2019年05月18日

スタンリーとちいさな火星人 2019課題図書

スタンリーとちいさな火星人 サイモン・ジェームズ 2019課題図書 あすなろ書房

 なかなか魅力的で、楽しいお話です。
 「スタンリー」と「ちいさな火星人」は、同じ男の子です。
 スタンリーは、悲しみから逃避するために、火星人に変身するのです。
 スタンリーが、お母さんを慕う気持ちがよく伝わってきます。ちょっと、マザコンかも。
 スタンリーは小学校低学年の設定ですが、幼稚園の年少さんか年中さん、4歳児か5歳児ぐらいに見えます。かわいい。
 
 スタンリーの両親は、共働きか、パパは主夫なのか。(あとの絵で、仕事かばんをもっていたので、無職のパパではありませんでした)。ママは、しゅっとしたスタイルでかっこいい。スタンリーはママに恋をしているから火星人になるのかもしれない。
 スタンリーには、小学校5年生ぐらいのおにいちゃんウィルがいます。
 パパとウィルのふたりは、スタンリーの「火星人ごっこ」に気持ちよく、付き合ってくれます。
 絵がやさしい。

 かあさんが、仕事で、泊まりの出張に行きます。
 スタンリーはママと離ればなれです。
 スタンリーは、その日、地球を離れることにしました。(最初、意味がわかりませんでした。読み続けるとわかります)
 おもしろい発想です。ちょっと、外国の人の発想だなと思います。
 スタンリーがかぶっている帽子がおもしろい。ふたつ触角のようなものがのびています。毛のようでもあるし、手のようでもある。
 火星人のスタンリーはわがままでがんこです。おかあさんに会えないからおこっているみたい。きっとおかあさんは、スタンリーの不満のいい聞き手なのでしょう。不満のはけぐちです。
 それでも、パパもおにいちゃんも心優しい家族です。スタンリーは家族に恵まれています。
 おかずで、じゃがいもはいしころ、好きな時に寝る。歯は磨かない。おふろには入らない。火星人はわがままです。
 スタンリーは、小学校でも火星人としてとおします。たいしたものです。トラブルになり、クラスメートのジョシュを突き飛ばして罰を受けます。
 家の庭においてあるダンボール箱の宇宙船が素敵でした。
 こどものころって、宇宙が近かったような気がします。おとなになって働き出すと宇宙は遠ざかります。そのうち影も形もなくなります。
 上手にできたお話でした。  

Posted by 熊太郎 at 06:35Comments(0)TrackBack(0)読書感想文