2022年01月10日

太川&えびす路線バス乗り継ぎの旅 大阪城から金沢兼六園

太川&えびすローカル路線バス乗り継ぎの旅 大阪城から金沢兼六園 2015年1月3日分再放送 BSテレビ東京

 最後まで観て、さわやかな感動に包まれました。
 三人ともよくがんばられました。
 雨天の時間帯もあり、過酷な徒歩時間がありました。
 地元の人たちの親切やバス乗りかえ乗車のラッキー運にも恵まれて、なんとかゴールできました。
 ゲストのマルシアさん『これか!』
 太川陽介さん『これだよ! (ゴールできた喜び)これを味わいたいんだ!!』
 みなさん『この(感動の)一瞬を味わいたいんだ!』
 マルシアさん『すべてガチ(本気、まじめ、真剣)』

 太川陽介さんがバス旅に強い愛情を注いでおられるからできる企画です。
 うまくいっているときはいいのですが、ときに人間関係が険悪になる瞬間もみられます
 最後のゴール達成で、苦労が報われます。(むくわれます)

 忙しい旅です。
 忙しいけれど、バスに乗っているときは、太川陽介さん以外はすることはない。
 
 マルシアさんがバスの車内でくちずさんだ歌『山の牧場(まきば)の夕暮れに~(美空ひばり あの丘越えて)』歌がお上手でした。

 琵琶湖の背景に滋賀県と岐阜県にまたがる雪山となっている伊吹山の景色、福井県から石川県への日本海の景色、夕映え風景などがきれいでした。

 えびすさんは、魚介類が苦手なので、鯖寿司は(さばずし)は無理でしょう。気の毒でした。

 えびすさんは、珍しく熱心です。
 バス案内所で『バスがないということはありえないんです』

 焼き芋を食べる場所が、場所を変えて二回出てきました。
 焼き芋は黄金色(おうごんいろ。こがねいろ)で、湯気が出ていて、おいしそうでした。

 長時間の歩きはつらい。
 マルシアさんはスタートするときに、自分は一日200歩ぐらいしか歩かないと言っておられましたがたいへん努力されました。
 バスに乗り遅れそうになると、駆け足で、ヒヤヒヤドキドキします。さっき食べた食事が口から出そうだと嘆きながら、バス停を目指して駆け足をされていました。
 姿勢を見習いたい。

 最近の太川さんの路線バスを使った番組は『比較』と『競争』です。勝つか負けるかの刺々しい(とげとげしい)時間帯があります。
 困難を克服して勝利の喜びを味わう感動ドキュメンタリー風です。わたしは、長時間の番組を観ていて、感動はあるものの、疲れた気持ちになります。
 異例な対応を求められるバス会社関係者、とくにタクシー会社に迷惑をかけていることが気になります。
 行き先は静かな田舎町です。みなさん、生活の糧(かて)を得るために、毎日をおとなしく淡々と暮らしている人たちです。
 台風のようにやってきて、嵐のように去っていくのは、対応した者の気持ちとしてはつらい。ふつうは、事前に根回しをして予定調和で終わります。終わったあと、お礼のあいさつまわりをしたりもします。

 わたしが求めているのは『比較』と『競争』ではなく『笑い』と『笑顔』の時間帯です。
 えびすよしかずさんのときは、えびすさんが発信する予想外の『笑い』があって、観ることが楽しみでした。あわせて、気楽に見ることができました。  

2022年01月07日

第52回 ENEOS童話賞 作品集 童話の花束

第52回 ENEOS童話賞 作品集 童話の花束

 今年も応募して落選しましたが、作品集が送られてきたので読んで感想を記してみます。

 童話というよりも、年配の方のこどものころの思い出話が受賞するパターンがあります。
 「オシロイバナ」のことが書いてあります。昭和16年(1941年)の時代設定です。
 オシロイバナは、わたしも好きな花です。
 夏の夕暮れ時などに妖しく(あやしく。幽玄に)美しく花を開いています。
 紫色や赤い色、白い色の花があります。
 『命』のことを考えるお話でした。胸にじんときました。

 別の作品では、きつねが登場する新美南吉のようなお話が始まりました。
 愛知県の渥美半島あたり(電照菊)を想像しますが、作者は他県にお住まいの方です。
 母ぎつねを思う子ぎつねの愛情物語でした。気持ちがほっとできる絵が描いてあります。

 次の作品は、通学途中にある駅の伝言板がお話の素材です。
 読んでいる途中で、伝言相手のなっちゃんは、亡くなったのだろうかと心配します。
 そうではなかったので、これもまたほっとしました。

 掲載されているのは『命』をテーマにした作品が中心です。
 命を保つ。命を繋ぐ(つなぐ)

 こどもさんが書いた作品では、折り鶴がからんだ『そんだけ作りゃ一羽くらい飛んでくじゃろ。』のセリフが良かった。
 
 別のこどもさんの作品で、電車の話が出てきます。
 昭和時代の電車には、古い味わいがあっていいんだよねという男の子です。
 わたしの孫の男児が「じいじは蒸気機関車をぼくに勧めるけれど、ぼくは、新幹線のぞみのような超特急が大好きだ」と反発してきたことがあります。
 古くて人間味があるものが良いことだとちいさなこどもに押し付けるのは、年寄りの勝手な思い込みだと反省しました。
 中学生の部で優秀賞のこの作品の作者は、もしかしたらおとなに古い電車がいいものだと押し付けられたのかもしれません。それか、こどもだけれど、心もちはおじいちゃんなのかもしれません。

 もうひとつの童話は、お弁当のタコさんウィンナーのお話でした。
 おかあさんとけんかした中学生にタコさんウィンナーがからむのです。  

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2022年01月06日

ドラえもん 第11巻から第15巻 藤子・F・不二雄

ドラえもん 第11巻から第15巻 藤子・F・不二雄 てんとう虫コミックス 小学館

 折り紙で折ったものがロボットに変わります。
 ヤギ、犬、自動車、紙相撲の紙でつくったおすもうさん、楽しい。

 『ふわふらぐすり』をかむと空中散歩ができます。
 いいなー

 1976年(昭和51年)初版のコミック本です。
 描かれているテレビは、ぶ厚い家具調のものです。
 チャンネルを回してテレビ局を選びます。
 なつかしい。

 人間の体の上下が分かれて、ほかの人と交換できます。
 『人体とりかえ機』です。
 ちょっと怖くて気持ち悪いけれど、マンガは楽しい。

 五円玉、十円玉の貯金があります。
 今どきはキャッシュレスで電子マネーが多くなったので、こどもたちはこれからどうやって貨幣を学べばいいのだろう。さしあたって「お年玉」はやはり紙幣や貨幣でないとこどもさんは、喜びを表現しにくい。
 昔は、貨幣や紙幣はていねいに扱いなさいと習いました。
 ほおり投げてはいけないのです。お金が逃げていくのです。

 のび太のパパはタバコをよく吸うようです。
 もう今はたばこを吸える場所はなかなかありません。
 町なかにいっぱいあったたばこの自動販売機も見かけなくなりました。

 ドラえもんは、西暦2112年9月3日に生まれたそうです。
 ドラえもんのマンガ本は、これから先そのときも存在するでしょうから、なんというか、本って、すごいなと思うのです。
 今から90年後のことです。

 野良猫のクロがうちのカナリアを食べちゃったとあります。
 そういえば、わたしも以前飼育していたセキセイインコたちを野良猫や近所の飼い猫に食べられてしまった体験があります。無警戒でした。カラフルな色が猫の目を引くようです。
 猫への仕返しに『ゆうどうミサイル』というものが出てきて、嫌がらせをするために猫に付きまといます。その当時にはなかった言葉で、「ストーカー」です。

 昔の家の絵は、玄関が引き戸です。
 今ではあまり見かけなくなりました。

 小説家志望の男性がいます。
 原稿用紙に手書き原稿です。
 今だと、パソコンのソフト「ワード」ぐらいで打たないと、出版社には相手にしてもらえないのでしょう。

 しずかちゃんは、夏目漱石作品「坊ちゃん」に登場するマドンナのようです。
 骨川スネ夫が、教頭の赤シャツみたいです。「坊ちゃん」では、マドンナは、お金があって生活が安定している赤シャツを結婚相手に選びます。明るい未来がなさそうな英語教師のうらなりさんは実際に交際していたのにマドンナに見放されます。
 うらなりがのび太のポジションのような気がするのですが、しずかちゃんはのび太と結婚するのです。読み手はうれしい気持ちになれます。
 腹の中で思っていることと、口から出てくる言葉が正反対ということが人間のもつ特徴で、そんなことをこの部分のマンガの素材にしてあります。

 手書きの「手紙」が出てきます。
 手紙は書かなくなりました。
 手紙を書くときは特別なときになりました。

 『ミニ飛行機』に乗ってびゅんびゅん飛び回ります。
 そういえば、今は、空飛ぶ車が開発されています。
 
 気候をコントロールする。
 今の脱炭素社会の実現みたいです。

 泳ぐ練習をするための粉『ドンブラ粉(こ)』もおもしろい。

 のび太にとって『救い』がある内容です。
 
 『おざしきつりぼり』
 いいなあ。

 ドイツには1万5000もの古城があって安価で売りに出ているそうです。
 維持管理がたいへんで費用がかかりそうです。
 とても買えません。

 のび太家は、家族仲良しなところがいい。

 『お金のいらない世界』
 最近資本主義を考える本を何冊か読みました。資本主義は、人を使う者と人に使われる者とに分かれる。大昔の奴隷制度の名残の面がある。
 低賃金で長い年数労働にしばられる。みかえりが社会保障となっている。
 このマンガでは、お金があることが不幸せなことであるという設定で話がつくられていました。

 『ころばし屋』
  仕返しをする人形です。
  仕返しは見事に成功していきますが、最後は自分に不幸が返ってきます。仕返しに終わりはないのです。やられたらやり返すがずっと続くのです。

 給料の前借りのことが書いてあります。
 昭和四十年代のことです。昔はよく「給料の前借り」という言葉を聞きました。

 「ベルデカ」というマンガは、作品「ベルサイユのばら(ベルバラ)」から由来がきているのでしょう。ベルバラのマンガは1972年(昭和47年)-1973年(昭和48年)でした。

 大気汚染による公害のことも書いてあります。
 そういえば、昔はテレビで「光化学スモッグ注意報」というのがときおり発令されていた記憶です。今もあるのかもしれませんが、大々的には聞きません。

 「およげたいやきくん」の歌詞が書いてあります。
 1975年(昭和50年)のヒットでした。

 時空間移動(タイムマシーンとかタイムトラベル)の素材が多い。
 読んでいて、なるほどと思うこともあります。

 『台風発生機』
 自分が小学生の頃に、台風を凍結させる道具ができないかと思いついたことがあるのを思い出しました。

 『無人島へ家出』
 無人島で暮らすためにまず必要なものは「道具」でしょう。
 衣食住の基礎固めが初めにやるべきことです。
 『水』の確保が急務です。

 ネコ型ロボットのドラえもんが恋したネコが最終的に『男』(同性)だったというオチに笑いました。おもしろい。

 『ドロボウホイホイ』
 昔は、一時期、ゴキブリホイホイのコマーシャルをよく見かけましたが最近は見なくなりました。

 『スモールライト』
 有名な道具です。
 マンガでは、池にプラモデルの戦艦を浮かべるシーンで使用されています。
 そういえば、自分も小学校低学年のころ、近所の池にプラモデルの船を浮かべて遊びました。

 『ユメテレビ』
 人が見ている夢をテレビで見ることができます。
 なんだか。いいなあ。
 採算がとれれば、本当に実現する日が来るかもしれません。

 『人生やりなおし機』
 あの日、あのとき、あの場所での失敗をやりなおすための機械です。
 たいていは、失敗だらけの人生なので、やりなおしてばかりで前へ進んでいかないのでしょう。  

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2022年01月05日

人新世の「資本論」(ひとしんせいのしほんろん) 齋藤幸平

人新世の「資本論」(ひとしんせいのしほんろん) 齋藤幸平 集英社新書

 まず、ページを最後まで一枚ずつめくって、ざっと全体に目をとおしたところですが、人新世(ひとしんせい)というのは、たとえば、恐竜時代における『三畳紀』『ジュラ紀』『白亜紀』のような順番のようなもので、人類における現代を含む新しい時代を『人新世(ひとしんせい)』として、これまでの人類とは異なる人類が発生しているところに今はあるということなのだろうと理解しています。(あとで、西暦2000年に外国の化学者が提唱したと知りました)
 4ページに『地球が新たな年代に突入した……』とあります。
 400万年前の地球に『鮮新世(せんしんせい)』という時代があったそうです。

 「資本論」は、カール・マルクスの著作です。資本主義社会の研究書で、資本主義は最後にはゆき詰まって、社会主義の時代が訪れるというような内容だそうです。
 マルクスは、1818年-1883年、64歳没。プロイセン王国出身の哲学者、思想家、政治家、革命家。

 この本は、何のことについて書いてあるのだろう。
 よく売れている本です。2020年発行で、16刷発行されています。
 著者は、若い。大学の准教授です。

 第一章から第八章まであります。

 速読します。

 『近代化によって経済は成長したが、「人新世(ひとしんせい)」の時代に入り、地球は環境危機に直面している』でいいようです。
 石炭や石油などの化石燃料の消費によって、人類は、膨大な二酸化炭素を地球上に排出している。
 森林や植物による二酸化炭素の吸収が追いつかないので、地球を温暖化させるガスが、地球をおおっている。
 この本に書いてあるのは、地球温暖化による地球の危機を訴える内容で、お金もうけに走る資本主義を続けていると、資本主義が破たんすると同時に、地球が地球でなくなる環境におかれるということなのだろうという目安をつけて読んでみます。
 だからこうしたほうがいいという、解決策も示されているのでしょう。

(つづく)

「第一章」
 ウィリアム・ノードハウス:2018年ノーベル経済学賞受賞者。気候変動の経済学者。経済成長と環境保護のバランスを示した。
 西暦2100年までに、地球の平均気温が、3.5℃の上昇となる見込みがあるそうです。(多大な被害が予想される)

 地球の平均気温について
 2016年パリ協定の目標値:産業革命以前との比較で、2100年までに、2℃(可能であれば1.5℃)未満に抑える。

 気候危機は重大な状態になっている。
 一定のラインを超えたら元には戻れないと読み取れます。
 手遅れになることが怖い。

 円グラフをみると二酸化炭素の排出量の割合が多い国は、中国と米国です。ロシアが少ないのは不思議です。

 犠牲のうえに成り立っている繁栄です。

 やはり3Rが大事なのでしょう。
 リデュース(ごみの減少)、リユース(再利用)、リサイクル(再資源化)

 グレタ・トゥーンベリ:スウェーデンの環境活動家。西暦2018年COP24(国連気候変動枠組条約締約国会議)で、資本主義が経済を優先させる限りは、気候変動を解決できないと主張した。

 カール・マルクスが、資本主義の問題点(欠点)を指摘していた。
 資本主義は最終的に破たんする。
 技術:農業で土壌が疲弊する。
 空間:自然界にある資源が枯渇する。資源を巡って戦争が起きる。
 時間:森林の過剰伐採。タイムラグで、のちの世代が苦しみを味わう。
 会社員が、自分が会社に所属している間だけでも自分の会社が倒産しなければいい。後輩世代のことは知らないと思うのと同じ現象なのでしょう。

「第二章」
 『グリーン・ニューディール』の検討だそうです。
 再生可能エネルギー(太陽光発電、風力、流水、地熱など)や電気自動車を普及させるために国家が大型財政出動(大金を投下する)や公共投資を行う。その分野での雇用をつくり出す。ビジネスチャンスが生まれる。

 経済ジャーナリストのフリードマンや文明評論家リフキンが提唱する『気候ケインズ主義』:よくわからないのですが、良好な気候を維持するための整備とか管理への投資で、経済の成長を図り、地球環境維持と経済活動の伸長を両立させるというようなことかと考えました。

 デカプリング:分離。切り離し。経済、環境分野で使用される言葉。経済成長につれて、環境負荷が増大する。経済成長と環境負荷の負担増大防止のふたつを切り離して、経済成長しても環境負荷が増大しないようにする。(そんなことができるのだろうか)

 資本主義は、経済成長をあきらめることができない。
 資本主義は、気候変動対策ができない。
 資本主義は、限界を迎える。

 二酸化炭素を大量に排出しているのは『富裕層』で、貧困層は排出量が少ない。

 大量生産・大量消費をやめる。

 生活を1970年代後半のレベルに戻す。
 当時のことを思い出しました。自分が働いていたとき『現状維持は後退だ』と教わりました。今となってみれば、本当は『(人類の)前進こそが(地球環境にとっては)後退』でした。

「第三章」
 資本主義において、自然環境を守るための『脱成長』ができるのだろうか。
 単純に考えて、できないでしょう。
 できないとどうなるかというと、地球の自然環境が悪化して、人間が住みづらくなって、少しずつ人口が減っていくのでしょう。
 どこから減るかというと、弱い立場の人間から減っていって、それでも、強い立場にいる少数の人間たちも生き残ることはできず、どこかの時点で、強い立場にいる人間は、大多数の弱い立場の人間に押しつぶされるのでしょう。
 そのあと、どうなるのだろうか。
 この章を読みながらそう考えました。
 人類は終わるのです。
 
 『家庭』と似ている。
 ドーナツ経済の説明があります。
 ドーナツといっても真中に芯になる部分があります。家庭だと、心身の健康とお金でしょう。
 まわりに、仕事とか教育とか、文化とか運動とか、音楽とか、親族関係とか、友人関係とか。
 
 数値化する科学です。

 人類が生き残るために必要なのは『平等』がキーワードだそうです。
 たしかに新型コロナウィルスは、貧富の差なくワクチン接種をしなければ、なくなりません。

 ミレニアル世代:1980年から1995年生まれ。現在、25歳から40歳ぐらい。
 ミレニアム世代は、インターネットがあたりまえ。デジタルネイティブだそうです。
 Z世代:ミレニアルよりあとの世代。1996年から2012年生まれ。9歳から25歳ぐらい。
 両世代は環境意識が高くて、資本主義に批判的だそうです。(社会主義を目指すのだろうか)

 インセンティブ:動機付け。報酬。

「第四章」
 マルクス主義が、この危機を救ってくれるそうです。
 資本主義以外の選択肢が存在する。
 『コモン』共有の富(とみ)。水、電力、住居、医療、教育。以上を公共のものとして管理する。コミュニズムという考えかた。
 地球はコモンに該当する。地球を持続可能に管理する。
 『持続可能な経済発展を目指す』エコ社会主義へ転換する。
 説得力があります。現実味はあるのだろうか。(実現可能性)
 生産力至上主義からの決別ができるのかという提示があります。
 (たぶん失敗の例示として)『経済成長をしない循環型の定常型経済であった』
 『脱成長コミュニズムを目指す』経済成長はしない。持続可能性はあり。(無理なような。理想)
 
「第五章」
 人類の歴史を続けていくために、資本主義を止める(とめる)。
 民主主義の領域は狭まる。
 (気候)市民議会をつくって活用する。
 
 包摂(ほうせつ):一定の範囲のなかに包み込む。
 
 もう石炭や石油は使えないのだなとしみじみしました。
 亡き父親は炭坑で働いていたことがありました。石炭から石油へのエネルギー革命の大きな波に飲み込まれて、炭鉱は閉山が続き、自分も含めて、大勢の児童・生徒たちが、全国各地の産炭地を転々として転校を繰り返しました。そんな時代が半世紀ぐらい前にありました。
 そして、今度は、石油の使用が、攻撃・否定される時代を迎えました。栄枯盛衰(えいこせいすい)があります。

 地球温暖化によって、極地の氷が溶けて(とけて)、日本沈没どころか、地球上にある大陸のあちこちが海水に沈没です。
 気候も大きく悪い方へと変化するのでしょう。

「第六章」
 『土地』の財産としての価値のことが書いてあります。
 土地に価値があるのは都市部だけのような気がします。
 需要と供給のバランスで価格が決まりますが、都市部の土地価格はとても高い。
 
 次に『水』のことが書いてあります。

 土地も水も本来はタダのもの。

 資本主義社会では、労働者が(賃金で)奴隷のように働かされ、負債を背負わされて生き方を縛られる(しばられる)。(例として、住宅ローン)
 資本家側にとっては、好都合なこと。
 
 一生懸命に働き過ぎたと、後悔する人生があります。
 無理が重なれば病気になります。
 本では、全員が豊かになることは不可能であると断定してあります。
 だから、そんなシステムはやめてしまおうという提唱です。

 アソシエート:仲間、同僚、共同経営者
 ゲノム:DNAの遺伝情報。
 
 『自己抑制』が必要だが、抑制なき消費に人々を駆り立てる資本主義では、自己抑制を選択することが困難とあります。

「第七章」
 『自己抑制』をできるようにするためには、どうしたらいいのかです。
 気候変動危機とコロナ禍が重ねて説明があります。
 『人命か経済か』です。
 国家権力によって、個人の自由に制約がかかります。
 国家が国をコントロールできなくなる時がきたらどうなるのか。
 
 では、どうすればいいのか。
 ここには書きません。ここからあとは、本を買って読んでくださいな。

 資本主義の超克(ちょうこく):困難や苦しみに打ち勝って乗り越える。

 二十一世紀の環境革命が起こると予期されています。

「第八章」
 グローバル・サウス:資本主義で負の影響を受けている世界各地。発展途上国。アフリカ、アジア、中南米、島々の国と地域。

 ラディカル:革命的な。急進的な。

 最後付近に、著者の言葉で「批判は承知で書き始めました」とあります。
 覚悟があります。  

Posted by 熊太郎 at 06:46Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2022年01月04日

無理ゲー社会 橘玲(たちばな・あきら 男性作家)

無理ゲー社会 橘玲(たちばな・あきら 男性作家) 小学館新書

 無理ゲー:難易度が高すぎてクリアすることが無理なゲーム。実生活で、実行が困難なこと。単純に無理ということ。

 自殺願望の話から始まります。たまたまこの本を読み始めた朝に、若い女性芸能人がホテルの高層階から転落して亡くなったというニュースが流れました。
 前日には、大阪のクリニックで放火事件があって、たくさんの人たちが亡くなりました。いたましく、気持ちがふさぐ昨年末になりました。

 まわりにいる人を殺して自分も死ぬという道連れをつくっての自暴自棄(じぼうじき。先のことを考えない)な自死発想は昔からあったと思いますが、最近は実行する人が現れるようになりました。
 動機を察するに、自分はなんのためにこの世に生まれてきたのだろうかという自問自答があって、地球上のこの時代に自分が存在していたという痕跡を歴史に残しておきたいという欲が生まれて、犯罪史に名前を残すことを発想して実行した。自分自身に催眠効果(暗示)を与えるほどの強い決心があった。
 まわりに止めてくれる人がだれもいないという『孤独』があります。

 荒れる原因が、お金がないということ。

 事例として、テロが多い(無差別大量殺人)。東京の繁華街で刃物を振り回して人々を襲った事件、ビルでガソリンをまいて火をつけた事件、施設での大量刺殺事件、バス停付近でのナイフ振り回し殺傷事件、本には書いてありませんが、電車内で刃物を振り回したり、火をつけたりした事件。
 アメリカ映画『ジョーカー』が重なります。自分の境遇の不遇を恨んで(うらんで)の凶行があります。
 正社員になれない。正社員になれても賃金が低い。
 大学へ進学できない。
 親の介護がある。負担がある。
 年金が少ない。
 税金が上がる。
 育児費、教育費がかかる。
 自分の寿命が自分で決められるなら計画的な人生を送ることができる。
 いろいろあります。
 本では、対処が無理な現実があると示されています。
 社会が不安定になって揺れています。
 今まではあった「秩序」がなくなりました。

 アニメのことが書いてあります。
 自分は、アニメ映画をたまに見ますが、絵はきれいです。ストーリーは、これまでにあった古今東西の名作の数々から、おいしいところを抜き出して、くっつけてあるなということが、正直なところの感想です。

 『知覧特攻平和会館』のことが書いてあります。
 訪れたことがあります。
 精神世界に引き込まれるのは、いいところもあるけれど、のめりこむと苦しくなります。
 
 『アメリカ人の4人に1人は親友がいない』とあります。先日読んだのは『世界一孤独な日本のオジサン』岡本純子著でした。どこもかしこもひとりぼっちばかりです。

 引用が多い内容です。
 攻撃的な文脈です。
 なんでも数値化して説明があります。
 著者の見えている風景と読み手である自分に見える風景に距離感というへだたりがあります。性別の選択とか確定の部分は理解できません。
 73ページまで読んで、内容はむずかしくてすんなり理解できません。

(つづく)

 メリトクラシー:能力主義。知能と努力。
 リベラル:自由な。自由主義。政治的には穏健な革新をめざす立場。
 ポピュリズム:一般大衆が、エリートや知識人の体制を批判する思想。
 きれいごと:体裁だけで実情にそぐわない。見かけや口先だけ。
 レトリック:言葉巧みに訴えて相手の感情を動かすこと。修辞法。

 幸福の基準をどこにおくのか。「地位とカネ」か。それ以外のことか。前者だとこの本の内容に合致してきます。

 就職先がないという話を聞きますが、採用したくても、本人の力不足で使えないということはあります。
 本に書いてあるのは、日本語が読めない日本人がけっこう多い割合で存在する。数的思考力が小学生程度しかない。パソコンが使えない。付け加えると、文章を読めない。文章を書けない。話し言葉で、ことがらを順序だててわかりやすく相手に説明する力がない。外国でも類似の傾向があるそうです。

 『遺伝が半分、育ちが半分』

 トランプ前アメリカ大統領が、ドイツからの移民三世であることは知りませんでした。父親がニューヨークの二流地区にあった低所得者用アパートを開発して、不動産がらみで成り上がったとあります。
 ホワイト・トラッシュ:白人のくず。
 黒人以下と評価される白人がいるそうです。アメリカ人白人労働者階級の平均寿命は短くなっているそうです。ドラッグ、アルコール、自殺が原因とあります。『絶望死』と示してあります。
 高学歴(大卒)と低学歴(大卒以外)に区別されて、分断があるそうです。
 エピデミック:ある地域で流行する現象。パンデミックが世界的大流行。
 低学歴アメリカ人から奪われたものとして、「機会(チャンス)」具体的には、働く機会、恋愛の機会、結婚の機会、子育ての機会、幸せな生活を手にする機会、自分らしく生きる機会が奪われた。
 アメリカ社会ではすべてが自己責任とされる。
 いままで黒人のことをばかにしていた白人が、黒人よりも低レベルの生活に落ちたことがショックなのです。トランプ氏に熱狂する理由がわかりました。
 日本では大学入学が人生のゴールになっている人もいます。大卒でも働いていない人はけっこういます。大卒でなくても収入や貯蓄が多い人もけっこういます。昔ほど学歴にこだわらなくなりました。高校卒業時に教育資金がなければ、お金を貯めてから大学に入ることもできます。
 
 読んでいると疲労感を感じる内容です。
 テロ行為の加害者家族は社会的制裁を受けることになります。本には、加害者の弟が自殺した話が掲載されていました。弟の言葉で「もう生きる理由がなくなった」とあります。

(つづく)

 全体を読み終えました。
 文字数が多かったことと、言葉の意味がすんなり頭に入ってこなくて苦痛であったこともあって、速読で流し読むように読みました。
 
 弄ぶ:もてあそぶ。読めませんでした。
 デリバティブ取引:金融派生商品。
 レバレッジ効果:少額の投資で大きなリターン効果が期待できる。
 平等な世界をもたらするものとして:戦争、革命、統治の崩壊、疫病などのその後。
 億万長者の割合として日本では、4080万世帯。7.4% 100世帯のうちの7.4世帯。けっこう多いのではなかろうか。
 カーボンニュートラル:炭素中立。二酸化炭素の排出量と吸収量を同じ量にして地球環境を保護する。2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする。
 SDGs:持続可能な開発目標

 日本には100万人を超えるひきこもりの人がいるそうです。
 ひきこもりの基準がわからないのですが、家で過ごす時間が多い人はけっこういるような感じがします。なんらかの環境で、経済的に自活して生活ができるのであれば、問題視しなくてもいいのではないか。

 ベーシックインカム支給:全員一律に毎月定額を支給する最低所得保障制度。なぜ?という疑問が先にきます。お金をもらうと国家に従う「義務」とか「服従」が発生するような不安が生じるのです。
 本の後半に書いてあることは極端で、自分には理解できません。

 結婚に失敗すると社会の底辺に突き落とされるとあります。母子家庭の貧困について書いてあります。
 自分も死別でしたが中学から母子家庭で育ちました。経済的に苦しくて、着る物(私服)がないのと、食事が粗食だったことが苦痛でしたが、あのときの苦労があったから今はこうして平穏無事に生活できているということに感謝する気持ちはあります。やはり、なにくそ負けてたまるかという気持ちがないと社会で体験する困難に打ち勝てません。

 「結婚して子どもを産んでもなにひとついいことがない」と言われると悲しい。子どもや孫の姿をみているとほっとするときが何度もあります。

 子ども家庭庁という組織ができるそうです。いじめ対策とひとり親家庭の対策に力を入れてほしいというのが世間の強い要望でしょう。
 いつも、いじめが原因で死ぬ人のニュースが流れると、いじめた人間はどこかで今も生きているわけで、どんな気持ちでいるのだろうかと考えることがあります。案外ケロっとしているのではなかろうか。当事者意識が薄い人はいます。

 この本では、お金のあるなしが幸せの基準です。
 自分は、自分の自由になる時間があるかないかが幸せの基準のような気がします。

 日本国内の新型コロナウィルス死者の数が、18,381人(2021年12月21日現在)
 
 世界的に人生を送ることが『無理』だという人が増加している。
 社会制度に管理されることが息苦しい。
 自分らしく生きるために共同体から離れていく。
 すべてのものは『流れ』の中にある。
 流れにのることが目的で、到着地としての目的地はない。
 未来映画の世界の風景を見るようです。
 人間の脳にコードが付けられて、脳内の世界だけで人間が生活していく。
 インターネットを使って、地球上のどことでもつながって活動していけるのです。
 『メタ知能』というそうです。

 最近読んだディストピア小説を読むようでした。(ユートピア小説の反対「一九八四年」「動物農場」ジョージ・オーウェル作品。「ハツカネズミと人間」スタインベック作品)
 こちらの本は『そこには悲しみも苦しみもなく、(たぶん)よろこびもないだろうが。』で結ばれています。
 背筋が寒くなりました。

 現在の日本の若者は超高齢者社会を負担に思っているそうです。
 最近読んだどの本だったのかタイトルを思い出せないのですが、「自分たち」と「あいつら」と定義して対立するのではなく、お互いの違いをお互いが理解して認めあう『共存』が人類全体の生存を継続する手段だという意見が書いてあり共感しました。  

Posted by 熊太郎 at 07:21Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2022年01月03日

東野・岡村の旅猿20 マグロの解体ショーへの旅

東野・岡村の旅猿20 マグロの解体ショーへの旅 動画配信サービス

 ロケ地は大阪から始まりました。
 ゲストは、ジミー大西さんです。
 岡村さんが、堺市に「マイ包丁」を買いに行くらしい。
 その前に、お好み焼き・やきそば屋さんで食事というか生ビールを飲んでくつろぎます。
 ジミー大西さんは距離を置いて見ると楽しい人です。
 店主の方もジミー大西さん似でまるくて大きい。
 体格が酷似しています。着ているものもふたりして黄色で合っています。
 自分は、お好み焼きは、自宅で焼くのが好きです。形は大きく大量にできます。
 映像で観るやきそばがおいしそうでした。甘めの味付けでしょう。

 三人で、お皿に絵付けの作業をします。
 岡村さんの絵がマグロ、東野さんがおもち、ジミー大西さんが、おさるさんの顔でした。

 岡村さんがマグロの解体で使用するマイ包丁を大阪堺市の店舗で購入します。
 切れ味がいいので、見ていてちょっと怖い。
 大きなクジラ包丁とか、包丁を何本かしまう包丁ケースというものを初めて見ました。岡村さんが勝った包丁は1本4万円もしました。

 ジミー大西さんが言った「よごれ」の意味:お笑いの世界で、芸人を揶揄する言葉(やゆ。遠回しに批判する)

 包丁に名前を入れるのはむずかしい。金属に、より固い金属で彫り込んでいるのでしょうが、岡村さんが初めてで、一発でやるのはむずかしい。(「村」の最後の点だけ本人が入れました)
 東野さんが購入した家庭用万能包も1本2万8000円でした。家宝になるでしょう。

 魚市場で食材を購入して、岡村さんは鯛(たい)の刺身、ジミー大西さんはパエリアをつくりました。ふたりともお上手でした。
 購入したのが、アオリイカ、鯛、ブリ半身、アシアカエビ、アサリにマグロでした。
 そのあと、地酒とスペイン原産の白ワインも酒屋で買いました。
 ピクニック、キャンプ気分です。

 岡村さんは、几帳面な性格が幸いして、大きな鯛をていねいにさばいておられました。包丁の切れ味が良すぎて、見ていて指や手を切らないかと心配しました。
 ジミー大西さんは豪快な素人(しろうと)手料理ですが、できあがりはとてもおいしそうでした。なかなかいい雰囲気でした。
 乾杯のときのジミー大西さんの音頭(おんど)『みなさん、バカみたいに高い包丁をこうて(買って)……』に笑いました。
 クックDさんの名前も出てなかなか楽しい。(料理好きなディレクターの愛称)

 企画としては、これでひとまず終わりで、いつかは岡村さんがマグロの解体に挑戦するようです。