2022年01月24日

しんぱいなことがありすぎます! 工藤純子・作 吉田尚令・絵

しんぱいなことがありすぎます! 工藤純子・作 吉田尚令(よしだ・ひさのり)・絵 金の星社

 なかなかいい本です。
 今年読んで良かった1冊でした。
 小学1年生向けの本です。孫にプレゼントします。

 出てくるのは、ともに小学1年生の「ももっち(もも)」と「かずま」です。
 ももっちは心配性(悲観的)で、かずまは大物です。(おおもの。鈍感。おおらか。気にしない。楽天的)

 絵が優しい。

 学校に行く時に、なにか忘れ物をしないかと心配するももです。
 いる物もいらない物も、全部をランドセルにつめこみます。
 いっぽう、教科書類は、学校に全部置きっぱなしにしてあるので、忘れ物はしないよと、がっはっはーと笑うかずまです。
 ランドセルには筆箱しか入っていません。(だいじょうぶ。それでも、十分この世は生きていけるよ(おじいさんである自分からの声援です))

 そのあとも、かずまのおおらかさが光ります。

 ももにとってのピンチ(危機)は、かずまにとっては、ピンチではありません。
 お笑いのときもあります。

 かずまは、お笑いコンビ「オードリー」の春日俊彰さんみたいです。(かすが・としあきさん。先日読んだ相方の若林正恭さん(わかばやし・まさやすさん)の本に、漫才の台本書きをする若林正恭さんが好きな芸術家岡本太郎さんの大阪万博展示物「太陽の塔」をイメージして、春日俊彰さんのキャラクターをつくったと書いてありました)

 学校帰りに、ももの顔が、川岸に設置してある柵(さく)の間にはさまって、ぬけなくなってしまいました。
 ももは、絶体絶命のピンチです。
 かずまは、うろたえません。
 堂々としています。
 ここからお話は、オードリーの漫才のようになっていきます。
 
 ふたりともが心配性だったら、この世はこの先真っ暗です。
 ふたりともが楽天家だったら、さきざき崩壊家庭になってしまうかも。
 ひとりひとりが違うから、互いに足りないところを補い合って、カップルはうまく回っていくのだと思いたい作品でした。  

Posted by 熊太郎 at 07:09Comments(0)TrackBack(0)読書感想文