2020年03月25日

カッコーの巣の上で 洋画DVD

カッコーの巣の上で 洋画DVD 1976年公開

 有名な映画ですが初めて観ました。いい映画でした。今年観て良かった1本です。
 精神病院入院病棟が扱われています。昨年は邦画の「閉鎖病棟」を観ました。暗い内容でした。「カッコーの巣の上」では、みんなで魚釣りに行くあたりが心温まる喜劇で笑えましたが、最後のほうはやっぱり暗くなりました。もっとも、主人公は、懲役刑の労働をまぬがれるために、病気ではないのに病気のふりをしているわけですから制裁が下ってもしかたがないというあきらめもあります。ただ、その当時の時代を反映しているようで、今では許されないようなかなりきついお仕置きがありました。恐怖のホラー映画です。時代背景は、1963年頃となっています。映像はかなり古い。

「カッコーの巣の上で」というタイトルの意味:カッコーは托卵(たくらん)します。よその鳥の巣(映画では精神病院入院病棟)で自分の卵を産んで、よその鳥に卵を温めてもらい、かつ、子を育ててもらいます。今回の映画では、精神障害者の鳥の巣の中に、精神障害者のふりをした服役囚の主人公が入り込みます。

良かったセリフなどとして、
「役にも立たないが、害にもならない」
「努力はした。チャレンジはした」
「今は変人じゃなくて、釣り人だ」
船の操縦士という役割をあてがうことで喜びを感じてもらう。
「ぼくはちいさなこどもじゃない」
強制では、人間は言うことをきかない。
「こんな姿のままでは残してはいかない。いっしょに行こう」

 入院病棟の閉鎖社会に風穴を開けようとする精神障害者のふりをした主人公マック(登場人物名は、ランドル・パトリック・マクマーフィ)です。
 彼は病棟内に、「民主主義」を築こうと努力します。しかし、看護婦長を中心とした権力者たちの前に改革は行き詰まります。
 何もなかったことにされる。異端児ははじきとばされる。最後はあまりにも苦しくて、逆に、笑うしかありませんでした。主人公が消滅して、いっきに主題が脇役に飛びます。夢をみているようなお話でした。


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