2020年03月25日
カッコーの巣の上で 洋画DVD
カッコーの巣の上で 洋画DVD 1976年公開
有名な映画ですが初めて観ました。いい映画でした。今年観て良かった1本です。
精神病院入院病棟が扱われています。昨年は邦画の「閉鎖病棟」を観ました。暗い内容でした。「カッコーの巣の上」では、みんなで魚釣りに行くあたりが心温まる喜劇で笑えましたが、最後のほうはやっぱり暗くなりました。もっとも、主人公は、懲役刑の労働をまぬがれるために、病気ではないのに病気のふりをしているわけですから制裁が下ってもしかたがないというあきらめもあります。ただ、その当時の時代を反映しているようで、今では許されないようなかなりきついお仕置きがありました。恐怖のホラー映画です。時代背景は、1963年頃となっています。映像はかなり古い。
「カッコーの巣の上で」というタイトルの意味:カッコーは托卵(たくらん)します。よその鳥の巣(映画では精神病院入院病棟)で自分の卵を産んで、よその鳥に卵を温めてもらい、かつ、子を育ててもらいます。今回の映画では、精神障害者の鳥の巣の中に、精神障害者のふりをした服役囚の主人公が入り込みます。
良かったセリフなどとして、
「役にも立たないが、害にもならない」
「努力はした。チャレンジはした」
「今は変人じゃなくて、釣り人だ」
船の操縦士という役割をあてがうことで喜びを感じてもらう。
「ぼくはちいさなこどもじゃない」
強制では、人間は言うことをきかない。
「こんな姿のままでは残してはいかない。いっしょに行こう」
入院病棟の閉鎖社会に風穴を開けようとする精神障害者のふりをした主人公マック(登場人物名は、ランドル・パトリック・マクマーフィ)です。
彼は病棟内に、「民主主義」を築こうと努力します。しかし、看護婦長を中心とした権力者たちの前に改革は行き詰まります。
何もなかったことにされる。異端児ははじきとばされる。最後はあまりにも苦しくて、逆に、笑うしかありませんでした。主人公が消滅して、いっきに主題が脇役に飛びます。夢をみているようなお話でした。
有名な映画ですが初めて観ました。いい映画でした。今年観て良かった1本です。
精神病院入院病棟が扱われています。昨年は邦画の「閉鎖病棟」を観ました。暗い内容でした。「カッコーの巣の上」では、みんなで魚釣りに行くあたりが心温まる喜劇で笑えましたが、最後のほうはやっぱり暗くなりました。もっとも、主人公は、懲役刑の労働をまぬがれるために、病気ではないのに病気のふりをしているわけですから制裁が下ってもしかたがないというあきらめもあります。ただ、その当時の時代を反映しているようで、今では許されないようなかなりきついお仕置きがありました。恐怖のホラー映画です。時代背景は、1963年頃となっています。映像はかなり古い。
「カッコーの巣の上で」というタイトルの意味:カッコーは托卵(たくらん)します。よその鳥の巣(映画では精神病院入院病棟)で自分の卵を産んで、よその鳥に卵を温めてもらい、かつ、子を育ててもらいます。今回の映画では、精神障害者の鳥の巣の中に、精神障害者のふりをした服役囚の主人公が入り込みます。
良かったセリフなどとして、
「役にも立たないが、害にもならない」
「努力はした。チャレンジはした」
「今は変人じゃなくて、釣り人だ」
船の操縦士という役割をあてがうことで喜びを感じてもらう。
「ぼくはちいさなこどもじゃない」
強制では、人間は言うことをきかない。
「こんな姿のままでは残してはいかない。いっしょに行こう」
入院病棟の閉鎖社会に風穴を開けようとする精神障害者のふりをした主人公マック(登場人物名は、ランドル・パトリック・マクマーフィ)です。
彼は病棟内に、「民主主義」を築こうと努力します。しかし、看護婦長を中心とした権力者たちの前に改革は行き詰まります。
何もなかったことにされる。異端児ははじきとばされる。最後はあまりにも苦しくて、逆に、笑うしかありませんでした。主人公が消滅して、いっきに主題が脇役に飛びます。夢をみているようなお話でした。
2020年03月24日
スターウォーズ エピソード5 帝国の逆襲 DVD
スターウォーズ エピソード5 帝国の逆襲 DVD 1980年公開
観る人によって感想は変わってくるものですが、今回の作品は、内容的には、自分には合いませんでした。
太平洋戦争の戦争映画を観ているようでした。
テレビ番組「アメトーク」で、親子関係のことは説明を聞いたので、驚きはありませんでした。
チューバッカのうめき声と管楽器のクラシック風BGMで物語が引っ張られていきます。
同盟軍VS帝国軍は、人類VS宇宙人のような感じもします。帝国軍は、白いカブトガニのような服装をしているので、宇宙人に見えます。
ソロのレイア姫に対する恋心は意味がないような。(次回作以降で意味が明らかになります)
ルーク・スカイウォーカーが下方へ堕ちていくシーンでは、アラスカにあるマッキンリーで消息不明になった日本人冒険家を思い出しました。
続けて、エピソード6を観てみます。
観る人によって感想は変わってくるものですが、今回の作品は、内容的には、自分には合いませんでした。
太平洋戦争の戦争映画を観ているようでした。
テレビ番組「アメトーク」で、親子関係のことは説明を聞いたので、驚きはありませんでした。
チューバッカのうめき声と管楽器のクラシック風BGMで物語が引っ張られていきます。
同盟軍VS帝国軍は、人類VS宇宙人のような感じもします。帝国軍は、白いカブトガニのような服装をしているので、宇宙人に見えます。
ソロのレイア姫に対する恋心は意味がないような。(次回作以降で意味が明らかになります)
ルーク・スカイウォーカーが下方へ堕ちていくシーンでは、アラスカにあるマッキンリーで消息不明になった日本人冒険家を思い出しました。
続けて、エピソード6を観てみます。
2020年03月23日
高齢者に「キレない」技術 川上淳子
高齢者に「キレない」技術 川上淳子 小学館
いわゆる「老害」への対応のしかたの本だろうかと読みましたが、そのことに対するずばりのものではなく、どちらかといえば、相手よりも自分を変えるという内容の本でした。
第1章から第4章まであります。
第1章が、怒りのしくみ
第2章が、「家庭でのこと」
第3章が、「看護・介護の場面で」
第4章が、実践的な技術について
わかりやすく、読みやすいレイアウトと文章表現です。
超高齢者になると、なにをやっても許される年齢という感じになります。責めを負ってもらおうとしても、高齢であるがゆえに、どうしようもないということもあります。無理をすれば、こちらのほうが、いろいろと負担をしなければならず、困り果てる現状があります。されどだれもが加齢を避けることはできません。今は介護する立場の者でもいずれは介護される立場の側になるのです。
世話をする方が、自分の心をコントロールする。
相手を知るのではなく、まずは、自分の怒りのパターンを知る。
自分のアンガー(怒り)を自分でコントロールしていく。
相手の心持ちをコントロールすることはなかなかできないから。
人生100年時代です。
『なになにすべき』が、平和な関係をつくるうえで障害になるそうです。
納得しました。
怒りを抑えるために心の動きを休めることもひとつの方法であると悟りました。
読んでいて、これは、高齢者だけの対応に限るのではなくて、一般的に攻撃的な人に対する対応にも共通すると気づきました。
家庭内暴力、虐待、親族間の殺傷、職場のパワハラなどにも通じます。
今年読んでよかった1冊です。加害者の側に立つ人も読んだ方がいい。NGワードは、テレビでコメントをする国会議員がよく使う言葉です。「ちゃんと、しっかり、きっちり」
そして、つい言ってしまいがちな言葉が、「どうして」です。
複数回読みなおしたほうがいい本です。
高齢者の話の特徴として、同じ自慢話を同じ人に何度も繰り返すとあります。付け加えて、
損得勘定に厳しい。
特別扱いしてほしい。
なにがなんでもやってもらいたい。
プライドが高い。
本人がきちんとやっているように見えるけれど、実は、やれていないということもあります。
がんこなどもあります。
『過去のことを持ち出して相手を叱らない』には、共感します。過去の出来事をいまさら変えることはできません。不十分なことがあったとしても、その時のことを思い出すと、いつだって一生懸命だったということはあります。親を責めてもしかたがありません。
運転免許についていえば、返納しなくても、運転しなければいいだけのことだと思うのです。
書中にあるように、人を変えることはできそうでできません。人を変えることをあきらめて、こちらがやり方を変えたほうが、こちらのストレスが小さく済むのでしょう。
『協調』が主体の内容を読みながら、映画「男はつらいよ」では、フーテンの寅さんを中心におきながら、親族一同で、言いたいことを言い合って、衝突したのちに仲良くなるのですが、もうそういう時代は終わっているのだろうという感想をもちました。
『強制』は、×です。
事例を提示しながら、How To(どのようにやるのか)が紹介されています。
ほめる技術が必要です。相手をきげんよくします。
看護や介護のシーンで、ついカッときて事件が起こっています。看護者、介護者のストレスは大きい。
相手をどうするかではなく(どうしようもないから)、自分はどうしたらいいのかを考えるというコツです。
6秒間がまんする。
なぜ怒れたかの記録をとって、自分はどうしたらよかったのかと自分を説得して慰めるとあります。
高齢者は、思いどおりにならないと、大声を出してあばれる。脳の働きが低下して、幼児にかえるのだなと神妙な気持ちになりました。自分が大事にされないと怒る。本人のあきらめも必要ではないか。少子高齢化のいま、お世話をする人の人数のほうが少ない。高齢者も自分のことはできるだけ自分でするという自立意識が必要だと読んでいて感じました。
読みながらいろいろ考えるのですが、サービスもゆきすぎると、世話をする人の側がメンタル病にならないかと心配になります。
高齢者が何度も同じ自慢話を繰り返すのは、もう終わった過去の栄光しかない。未来への夢がないということがあります。
文句ばっかりを言う人は結局幸せにはなれません。
高齢者なのだから仕方がないとあきらめる。
相手と真正面から向かい合っても解決できないこともある。
女性の体にさわりたがる高齢者男性の頭の中は、おっぱいでいっぱいなのでしょう。あかちゃん返りのようです。なにか、満たされないものがあるみたいです。
仕事をしていてイヤなことがあると、たいていは、『お金のため』で割り切ります。なにかしら見返りがあれば怒りを押さえて、人の世話をすることに耐えられます。
書中にあるように、加齢で体力がなくなってきていて、しゃべるのがめんどうになる(正確には脳で考えることがしんどくなる)ことはあります。疲れやすくなります。おいしいものを食べて、ぐっすり眠ってもらうのがいいような気がします。
いわゆる「老害」への対応のしかたの本だろうかと読みましたが、そのことに対するずばりのものではなく、どちらかといえば、相手よりも自分を変えるという内容の本でした。
第1章から第4章まであります。
第1章が、怒りのしくみ
第2章が、「家庭でのこと」
第3章が、「看護・介護の場面で」
第4章が、実践的な技術について
わかりやすく、読みやすいレイアウトと文章表現です。
超高齢者になると、なにをやっても許される年齢という感じになります。責めを負ってもらおうとしても、高齢であるがゆえに、どうしようもないということもあります。無理をすれば、こちらのほうが、いろいろと負担をしなければならず、困り果てる現状があります。されどだれもが加齢を避けることはできません。今は介護する立場の者でもいずれは介護される立場の側になるのです。
世話をする方が、自分の心をコントロールする。
相手を知るのではなく、まずは、自分の怒りのパターンを知る。
自分のアンガー(怒り)を自分でコントロールしていく。
相手の心持ちをコントロールすることはなかなかできないから。
人生100年時代です。
『なになにすべき』が、平和な関係をつくるうえで障害になるそうです。
納得しました。
怒りを抑えるために心の動きを休めることもひとつの方法であると悟りました。
読んでいて、これは、高齢者だけの対応に限るのではなくて、一般的に攻撃的な人に対する対応にも共通すると気づきました。
家庭内暴力、虐待、親族間の殺傷、職場のパワハラなどにも通じます。
今年読んでよかった1冊です。加害者の側に立つ人も読んだ方がいい。NGワードは、テレビでコメントをする国会議員がよく使う言葉です。「ちゃんと、しっかり、きっちり」
そして、つい言ってしまいがちな言葉が、「どうして」です。
複数回読みなおしたほうがいい本です。
高齢者の話の特徴として、同じ自慢話を同じ人に何度も繰り返すとあります。付け加えて、
損得勘定に厳しい。
特別扱いしてほしい。
なにがなんでもやってもらいたい。
プライドが高い。
本人がきちんとやっているように見えるけれど、実は、やれていないということもあります。
がんこなどもあります。
『過去のことを持ち出して相手を叱らない』には、共感します。過去の出来事をいまさら変えることはできません。不十分なことがあったとしても、その時のことを思い出すと、いつだって一生懸命だったということはあります。親を責めてもしかたがありません。
運転免許についていえば、返納しなくても、運転しなければいいだけのことだと思うのです。
書中にあるように、人を変えることはできそうでできません。人を変えることをあきらめて、こちらがやり方を変えたほうが、こちらのストレスが小さく済むのでしょう。
『協調』が主体の内容を読みながら、映画「男はつらいよ」では、フーテンの寅さんを中心におきながら、親族一同で、言いたいことを言い合って、衝突したのちに仲良くなるのですが、もうそういう時代は終わっているのだろうという感想をもちました。
『強制』は、×です。
事例を提示しながら、How To(どのようにやるのか)が紹介されています。
ほめる技術が必要です。相手をきげんよくします。
看護や介護のシーンで、ついカッときて事件が起こっています。看護者、介護者のストレスは大きい。
相手をどうするかではなく(どうしようもないから)、自分はどうしたらいいのかを考えるというコツです。
6秒間がまんする。
なぜ怒れたかの記録をとって、自分はどうしたらよかったのかと自分を説得して慰めるとあります。
高齢者は、思いどおりにならないと、大声を出してあばれる。脳の働きが低下して、幼児にかえるのだなと神妙な気持ちになりました。自分が大事にされないと怒る。本人のあきらめも必要ではないか。少子高齢化のいま、お世話をする人の人数のほうが少ない。高齢者も自分のことはできるだけ自分でするという自立意識が必要だと読んでいて感じました。
読みながらいろいろ考えるのですが、サービスもゆきすぎると、世話をする人の側がメンタル病にならないかと心配になります。
高齢者が何度も同じ自慢話を繰り返すのは、もう終わった過去の栄光しかない。未来への夢がないということがあります。
文句ばっかりを言う人は結局幸せにはなれません。
高齢者なのだから仕方がないとあきらめる。
相手と真正面から向かい合っても解決できないこともある。
女性の体にさわりたがる高齢者男性の頭の中は、おっぱいでいっぱいなのでしょう。あかちゃん返りのようです。なにか、満たされないものがあるみたいです。
仕事をしていてイヤなことがあると、たいていは、『お金のため』で割り切ります。なにかしら見返りがあれば怒りを押さえて、人の世話をすることに耐えられます。
書中にあるように、加齢で体力がなくなってきていて、しゃべるのがめんどうになる(正確には脳で考えることがしんどくなる)ことはあります。疲れやすくなります。おいしいものを食べて、ぐっすり眠ってもらうのがいいような気がします。
2020年03月22日
ハリーポッターと秘密の部屋 洋画DVD
ハリーポッターと秘密の部屋 洋画DVD 2002年公開
161分と長いので、こどもさんが最後まで観るのには長すぎるのでは。
理屈がすんなり飲み込めない部分があるのですが、この映画では、映像と音楽を楽しむのでしょう冒険活劇を楽しむ映画です。
主人公の男子が、前回の賢者の石よりだいぶ大きくなっています。
空飛ぶ車は素敵です。楽しい。
「ぬれぎぬ」がキーワードとなる物語の展開でした。
クモとの戦い、ヘビとの戦い、ベースとなるのは、たとえてみると、ヤマトタケルが退治したヤマタノオロチ、ジュラシックパーク、ドラゴンボール、アンパンマン、桃太郎など。少年少女向け物語のコツを押さえてあります。
161分と長いので、こどもさんが最後まで観るのには長すぎるのでは。
理屈がすんなり飲み込めない部分があるのですが、この映画では、映像と音楽を楽しむのでしょう冒険活劇を楽しむ映画です。
主人公の男子が、前回の賢者の石よりだいぶ大きくなっています。
空飛ぶ車は素敵です。楽しい。
「ぬれぎぬ」がキーワードとなる物語の展開でした。
クモとの戦い、ヘビとの戦い、ベースとなるのは、たとえてみると、ヤマトタケルが退治したヤマタノオロチ、ジュラシックパーク、ドラゴンボール、アンパンマン、桃太郎など。少年少女向け物語のコツを押さえてあります。
2020年03月21日
生きるって、なに? たかのてるこ
生きるって、なに? たかのてるこ テルブックス
ラジオ放送でいい本だと流れていたので読んでみることにしました。
同作者の「ガンジス河でバタフライ」「サハラ砂漠の王子さま」「モロッコで断食」「ダライ・ラマに恋して」「モンキームーンの輝く夜に」「キューバ―でアミーゴ」などを読んだのは、2008年から2012年頃のことでした。内容はおもしろかった。世界中を旅する作者です。
生きることの意味を追求していく本です。薄くて小さいサイズの本ですが中身は濃い。写真絵本の構成です。言葉には気取りがなく、生身で、現実的です。大事なことが書いてある本です。今年読んで良かった1冊になりました。
「わたしはなぜ生きてるの?」からはじまります。
幼児が言葉を覚えてしばらくすると、「どうして?」の連発が始まります。知りたいというどうして? と、どうしてとたずねて相手の反応を楽しむ面があります。「どうして、どうして」がくりかえされると、聞かれた方は最後に、「どうしても!」と質問をさえぎってしまいます。そんなことを思い出しました。
生きるために、自分を大事にする。自分を否定しない。
作者からのメッセージを、なんども繰り返して読むと、味わいが深まります。
世界中の民族の笑顔の写真がかもしだす効果が大きい。
雄大な空と海の風景写真が、忘れていた何かを思い出させてくれる。
日本人の弱点といえる部分の指摘があります。「人に迷惑をかけてはいけません」ではなくて、「人は人に迷惑をかけて生きているのだから、人の迷惑も許してあげなさい」というインドの教えがあります。ほんとうの迷惑行為は犯罪に限る。
海外体験旅行を重ねた作者らしい言葉が続きます。
54ページの写真が好きです。場所は日本の山奥の田舎でしょう。季節は夏で、小学生の男子ふたりがすっぽんぽんで川でうつぶせになっています。豊かな自然のなかにこどもたちの笑顔があります。
後悔があったとしても、過去の出来事を変えることはできません。
だから、今を楽しむ。
写真は笑顔がいっぱいです。
60ページにある「この本が生まれるまで」の部分は秀逸です。作者が本音で語りかけてきます。本をとおして、作者の願いが伝わってきます。
ラジオ放送でいい本だと流れていたので読んでみることにしました。
同作者の「ガンジス河でバタフライ」「サハラ砂漠の王子さま」「モロッコで断食」「ダライ・ラマに恋して」「モンキームーンの輝く夜に」「キューバ―でアミーゴ」などを読んだのは、2008年から2012年頃のことでした。内容はおもしろかった。世界中を旅する作者です。
生きることの意味を追求していく本です。薄くて小さいサイズの本ですが中身は濃い。写真絵本の構成です。言葉には気取りがなく、生身で、現実的です。大事なことが書いてある本です。今年読んで良かった1冊になりました。
「わたしはなぜ生きてるの?」からはじまります。
幼児が言葉を覚えてしばらくすると、「どうして?」の連発が始まります。知りたいというどうして? と、どうしてとたずねて相手の反応を楽しむ面があります。「どうして、どうして」がくりかえされると、聞かれた方は最後に、「どうしても!」と質問をさえぎってしまいます。そんなことを思い出しました。
生きるために、自分を大事にする。自分を否定しない。
作者からのメッセージを、なんども繰り返して読むと、味わいが深まります。
世界中の民族の笑顔の写真がかもしだす効果が大きい。
雄大な空と海の風景写真が、忘れていた何かを思い出させてくれる。
日本人の弱点といえる部分の指摘があります。「人に迷惑をかけてはいけません」ではなくて、「人は人に迷惑をかけて生きているのだから、人の迷惑も許してあげなさい」というインドの教えがあります。ほんとうの迷惑行為は犯罪に限る。
海外体験旅行を重ねた作者らしい言葉が続きます。
54ページの写真が好きです。場所は日本の山奥の田舎でしょう。季節は夏で、小学生の男子ふたりがすっぽんぽんで川でうつぶせになっています。豊かな自然のなかにこどもたちの笑顔があります。
後悔があったとしても、過去の出来事を変えることはできません。
だから、今を楽しむ。
写真は笑顔がいっぱいです。
60ページにある「この本が生まれるまで」の部分は秀逸です。作者が本音で語りかけてきます。本をとおして、作者の願いが伝わってきます。
2020年03月20日
戦場のピアニスト 洋画DVD
戦場のピアニスト 洋画DVD 2003年公開
有名な映画ですが観たのは初めてです。
第二次世界大戦におけるポーランドワルシャワに住むユダヤ人への人種差別と弾圧です。ピアノ音楽をからめて、反戦を訴える内容で、「自由」と「平等」を獲得するためのメッセージがあります。
ときおりの法令規則違反がありますが、アーチストは、間違ったルールには縛られないのです。
映像で哀しみはいくらでもつくれます。笑いとか、希望を見つけることができるシーンをつくってほしい。そう思いながらいつも映画を観ています。
1939年ポーランドワルシャワから始まります。苦難の始まりです。「ユダヤ人はお断り(入店禁止)」です。
命が次々と失われていきます。物乞いと死体が増えます。ひとつぶのキャラメルを切ってみんなで分けて食べる。人間が荷物のように貨車に積まれていきます。それが、この世の別れになる家族もいます。
主人公ピアニストのシュピルマンの逃亡劇です。映画の最後に、主人公は、実在の人物で、戦後の経過が紹介されます。彼は終戦まで逃げ切ります。88歳で亡くなったそうです。彼を助けたドイツ兵は1952年にソ連の収容所で亡くなったそうです。主人公にとっては、生かされた命でした。ドイツ兵にも妻子がいました。家族がいました。戦争はやめましょう。独裁者の存在を許してはいけません。軍に政権を握らせてはいけません。
ドイツ兵のコートを借りて着ているとこうなるというパターンは予測できました。
凶暴な銃殺シーンがあります。残酷なシーンの積み上げがあります。「(一人残らず殺して)俺たちを絶滅させる気だ(ユダヤ人を絶滅させる)」
望みとして、「パンをひと切れいただけますか」
戦場でピアノ本体が登場しました。シュピルマンは演奏します。でも、鍵盤は押しません。鍵盤の上で指だけを動かします。彼の頭の中だけで音が流れます。
そして、もう一度ピアノが出てきます。彼は、ピアノを演奏することで命が助かりました。音楽に国境も敵対国もありません。
廃墟となった街は、広島原爆ドームを見るようです。ピアノ楽曲では、邦画「砂の器」の冬の日本海シーンが思い出されました。
有名な映画ですが観たのは初めてです。
第二次世界大戦におけるポーランドワルシャワに住むユダヤ人への人種差別と弾圧です。ピアノ音楽をからめて、反戦を訴える内容で、「自由」と「平等」を獲得するためのメッセージがあります。
ときおりの法令規則違反がありますが、アーチストは、間違ったルールには縛られないのです。
映像で哀しみはいくらでもつくれます。笑いとか、希望を見つけることができるシーンをつくってほしい。そう思いながらいつも映画を観ています。
1939年ポーランドワルシャワから始まります。苦難の始まりです。「ユダヤ人はお断り(入店禁止)」です。
命が次々と失われていきます。物乞いと死体が増えます。ひとつぶのキャラメルを切ってみんなで分けて食べる。人間が荷物のように貨車に積まれていきます。それが、この世の別れになる家族もいます。
主人公ピアニストのシュピルマンの逃亡劇です。映画の最後に、主人公は、実在の人物で、戦後の経過が紹介されます。彼は終戦まで逃げ切ります。88歳で亡くなったそうです。彼を助けたドイツ兵は1952年にソ連の収容所で亡くなったそうです。主人公にとっては、生かされた命でした。ドイツ兵にも妻子がいました。家族がいました。戦争はやめましょう。独裁者の存在を許してはいけません。軍に政権を握らせてはいけません。
ドイツ兵のコートを借りて着ているとこうなるというパターンは予測できました。
凶暴な銃殺シーンがあります。残酷なシーンの積み上げがあります。「(一人残らず殺して)俺たちを絶滅させる気だ(ユダヤ人を絶滅させる)」
望みとして、「パンをひと切れいただけますか」
戦場でピアノ本体が登場しました。シュピルマンは演奏します。でも、鍵盤は押しません。鍵盤の上で指だけを動かします。彼の頭の中だけで音が流れます。
そして、もう一度ピアノが出てきます。彼は、ピアノを演奏することで命が助かりました。音楽に国境も敵対国もありません。
廃墟となった街は、広島原爆ドームを見るようです。ピアノ楽曲では、邦画「砂の器」の冬の日本海シーンが思い出されました。