2018年12月19日

ワンダー 君は太陽 洋画DVD

ワンダー 君は太陽 洋画DVD 2018年公開

 以前、本を読んで感想文を書いたことがあります。
 オーガスト・プルマン・オギーは、両親の遺伝子の掛け合わせが原因で、生まれながらに顔がぐちゃぐちゃだったらしく、その後、整形手術を繰り返して、フランケンシュタインみたいな顔になっています。だけど、中身は、普通の人間で、なおかつ、頭はいい。
 「差別」を考える映画です。
 彼は、小学5年生の年齢になって、初めて、小学校に登校します。両親も姉も彼のことが不安です。そして、当然のように、見た目で、いじめられます。
 いじめを克服していって、ひとりの人間として自信をもって立つまでの経過です。

 (ぼくは、見た目は変だけど、ばかじゃない)

 お母さんもお父さんも一所懸命です。最後は、「神さま、守って」までいきます。
 助けてくれた友人として、ジャックも良かったけれど、黒人の女の子サマーが良かった。
 弟優先で、置いてきぼりにされて淋しい姉の苦しい心情表現も良かった。
 ときおり、カットが入るワンちゃんのデイジーも良かった。

 まっすぐ生きることを学ぶ映画です。友情と愛情があります。


(2016年6月13日記事)
WONDER ワンダー R・Jパラシオ作 中井はるの訳 ほるぷ出版 2016課題図書

 「ワンダー」という英語には、驚きとか、発見した瞬間の感激という意味を思い浮かべます。3ページに「ワンダー」の意味が書いてあります。驚異、驚嘆、驚き、不思議、奇観、奇跡とあります。

 翻訳本です。このアメリカ人作家による初めての出版本とあります。

 冒頭付近を読みながら、思ったことです。むかし、「1リットルの涙」木藤亜矢著を読みました。このワンダーと似たようなお話ですが、1リットルのほうは実話で、著者は若くして病気で亡くなっています。彼女の筆記で、記憶に残っている部分があります。たしか、修学旅行に行って、周囲の人たちから気持ちの悪いものを見るような目で見られたとありました。そのときもしかしたら車いすにのっていたかもしれません。また、別のページには、「頭が悪くてもいいから、健康な体がほしい」と書いてありました。今読み始めたこの本ワンダーでは、主人公オーガスト10歳(愛称オギー)がさきほどの木藤亜矢さんと重なります。生まれつき病気で、これまでに27回手術をした。顔は、まるで火事にあったあとのようだとありますので、火傷(やけど)の跡のように、手術の跡が残っているのでしょう。でも、頭脳は正常です。周囲の差別的な目を気にしない精神力をもたねばなりません。そして、誤解を解いて、自分にとって快適な空間をつくらねばなりません。

わからなかった単語です。「クロックス:アメリカ発祥のカラフルなサンダル。穴がいっぱい開いている」、「ベーグル:ドーナツみたいな形をしたパン。東欧系ユダヤ人の食べ物」、「モットー:書中では格言とありますが、辞書では、行動目標、指針とあります。」、「ハロウィーン:10月31日ヨーロッパの祭り。もともとは秋の収穫祭。仮装パーティ風なので、オーガストは全員仮面だと安心して喜ぶのですが、それまで親友だと思っていた友達のオーガストのみにくい顔に対する本音を聞いてしまい学校へ行きたくなくなります。病人に同情はしてはいけないといいますが、悪意があるわけではありません。」、「イパネマの娘:ブラジル・ボサノバの歌曲。ブラジルリオデジャネイロにあるイパネマ海岸」、「フォー・スクエア:4人でやるボール遊び」、「バイレイシャル:登場人物女子サマーのようなふたつの人種の親から生まれたこども。彼女の父は軍人だったが死亡した。」、「インクルーシブ教育:障害があってもなくても地域の小学校で学ぶ(オーガストは障害者とは思いません。病気手術後の傷が残っているだけです。)」、「クレオール音楽:黒人と混血のヨーロッパ以外で産まれたヨーロッパ人の音楽。ジャズの初期。ちょっと違うかもしれません。」

印象に残った文節です。「ひとつだけ願いがかなうなら、めだたないありきたりの顔になりたい」、「(主人公オーガストの)外見はきみがどう想像してもそれよりひどい」、
「神さまから生まれた者はみな、世に打ち勝つ」、「屠殺場に引かれていく子羊(とさつじょうは家畜がお肉にされるところ。この部分は、オーガストが学校へ行って、その醜い(みにくい)手術後の顔をさらして、さらしものになること。フランケンシュタインみたいな傷口だらけの顔なのでしょう)。62ページに説明があります。不幸がふりかかることも知らずに、従順にある場所へ行く人のたとえとあります。」、「(オーガストは)読書が好きで、美術が得意。理科が特に好き」、「この学校は病院みたいなにおいがする」、オーガストが冷やかされます。「整形手術は受けないのか」これに対して「整形手術後なんだよ」、これに対して「医者を訴えろよ」。笑いました。「テントウムシに願い事をすると願いがかなう」、「この世界は巨大なくじ引き(奇形で生まれる確率として)」

 障害者の本で、「跳びはねる思考」東田直樹著(1992年生まれ)があります。自閉症でぴょんぴょん跳びはねることが病気なのですが、内面的には、正常な意識をもっておられます。本を読むと驚かされます。   

2018年12月18日

世にも奇妙な物語 20周年スペシャル

世にも奇妙な物語 20周年スペシャル 2010年 人気作家競演編 DVD

「厭な扉(いやなとびら)」 京極夏彦 江口洋介 笹野高史
 ホームレスになった江口洋介さんが、「ひと晩泊るだけで、幸福になれるホテル」に行きます。
 幸福はだれかの犠牲のうえに成立していると考えながら観ていました。違っていました。オチは予想どおりでしたが、犠牲者は違っていました。

「はじめの一歩」 万城目学(まきめ・まなぶ)
 「まず、初めに」という口癖の男子がいます。彼には5年間付き合っていてもプロポーズできない彼女がいます。彼には、「まず、初めに…」から、始まって、煮え切らない態度があります。
 ラストシーンは良かった。

「栞の恋」朱川湊人(しゅかわ・みなと) 堀北真希 岸部一徳
 わたしは、この作品がこのDVDのなかでは、一番の好みです。
 古本の中に栞を入れて、手紙のやりとりのようにする。
 どうしてそうなのかの理屈は別にして、良かった。

「殺意取扱説明書」 東野圭吾
 観始めに、男性主人公を見ながら、仕事があって、給料があって、何が文句があるのだろうかと。
 プライドが許さないそうです。だからライバルを殺すそうです。ライバルとは以前には、親友関係があったそうです。
 「転」から「乱」へ。
 二番目の「はじめの一歩」を観た後だったので、結末が読めました。

「幡祭(ばんさい)」 宮部みゆき 香川照之 広末涼子
 ちょっとよくわかりませんでした。
 ピアノの調べが上手できれい。
 ふたり芝居が続きます。広末さんは、女子高生連続殺人魔に殺害された妹さんの生まれ変わりだろうかと考えましたが違いました。  

2018年12月17日

いかれころ 三国美千子

いかれころ 三国美千子 原稿用紙180枚 第50回新潮新人賞 201811新潮

 読み始めて1時間経ったところで、感想を書き始めます。
 一族の物語のようで、登場人物が多いので、メモをしながらゆっくり読んでいます。
 「いかれころ」は、「いかれる頃(心が壊れた頃)」なのか「怒れる頃」なのかはまだわかりません。(あとで違っていることがわかりました。踏んだり蹴ったりです)
 ひいおばあさんがいて、その息子夫婦がいて、そのまた子どもたちがいて、そのまた子どもが、ひ孫ですが、主人公はひ孫の杉崎奈々子さん、まだ5歳ぐらいです。(あとで、4歳と書いてあるのを見つけました)
 方言はわかりにくい。舞台は南河内市となっています。(そういう市はないようです)
 「私生児」とか、「中退」とか、「セイシン」とか、「アカ」とか、「カイホー」とか、「養子」とか、「恋愛結婚」とか、「地主と小作」、「本家と分家」とか、差別を扱った小説だろうか。

(つづく)

 母を「母」と書かず、「久美子」と書くのは、1個の独立した人格を強調していると判断します。

 主人公4歳杉崎奈々子の一人称で物語は進行していきます。
 関西の古くからある一族の四世代家庭、ことに女子の世界のからみあいが、風情豊かに文章表現してあります。昭和40年代から50年代にはやった関西を舞台にした数本のドラマの雰囲気がただよいます。

 きれいな文章が続きます。ストーリー展開の動きはゆるい。

 主人公4歳女児の杉崎奈々子は、「セイシン」の叔母(母の妹)杉崎志保子が好きです。そのことを奈々子の母親である久美子はよく思っていません。

 定番の『いじめ』のお話し。女子のいじめっこは、4歳で完成しています。

 杉崎家のプライド。人には上下がある。

 『矛盾』に悩みます。

 まとまろうとしても、人の世は、くずれていきます。人間生活のありようとかせつなさ、どうしようもなさを描いた作品です。

 調べた言葉などとして、「あかんたれ:だめな人」、「うそぶく:とぼける。知っていて知らぬふり」、「人心地つく:ほっとした気持ちになる」、「チョカ者:?」、「釣書:お見合いの時の自己紹介文書」、「ジョーゼット:柔らかい生地」、「閂:かんぬき」、「ぱいてん:子どもの安心毛布。おっぱい代わり」、「手水鉢:ちょうずばち。神社やお寺でお参りの前に手を洗うところ」、「背つぎ:踏み台」、「メトードローズ:ピアノの教則本」、「かんばしった:声が高く、鋭く響く」、「折檻:せっかん。こらしめ」、「毛氈:もうせん。カーペットの一種」、「誂える:あつらえる」、「しわい顔:なかなかものを噛み切れない感じ」、「すえた臭い:腐って酸っぱいような臭い」、「箪笥:たんす」、「樟脳:しょうのう。虫よけ」、「衣桁:いこう。着物をかけて置く家具」、「疚しい:やましい」、「畝:うね」、「齧る:かじる」、「尺度:しゃくど。ものさし」、「ゴーフル:薄く焼いたせんべい状の洋菓子」、「鬱屈:うっくつ。心がふさぐ」、「ずいき:里芋の葉」、「9月のかかり:9月の初め」、「鬱憤:うっぷん。外に出さない怒り、ねたみ」、「万年青:おもと。常緑多年草」、「前栽:せんざい。草木を植えた庭」、「ギンガム:綿織物。チェック柄が多い」、「ぴーえるの花火:毎年8月1日富田林市PL教団の花火大会」、「幸先:さいさき。良いことが起る前兆」、「モカシンの足:靴。一枚革、スリッポン形式」、「ここであんしとき:小さなこどもにお参りの手を合わせるように促す」、「とこのい:?」、「カンカン帽:麦わら帽子」、「踵をかえす:きびすをかえす。あと戻りする」

 気に入った表現として、「(寝っ転がって仰向けになって)かがみのそら(鏡の空)」  

Posted by 熊太郎 at 06:04Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2018年12月16日

ルームロンダリング 邦画DVD

ルームロンダリング 邦画DVD 2018年公開

 池田イライザ、オダギリジョー
 賃貸住宅の事故物件(自殺・他殺)にしばらく住んで、クリーンな状態にして、貸し出す。それをルームロンダリングというそうです。実際そういう仕事があるかは知りませんが。
 幽霊が見えるのです。洋画「シックスセンス」とか「ゴースト」の世界です。
 沈んだ雰囲気が続いていきます。
 「怖いと思うから怖い、怖いと思わなければ、喜劇にさえなる」  

2018年12月15日

東野・岡村の旅猿 築地で海外ドラマ観まくりの旅DVD

東野・岡村の旅猿 築地で海外ドラマ観まくりの旅DVD

 「ウォーキングデッド」という海外ドラマを19話観ることが目的で始まりますが、結局16話までで制限時間が来てしまいます。
 東京都内築地ですから、「旅」というよりも「移動」です。
 木造和風旅館の和室は狭くて暗い。
 寿司屋のお寿司はおいしそう。
 先輩・後輩の上下関係があるようでないような。
 TKOの木下隆行さんとオードリーの春日俊彰さんが参加です。春日さんの素行が普通できちんとしていたことが意外でした。
 観ていて青春時代を思い出しました。友人たちとのお金がない貧乏旅行でした。仲間意識がありました。
 ばか騒ぎも、観ていると、人はみな、「生きている」という感覚が伝わってきます。
 岡村さんの言葉が頭に残りました。「人の嫌なところがいっぱい見えてくるのが旅」それをひっくるめて許してつきあうのが、「仲間」でしょう。  

2018年12月14日

しくじり先生俺みたいになるな DVD

しくじり先生俺みたいになるな DVDNo.1 2014年-2017年(平成26年-平成29年)

「オリエンタルラジオ 中田敦彦 藤森慎吾」
 デビューしてすぐに売れて「天狗」になって、没落しました。そこからまたはいあがりました。
 天狗の頃は傍若無人です。(ぼうじゃくぶじん。自分勝手)
 山を切り開く、手相を整形する。いずれも放映されなかったことは、キツイ。売れない時の体験はすごすぎます。
 学校の教室形式の雰囲気がにぎやかで好感をもちます。

「ダレノガレ明美」
 男女関係、浮気のことでした。

「獣神サンダー・ライガー」
 ウザイので、周囲に嫌われているというお話でした。
 ひとりでもいいじゃないか。

「パンクブーブー」
 コンテストで1番になっても売れない。2番手にならなければ売れないという発表でした。
 この番組は、最初に数値から入るのでわかりやすい。
 1番になってもコンビの雰囲気に「華(はな)がない」、そして、「個性」がない。