2019年01月02日

相棒 シーズン3

相棒 シーズン3 2004年(平成16年)10月-2005年(平成17年)3月

第1話と第2話
 2本分の長さで完結かと思っていたら、「つづく」でした。
 内容は深刻です。日本の政治の最上層部内で自殺にみせかけた殺人が行われました。
 権力をもつ集団はグル(仲間)です。事件を握りつぶそうとします。
 杉下右京が困難を乗り越えて権力の中枢にいる人間に向かって行きます。
 それとはべつに亀井薫さんと美和子さんとの別れ話が並行して流れていきます。
 「やましいところがある人間は(つつくと怒る(いかる))」杉下右京の言葉です。
 杉下右京のまわりは、「敵」だらけです。
 杉下右京が犯人を追い詰めていきます。犯人は追い詰められていきます。
 特徴として、「はい⤴」という返事のしかたがあります。

第3話
 前回の話の続きで、さらにもう一話あります。DVD3枚に渡ります。
 おもしろい流れです。
 最近トルコで事件として起きたサウジアラビア大使管内で同国のジャーナリストがサウジアラビア関係者によって殺害されたというものに似た部分があります。
 杉下右京はどうやって解雇を避けられるのかに集中して観ました。力作です。

第4話と第5話
 2話連続で同じ話です。
 杉下右京が、懲戒免職になったらしいという話からスタートです。
 女優妻がマネージャーと共謀して脚本家の夫を射殺したところから事件が勃発します。
 推理小説仕立てで、途中、視聴者は、この結末を、なかなか読めません。
 杉下右京の復帰に関して、竹中直人さんのセリフ「世のため、人のため」が素敵です。
 舞台劇を観ているようでもあります。

第6話
 陣川公平という新しいメンバーが特命係に配属されます。杉下右京のお荷物が亀山薫に加えてふたりになると気の毒になりましたが、陣川公平さんは今回限りでした。更生とか、再起とか、再生に関して、愛がありました。
 張り込みです。
 脚本だからできる内容でした。BGMが緊迫感を高めます。
 おもしろかった。

第7話
 失踪後7年が経過して失踪宣告を受けた会社社長が誘拐されます。
 関係者たちが仲間だということは予想できますが、経過と社長の肉声の秘密がわかりません。
 演劇のようです。
締めはどうなのかなあというのがありますが、最後はおもしろかった。

第8話
 プライドの話。闇の中にいる人間の話です。
 冒頭付近は何が起きているのかわかりません。
 杉下右京が警備員、亀山薫が電気技師としてIT企業に潜入捜査します。
 テロ防止のための公安捜査です。
 シンプルです。最小限の登場人物、登場人物の個性設定とマンネリとも思えるワンパターンの会話を繰り返しながら事件に迫っていきます。
 よくできた話です。男女の乱闘シーンは説得力がありました。
 最後は、あまりにも時間を引き延ばしたので、顛末(てんまつ)が読めました。
 杉下右京の行き詰まったときのセリフ「困りましたねぇ」がいい。
 「最後通牒:さいごつうちょう。外交上の最終要求。相手が受け入れない時は軍事による実力行使となる」

第9話
 小説家の話です。沢村映子という小説家がいて、作品は彼女が書いたものではありません。ゴーストライターがいます。沢村映子の夫が自殺にみせかけた殺人で命を落とします。
 杉下右京がふつうは相手に言えないような相手が怒りだすような質問をばんばん沢村映子やゴーストライターにぶつけます。すごい揺さぶりの脚本です。感嘆しました。
 そこまでして、直木賞が欲しいのか。

第10話
 時効が成立した殺人事件の犯人が自首してきます。(まだ2004年のこの当時は時効があったようです)
 深い。ひっくりかえしも見事です。視聴者VS脚本家の作品でした。

 警察の階級を知らないので調べました。
 巡査<巡査部長(亀山薫)<警部補<警部(杉下右京)<警視<警視正<警視長<警視監<警視総監

第11話
 ストーカー被害女性の妹の話からスタートです。
 別件で、連続予告殺人が発生します。
 公衆電話を使用した犯人とのやりとりで、犯人の目星がついてしまうところが弱点でした。

第12話
 交番警察官が殺害されます。
 どこかの県で発生した事件を思わせましたが、ドラマの中身は意外な方向へと発展しました。

第13話
 亀山薫が、健康ランドの入浴施設でヤクの売人を捕まえます。
 別途、くちべにをつけた若い男の死体が発見されます。
 私立女子高が舞台で、薔薇の花が関係してきます。
 カメラの動きがうまい。
 亀山さんが無意識に「暗号みたい」と発想します。それを引き受けて杉下右京がピンときます。
 コンビネーションがうまい。シェークスピアの四大悲劇ハムレット、オセロー、マクベス、リア王
 この映像もまた、演劇です。

第14話
 ピアノ調律師がピアニストを殺害します。
 ピアノに関するあれこれをからめつつ、杉下右京のピアノ演奏の腕を見せつつ、犯人を追い詰めていきます。

第15話
 スタンガンでこん睡状態にさせられている間に体に爆弾を巻かれて、脅迫されて強盗の行為をするはめになるというややこしいパターンです。
 爆弾を装着された人間だけを分離することができるので、物語として成立しにくい面があるのではないかと思いながら観ていました。
 「北海道人はお人よしだからだまされた」というのは、東京から見て、どこの地方でも言える言葉だと感じました。2004年ですから、まだ携帯電話です。GPSの話も出始めの頃の話です。

第16話
 女優の高畑淳子さんが、劇作家を殺害します。ただ、ひとひねりはあります。
 万年筆の指紋のくだりは、昔、刑事コロンボで観た仕掛けと同じです。
 寿司とか、項目は盛りだくさんでしたが、45分間にあれもこれもつめこんで、バランスがとれなかった感がありました。

第17話
 河川敷で死体発見、死後1年が経過しています。死体が入れられていたスーツケースから第1話で登場した殺人鬼元検察官あさくらの指紋が検出されます。彼は殺人犯人ではありません。杉下右京と亀山が捜査します。
 河川敷で暮らすホームレス集団が、「自由共和国」という組織をつくっていますが、解散した宗教集団のイメージがあります。行政の首長とその妻もからんでくるのですが、首長はだれのために働いているのだろうかという素朴な疑問が生じてきます。

第18話 最終話
 この20年間ぐらい、テレビは、天気予報とニュースを流し見するだけでした。今は、知らないで過ぎた20年間ぐらいを追いかける作業をしています。相棒シーズン3はこれで終わりですが、先はまだはるかに遠い。
 亀山さんの同棲相手の鹿手袋さんが久しぶりに登場します。
 事件の内容は、「性」の同一性」を巡るもので、最初に、平成14年3月20日の日付が出てきます。それから、15年ぐらいが過ぎて、世の中では、平等と公平を目指して動き出しています。
 番組の内容は、幽霊が出てくる不思議な掛け軸から、同じ顔をもつ人間の話に至ります。

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