2019年09月03日

こんな夜更けにバナナかよ 邦画DVD

こんな夜更けにバナナかよ 邦画DVD 2018年公開

 筋ジストロフィー(筋肉が徐々に壊れていく)の男性、障害者の暮らしが土台です。実話です。映画は、ラブストーリーをからめて、人生を考えるヒューマンな面、治療に取り組むドキュメンタリーな部分が重ねてあります。いい映画でした。今年観て良かった1本です。ラスト近くにある、とあるシーンは最高でした。

 始まって、11分経過したところぐらいで、最後には亡くなることで、涙を誘う映画になるのだろうと予想します。

 1994年札幌から始まります。感じの悪い、いばった、わがままな車いす障害者(大泉洋さん演技)鹿野靖明氏が登場します。12才の時に命が20歳までもたないといわれたが、34歳です。
 ボランティア関係者となった安藤美咲さん(高畑充希さん)が彼に叩きつけた言葉が、彼という人間の表面を表しています。「あなたは何様なのか」、「障害者だったら何を言ってもいいのか」、「障害者ってそんなに偉いのか」、「わがまま勝手をいつまで許すのか」
 エロ関係事項が話をつないでいきます。全身入浴介助における大泉さんのジョン君の存在、次にエロビデオを観ないといられない男性生理現象、それから、「おっぱい」
 前半までの感想は、「事象としてはあまりない奇抜すぎる内容」というものでした。
 障害者の悲しみがにじみ出てきます。だれかの手を借りないとできないことだらけ。人の助けを借りる勇気がほしい。
 「おはよう」のシーンが良かった。すごい!と声がもれました。何のために生きるのか。生きている喜びを味わうために生きている。病院に閉じ込められて死んでいくのはイヤだ。病院は長く居る場所ではなく、一時的な滞在地でありたい。
 ボランティアを讃える映画でもあります。
 気に入った表現として、「ロックな鹿野靖明」、「本音で話せよ。正直に生きろよ。たくさんケンカして、傷つけあって、ようやく、お互いを理解できるようになりました。みんなに出会えて良かった。みんなのおかげでボクは生きていられます。ありがとうございました」、あいさつが良かった。
 学歴詐称をする安藤美咲を演じた高畑充希さんが良かった。演技を感じさせない自然な姿でした。「あ…ん」とか、「うぃ」とか「おぅ」などの言葉にならない発音が良かった。右手で田中くんの左側を叩いたところも良かった。
 心優しい映画でした。名言として、「人はできることよりもできないことのほうが多い」、「男同士の秘密」、「君とずーっといっしょにいたい」、「手をかしてください」、「アメリカに行くと新しい自分に出会える」、「(母親の言葉)ばか息子」
 大泉洋さんは障害者の役をうまく演じられていました。