2022年01月17日

ドラえもん 第21巻~第25巻 藤子・F・不二雄

ドラえもん 第21巻~第25巻 藤子・F・不二雄 てんとう虫コミックス 小学館

 昭和50年代は、スキーが流行していました。スキーが、マンガの素材になっています。
 なんだか、あの頃、はやっていたもののいろいろなことが、今では衰退化してしまいました。
 冠婚葬祭を筆頭にして、何もしないことが、最近の当たり前のことになってしまいました。
 メリットもありますが、デメリットもあります。
 最近読んだ本の数冊に、資本主義のやり方がゆきづまっているというようなことが書いてあり、実感があります。

 マンガでは、景品の商品がグアム島旅行です。この頃、ハワイ旅行贈呈というのもはやっていました。
 最近は、そういったことは聞きません。

 未来世界のお話です。
 店員がいない衣料品店です。
 人間型ではありませんが、ロボットが対応します。
 現代の無人コンビニみたいです。

 あの頃はやったインベーダーゲームに出てくるような形の宇宙人がたくさん登場してきました。
 こうしてみると、このマンガの素材に、当時の流行が積極的に取り入れられていることがわかります。

 『クーラー』が出てきます。クーラーは冷やすだけの機器で、暖房機能はありません。この当時はクーラーが一般的で、冷暖房除湿が一台でできるエアコンはあまり見かけませんでした。

 シンジケート:このマンガでは、犯罪組織。ギャングの集まり。

 百科事典の訪問販売:そういう営業活動がありました。
 今では、国語辞典や漢和辞典で調べる人も少なくなりました。スマホやパソコンに話しかけるだけで説明が出てきます。
 あのページをめくる作業で、けっこう調べたい言葉以外の複数単語の意味暗記と調べる技能の習得ができたと思うのです。

 合成写真も出てきます。これもまた40年ぐらい前は珍しかった。
 合わせて、自撮りのことがマンガに出てきます。
 いろいろと未来を正確に予想したマンガの仕上がりとなっています。

 『メカ・メーカー』は、3Dプリンターのイメージがあります。

 出木杉くん(できすぎくん):勉強も運動もできる男子です。そういう子って実際にいました。

 ドラえもんのいいセリフです。『科学がすべてではない! 科学は人間の生活を豊かにしたが、同時に心をまずしくしたのではあるまいか!!』

 マンガ『ドラゴンボール』のようなシーンが出てきました。なんでもありです。
 マンガに出てくる『モンスターボール』はポケモンのモンスターボールともかぶります。
 
 敵に囲まれた様な状況で、ドラえもんが『くるならこい』のび太が『でもなるべくならくるな』笑いました。

 『うつしっぱなしミラー』は、現代のスマホで使用するビデオ電話です。

 あたりまえのことですが、登場する人物たちは歳をとらない。
 何年連載していても、ずっと同一学年です。

 『大あばれ、手づくり巨大ロボ』マジンガーZ(ゼット)というマンガを思い出しました。

 マンガを見て、雑誌に文通欄というのがあったなあと思い出しました。
 雑誌に住所氏名を公表して文通相手を募集していたわけで、今ではそんなぶっそうなことは考えられません。これもまたSNSに形を変えて残っているわけですが、人間の志向は、年月が経っても変化がないようです。

 『おりたたみハウス』が素敵でした。紙を広げると家になります。ロマンチックです。暖炉があって、窓の外は海の景色です。夕日が水平線に沈んでいきます。

 ドラえもんの声をしていた大山のぶ代さんのお名前が出てきました。
 そういえば、最近、よく似た声の一般女性が、村上信五とマツコ・デラックスのテレビ番組『月曜から夜ふかし』に出ておられました。

 土を入れたプラスチック製の小型水槽にアリを飼うシーンが出てきます。
 自分もこどものころ、そうやってアリを観察したことがあります。
 迷路のような穴の通路をプラスチックごしにみることができると予想しましたが、プラスチック面に沿ってもぐるように通り道をつくってはくれませんでした。
 マンガでは、蟻地獄という虫も出てきます。自分も山で蟻地獄をつかまえて、自宅の庭に放したことがあります。そのあとどうなったのかは記憶が残っていません。

 家ごと動く電車です。のび太の家がブルートレイン(寝台車)になります。夜通し走る長距離列車ブルートレインにはよく乗りました。新幹線はまだ岡山県あたりまでしか路線がありませんでした。高校生の時の修学旅行でもブルートレインを利用しました。新幹線網が発達して、国内線航空網も広がったので、今はもうブルートレインは廃止されました。ちょっとさみしいけれどしかたがありません。

 マンガの時代設定は、1982年(昭和57年ごろ)となっています。
 
 松田聖子さんとか、田原俊彦さん、近藤真彦さん、河合奈保子さん、キャンディーズなどをモデルにしたキャラクターが登場します。
 浦島太郎を素材にしたお話があります。
 玉手箱を開いて、いっきに歳をとってしまったような現実が、読後感にあります。
 『とつぜんですが、みなさんにおしらせがあります。わたしたち解散します』アイドル歌手キャンディーズです。その後、女優になったスーちゃんは、病気でご逝去されました。しみじみしました。

 そうか、しずかちゃんの氏名は『源静香(みなもとのしずか)』だったのか。
 静御前からきているのでしょう。(しずかごぜん。源義経(みなもとのよしつね)の恋人)
 しずかちゃんの氏名を初めて知りました。
 のび太の結婚前夜のマンガがあります。
 翌日、のび太と結婚式をあげるしずかちゃんが、ご両親とお別れをします。
 自分の娘のときを思い出して、ほろりときました。  

Posted by 熊太郎 at 09:55Comments(0)TrackBack(0)読書感想文