2023年08月08日

がまんのケーキ かがくいひろし

がまんのケーキ かがくいひろし 教育画劇

 おもしろそうな絵です。
 絵には特徴があります。
 絵はシャープ(するどい)ではありません。もったりしています。
 どじょうのようなものがいちごケーキにはりついています。
 それは、なまずのようでもあります。
 ケーキを山登りのように登っているように見えます。
 その右側には、ヒゲを生やした、あやしげなカメが、これまた山登りのような姿勢で、ケーキにしがみついています。

 表紙をめくったら、先日テレビで観た『出川哲郎の充電させてもらえませんか?』に出ていた『うばがもち』のような形をしたケーキが目に飛び込んできました。モンブランだろうか。たぶんモンブランでしょうな。

 さらにページをめくったら、ネズミが作文を書いている後ろ姿の絵がまんなかにでてきました。(読み終えて:ネズミではありませんでした。カエルでした。作文ではなく、お手紙でした)

 なまずが言います。『かめぞうさん(ケーキを食べようよ)』
 食べたいけれど、なにかを待っているから食べられないというような状況設定があります。
 (だれかが来るのを待っているのか)

 おや?! なまずはなまずではありませんでした。コイ(鯉)でした。
 コイの名前は『こいたろう』です。
 ふたりが待っているのは『けろこさん』です。カエルですな。
 けろこさんは、買い物に行っているそうな。

 おもしろい。
 ケーキが、こいたろうに『わたしをたべて』って言っているらしい。(そんなこと、ケーキは言ってません)
 こいたろうの口が『ずずずず』とケーキがある方向へのびていきます。ストローのようでもあります。
 
 おーー こいたろうの口が、ゾウの鼻のようになっています。
 これは、ちびっこに、うけそうです。

 こいたろうは、ひっくりかえって、食べたい食べたいとだだをこねます。(甘える。すねる)
 あかちゃんか幼児のようです。

 ヒゲづらをしたかめぞうも、ケーキを食べたいようすです。
 
 これは、けろこさんの帰りを待たずして、ふたりはケーキを食べてしまうのではなかろうか。

 おもしろい! かめぞうの首がろくろっくびのようにびよーんとのびました。
 この絵本を親戚のちびっこにプレゼントする絵本にします。
 今年読んで良かった一冊です。

 ページをめくって、さらにめくて、人情モノになります。
 けろこさんから、ふたりへのお手紙が見つかります。
 ふふふふふ(笑い) おもしろい内容のお手紙です。お手紙の力は強い。
 おいしい紅茶を買ってくるから待っててねです。ケーキは、おあずけです。
 お手紙を読んだふたりがうなだれます。(頭を下げる)
 がまんはだいじです。

 けろこさんの顔の絵がどーんと出てきます。
 いい絵だなーー

 よかったよかった。

 作者のかがくいひろしさんは、2009年(平成21年)に54歳でがんのためにお亡くなりになっています。
 この絵本は、2009年が初版です。
 以前『だるまさんが』のシリーズでお世話になりました。その絵本を読みながら、2歳ぐらいだった孫をぎゅーっと抱きしめてあげると、孫はうれしそうな満足した表情をしていました。ちっちゃいこどもとのスキンシップはだいじです。
 さらに、だるまさんのお弁当箱セット(ランチボックス)の抽選にも当たっていい思いをしました。
 作者は亡くなっても作品は残ります。次々と生まれてくるちびっこたちを楽しませてくれます。  

Posted by 熊太郎 at 07:50Comments(0)TrackBack(0)読書感想文