふたり出てきます。
 ディオ・ブランド―:貧しい方の人間。彼の言葉として、「ある人間の不幸は、ある人間を幸福にする」ディオが悪役として毒のある話が続きます。父親がアル中だたのでディオは苦労しています。気持ちの底辺に人間不信の心理があります。お金が欲しい。財産への欲求が強い。お金持ちであるジョジョの家の財産を乗っ取る計画をもっています。案外、この作品の主人公は、ジョジョではなくて、ディオなのではないか。
 ジョナサン・ジョースター:富む方の人間。作品タイトルにある「ジョ・ジョ」は、この人のことを指すようです。友情と信頼を大切にする反面、友情と信頼に縛られて損をする面があるようです。
 エリナ・ペンデルトン:ジョジョと相思相愛だったが、ディオ・ブランド―に恋を邪魔される。

 生けにえの血のシーンからスタートしました。「石仮面」という仮面が鍵を握っているようです。時代は12世紀から16世紀のこととしてあります。いっぽう、ディオとジョジョが登場する時代設定は、1880年頃です。日本では明治13年です。

 愛犬ダニーに暴行を加えられたにもかかわらず加害者のディオ・ブランド―を許容するジョナサン・ジョースター(ジョジョ)の態度は不可解です。ジョジョには、気弱な面を感じます。

 暴力対暴力の話です。プロレスパターンです。最初はやられて、そのあとで逆転勝ちする。逆転勝利で感動する。冒険話には暴力、乱闘シーンが必要不可欠なのだろうか。

 「石仮面」には、永遠の命が関係します。先日DVDで見た洋画「ハリーポッター賢者の石」でも賢者の石が不老不死につながります。

 7年が経過して、1888年になりました。明治21年です。作品のほうでは、昨年はやったラグビーの絵が出てきます。ジョジョは大学卒業の年齢で、身長は195センチまで伸びています。
 外見は、ふたり仲良し風ですが、実際は違います。ジョジョは、ディオに不信感をもっています。
 ディオは屈折した心をもっています。薬物による暗殺話があります。次々と突然の展開が繰り返されます。
 
 登場人物の数が少ないことがこの作品の特徴のひとつととらえています。

 以前、こども向けのロンドンの昔の話を読んだことがあります。昔も今も英国には貧困があります。「ブロード街の12日間」という物語でした。

第2巻
 読み終えて、よくわからないということが率直な感想です。
 石の仮面をかぶると死ななくなる。ゾンビのように伝染する。連鎖です。なんでもありです。化け物は無敵です。先がよめない物語です。

 「脳」へのこだわりがあります。「脳」を破壊すれば勝つようですが、復活もできるようです。先日見たDVD「スターウォーズ」のフォース(力、エネルギー、強い意志)に似た力も出てきます。

 以前読んだノーベル文学賞受賞作「百年の孤独」という物語とも読後感が似ています。よくわからないのです。巻末の解説に常識では考えられない巨大な物語のおもしろさとありますし、よく売れているので理解できる人が読むとおもしろいのでしょう。ちょっとわたしには合わない作品です。
 あとは、「ああ、無情」レ・ミゼラブルも浮かんできます。教会で盗みをしたジャン・ヴァルジャンです。

 登場人物「スピード・ワゴン」は、漫才コンビのコンビ名の由来になったのだろうとピンときて調べたら、やはりそのとおりでした。

調べた言葉として、
白金:はっきん。プラチナ

 決め言葉として、「貧弱、貧弱」

第3巻
 新しい登場人物として、ツェペリ男爵(仙道という東洋の呼吸法で肉体に波紋エネルギーを起こす)、こどものポコ。
 仙道と石仮面が、表と裏というのは、よくわかりません。石仮面が世界を滅ぼすもので、仙道が世界を救うものという対照的なものに位置付けてあるようです。アンパンマンとバイキンマンみたい。
 「石仮面」を通して、悪を讃える意味があるのか。

 ファンは、リアルな迫力のある絵と力強い言葉づかいにこの漫画の魅力を感じるのでしょう。パワーに満ちています。ストレスがたまっている人が見るとスカッとするのでしょう。命がいくつあっても足りない戦いです。登場人物は不死身です。
  

Posted by 熊太郎 at 06:50Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2020年03月16日

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ 新潮社

 書店で手に取って、ページを少しめくって、内容は遠い国、イギリス国のことであり、タイトルから察するとたぶん肌の色で人種差別のことだろうと、あまり身近なことではないので、そのまま書棚に戻しましたが、その後なんとなく気になり、売れている本でもあり、まずは読んでみるかと、数日後手に入れました。まだ最初のほうしか読んでいませんが、アイルランド人でカトリック教徒、現在はダンプの運転手さんと結婚された日本人女性著者が、中学生の息子さんについて事実のこととして書いてあるようです。ノンフィクションのエッセイ集です。タイトルで、イエローは、黄色人種であり、ホワイトは、ハーフによる白人であり、ブルーは通常、憂鬱なのですが、著者の息子さんは誤認していたらしく、「怒り」ととらえたのち、沈んだ気持ちと理解されています。
 作者は保育士で、文筆家です。ご自身では、自分たち家族は元公営住宅地域に住む貧民と位置づけをされています。いわゆるスラムのような扱いです。
 本は、「はじめに」のあとに、16本のコラム(柱)を立てたエッセイがあります。本を読みながら感想を書き足していってみます。

わからない言葉や人名がたくさん出てきます。
ギター・リフ:低音、繰り返し、覚えやすいリズム
英国の中学生:11歳-16歳
ブライトン:イギリス、人口28万人の街。ロンドンから電車で1時間。ロンドンの南、海辺の街
波:新潮社が発行する文芸雑誌
レイシズム:優等人種が劣等人種を支配するのは当然という考え方
トリッキー:人と違うことをして人の気を引こうとする。
オスカー・ワイルド:アイルランドの詩人。1854年生まれ。46歳没
蛮勇:非力なれど向かっていく。
コンサバな家族:古くからの習慣、考え方を尊重して、急激な改革に反対する。伝統的な文化を守る。保守的、地味、伝統的
セックス・ピストルズ:イングランドのパンクロックバンド。反体制派
マリアンヌ・フェイスフル:イギリスの歌手、女優。
ザ・スミス:イギリスのロック、パンクバンド
ザ・ストーン・ローゼズ:イギリスのロックバンド
オアシス:イギリスのロックバンド
ファットボーイ・スリム:イギリスのDJ、ミュージシャン
ショー・ビズ的:ショービジネス。娯楽の興行
菊地凛子:きくちりんこ。女優。著者の息子さんが7歳のときに、きくちりんこさんの子ども役でイタリア映画に出演したことがあると紹介があります。
チャヴィ:白人の労働者階級、下に見られるらしい。
Mumsnet:SNS。イギリスの子育て掲示板
gleeグリー:大喜び、歓喜、歓声、ほくそ笑む、幸福、愉快、痛快
ファッキン・チンク:アジア系人種を差別する言葉
レイヤー:層。この本の場合、次々と書き込みができる掲示板のようなものを指しているのだろうと思いました。
ア・ホール・ニュー・ワールド:アラジンの主題歌
チャヴ:高層団地に住む白人労働者階級の総称
ポリティカル・コレクトネス:差別、偏見帽子のための表現、言葉
スクール・ポリティクス:学校での権力作用
ダニエル:ハンガリー移民の両親。ハンガリーは地図でいうとオーストリアの右側。首都ブタペスト
ティム:チャヴ(元公営住宅の高層団地に住む低所得白人労働者階級の両親)
無知:知識がない。知恵がない。
アイデンティティ:個の性質
イギリスの学校制度:5才~16歳が義務教育。11歳が6年生でここまでが小学生。16歳が11年生でここまでが中学生。この本のなかでは、息子さんが12歳、7年生(中学1年生)の設定
分断:相手を自分より見下す。祖先、財産の有無、片親などをその理由とする。
エンパシー:相手の立場になってみる。
ポッシュ校:上流階級の人間が通う学校
エスタブリッシュメント:社会的に確立した体制・制度
アイロニック:皮肉な。遠回しにからかう。
チンク、チンキー:中国人に対する差別用語だが、日本人に対しても言われることがある。
シティズンシップ・エデュケーション:市民教育
パキ:パキスタン人をさす差別用語。中東の人や南アジアの人をさすこともある。
オルタナティブ:二者択一
ファクト:事実
SMS:ショートメッセージサービス
アナキスト:無政府主義者
IVF:体外受精
ステレオタイプ的:先入観、思い込み、固定観念

 息子さんは、夫の信仰が理由で、厳格で格調高いカトリックの小学校へ通っていたが、中学は近所の公立中学に入った。英国では、自宅の近くの学校に通う制度。白人が集まった元底辺中学校と書いてあります。いじめ、けんか、服装の乱れ、化粧あり。

 日本人ではなく、外国人視点でのような書き方です。最初のうちはなにか、読んでいて、見おろされているような、自慢話を聞かされているような気配が感じられたのですが、途中からだんだんおもしろくなってきました。

 荒れたらしき中学で鍵を握るのはどうも『音楽』のようです。音楽で生徒の意識がいい方向へ向いたようです。

 10歳の息子さんは、高尚なカトリック系中学を蹴って、元底辺中学への進学を希望しました。

 白人が9割以上だから底辺にある学校という表現が、日本人の自分にはピンときません。白人が有色人種を見下すという先入観があるからなのでしょう。

 英国の小中学校には、入学式と卒業式がない。

 昨年英語版と日本語版の二回観た映画アラジンのお話が出てきます。息子さんが中学校で魔法のランプから出てくる大男のジーニーを演じたそうです。

 イギリスという国は、固定化が進んだ結果、EU離脱の動きが始まったというような書きぶりで、そうなのかと理解しました。どこの国でも、裕福は、だれかの貧困の上に成り立っているのでしょう。

 英国の実情が具体的によくわかる良書です。貧富の格差がきつい。貧民はいつまでたっても貧民でしかいられない体制があるようです。それが、EU離脱の大きな理由のようです。政党として、労働党、保守党。現在は保守党政権。
 
 コラム10「母ちゃんの国にて」の部分は強く印象に残りました。日本語のできない中学生の息子さんを連れての帰省話でした。日本人なのにフィリピン人じゃないかと日本人スタッフに冷遇されたり、日本人おっさんビジネスマンからテレビ番組にひっかけて中国人がらみの外国人差別を受けたりします。
 日本人は、東南アジアの人たちを馬鹿にして見下す民族という話を外国人から見た日本人の話として聞いたことがあります。だから、外国人は日本人を信用していません。日本人は外国人にやってあげているという態度があるそうです。そういう人もいるし、そうでない人もいると思うのですが、この本の記事に書いてあることを読むとそういうことが伝わってきます。
 ことに年配のビジネスマンのあたまの中は、仕事のこと、稼ぎのこと、お金のことばかりで占められています。泥酔して文句を言う姿は哀れでもあります。テレビ番組の話が出るのですが、本当に働いている人は、テレビをゆっくり観る時間はありません。偽物の仕事人なのでしょう。
 今年読んで良かった1冊になりました。

 LGBTQのお話が出ます。レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クエスチョニング。英国では中学生向けにその旨の教育があるようです。中学生たちが自分はどれにあてはまるかと話をしています。ちょっとびっくり。いろんな家庭の子どもがいて、同性愛者の両親もいます。義理の母もいるし、実母もいます。ややこしい。

 英国では、「里親制度」が一般的に普及しているようです。それだけ、養育能力に欠ける親がいるということでしょう。
 本を読んでいて、スラムの生活があって、EU離脱の希望が主に大人(老齢者)に多い印象です。逆に、若い世代はEU残留の意識が強いそうです。

 中学生の息子さんの意識です。ぼくは日本人ではない。自分が東洋人という意識がないから東洋人差別の言葉を浴びせられても当事者意識がない。(その部分を読んで納得しました)

 環境保護活動家のグレタ・トゥーンベリさんらしき女子の話もちらりと出てきます。

 本のタイトルは、自由につけていいんだと安心しました。最後は、「グリーン」で終わっています。息子さんは、ただ今、成長中です。

良かった言葉や驚かされた言葉などの趣旨として、
「他人にしたことは、ぜんぶ自分に返ってくる」、「英国の公立小学校は保護者のボランティア活動によって成り立っている」、「生徒が貧しさで制服を買うことができない」、「貧困地区にある学校は、教育をする前にこどもたちの衣食住を確保することから始めなければならない。まず、ごはんを食べさせることが最優先」、「この国の緊縮財政は、教育を福祉にしてしまった」、「母親が日本人であることを隠したがる子ども」、「強いチームには多様性が必要」、「中学生の息子さんが福岡に住むおじいちゃんのことが好き。息子は日本語ができない。おじいちゃんは英語ができない。会話はできないけれど、心は通じ合う」、「女性の人生は、夫になる人の親切さにかかっている」、「いじめられても、いじめられても、ぜったいに学校は休まない」、「人間はよってたかって人をいじめるのが好き。人間は人を罰するのが好き」、「違う人種の両親から生まれたこどもは自分の所属(アイデンティティ)に悩む」、「人生は(長く)生きてみなければわからない」、「行方不明と家出は違う」
  

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2020年03月15日

あたまをつかった小さなおばあさん ホープ・ニューウェル

あたまをつかった小さなおばあさん ホープ・ニューウェル・作 松岡亨子(まつおかきょうこ)・訳 山脇百合子・画 福音館書店

 小学校低学年向けの童話です。作者は、アメリカ人女性で、1965年にすでに亡くなっています。この本は、1970年(昭和45年)に初版で発行されています。おばあさんのお話が10本おさめられています。どうも、おばあさんとがちょうのおはなしです。

「小さなおばあさんのこと」
 むかしむかしで始まるむかし話です。黄色い家、空色のドア、空色の窓ふたつ、黄色いチューリップが咲いている家で、畑をつくりながら、ひとり暮らしをしているたいへんびんぼうなおばあさんがいました。でも、おばあさんは、とてもあたまが良かったそうです。やりくり上手です。

「おばあさんが、はねぶとんを手に入れた話」
 穴だらけの赤い毛布は寒い。おばあさんは、がちょうを手に入れて、羽根布団をつくることにしました。がちょうは、卵も産んでくれます。

「おばあさんが、いたずらねずみどもから、とうもろこしをまもった話」
 ねずみが、がちょうのえさのとうもろこしを食べてしまうので、おばあさんは、ねずみをねずみとりでつかまえて殺してしまおうとしますが殺せません。逆に、つかまえたねずみにえさをあげてかわいがります。
 こどものころ、じっさいにねずみとりにかかったねずみを水攻めにして処分するようすを見たことがあるのを読みながら思い出しました。
 この部分は、人間のけっこう深い心理を描いています。おばあさんには、心やさしい面があります。ものごとには両面があって、おばあさんからみればねずみは害獣ですが、ねずみからみれば、おばあさんは、自分たちに害を与える者です。おばあさんは、自分に被害を与える者との共存の道を選んだのです

「おばあさんが、がちょうを、あたたかくしてやった話」
 寒い冬の夜、おばあさんは、がちょうが寒かろうと家の中に入れてあげますが、大騒動になります。  自分が小学生だった頃、お祭りの縁日で、あひるを一羽、たしか500円ぐらいで買ったことを思い出しました。両手であひるをもって、暗い中を家まで歩いて帰って、寒かろうとこたつのなかに入れました。父からも母からもなにも文句を言われませんでした。今思うと、驚きです。
 さて、けっきょくおばあさんが、あひる小屋で寝ることになるのですが、おばあさんは、がちょうの羽根でつくった羽根布団で寝ているので暖かいのです。

「おばあさんが、たった一本のこったマッチをだいじにした話」
 マッチを見かけなくなりました。物語の中身は、もう100年ぐらい前のアメリカ合衆国での暮らしです。電気も来ていません。マッチでランプの火をつけます。
 おばあさんの考えるときの決めポーズは、一休さんのようです。おばあさんは、濡れたタオルを頭に巻いて座り、人差し指を鼻のわきにあてて、目を閉じて考えます。おばあさんの考え方の手法として、おばあさんの失敗にみえるようことでも、自分の失敗だとは考えません。ものは、考え方しだいです。おばあさんは、自分の都合の良いように物事を考えて、自身の心が壊れないように防御しています。

「おばあさんが、はたけに なにをうえたかとう話」
 ポジティブ思考の脳みそです。ポジティブ:楽観的、積極的、肯定的
 おばあさんは、チューリップとたまねぎの球根の見分けがつかず間違えて植えてしまいますが、間違えたことを間違えたとはせず、いいほうに考えます。

「おばあさんが、エプロンをながくしたはなし」
 キャラコのきれ:インド産の綿布
 ラストにある強調の言葉の趣旨として、「あたまをつかえば、人間は毎日新しいことを覚えることができる」

「おばあさんが、どうやって あかいマフラーをあみあげたかという話」
 買うのではなく、自分でつくる話が続きます。そういう時代背景です。
 自画自賛が続きます。読んでいて、人間の愚かな部分を表現しているのではないかと深読みするときもあります。おばあさんの行動には、隠された意味があるような気がするのです。

「おばあさんが、買い物をした話」
 おばあさんが、行商人から拡大鏡を買ったことから始まるお話でした。

「おばあさんが、あたまをやすめた話」
 1年が過ぎるのは早い。おばあさんの暖炉の炎をながめているだけで、きもちがいいというセリフにうなずきます。

 *さし絵がかわいらしかった。
  

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2020年03月14日

出川哲朗の充電バイクの旅 淡路島ほぼ一周

出川哲朗の充電バイクの旅 淡路島ほぼ一周 テレビ番組

 ゲストは、前半が、クロちゃん、後半が、江頭2:50さんでした。
 おもしろかったところなどです。
①タカラヅカのお姉さん(地元の方)
②玉ねぎの名産地だそうです。それから、瓦も。
③三年フグが、大きくて驚きました。
④ホテル前での記念撮影大会で、威勢のいいおじさんたち。
⑤廃業した宿の91才のおじいさんのお話と元気さが良かった。ほろりときて、笑顔になれました。
⑥夕日がきれい。日本の夕日100選だそうです。
⑦「信号があるよー(集落の間には信号があまりない)」
⑧出川さんの妊婦への安産祈願と生まれてきた赤ちゃんの顔写真
⑨江頭2:50さんの意外な素顔。おとなしい。あまりしゃべらない。神経質。不安症。静か。まじめ。そこがまた笑えました。
⑩ふーっと吹く子ども向けの玩具「吹き戻し」のシーンはおもしろかった。お店の方が、取材慣れされています。
⑪BGM浅田美代子さんの「赤いふうせん」がなつかしかった。中学の修学旅行のときにみんなで歌いました。
⑫この番組がレギュラー化されてまだ4年目なのは意外でした。60歳まではやりたいと出川さん本人は神社で祈願を続けているので、あと4年間ぐらいが目標ですが、体がもてば、それ以降も続くでしょう。