2019年01月07日
東野・岡村の旅猿 岩手県朝ドラロケ地巡りの旅と鴨川小湊忘年会
東野・岡村の旅猿 岩手県・久慈朝ドラロケ地巡りと千葉鴨川小湊忘年会DVD2013年平成25年
DVD2枚です。なにかしら温かい雰囲気が伝わってくる内容でした。
仕事をしていたので、「あまちゃん」は観たことがありません。
ゲストの蛍原徹(雨上がり決死隊)さんも観たことがないということで、番組内でほかのふたりと話が噛み合いません。むしろ、プロ野球が好きで、番組の趣旨から離れた発言が多い。彼には予習が必要でした。むしろ、番組の中で偶然話が出るフットボールアワーの岩尾望さんのほうがふさわしかった。ファンのあまちゃんへの思い入れは強い。
小湊のほうは、ナニをほおり出しでお風呂に入る。シャワーを浴びる。いずれも恒例です。
ジミー大西さんは危険人物です。失礼な発言の数々。
千葉の旅館の紙芝居はなつかしい。
仕事とは思えない芸人さんの自由な宴会騒ぎです。リラックスしました。
2019年01月06日
若おかみは小学生! 令丈ヒロ子
若おかみは小学生! 令丈ヒロ子(れいじょう・ひろこ) 講談社青い鳥文庫
昨夏の映画は観ていませんが、評判はいいようなので読むことにしました。
小学生女子が和風旅館のおかみさんをやるという設定は、なかなか発想できません。
両親が事故死(まだ、なんの事故かがわかりません。主人公も同時に事故にあっています)、旅館経営者のおばあちゃんに引き取られるという設定は涙を誘います。
そして、座敷わらしの登場です。
主人公の関織子(おっこ)は、いじわるそうな女の子、旅館の人たち、同級生などに囲まれています。
「あかね」という男子は実は女子ではなかろうか。
座敷わらしのウリ坊のセリフは文字の字体を変えてあります。幽霊がしゃべりそうな字体です。ウリ坊にはなにか秘密があります。
物語作成にあたっては、「旅館経営」の知識が必要です。
「春」と「秋」で、ふたつの旅館が対立しそう。
ウリ坊はインドの神ガネーシャみたい。また、洋画「ゴースト」のようでもあります。
読者は読んでいるとだんだん「がんばれ、おっこ」と、主人公を応援したくなります。失敗やドジは成功のもとです。
「お仕事小説」の面があります。仕事を学ぶ小説です。
イラストの絵が可愛い。
良かったセリフの趣旨として、「顔が良くても性格もいいとは限らない」、「(旅館の)朝のミーティング」、「(旅館は客にとって)一時的な滞在地」
(つづく)
失敗する主人公おっこ(11歳)関織子を見ているとかわいそうになります。おっこは、旅館経営者の祖母の役に立とうと一所懸命です。
小学校の登校拒否児として、あかね(男子)がいます。
温泉地での料理コンテストが開催されます。
調べた言葉として、「ピューレ:野菜果物を半液体状にしたもの」
がんばれば報われるという成功物語です。でも無理はしないでね。
「若おかみ」として、世間が認めてくれます。
最後に主人公が巻き込まれた事故の概要がわかります。やはり、交通事故でした。
主人公は12歳小学6年生だと思って読んでいましたが、11歳小学6年生でした。
初版が2003年で、15年経って映画化されたのだとわかり、15年は長いなあと感慨がありました。
昨夏の映画は観ていませんが、評判はいいようなので読むことにしました。
小学生女子が和風旅館のおかみさんをやるという設定は、なかなか発想できません。
両親が事故死(まだ、なんの事故かがわかりません。主人公も同時に事故にあっています)、旅館経営者のおばあちゃんに引き取られるという設定は涙を誘います。
そして、座敷わらしの登場です。
主人公の関織子(おっこ)は、いじわるそうな女の子、旅館の人たち、同級生などに囲まれています。
「あかね」という男子は実は女子ではなかろうか。
座敷わらしのウリ坊のセリフは文字の字体を変えてあります。幽霊がしゃべりそうな字体です。ウリ坊にはなにか秘密があります。
物語作成にあたっては、「旅館経営」の知識が必要です。
「春」と「秋」で、ふたつの旅館が対立しそう。
ウリ坊はインドの神ガネーシャみたい。また、洋画「ゴースト」のようでもあります。
読者は読んでいるとだんだん「がんばれ、おっこ」と、主人公を応援したくなります。失敗やドジは成功のもとです。
「お仕事小説」の面があります。仕事を学ぶ小説です。
イラストの絵が可愛い。
良かったセリフの趣旨として、「顔が良くても性格もいいとは限らない」、「(旅館の)朝のミーティング」、「(旅館は客にとって)一時的な滞在地」
(つづく)
失敗する主人公おっこ(11歳)関織子を見ているとかわいそうになります。おっこは、旅館経営者の祖母の役に立とうと一所懸命です。
小学校の登校拒否児として、あかね(男子)がいます。
温泉地での料理コンテストが開催されます。
調べた言葉として、「ピューレ:野菜果物を半液体状にしたもの」
がんばれば報われるという成功物語です。でも無理はしないでね。
「若おかみ」として、世間が認めてくれます。
最後に主人公が巻き込まれた事故の概要がわかります。やはり、交通事故でした。
主人公は12歳小学6年生だと思って読んでいましたが、11歳小学6年生でした。
初版が2003年で、15年経って映画化されたのだとわかり、15年は長いなあと感慨がありました。
2019年01月05日
ライオン 25年目のただいま 洋画DVD
ライオン 25年目のただいま 洋画DVD 2017年公開
冒頭、インドの風景から始まります。
インドといえば、「東野・岡村の旅猿」です。三度目のインド訪問DVDを前日に観ました。ですから、すぐ、「猿サル」という言葉が頭に浮かび、この映画の主人公少年の名前が、「サルー」と出たのでびっくりしました。その次に、タイトル「ライオン」の意味は何だろうと思いながら観ていたら、映画の最後でようやくわかりました。サル―はライオンという意味なのです。
事実に基づく映画製作だそうです。4・5歳ぐらいに見えるサルー少年がインドの奥の方から誤って電車で1600km離れた地へ移動し、施設に収容され、養子としてオーストラリア、それも、タスマニアの養父母にもらわれていきます。彼は、インドの本当のお母さんに会いたい。(お父さんはいないようです)
前半の少年時代は密度が高くつらい。何もない、誰もいない空間にひとりでいます。BGMのクラシックぽい音楽がせつなさを増します。だから、宗教があり、人は祈る。後半おとなになってからは親探しの心情はわかるのですが、なんだか中途半端でゆるんで間延びがしました。
子役さんは熱演でした。カメラはサルーを追いかけます。インドには孤児が何万人といるというのは驚きます。
オーストラリアの養父母も大変です。オーストラリアはアジア圏でインドとは結びつきが強いことがわかりました。育ての親と生みの親、中国残留孤児を扱った名作「大地の子」を思い出しました。ジョン万次郎漂流記とか、北朝鮮拉致被害者とかも思い出しました。
良かったセリフとして、「世界は人であふれている」
サル―は、25年を経て最初の土地インドの故郷に戻ります。グーグルマップはすごい。インターネット・テクノロジーのおかげです。
クライマックス時のラスト付近は、登場人物の言葉数が足りないのでどうなっているのかわからずとまどいましたが、最後にナレーションが入って明瞭になりました。
困難を克服する。ラストの歌の「私は立ち上がる」がメッセージでした。
国籍とは関係なく、子どもは親に会いたい。親は子どもに会いたい。
冒頭、インドの風景から始まります。
インドといえば、「東野・岡村の旅猿」です。三度目のインド訪問DVDを前日に観ました。ですから、すぐ、「猿サル」という言葉が頭に浮かび、この映画の主人公少年の名前が、「サルー」と出たのでびっくりしました。その次に、タイトル「ライオン」の意味は何だろうと思いながら観ていたら、映画の最後でようやくわかりました。サル―はライオンという意味なのです。
事実に基づく映画製作だそうです。4・5歳ぐらいに見えるサルー少年がインドの奥の方から誤って電車で1600km離れた地へ移動し、施設に収容され、養子としてオーストラリア、それも、タスマニアの養父母にもらわれていきます。彼は、インドの本当のお母さんに会いたい。(お父さんはいないようです)
前半の少年時代は密度が高くつらい。何もない、誰もいない空間にひとりでいます。BGMのクラシックぽい音楽がせつなさを増します。だから、宗教があり、人は祈る。後半おとなになってからは親探しの心情はわかるのですが、なんだか中途半端でゆるんで間延びがしました。
子役さんは熱演でした。カメラはサルーを追いかけます。インドには孤児が何万人といるというのは驚きます。
オーストラリアの養父母も大変です。オーストラリアはアジア圏でインドとは結びつきが強いことがわかりました。育ての親と生みの親、中国残留孤児を扱った名作「大地の子」を思い出しました。ジョン万次郎漂流記とか、北朝鮮拉致被害者とかも思い出しました。
良かったセリフとして、「世界は人であふれている」
サル―は、25年を経て最初の土地インドの故郷に戻ります。グーグルマップはすごい。インターネット・テクノロジーのおかげです。
クライマックス時のラスト付近は、登場人物の言葉数が足りないのでどうなっているのかわからずとまどいましたが、最後にナレーションが入って明瞭になりました。
困難を克服する。ラストの歌の「私は立ち上がる」がメッセージでした。
国籍とは関係なく、子どもは親に会いたい。親は子どもに会いたい。
2019年01月04日
男はつらいよ(第30作-第39作)DVD
男はつらいよ(第30作-第39作)DVD
「第30作 花も嵐も寅次郎」 1982年 昭和57年12月 沢田研二 田中裕子
ジュリーと田中裕子さんはこの映画が縁で結婚したのだろうか。たまたま去年、公演を自らキャンセルして話題になった沢田研二さんも70歳になられました。この映画のときが、34歳です。
冒頭から寅さんと家族のケンカの始まりで、おいちゃんの「出ていけ-」で、とらやを出て行ってしまう寅さんです。この頃、渥美清さん54歳で体力的に少し弱くなったような雰囲気があります。今回の寅さんは、沢田さんと田中さんの恋をとりもつキューピッド役です。
公衆電話がなつかしい。先日はソフトバンクの携帯がつながらなくなって全国的に大騒ぎでした。
前回の作品第29作で、いしだあゆみさんに言い寄られた寅さんが、沢田研二さんに言い寄られて困っている田中裕子さんにアドバイスを送ります。
大分県別府鉄輪温泉(かんなわ)の風情を見ていると、全国の神社仏閣が果たしてきた役割は大きいと感じます。
「第31作 旅と女と寅次郎」 1983年 昭和58年8月 都はるみ
冒頭付近、小学6年生満男の運動会。昔は、祖父母も含めた家族総出でこどもの運動会に行って、にぎやかにお昼の弁当を食べたものです。
都はるみさん一色の映画ですが満足します。歌がうまい。いっぽうはるみさんは淋し気です。実生活でも、ふつうのおばさんに戻りたいと一時引退された記憶です。
佐渡島へ失踪旅行です。洋画「ローマの休日」です。寅さんの慰めの言葉が胸に染みます。そして、とらやの面々が優しい。
時代背景はウォークマンとか、バブル景気方向で、店舗のビル化とかです。博さんとさくらさんの住まいも2階建て線路わきのアパートから戸建に変わっています。
歌詞の中で、「汽笛がひとりぼっちで泣いている」という文節は、なかなか出てくるものではありません。どなたの作詞かは知りませんが天才です。
この頃はまだ街中で芸能人を見ることが少なかったので、とらやでのミニコンサートは画期的です。
「第32作 口笛を吹く寅次郎」 1983年 昭和58年12月
出演者の若手のみなさんがまだ若いし、これからという感じもあります。杉田かおるさんは19歳ぐらい、中井貴一さんが22歳ぐらいで、竹下景子さんが30歳ぐらいです。
映像を見ながらタイムマシンにのって過去へ行って来たような気分です。鉄道はJRではなくてまだ国鉄です。でっかいパソコンが出てきたときには感激がありました。自分もNECのPCなんとかという箱型のパソコンを買って使い始めましたが、映像はそれよりも前のもので、中学1年生ぐらいの吉岡秀隆さんがゲームをやろうとしています。
こたつの上には年賀状がたくさんのっています。今どきは、虚礼廃止と高齢化で年賀状をやめる風潮になってきました。
瀬戸内海のしまなみ海道には橋がかかって連絡船の廃止のニュースが看板に出ています。
映画のほうは、電車での別れのシーンが2か所でてきます。電車の別れはつらい。今は、車や飛行機になって、電車も高速電車がたくさんあるし、携帯電話もあるし、昔ほどせつない別れはなくなりました。
映画の内容は年を重ねるにつれ湿っぽさが出てきているのですが、とらさんの語りには相変わらず笑いが出ます。
「第33作 夜霧にむせぶ寅次郎」 1984年 昭和59年8月
昭和44年のシリーズスタートから数えると15年が経過して、最初の頃のはちゃめちゃな勢いが弱まり、だんだん哀愁がただようようになってきました。渥美さん自身も、41歳から56歳になっています。
中原理恵さんがなつかしい。佐藤B作さんがいます。渡瀬恒彦さんはかっこいいけれど一昨年亡くなりました。この映画には出ていませんが、シリーズに出てくる離婚されたけれど前妻の大原麗子さんも亡くなりました。いまから30年ぐらい前の映像です。ピンクの公衆電話、手書きの手紙、東亜国内航空の航空機、田舎だった北海道、いとんなことを、もう忘れかけています。
中学1年生に入学した満男君(吉岡秀隆)は、映画に出てくる子役さんたちとはいえ、赤ちゃんの時から見ているので、大きくなったと感慨をもちます。
「第34作 寅次郎真実一路」 1984年 昭和59年12月
古い映画を観ていると、映画を観ることは、タイムマシンに乗って過去へ行くことであり、なおかつ、登場している役者さんの未来がわかるわけで、「時間旅行」を実感します。
旧式のパソコン、フェンダーミラーの車、がむしゃらに長時間労働をするサラリーマンの働き方改革は30年を経てようやく手をつけられようとしています。なにかを変えるためには簡単な事でも30年かかる実感があります。
サラリーマンは気楽なようでつらいとか、家族がそろって食事をすることが珍しいとか、随所にサラリーマンをいたわるセリフが出てきます。証券会社のエリートサラリーマンである米倉斉加年さんはストレスでうつになってしまい、失踪してしまいます。この数年後にバブル経済が崩壊してあんたんたる平成時代がスタートします。
認知症の義父もこの先の高齢者問題のさきがけ映像です。
劇中会議シーンでのバナナの使い方が上手でした。
「第35作 寅次郎恋愛塾」 1985年 昭和60年8月
中学生になった満男くんの将来の進路を話す父親の博さんはまじめです。
子ども自身の人生ですから、こどもの思うとおりに進ませてやりたい。
印刷会社で働く樋口可南子さんがこぼします。有給休暇があってもあるというだけで取得はしにくい。30年ぐらいが経過して、労働条件はずいぶん良くなりました。昔は、何年間も一日も有給休暇をとらない人がたくさんいました。
キリスト教を耶蘇教と呼ぶ。(やそきょう)
今回の映画はコミカルです。(おどけています)
「第36作 柴又より愛をこめて」 1985年 昭和60年12月
たこ社長の娘あけみ(美保純)さんが夫婦仲がうまくいかなくて、伊豆下田へと家出します。たこ社長がモーニングショーで「帰ってきてくれ」と呼びかけます。
あけみさんのだんなはまじめだけで魅力がありません。どうして結婚したのだろう。
その先、式根島へあけみさんと寅さんが行き、壷井栄作二十四の瞳パターンが始まります。
気持ちがほぐれます。栗原小巻さんはきれいです。
映像のなかに、家庭があって、家族があります。
川谷拓三さんは、このあと10年後ぐらいに癌で亡くなります。まだ50代でした。昔の映像を観ていると出演者の役者さんの未来がわかります。
「車寅次郎」という人間の個性が浮き彫りになる映像でした。いい面とわるい面と合わせもち、哀愁と笑いと優しさがあります。
正月雰囲気も良かった。
「第37作 幸せの青い鳥」 1986年 昭和61年12月
<志穂美悦子さん、長渕剛さんの参加作品で、以前観たことがありますので、そのときの感想を書きます>
鹿児島県から出てきた画家志望の長渕剛さんは、選考会が落選続きで自信喪失している。
公衆電話の赤電話は今はもうない。携帯電話やスマホの時代です。
劇中のセリフにある「汽車」もありません。車移動の時代です。
寅屋でのおおぜいが、ちゃぶ台を囲んだ夕食風景は、気持が温まります。今は、各自バラバラで夕食を食べる個食の時代になりました。
そんな暗い雰囲気はラストで盛り上がります。お見事でした。
志穂美さんの九州弁がよかった。「九州とんこつラーメン」ということで、地方にある「特産品」って大事です。日本のどこにいっても通用する「特産品」の存在が生活を支えてくれることもあると納得しました。
「第38作 知床旅情」 1987年 昭和62年8月
前回のロケ地は九州でしたが、今回はグーンと飛んで北海道です。
三船敏郎さん10年後1997年に77歳で亡くなります。渥美清さんも9年後1996年に68歳で亡くなります。最初のほうのシーンで、病のせいか、やせられたように見えます。この映画では、最初の夢のシーンがありませんでした。
父子家庭の娘さん竹下景子さんが父親三船さんの反対を押し切って結婚して東京へ行くのですが離婚して帰郷します。三船さんが怒ります。
仮面夫婦みたいな寅さんによる「愛が冷めたのよ」解説、ほかに、社会問題として、中小企業の跡取り問題、高齢者の核家族もあるような雰囲気、大自然に対する愛情とふるさとへの愛着、映像のなかに当時の日本人の生活や思い出が広がっていました。
「第39作 寅次郎物語」 1987年 昭和62年12月
母を訪ねて三千里パターンです。
寅次郎と秀吉くんが失踪した秀吉君の母親を探す旅に出ます。
和歌山は行ったことがありませんが、奈良吉野、三重県志摩は行ったことがあるので、ロケ地の場所に立ったことがあり、親近感をもちました。
人間ってなんのために生きているのかなあというこどもの質問に寅さんが、「たまに生きていて良かったと思うことがあるから生きているんじゃないかな」というような趣旨で話があります(若干表現は違うのですが自分はそう受けとりました)
「第30作 花も嵐も寅次郎」 1982年 昭和57年12月 沢田研二 田中裕子
ジュリーと田中裕子さんはこの映画が縁で結婚したのだろうか。たまたま去年、公演を自らキャンセルして話題になった沢田研二さんも70歳になられました。この映画のときが、34歳です。
冒頭から寅さんと家族のケンカの始まりで、おいちゃんの「出ていけ-」で、とらやを出て行ってしまう寅さんです。この頃、渥美清さん54歳で体力的に少し弱くなったような雰囲気があります。今回の寅さんは、沢田さんと田中さんの恋をとりもつキューピッド役です。
公衆電話がなつかしい。先日はソフトバンクの携帯がつながらなくなって全国的に大騒ぎでした。
前回の作品第29作で、いしだあゆみさんに言い寄られた寅さんが、沢田研二さんに言い寄られて困っている田中裕子さんにアドバイスを送ります。
大分県別府鉄輪温泉(かんなわ)の風情を見ていると、全国の神社仏閣が果たしてきた役割は大きいと感じます。
「第31作 旅と女と寅次郎」 1983年 昭和58年8月 都はるみ
冒頭付近、小学6年生満男の運動会。昔は、祖父母も含めた家族総出でこどもの運動会に行って、にぎやかにお昼の弁当を食べたものです。
都はるみさん一色の映画ですが満足します。歌がうまい。いっぽうはるみさんは淋し気です。実生活でも、ふつうのおばさんに戻りたいと一時引退された記憶です。
佐渡島へ失踪旅行です。洋画「ローマの休日」です。寅さんの慰めの言葉が胸に染みます。そして、とらやの面々が優しい。
時代背景はウォークマンとか、バブル景気方向で、店舗のビル化とかです。博さんとさくらさんの住まいも2階建て線路わきのアパートから戸建に変わっています。
歌詞の中で、「汽笛がひとりぼっちで泣いている」という文節は、なかなか出てくるものではありません。どなたの作詞かは知りませんが天才です。
この頃はまだ街中で芸能人を見ることが少なかったので、とらやでのミニコンサートは画期的です。
「第32作 口笛を吹く寅次郎」 1983年 昭和58年12月
出演者の若手のみなさんがまだ若いし、これからという感じもあります。杉田かおるさんは19歳ぐらい、中井貴一さんが22歳ぐらいで、竹下景子さんが30歳ぐらいです。
映像を見ながらタイムマシンにのって過去へ行って来たような気分です。鉄道はJRではなくてまだ国鉄です。でっかいパソコンが出てきたときには感激がありました。自分もNECのPCなんとかという箱型のパソコンを買って使い始めましたが、映像はそれよりも前のもので、中学1年生ぐらいの吉岡秀隆さんがゲームをやろうとしています。
こたつの上には年賀状がたくさんのっています。今どきは、虚礼廃止と高齢化で年賀状をやめる風潮になってきました。
瀬戸内海のしまなみ海道には橋がかかって連絡船の廃止のニュースが看板に出ています。
映画のほうは、電車での別れのシーンが2か所でてきます。電車の別れはつらい。今は、車や飛行機になって、電車も高速電車がたくさんあるし、携帯電話もあるし、昔ほどせつない別れはなくなりました。
映画の内容は年を重ねるにつれ湿っぽさが出てきているのですが、とらさんの語りには相変わらず笑いが出ます。
「第33作 夜霧にむせぶ寅次郎」 1984年 昭和59年8月
昭和44年のシリーズスタートから数えると15年が経過して、最初の頃のはちゃめちゃな勢いが弱まり、だんだん哀愁がただようようになってきました。渥美さん自身も、41歳から56歳になっています。
中原理恵さんがなつかしい。佐藤B作さんがいます。渡瀬恒彦さんはかっこいいけれど一昨年亡くなりました。この映画には出ていませんが、シリーズに出てくる離婚されたけれど前妻の大原麗子さんも亡くなりました。いまから30年ぐらい前の映像です。ピンクの公衆電話、手書きの手紙、東亜国内航空の航空機、田舎だった北海道、いとんなことを、もう忘れかけています。
中学1年生に入学した満男君(吉岡秀隆)は、映画に出てくる子役さんたちとはいえ、赤ちゃんの時から見ているので、大きくなったと感慨をもちます。
「第34作 寅次郎真実一路」 1984年 昭和59年12月
古い映画を観ていると、映画を観ることは、タイムマシンに乗って過去へ行くことであり、なおかつ、登場している役者さんの未来がわかるわけで、「時間旅行」を実感します。
旧式のパソコン、フェンダーミラーの車、がむしゃらに長時間労働をするサラリーマンの働き方改革は30年を経てようやく手をつけられようとしています。なにかを変えるためには簡単な事でも30年かかる実感があります。
サラリーマンは気楽なようでつらいとか、家族がそろって食事をすることが珍しいとか、随所にサラリーマンをいたわるセリフが出てきます。証券会社のエリートサラリーマンである米倉斉加年さんはストレスでうつになってしまい、失踪してしまいます。この数年後にバブル経済が崩壊してあんたんたる平成時代がスタートします。
認知症の義父もこの先の高齢者問題のさきがけ映像です。
劇中会議シーンでのバナナの使い方が上手でした。
「第35作 寅次郎恋愛塾」 1985年 昭和60年8月
中学生になった満男くんの将来の進路を話す父親の博さんはまじめです。
子ども自身の人生ですから、こどもの思うとおりに進ませてやりたい。
印刷会社で働く樋口可南子さんがこぼします。有給休暇があってもあるというだけで取得はしにくい。30年ぐらいが経過して、労働条件はずいぶん良くなりました。昔は、何年間も一日も有給休暇をとらない人がたくさんいました。
キリスト教を耶蘇教と呼ぶ。(やそきょう)
今回の映画はコミカルです。(おどけています)
「第36作 柴又より愛をこめて」 1985年 昭和60年12月
たこ社長の娘あけみ(美保純)さんが夫婦仲がうまくいかなくて、伊豆下田へと家出します。たこ社長がモーニングショーで「帰ってきてくれ」と呼びかけます。
あけみさんのだんなはまじめだけで魅力がありません。どうして結婚したのだろう。
その先、式根島へあけみさんと寅さんが行き、壷井栄作二十四の瞳パターンが始まります。
気持ちがほぐれます。栗原小巻さんはきれいです。
映像のなかに、家庭があって、家族があります。
川谷拓三さんは、このあと10年後ぐらいに癌で亡くなります。まだ50代でした。昔の映像を観ていると出演者の役者さんの未来がわかります。
「車寅次郎」という人間の個性が浮き彫りになる映像でした。いい面とわるい面と合わせもち、哀愁と笑いと優しさがあります。
正月雰囲気も良かった。
「第37作 幸せの青い鳥」 1986年 昭和61年12月
<志穂美悦子さん、長渕剛さんの参加作品で、以前観たことがありますので、そのときの感想を書きます>
鹿児島県から出てきた画家志望の長渕剛さんは、選考会が落選続きで自信喪失している。
公衆電話の赤電話は今はもうない。携帯電話やスマホの時代です。
劇中のセリフにある「汽車」もありません。車移動の時代です。
寅屋でのおおぜいが、ちゃぶ台を囲んだ夕食風景は、気持が温まります。今は、各自バラバラで夕食を食べる個食の時代になりました。
そんな暗い雰囲気はラストで盛り上がります。お見事でした。
志穂美さんの九州弁がよかった。「九州とんこつラーメン」ということで、地方にある「特産品」って大事です。日本のどこにいっても通用する「特産品」の存在が生活を支えてくれることもあると納得しました。
「第38作 知床旅情」 1987年 昭和62年8月
前回のロケ地は九州でしたが、今回はグーンと飛んで北海道です。
三船敏郎さん10年後1997年に77歳で亡くなります。渥美清さんも9年後1996年に68歳で亡くなります。最初のほうのシーンで、病のせいか、やせられたように見えます。この映画では、最初の夢のシーンがありませんでした。
父子家庭の娘さん竹下景子さんが父親三船さんの反対を押し切って結婚して東京へ行くのですが離婚して帰郷します。三船さんが怒ります。
仮面夫婦みたいな寅さんによる「愛が冷めたのよ」解説、ほかに、社会問題として、中小企業の跡取り問題、高齢者の核家族もあるような雰囲気、大自然に対する愛情とふるさとへの愛着、映像のなかに当時の日本人の生活や思い出が広がっていました。
「第39作 寅次郎物語」 1987年 昭和62年12月
母を訪ねて三千里パターンです。
寅次郎と秀吉くんが失踪した秀吉君の母親を探す旅に出ます。
和歌山は行ったことがありませんが、奈良吉野、三重県志摩は行ったことがあるので、ロケ地の場所に立ったことがあり、親近感をもちました。
人間ってなんのために生きているのかなあというこどもの質問に寅さんが、「たまに生きていて良かったと思うことがあるから生きているんじゃないかな」というような趣旨で話があります(若干表現は違うのですが自分はそう受けとりました)
2019年01月03日
世にも奇妙な物語 2008年秋の特別編
世にも奇妙な物語 2008年秋の特別編 DVD
「ボディレンタル」 内田有紀
高齢者女性が、自殺志願者である若い女性の体をレンタルするお話です。
全体が、内田有紀さんの魅力で成立しているドラマです。
破壊ではない善意の作、雰囲気は、「暗」から「明」へ。
「どつきどつかれて生きるのさ」 横山裕
漫才コンビのようなものを結成して、婚姻届のようなものとして、「結成届」を役所に出します。
ぼけとツッコミのコンビですが、なかなか相手が決まりません。
男女の結婚式というベースがあって、それをボケ・ツッコミで上書きして、さらに洋画「卒業」を押し込む。ちょっとわたしは、ついていけませんでした。
「死後婚」 深田恭子
死んだ者同士を見合いさせます。
仲人(なこうど)は霊媒師です。
不気味-怖い-濃密です。
「あきらめなさい」の声が聞こえます。
恐ろしかった。
力が入った作品でした。
「行列のできる刑事」 平岡祐太 遠藤憲一
映像が、これまでに見たこともない絵でおもしろい。話もおもしろい。登場人物たちの口癖として、「そういうことだね」
非現実的でおもしろい。
なんだろう。観ているとせつなくなってきます。なんでだろう。
脚本ががんこにつくってあります。「脚本+(プラス)役者さんの演技力」で成立している物語です。 観ていて楽しかった。
「推理タクシー」 谷原章介 佐野史郎
タクシー運転手と乗客で殺人のトリックを解き合う。
もしかしたら、ふたりのうちのどちらかが本物の殺人者かもしれない。そこが、ハラハラドキドキです。
「ボディレンタル」 内田有紀
高齢者女性が、自殺志願者である若い女性の体をレンタルするお話です。
全体が、内田有紀さんの魅力で成立しているドラマです。
破壊ではない善意の作、雰囲気は、「暗」から「明」へ。
「どつきどつかれて生きるのさ」 横山裕
漫才コンビのようなものを結成して、婚姻届のようなものとして、「結成届」を役所に出します。
ぼけとツッコミのコンビですが、なかなか相手が決まりません。
男女の結婚式というベースがあって、それをボケ・ツッコミで上書きして、さらに洋画「卒業」を押し込む。ちょっとわたしは、ついていけませんでした。
「死後婚」 深田恭子
死んだ者同士を見合いさせます。
仲人(なこうど)は霊媒師です。
不気味-怖い-濃密です。
「あきらめなさい」の声が聞こえます。
恐ろしかった。
力が入った作品でした。
「行列のできる刑事」 平岡祐太 遠藤憲一
映像が、これまでに見たこともない絵でおもしろい。話もおもしろい。登場人物たちの口癖として、「そういうことだね」
非現実的でおもしろい。
なんだろう。観ているとせつなくなってきます。なんでだろう。
脚本ががんこにつくってあります。「脚本+(プラス)役者さんの演技力」で成立している物語です。 観ていて楽しかった。
「推理タクシー」 谷原章介 佐野史郎
タクシー運転手と乗客で殺人のトリックを解き合う。
もしかしたら、ふたりのうちのどちらかが本物の殺人者かもしれない。そこが、ハラハラドキドキです。
2019年01月02日
相棒 シーズン3
相棒 シーズン3 2004年(平成16年)10月-2005年(平成17年)3月
第1話と第2話
2本分の長さで完結かと思っていたら、「つづく」でした。
内容は深刻です。日本の政治の最上層部内で自殺にみせかけた殺人が行われました。
権力をもつ集団はグル(仲間)です。事件を握りつぶそうとします。
杉下右京が困難を乗り越えて権力の中枢にいる人間に向かって行きます。
それとはべつに亀井薫さんと美和子さんとの別れ話が並行して流れていきます。
「やましいところがある人間は(つつくと怒る(いかる))」杉下右京の言葉です。
杉下右京のまわりは、「敵」だらけです。
杉下右京が犯人を追い詰めていきます。犯人は追い詰められていきます。
特徴として、「はい⤴」という返事のしかたがあります。
第3話
前回の話の続きで、さらにもう一話あります。DVD3枚に渡ります。
おもしろい流れです。
最近トルコで事件として起きたサウジアラビア大使管内で同国のジャーナリストがサウジアラビア関係者によって殺害されたというものに似た部分があります。
杉下右京はどうやって解雇を避けられるのかに集中して観ました。力作です。
第4話と第5話
2話連続で同じ話です。
杉下右京が、懲戒免職になったらしいという話からスタートです。
女優妻がマネージャーと共謀して脚本家の夫を射殺したところから事件が勃発します。
推理小説仕立てで、途中、視聴者は、この結末を、なかなか読めません。
杉下右京の復帰に関して、竹中直人さんのセリフ「世のため、人のため」が素敵です。
舞台劇を観ているようでもあります。
第6話
陣川公平という新しいメンバーが特命係に配属されます。杉下右京のお荷物が亀山薫に加えてふたりになると気の毒になりましたが、陣川公平さんは今回限りでした。更生とか、再起とか、再生に関して、愛がありました。
張り込みです。
脚本だからできる内容でした。BGMが緊迫感を高めます。
おもしろかった。
第7話
失踪後7年が経過して失踪宣告を受けた会社社長が誘拐されます。
関係者たちが仲間だということは予想できますが、経過と社長の肉声の秘密がわかりません。
演劇のようです。
締めはどうなのかなあというのがありますが、最後はおもしろかった。
第8話
プライドの話。闇の中にいる人間の話です。
冒頭付近は何が起きているのかわかりません。
杉下右京が警備員、亀山薫が電気技師としてIT企業に潜入捜査します。
テロ防止のための公安捜査です。
シンプルです。最小限の登場人物、登場人物の個性設定とマンネリとも思えるワンパターンの会話を繰り返しながら事件に迫っていきます。
よくできた話です。男女の乱闘シーンは説得力がありました。
最後は、あまりにも時間を引き延ばしたので、顛末(てんまつ)が読めました。
杉下右京の行き詰まったときのセリフ「困りましたねぇ」がいい。
「最後通牒:さいごつうちょう。外交上の最終要求。相手が受け入れない時は軍事による実力行使となる」
第9話
小説家の話です。沢村映子という小説家がいて、作品は彼女が書いたものではありません。ゴーストライターがいます。沢村映子の夫が自殺にみせかけた殺人で命を落とします。
杉下右京がふつうは相手に言えないような相手が怒りだすような質問をばんばん沢村映子やゴーストライターにぶつけます。すごい揺さぶりの脚本です。感嘆しました。
そこまでして、直木賞が欲しいのか。
第10話
時効が成立した殺人事件の犯人が自首してきます。(まだ2004年のこの当時は時効があったようです)
深い。ひっくりかえしも見事です。視聴者VS脚本家の作品でした。
警察の階級を知らないので調べました。
巡査<巡査部長(亀山薫)<警部補<警部(杉下右京)<警視<警視正<警視長<警視監<警視総監
第11話
ストーカー被害女性の妹の話からスタートです。
別件で、連続予告殺人が発生します。
公衆電話を使用した犯人とのやりとりで、犯人の目星がついてしまうところが弱点でした。
第12話
交番警察官が殺害されます。
どこかの県で発生した事件を思わせましたが、ドラマの中身は意外な方向へと発展しました。
第13話
亀山薫が、健康ランドの入浴施設でヤクの売人を捕まえます。
別途、くちべにをつけた若い男の死体が発見されます。
私立女子高が舞台で、薔薇の花が関係してきます。
カメラの動きがうまい。
亀山さんが無意識に「暗号みたい」と発想します。それを引き受けて杉下右京がピンときます。
コンビネーションがうまい。シェークスピアの四大悲劇ハムレット、オセロー、マクベス、リア王
この映像もまた、演劇です。
第14話
ピアノ調律師がピアニストを殺害します。
ピアノに関するあれこれをからめつつ、杉下右京のピアノ演奏の腕を見せつつ、犯人を追い詰めていきます。
第15話
スタンガンでこん睡状態にさせられている間に体に爆弾を巻かれて、脅迫されて強盗の行為をするはめになるというややこしいパターンです。
爆弾を装着された人間だけを分離することができるので、物語として成立しにくい面があるのではないかと思いながら観ていました。
「北海道人はお人よしだからだまされた」というのは、東京から見て、どこの地方でも言える言葉だと感じました。2004年ですから、まだ携帯電話です。GPSの話も出始めの頃の話です。
第16話
女優の高畑淳子さんが、劇作家を殺害します。ただ、ひとひねりはあります。
万年筆の指紋のくだりは、昔、刑事コロンボで観た仕掛けと同じです。
寿司とか、項目は盛りだくさんでしたが、45分間にあれもこれもつめこんで、バランスがとれなかった感がありました。
第17話
河川敷で死体発見、死後1年が経過しています。死体が入れられていたスーツケースから第1話で登場した殺人鬼元検察官あさくらの指紋が検出されます。彼は殺人犯人ではありません。杉下右京と亀山が捜査します。
河川敷で暮らすホームレス集団が、「自由共和国」という組織をつくっていますが、解散した宗教集団のイメージがあります。行政の首長とその妻もからんでくるのですが、首長はだれのために働いているのだろうかという素朴な疑問が生じてきます。
第18話 最終話
この20年間ぐらい、テレビは、天気予報とニュースを流し見するだけでした。今は、知らないで過ぎた20年間ぐらいを追いかける作業をしています。相棒シーズン3はこれで終わりですが、先はまだはるかに遠い。
亀山さんの同棲相手の鹿手袋さんが久しぶりに登場します。
事件の内容は、「性」の同一性」を巡るもので、最初に、平成14年3月20日の日付が出てきます。それから、15年ぐらいが過ぎて、世の中では、平等と公平を目指して動き出しています。
番組の内容は、幽霊が出てくる不思議な掛け軸から、同じ顔をもつ人間の話に至ります。
第1話と第2話
2本分の長さで完結かと思っていたら、「つづく」でした。
内容は深刻です。日本の政治の最上層部内で自殺にみせかけた殺人が行われました。
権力をもつ集団はグル(仲間)です。事件を握りつぶそうとします。
杉下右京が困難を乗り越えて権力の中枢にいる人間に向かって行きます。
それとはべつに亀井薫さんと美和子さんとの別れ話が並行して流れていきます。
「やましいところがある人間は(つつくと怒る(いかる))」杉下右京の言葉です。
杉下右京のまわりは、「敵」だらけです。
杉下右京が犯人を追い詰めていきます。犯人は追い詰められていきます。
特徴として、「はい⤴」という返事のしかたがあります。
第3話
前回の話の続きで、さらにもう一話あります。DVD3枚に渡ります。
おもしろい流れです。
最近トルコで事件として起きたサウジアラビア大使管内で同国のジャーナリストがサウジアラビア関係者によって殺害されたというものに似た部分があります。
杉下右京はどうやって解雇を避けられるのかに集中して観ました。力作です。
第4話と第5話
2話連続で同じ話です。
杉下右京が、懲戒免職になったらしいという話からスタートです。
女優妻がマネージャーと共謀して脚本家の夫を射殺したところから事件が勃発します。
推理小説仕立てで、途中、視聴者は、この結末を、なかなか読めません。
杉下右京の復帰に関して、竹中直人さんのセリフ「世のため、人のため」が素敵です。
舞台劇を観ているようでもあります。
第6話
陣川公平という新しいメンバーが特命係に配属されます。杉下右京のお荷物が亀山薫に加えてふたりになると気の毒になりましたが、陣川公平さんは今回限りでした。更生とか、再起とか、再生に関して、愛がありました。
張り込みです。
脚本だからできる内容でした。BGMが緊迫感を高めます。
おもしろかった。
第7話
失踪後7年が経過して失踪宣告を受けた会社社長が誘拐されます。
関係者たちが仲間だということは予想できますが、経過と社長の肉声の秘密がわかりません。
演劇のようです。
締めはどうなのかなあというのがありますが、最後はおもしろかった。
第8話
プライドの話。闇の中にいる人間の話です。
冒頭付近は何が起きているのかわかりません。
杉下右京が警備員、亀山薫が電気技師としてIT企業に潜入捜査します。
テロ防止のための公安捜査です。
シンプルです。最小限の登場人物、登場人物の個性設定とマンネリとも思えるワンパターンの会話を繰り返しながら事件に迫っていきます。
よくできた話です。男女の乱闘シーンは説得力がありました。
最後は、あまりにも時間を引き延ばしたので、顛末(てんまつ)が読めました。
杉下右京の行き詰まったときのセリフ「困りましたねぇ」がいい。
「最後通牒:さいごつうちょう。外交上の最終要求。相手が受け入れない時は軍事による実力行使となる」
第9話
小説家の話です。沢村映子という小説家がいて、作品は彼女が書いたものではありません。ゴーストライターがいます。沢村映子の夫が自殺にみせかけた殺人で命を落とします。
杉下右京がふつうは相手に言えないような相手が怒りだすような質問をばんばん沢村映子やゴーストライターにぶつけます。すごい揺さぶりの脚本です。感嘆しました。
そこまでして、直木賞が欲しいのか。
第10話
時効が成立した殺人事件の犯人が自首してきます。(まだ2004年のこの当時は時効があったようです)
深い。ひっくりかえしも見事です。視聴者VS脚本家の作品でした。
警察の階級を知らないので調べました。
巡査<巡査部長(亀山薫)<警部補<警部(杉下右京)<警視<警視正<警視長<警視監<警視総監
第11話
ストーカー被害女性の妹の話からスタートです。
別件で、連続予告殺人が発生します。
公衆電話を使用した犯人とのやりとりで、犯人の目星がついてしまうところが弱点でした。
第12話
交番警察官が殺害されます。
どこかの県で発生した事件を思わせましたが、ドラマの中身は意外な方向へと発展しました。
第13話
亀山薫が、健康ランドの入浴施設でヤクの売人を捕まえます。
別途、くちべにをつけた若い男の死体が発見されます。
私立女子高が舞台で、薔薇の花が関係してきます。
カメラの動きがうまい。
亀山さんが無意識に「暗号みたい」と発想します。それを引き受けて杉下右京がピンときます。
コンビネーションがうまい。シェークスピアの四大悲劇ハムレット、オセロー、マクベス、リア王
この映像もまた、演劇です。
第14話
ピアノ調律師がピアニストを殺害します。
ピアノに関するあれこれをからめつつ、杉下右京のピアノ演奏の腕を見せつつ、犯人を追い詰めていきます。
第15話
スタンガンでこん睡状態にさせられている間に体に爆弾を巻かれて、脅迫されて強盗の行為をするはめになるというややこしいパターンです。
爆弾を装着された人間だけを分離することができるので、物語として成立しにくい面があるのではないかと思いながら観ていました。
「北海道人はお人よしだからだまされた」というのは、東京から見て、どこの地方でも言える言葉だと感じました。2004年ですから、まだ携帯電話です。GPSの話も出始めの頃の話です。
第16話
女優の高畑淳子さんが、劇作家を殺害します。ただ、ひとひねりはあります。
万年筆の指紋のくだりは、昔、刑事コロンボで観た仕掛けと同じです。
寿司とか、項目は盛りだくさんでしたが、45分間にあれもこれもつめこんで、バランスがとれなかった感がありました。
第17話
河川敷で死体発見、死後1年が経過しています。死体が入れられていたスーツケースから第1話で登場した殺人鬼元検察官あさくらの指紋が検出されます。彼は殺人犯人ではありません。杉下右京と亀山が捜査します。
河川敷で暮らすホームレス集団が、「自由共和国」という組織をつくっていますが、解散した宗教集団のイメージがあります。行政の首長とその妻もからんでくるのですが、首長はだれのために働いているのだろうかという素朴な疑問が生じてきます。
第18話 最終話
この20年間ぐらい、テレビは、天気予報とニュースを流し見するだけでした。今は、知らないで過ぎた20年間ぐらいを追いかける作業をしています。相棒シーズン3はこれで終わりですが、先はまだはるかに遠い。
亀山さんの同棲相手の鹿手袋さんが久しぶりに登場します。
事件の内容は、「性」の同一性」を巡るもので、最初に、平成14年3月20日の日付が出てきます。それから、15年ぐらいが過ぎて、世の中では、平等と公平を目指して動き出しています。
番組の内容は、幽霊が出てくる不思議な掛け軸から、同じ顔をもつ人間の話に至ります。