2020年03月23日
高齢者に「キレない」技術 川上淳子
高齢者に「キレない」技術 川上淳子 小学館
いわゆる「老害」への対応のしかたの本だろうかと読みましたが、そのことに対するずばりのものではなく、どちらかといえば、相手よりも自分を変えるという内容の本でした。
第1章から第4章まであります。
第1章が、怒りのしくみ
第2章が、「家庭でのこと」
第3章が、「看護・介護の場面で」
第4章が、実践的な技術について
わかりやすく、読みやすいレイアウトと文章表現です。
超高齢者になると、なにをやっても許される年齢という感じになります。責めを負ってもらおうとしても、高齢であるがゆえに、どうしようもないということもあります。無理をすれば、こちらのほうが、いろいろと負担をしなければならず、困り果てる現状があります。されどだれもが加齢を避けることはできません。今は介護する立場の者でもいずれは介護される立場の側になるのです。
世話をする方が、自分の心をコントロールする。
相手を知るのではなく、まずは、自分の怒りのパターンを知る。
自分のアンガー(怒り)を自分でコントロールしていく。
相手の心持ちをコントロールすることはなかなかできないから。
人生100年時代です。
『なになにすべき』が、平和な関係をつくるうえで障害になるそうです。
納得しました。
怒りを抑えるために心の動きを休めることもひとつの方法であると悟りました。
読んでいて、これは、高齢者だけの対応に限るのではなくて、一般的に攻撃的な人に対する対応にも共通すると気づきました。
家庭内暴力、虐待、親族間の殺傷、職場のパワハラなどにも通じます。
今年読んでよかった1冊です。加害者の側に立つ人も読んだ方がいい。NGワードは、テレビでコメントをする国会議員がよく使う言葉です。「ちゃんと、しっかり、きっちり」
そして、つい言ってしまいがちな言葉が、「どうして」です。
複数回読みなおしたほうがいい本です。
高齢者の話の特徴として、同じ自慢話を同じ人に何度も繰り返すとあります。付け加えて、
損得勘定に厳しい。
特別扱いしてほしい。
なにがなんでもやってもらいたい。
プライドが高い。
本人がきちんとやっているように見えるけれど、実は、やれていないということもあります。
がんこなどもあります。
『過去のことを持ち出して相手を叱らない』には、共感します。過去の出来事をいまさら変えることはできません。不十分なことがあったとしても、その時のことを思い出すと、いつだって一生懸命だったということはあります。親を責めてもしかたがありません。
運転免許についていえば、返納しなくても、運転しなければいいだけのことだと思うのです。
書中にあるように、人を変えることはできそうでできません。人を変えることをあきらめて、こちらがやり方を変えたほうが、こちらのストレスが小さく済むのでしょう。
『協調』が主体の内容を読みながら、映画「男はつらいよ」では、フーテンの寅さんを中心におきながら、親族一同で、言いたいことを言い合って、衝突したのちに仲良くなるのですが、もうそういう時代は終わっているのだろうという感想をもちました。
『強制』は、×です。
事例を提示しながら、How To(どのようにやるのか)が紹介されています。
ほめる技術が必要です。相手をきげんよくします。
看護や介護のシーンで、ついカッときて事件が起こっています。看護者、介護者のストレスは大きい。
相手をどうするかではなく(どうしようもないから)、自分はどうしたらいいのかを考えるというコツです。
6秒間がまんする。
なぜ怒れたかの記録をとって、自分はどうしたらよかったのかと自分を説得して慰めるとあります。
高齢者は、思いどおりにならないと、大声を出してあばれる。脳の働きが低下して、幼児にかえるのだなと神妙な気持ちになりました。自分が大事にされないと怒る。本人のあきらめも必要ではないか。少子高齢化のいま、お世話をする人の人数のほうが少ない。高齢者も自分のことはできるだけ自分でするという自立意識が必要だと読んでいて感じました。
読みながらいろいろ考えるのですが、サービスもゆきすぎると、世話をする人の側がメンタル病にならないかと心配になります。
高齢者が何度も同じ自慢話を繰り返すのは、もう終わった過去の栄光しかない。未来への夢がないということがあります。
文句ばっかりを言う人は結局幸せにはなれません。
高齢者なのだから仕方がないとあきらめる。
相手と真正面から向かい合っても解決できないこともある。
女性の体にさわりたがる高齢者男性の頭の中は、おっぱいでいっぱいなのでしょう。あかちゃん返りのようです。なにか、満たされないものがあるみたいです。
仕事をしていてイヤなことがあると、たいていは、『お金のため』で割り切ります。なにかしら見返りがあれば怒りを押さえて、人の世話をすることに耐えられます。
書中にあるように、加齢で体力がなくなってきていて、しゃべるのがめんどうになる(正確には脳で考えることがしんどくなる)ことはあります。疲れやすくなります。おいしいものを食べて、ぐっすり眠ってもらうのがいいような気がします。
いわゆる「老害」への対応のしかたの本だろうかと読みましたが、そのことに対するずばりのものではなく、どちらかといえば、相手よりも自分を変えるという内容の本でした。
第1章から第4章まであります。
第1章が、怒りのしくみ
第2章が、「家庭でのこと」
第3章が、「看護・介護の場面で」
第4章が、実践的な技術について
わかりやすく、読みやすいレイアウトと文章表現です。
超高齢者になると、なにをやっても許される年齢という感じになります。責めを負ってもらおうとしても、高齢であるがゆえに、どうしようもないということもあります。無理をすれば、こちらのほうが、いろいろと負担をしなければならず、困り果てる現状があります。されどだれもが加齢を避けることはできません。今は介護する立場の者でもいずれは介護される立場の側になるのです。
世話をする方が、自分の心をコントロールする。
相手を知るのではなく、まずは、自分の怒りのパターンを知る。
自分のアンガー(怒り)を自分でコントロールしていく。
相手の心持ちをコントロールすることはなかなかできないから。
人生100年時代です。
『なになにすべき』が、平和な関係をつくるうえで障害になるそうです。
納得しました。
怒りを抑えるために心の動きを休めることもひとつの方法であると悟りました。
読んでいて、これは、高齢者だけの対応に限るのではなくて、一般的に攻撃的な人に対する対応にも共通すると気づきました。
家庭内暴力、虐待、親族間の殺傷、職場のパワハラなどにも通じます。
今年読んでよかった1冊です。加害者の側に立つ人も読んだ方がいい。NGワードは、テレビでコメントをする国会議員がよく使う言葉です。「ちゃんと、しっかり、きっちり」
そして、つい言ってしまいがちな言葉が、「どうして」です。
複数回読みなおしたほうがいい本です。
高齢者の話の特徴として、同じ自慢話を同じ人に何度も繰り返すとあります。付け加えて、
損得勘定に厳しい。
特別扱いしてほしい。
なにがなんでもやってもらいたい。
プライドが高い。
本人がきちんとやっているように見えるけれど、実は、やれていないということもあります。
がんこなどもあります。
『過去のことを持ち出して相手を叱らない』には、共感します。過去の出来事をいまさら変えることはできません。不十分なことがあったとしても、その時のことを思い出すと、いつだって一生懸命だったということはあります。親を責めてもしかたがありません。
運転免許についていえば、返納しなくても、運転しなければいいだけのことだと思うのです。
書中にあるように、人を変えることはできそうでできません。人を変えることをあきらめて、こちらがやり方を変えたほうが、こちらのストレスが小さく済むのでしょう。
『協調』が主体の内容を読みながら、映画「男はつらいよ」では、フーテンの寅さんを中心におきながら、親族一同で、言いたいことを言い合って、衝突したのちに仲良くなるのですが、もうそういう時代は終わっているのだろうという感想をもちました。
『強制』は、×です。
事例を提示しながら、How To(どのようにやるのか)が紹介されています。
ほめる技術が必要です。相手をきげんよくします。
看護や介護のシーンで、ついカッときて事件が起こっています。看護者、介護者のストレスは大きい。
相手をどうするかではなく(どうしようもないから)、自分はどうしたらいいのかを考えるというコツです。
6秒間がまんする。
なぜ怒れたかの記録をとって、自分はどうしたらよかったのかと自分を説得して慰めるとあります。
高齢者は、思いどおりにならないと、大声を出してあばれる。脳の働きが低下して、幼児にかえるのだなと神妙な気持ちになりました。自分が大事にされないと怒る。本人のあきらめも必要ではないか。少子高齢化のいま、お世話をする人の人数のほうが少ない。高齢者も自分のことはできるだけ自分でするという自立意識が必要だと読んでいて感じました。
読みながらいろいろ考えるのですが、サービスもゆきすぎると、世話をする人の側がメンタル病にならないかと心配になります。
高齢者が何度も同じ自慢話を繰り返すのは、もう終わった過去の栄光しかない。未来への夢がないということがあります。
文句ばっかりを言う人は結局幸せにはなれません。
高齢者なのだから仕方がないとあきらめる。
相手と真正面から向かい合っても解決できないこともある。
女性の体にさわりたがる高齢者男性の頭の中は、おっぱいでいっぱいなのでしょう。あかちゃん返りのようです。なにか、満たされないものがあるみたいです。
仕事をしていてイヤなことがあると、たいていは、『お金のため』で割り切ります。なにかしら見返りがあれば怒りを押さえて、人の世話をすることに耐えられます。
書中にあるように、加齢で体力がなくなってきていて、しゃべるのがめんどうになる(正確には脳で考えることがしんどくなる)ことはあります。疲れやすくなります。おいしいものを食べて、ぐっすり眠ってもらうのがいいような気がします。
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