2019年09月30日

タヌキくんたちとの思いがけない出会い

タヌキくんたちとの思いがけない出会い

散歩をしていたら、たまたま子ダヌキくんたちと遭遇しました。
ちっちゃくてかわいい。
以前訪れたことがある東京明治神宮の境内(けいだい)で見たタヌキを思い出しました。







  

Posted by 熊太郎 at 05:32Comments(0)TrackBack(0)愛知県

2019年09月29日

カモフラージュ 松井玲奈

カモフラージュ 松井玲奈(まつい・れな) 集英社

 1本が40ページぐらい、6本の短編集です。タレントさんですが、わたしは知りません。
 カモフラージュ:カメレオンのように目立たないようになる。

「ハンドメイド」
 タイトルは、お弁当や料理の手づくりを指します。
 恋愛物語です。純文学系で、セクシーな部分もあり、書くことの覚悟があります。あきこさん24歳の恋です。
 彼氏はいますが、彼氏には妻子があります。未来が見えてこない恋愛です。本当に両想いなのだろうか。
 あきこさんは、ビー玉が上からふってくる夢をみます。
 男性からいえば、女性は怖い。女性とは平行線の部分あり。
 気に入った表現として、「少女と女性の区切り」
 調べた言葉として、「チェキ:インスタントカメラ」、「拗ねて:すねて」

「ジャム」
 シュールレアリスム(超現実主義、現実無視)の世界です。
 何が書いてあったのかはわからないけれど、読み終えると悲しい気持ちになる作品でした。
 小学生らしき健太が主人公で、健太の視点で、ひとり語りが続きます。
 健太自身は死んでいるのではないかと最初思いましたが生きていました。
 読んでいて、作品に対して、「わからない」という距離感をもちます。
 いやだと思った表現として、「嘘を吐く(嘘をつくでいいのではないか)」、あわせて、嘔吐状況の表現。
 作者が、小学生男児になって、言葉をつないでいますが、小学生男児よりも小学生女児の設定のほうがよかった。
 どんな病気なのかが、わかりません。

「いとうちゃん」
 読み終えるとなんだか悲しい気持ちになるのがこの作者さんの作品の特徴です。
 本作品の冒頭にある野球でもサッカーでもどっちでも関係ないという部分は、そんなふうに人間は考えないと違和感を覚えました。
 群馬から東京へ夢をもって出てきた高校出たてのいとうちゃんは、ストレス解消のためにたくさん食べて太ってしまいました。太ったことで、働いているメイド喫茶の職場でうとまれます。
 やせればいいだけなのに。
 読んでいる途中ですが、いまのところ、なにも感じません。
 「佐々木さん」にささきとふりがながふってあるのはどうしてだろう。ふる必要がありません。
 気に入った表現の趣旨として、「どうして、東京に出てきてしまったんだろう」
 作品『不思議の国のアリス』がベースに流れています。
 最後のからくりには、納得できました。
 調べた言葉などとして、「カモミール:キク科の1年草。ヒメジョオンみたい。花言葉は逆境に耐える力ですから本作品の主人公いとうさんに通じます」、「パフスリーブのシャツ:肩・そでをふくらませたもの」、「チェキ:インスタントカメラ。メイドさんと有料で一緒に写るということだろうか」、「ミューズ:女神」、「コンセプチュアル:考え方の」、「ジンジャーブレッドマン型のクッキー:人型のクッキー」

「完熟」
 作品の冒頭付近では、体言止め(語尾を名詞で止める)がこの作者さんの特徴です。
 15歳の男子がいて、彼より3~4歳、年上の女性がいる。そのあたりの文脈に違和感をもちました。女性はまだ、18歳~19歳なのに、文脈は、熟女の雰囲気です。
 桃を食べる動作の表現はなにかしら変です。
 アニメのようで、そうではない、独特の雰囲気があります。
 突然、時代が、20年経過しました。びっくりしました。さらに、登場人物が女性に転換しました。
 桃女のことは、現実の出来事とは思えません。
 先が見えません。
 「夫の心がどこか遠くへいってしまう」とあります。
 読者に考えさせる作品です。

「リアルタイム・インテンション」
 インテンション:意図、意思、計画、目的
 飲むと本音が出る『本音出汁(だし)』
 帽子男のエム、メガネのルーペ、大柄なクマという三人の男が、どうもネット配信の動画に出て稼いでいるふうです。
 おもしろそうではあります。でも、前半は笑えません。
 全体的に、芸能人の大変さがアピールされている印象です。私生活を監視される。顔が見えないネットの視聴者に猛攻撃される。
 映像に登場している人物の不平不満について理解できる部分があります。
 次々と出てくるからくりはおもしろい。
 ラストの意味深さもいい。
 調べた単語などとして、「プラシーボ:偽薬効果」、「ガジェット:小さくて珍しい携帯用機器」、「バズる:SNS上で口コミが広がる」

「拭っても、拭っても(ぬぐっても、ぬぐっても)」
 途中、自分には合わない作品だと思い、流し読みに変えましたが、最後まで読んでみて、6本のなかでは、一番読み終わったあとの明るい感じが良かったと思いました。
 調べた単語として、「マツエク:まつげエクステンションの略。まつげにエクステンションというものを接着剤で装着する」、「人間の三大欲求(食欲、睡眠欲、性欲)」、「リクター:議事録?」  

Posted by 熊太郎 at 06:09Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2019年09月28日

太川&蛭子旅バラ ローカル鉄道寄り道旅 鹿児島~熊本

太川&蛭子旅バラ ローカル鉄道寄り道旅 鹿児島~熊本198km テレビ番組

 蛭子さん語録「ヒサツ(肥薩)のサツは、お札の札(考えているのはいつもお金のこと)」、「(ハートの形をした岩を見て、その向こうに)ちちくびの岩が見える(乳首)」、「(2時間待ちと聞いて)マージャンでもやろうか」
 ゲストの松井珠理奈(まつい・じゅりな)さんの「かわいい」の連発。
 結局定刻までにゴールはできませんでしたが、道中の風景は珍しいものもあり楽しみました。日本は、どこに行っても海がきれいで、食べ物がおいしい、天国みたいな国です。1本80円のちくわで幸せな気分になれたら最高です。
 おばあさん手づくりの卵6個をつかった卵焼きがおいしそうでした。
 鳥刺しという、ニワトリ肉の刺身は初めて見ました。
 100円(町民)200円(町民以外)で入れる共同温泉浴場。しかも、自分で、お金をカンカンに入れる方式(信用主義)
 夕日がきれいな海岸。
 三人ともたいそう疲れたことと思います。お疲れさまでした。  

2019年09月27日

出川哲朗の充電バイクの旅 大分県鶴見崎~佐賀関

出川哲朗の充電バイクの旅 大分県鶴見崎~佐賀関(さがのせき) テレビ番組 関東地方5月放送分

 前半と後半がありましたが、後半だけを見ました。それでも十分楽しめました。
 番組を観ていて思うのは、日本は、どこに行っても海がきれいです。海水がすきとおっていて、美しいブルーが水平線まで続いています。日本各地の海岸線は、どこに行っても絶景ありです。
 最初は、マグロ料理で、津久見というところです。高校野球が強かったところという記憶が頭に浮かんだところで、やはり、番組内でも野球の話が出ましたが、今は、地元のプロサッカーの話題のほうが新しいようです。
 そして、どこへ行っても、「てっちゃーん」の地元の人たちのお迎えがすごい。人も多い。子どもたちが多い。番組をみている人間がいい気分になれる記念撮影風景に十分時間をとってくれます。
 地元の床屋さんで、ゲストの関根勤さんが、顔そりをした部分がおもしろかった。
 ホテルや旅館に泊まらず、民泊で、地元の人の家に泊まって、そこのお孫さんたち(娘さんふたりとも国際結婚でハーフのこどもたち)とスタンドバイミーのコーラスをしたのも楽しかった。
 セメント工場群は、絵画を描くのにいい風景です。
 臼杵で、グローブのKEIKOさんの実家(立派な料亭)でフグ料理を食べるのですが、おいしそうでした。地元の有名人は、街じゅうの自慢であることが、近隣の人たちとの交流でよくわかりました。
 関サバ(この日は海が荒れていたので豊後サバ)に立ち寄ったので目的のゴールまでいけませんでしたが、ゴールにたどりつくよりも、人と交わったほうが見ていて楽しい。ゴールは旅するためのめやすでいい。  

2019年09月26日

北の国から‘89 帰郷 DVD

北の国から‘89 帰郷 DVD

 黒板純も螢も大きくなりました。
 純は東京へ。自動車整備会社で働きながら定時制高校へ通っていますが、いろいろ問題があります。転職3回目。髪は赤く染めて、バイク大好きです。
 螢は旭川市内の肛門科病院で看護学校に通いながら看護師になるための実習を受けています。 五郎さんは、螢とふたり暮らしで、車で駅まで、娘の送迎をしています。

 蛍は彼氏ができますが、患者と看護師、ドラマでは、そういう出会いってあります。ほのぼのカップルです。

 東京の純のほうは荒れています。ちょっと無理やりな脚本ではありますが、役者さんたちは、体当たりの演技をしてくれています。
 純の「オレは不良じゃない。赤い髪とかは、センスの問題だ」、なんとなく、この春に無差別殺傷事件があったときの犯人のセリフ「オレは、ひきこもりじゃない」という言葉を思い出しました。
 純が、富良野からの旅立ちのときに父親からもらった泥の付いた日付記入の1万円札2枚を盗まれて、傷害事件を起こすわけですが、いまは、キャッシュレスの時代、電子マネーの時代になりました。お札の日付にある1987・3・21のときには、キャッシュレス化は予測もできなかったことです。
 電話をかけるのに「100番通話(電話機を人さまから借りたときにダイヤルする。交換手が相手とつないでくれる。電話終了後、交換手が電話をかけてきて電話料金を教えてくれるので、電話の持ち主に電話料金を払う)」もなつかしい。
 純が解雇されて東京から帰郷します。富良野の人たちは心あたたかい。若い頃不良で番長だった4人が、純の赤い髪を黒く染めなおします。いい雰囲気でした。

 螢はいるも旅立つ人を見送る人です。
 
 黒板五郎が息子の純を慰めます。「(転職ばかりのことについて)しかたがないんじゃないか。これは、家系だ。気にするな」

 大里れいさんと純の再会は、個人情報保護がやかましくなかった当時だったからできたことです。

 黒板五郎の良かったセリフとして、「死んだ女房は、いい女でした」

 人生の浮き沈みの波が見えるようでした。  

2019年09月25日

いるいないみらい 窪美澄

いるいないみらい 窪美澄(くぼ・みすみ) 角川書店

 お気に入りの作家さんです。5本の短編があります。どうも、子どもを産む産まないの選択がテーマになっています。そして、どちらかといえば、産みたくない女性が主人公です。

「1DKとメロンパン」
 35歳既婚、堀知佳さん、子どもを産みたくない願望があります。理由は、子育てがめんどくさい(子どもは親の言うことをきかないからとか保育園がみつからないとか、夜泣きとか)。母親や妹(もうすぐ出産)からのプレッシャーはありますが、夫の知宏さんからの要望はありません。
 おもしろい記述の趣旨として、「自分はもてる女ではなかった。自分に興味をもってくれる男子がいなかった」、「女子ばかりの女子高では恥ずかしいことがなかった」、「自分も夫もまだこども」
 堀知佳さんの妹佳奈さん夫婦に赤ちゃん誕生です。知佳さんのだんなさんがこどもを欲しくなります。でも、知佳さんはいらない。厳しくて重い雰囲気です。夫婦というのはやはり同じ未来志向がないと続けるのは苦しい。書中にあるのは、「妊娠、出産まではできても、その先が見えない」という女性の不安です。
 問題提起の作品です。こどもを望まない親のもとに生まれる子どもはかわいそうです。不幸ともいえます。

「無花果のレジデンス(いちじくの高級アパート・マンション)」
 読後感のいい作品でした。
 イチジク無花果のタイトルを見ながら、内容は夫婦のうちの男性に問題ありで妊娠がしにくい話なので、男性の立場を表した単語なのかなとかんぐりながら読みましたが、逆にこどもができるほうの果実でした。
 ふたつのシーンが同時進行していきます。主人公宮地睦生(みやち・むつお)の先輩牧村が突然死します。(無呼吸症候群だろうと思いました)牧村夫婦には、こどもがいません。もうひとつは、宮地夫婦のうち、妻が子を望みますが、夫はどうもこどもが好きではないようすです。
 実体験として、歳をとって思うには、「孫を抱きたいから子をつくったのかもしれない」ということがあります。父さんとも母さんとも呼ばれることのない人生という趣旨の部分を読んでいてそう思いました。
 違和感を表すのに、「微妙にサイズの違う靴を履かされているような」は、絶妙です。
 調べた言葉として、「ED:たたない」
 主人公宮地睦生は、亡くなった先輩の奥さん牧村千草に、二十歳のときに亡くなった自分の母親を重ねています。
 じんときたセリフとして、「子どもには縁がなかったのね」
 淋しさから逃れるために、「転居」という変化をしてみることはいいことだと思いました。

「私は子どもが大嫌い」
 胸に何かが突き刺さる短編です。直木賞候補になった「トリニティ」より、こちらの本のほうが出来がいい。どうすることもできない自分の運命があります。
 子どもが嫌いな理由の種明かしがあるのですが、ここには書きません。
 36歳女性茂斗子(もとこ)さん、女子高を出て就職して以来、好きになった男性も好きになってくれた男性もいない。独身用マンションは両親の所有で、1階に両親、自分は最上階の4階に住んでいる。36歳といえば、昔なら小学生のこどもが複数いてもおかしくない年齢です。
 子どもがぐずっているのに、スマホをいじっている親に対する敵意から始まります。
 子どものいる知人がうとましい。ただ、ラインで子どもの写真を乗せる人は淋しいから注目してほしいという願望が底辺にあるのではないかと思いながら読みました。
 独身専用のマンションに子どもの泣き声が響きます。そこからが物語の本当の始まりです。
 主人公と泣く少女の母と、人のせいにして自分の正しさを保とうとする人間の苦しさがありました。少女の母親は、なぜ、世話してくれた相手にありがとうと言えず、逆に攻撃してしまうのだろうか。ねたみ、同情に対する反発があります。

「ほおずきを鳴らす」
 ほおずきの鳴らし方を知らないと思いながら読んでいたら鳴らし方が出てきました。ただ、読んでも実感がわかないので、YouTubeで見て、わかりました。それから文章を読んだら理解できました。
 タワーマンションに1DKがあることも知りませんでした。ファミリー向けの間取りだけだろうと思っていました。
 勝俣博嗣(かつまた・ひろつぐ)54歳、離婚歴あり。子、今はいない。製薬会社課長職のお話です。若い女性との出会いがあります。
 読みながら人間は未熟と思います。学習するには負の経験がいります。しかたがありません。
 子どもに関する悲しくてつらい過去があります。過去をひきずりながら生きることは苦しい。
 分かれた妻が「同志」であるという言葉に伝わって来るものがありました。
 ほんとうのようなうその話だと思います。
 死の順番が逆なのはけっこうつらい。
 最後まで読んで、ここまで話をふくらませなくても、途中までで十分心に響いたという感想をもちました。
 「マゼンダ色の芍薬:しゃくやく。明るく鮮やかな赤紫色のしゃくやく」、「梅雨寒:つゆざむ。梅雨時にある寒い日」、「俗物:ぞくぶつ。欲に心を奪われているつまらない人」

「金木犀のベランダ(きんもくせいのベランダ)」
 金木犀:秋に小さいオレンジ色の花が咲く。甘い強い香り。
 パン屋さんを営む子どもがいないご夫婦のお話です。売れ残りのパンを養子にたとえます。奥さんは捨て子で施設育ちです。
 メロンパンにこだわりあり。メロンパンは、全世代に受けるそうです。
 良かった表現の趣旨などとして、「家族というわっかにつながった」、「(年配女性の言葉として)若い頃は生き生きしていたけれど今は年金暮らしのひとりぼっち。戦後で年頃の男性がいなかったから結婚しなかった」、「昔は、結婚と仕事、ふたつを手に入れることは難しかった」
 結末まで読んで、淋しいと感じる人と、幸せと感じる人と、ふたとおりあるような気がしました。
 メランジェ:小粒で種なし干しブドウとくるみを混ぜて焼き上げたとありますが、よくわからないので、ネットで調べました。ブドウパンだと思いました。
 最近気づいたのは、結婚してもしなくても、こどもがいてもいなくても、こどもが巣立てば、最後はだれでもひとりになるということです。そうなったときに同じ舞台に立ってお互いに友だち同士になれるような気がします。  

Posted by 熊太郎 at 06:35Comments(0)TrackBack(0)読書感想文