2022年01月07日

第52回 ENEOS童話賞 作品集 童話の花束

第52回 ENEOS童話賞 作品集 童話の花束

 今年も応募して落選しましたが、作品集が送られてきたので読んで感想を記してみます。

 童話というよりも、年配の方のこどものころの思い出話が受賞するパターンがあります。
 「オシロイバナ」のことが書いてあります。昭和16年(1941年)の時代設定です。
 オシロイバナは、わたしも好きな花です。
 夏の夕暮れ時などに妖しく(あやしく。幽玄に)美しく花を開いています。
 紫色や赤い色、白い色の花があります。
 『命』のことを考えるお話でした。胸にじんときました。

 別の作品では、きつねが登場する新美南吉のようなお話が始まりました。
 愛知県の渥美半島あたり(電照菊)を想像しますが、作者は他県にお住まいの方です。
 母ぎつねを思う子ぎつねの愛情物語でした。気持ちがほっとできる絵が描いてあります。

 次の作品は、通学途中にある駅の伝言板がお話の素材です。
 読んでいる途中で、伝言相手のなっちゃんは、亡くなったのだろうかと心配します。
 そうではなかったので、これもまたほっとしました。

 掲載されているのは『命』をテーマにした作品が中心です。
 命を保つ。命を繋ぐ(つなぐ)

 こどもさんが書いた作品では、折り鶴がからんだ『そんだけ作りゃ一羽くらい飛んでくじゃろ。』のセリフが良かった。
 
 別のこどもさんの作品で、電車の話が出てきます。
 昭和時代の電車には、古い味わいがあっていいんだよねという男の子です。
 わたしの孫の男児が「じいじは蒸気機関車をぼくに勧めるけれど、ぼくは、新幹線のぞみのような超特急が大好きだ」と反発してきたことがあります。
 古くて人間味があるものが良いことだとちいさなこどもに押し付けるのは、年寄りの勝手な思い込みだと反省しました。
 中学生の部で優秀賞のこの作品の作者は、もしかしたらおとなに古い電車がいいものだと押し付けられたのかもしれません。それか、こどもだけれど、心もちはおじいちゃんなのかもしれません。

 もうひとつの童話は、お弁当のタコさんウィンナーのお話でした。
 おかあさんとけんかした中学生にタコさんウィンナーがからむのです。

この記事へのトラックバックURL

http://kumataro.mediacat-blog.jp/t146264
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません
上の画像に書かれている文字を入力して下さい